甘く蕩けるようなキスをして…

先日、いつもお世話になってるピコ様から突然素敵企画に誘惑されまして、もう企画参加は無理無理とか言っときながら、頭の中に浮かんでしまったので、つい…つい書いてしまいましたぁぁぁぁ!!
ブランク明けのリハビリ中の駄文ですが、お楽しみいただけたら嬉しいです。

ピコ様の素敵企画は、『Please kiss me ~◯◯なキスを私にして~』です。

企画の詳細は、ピコ様のブログでご確認ください。


*****


甘く蕩けるようなキスをして…


すっかり夜も更け、間も無く終電も亡くなるであろう時間帯に、超高級高層マンションの最上階のリビングでは、何故こうなったのか壮絶な色気を伴った男が天然記念物的乙女な少女をソファに押し倒し追い詰めていた。

「実施で教えて…あげるよ?」

蓮の極甘の低音ボイスがキョーコの耳元に直接囁きかける。

「いいいいいえ!あの!!けけけけけけけけっこうです!!」

顔を真っ赤にしたり真っ青にしたりと忙しなく顔色を変えるキョーコが首を竦めソファに押し付けられた体をさらに縮こませて必死の抵抗を試みていた。

「遠慮しないで?」

蓮はキョーコの体をすっぽり覆い隠すように被さりキョーコの頭の横に肘をついて、自らの体を駆使して檻を作り、優しくゆっくりとキョーコの柔らかい滑らかな頬を撫でていた。

「いえっ!あのっ!!本当に…だだだだ大丈夫ですっからっ!!」

キョーコの顔はこれ以上真っ赤になるのは難しいほど真っ赤っかになっていた。
妖しく動いていた蓮の手がするりと滑り、キョーコの顎をクイッと自然に捉えて自分の方に顔を向けさせる。

今にも吐息がかかりそうな距離の蓮の唇。甘く響く声がイタズラにキョーコの身体の熱を高めていく。

「大丈夫。俺に任せて。ちゃんとしっかり最上さんの知りたいように教えてあげるから。」

「いえっ!あの!!ほほほほ本当に!本当に結構ですからぁ!」

ーーードッドッドッドッドッ

キョーコの心臓が近過ぎる蓮の距離に激しい音を響かせる。

「そうだな。蕩けそうなのと、情熱的なのはどっちからがいい?」

「や…そのっ…どどどどどっちからとか、そんな話ではなななな…」

「ん?どっちかな?」

蓮がキュラリキュラリキュラリストと最上級で微笑む。

「ご、ごごごごめんなさぁぁぁぁい!!」

キョーコは限界ギリギリまで追い詰められて滂沱の涙を流していた。




そもそもどうしてこういう状態になったのか…それは数時間前に遡る。

キョーコが楽屋で出番を待っていると、隣の楽屋から聞こえてきたのだ。

「情熱的なキスも蕩けるようなキスも同じでしょ?」

「何言ってるのよ!似てるけど全然違うわよ!蕩けるキスはもううっとりって感じでしょう?!んで情熱的なのは、もっとこう…あぁぁ!説明が難しいわっ!とにかく違うのよ!」

「えぇー?一緒でしょ?!」

「違うわよ!似てるけど、違うのぉー!!」

お隣さんが何故そんな会話で盛り上がっているのか、キョーコには皆目見当が付かなかったが、とにかくそんな会話を薄い壁一枚挟んだ部屋で聞いてしまったのだ。

最初は馬鹿馬鹿しいと思っていたキョーコだったが、ふと、蓮とのキスを想像してしまった。

ーーー蕩けそうなキス…か…どんな感じなんだろう?

ーーー情熱的なキスと蕩けるキスは違うのかなぁ…?

ぽうっと恋する乙女顏で考え込み、ずっとそのことばかり考えしまう始末。
そして撮影が終わり、ラブミー部室で依頼をしながら、またぽうっと考えてしまっていた時に、その恋する乙女顔を、突然現れた蓮にバッチリ目撃されてしまったのだ。

「最上さん、どうかしたの?」

蓮は驚いた顔をしてキョーコを覗き込んだ。
最初はキョーコのメルヘン思考を刺激するものでもあったのだろうかと、問いかけたのだが、キョーコは今まで想像していた蓮本人の姿が視界に入るや否や、「ひぃっ!」と叫んで物凄い顔をして壁までへばりついてしまったのである。

「…何かな?その反応は…?」

そんなキョーコの反応に少しだけ傷付いてムッとしてしまった蓮だったが、キョーコはその怒りの反応を敏感にキャッチしてとんでも無いことを宣った。

「ごごごごめんなさぁぁぁい!!敦賀さんとのキスを想像してしまってましたぁぁぁ!!」

蓮の目が驚きで丸々と見開かれる。

「勝手にわたくしなどの妄想の肥やしに使ってしまって敦賀様を汚してしまい敦賀様ともあろう方の肖像権の侵害をしてしまいましたぁぁぁぁ!!!」

最上級の土下座をして許しを請う愛しい少女は、自らの頭を責め始めた。

「この妄想オツムっ!妄想オツムっ!!」

ポコッポコッポコッと可愛い仕草で丸まって頭を叩く。

「え?!ちょ、も、最上さん!落ち着いて!!」

慌てた蓮の制止の途中でキョーコは涙をたっぷり貯めた目でキッと蓮を見つめた。

「こんな不届き者は今すぐ迅速に退散いたしますので、ししししし失礼いたしましたぁぁー!!!!」

キョーコの行動の意味がわからず見逃してしまいそうになった蓮だったが、蓮のセンサーがいち早く、今逃がしたらダメだ!このままでは逃げられる!と反応したので、腕のリーチの分、何とか逃さず捕まえることができた。

己のマンションのカードキーをキョーコに押し付けると、今晩の約束を無理やり取り付けて蓮は呼びに来た社とともに次の現場へ向かったのだった。



そうして夜ーー。

鍵を預かってしまった手前、逃げるに逃げられなかったキョーコは、蓮の為に食事を用意しており、蓮と食事をした後、事情を洗いざらい話すことになったのだった。




そうして今に至るのであるーー

「ん?だって、昼間に会話を聞いた後からずっと気になってるんだろう?ラブミー部の仕事もおろそかにしてしまうくらい…」

涙目のキョーコがふるふると震えながら蓮を見上げる。
蓮からのしかかられた身体は身動きもままならない。
覗き込む綺麗な目に吸い込まれそうになりながら必死で謝罪を繰り返す。

「す、すみませ…」

「大丈夫。俺は怒ってるわけじゃないよ?最上さんがいいならいつでも実践する準備は出来てるから。」

「で、でも!こんな私的なことに敦賀さんともあろう方を使うだなんて…もっと別の…」

「も・が・みさん?」

「ひぃっ!!」

別の人という単語を言おうとした時に急に蓮が脅すような低い声で呼びかける。
びっくりしたキョーコが逃げようとするのを止めて、キョーコの苦手な夜の帝王が顔を見せはじめた。艶をどんどん含ませながら、蓮は甘く甘くキョーコを誘惑していく。

「大丈夫。これはここだけの秘密だ。」

低い艶やかな声がキョーコの鼓膜をくすぐる。

「ふぇ…ひみ、つ…?」

「うん。俺と君だけの秘密。」

「敦賀さんと…私、だけ…の?」

それはとてもキョーコにとって甘美な響きだった。
ごきゅり。とキョーコの喉が奇妙な音を立てる。
蓮によって遮られた視界。蓮に落とされた影がゆっくりゆっくり迫ってくる。
迫られすぎて頭の思考回路もショートしていたのかもしれない。

「そうだよ。二人だけの秘密。」

内緒話をするようにこっそりと囁かれる言葉に、キョーコの心臓がどくどくと激しく音を立てる。

ーーー今だけ…なら…

そんな甘い誘惑がキョーコを惑わせ始める。

ーーーキス…してもらえるの?敦賀さんに…。

気持ちはどんどん膨らんでキスしてほしいという期待と不安が渦を巻き始める。

「気持ちに正直になって…蕩けるキスと情熱的なキス…どっちからがいい?大丈夫。誰も俺たちを見てない。見てないよ。素直になって。」

ーーー本当に…?いいのかしら…今だけ…今だけだから…。

キョーコはごくん。と息を飲み込んで、戸惑いながらも口を開いた。
自分が恥ずかしいことを言おうとしているのを知っている。
もしかしたら馬鹿にされるかもしれない。
言った瞬間、嘘だよって突き放されるかもしれない。

それでもここまで迫られて黙ってなんていられなかった。

「じゃあ…あの…蕩ける…ようなキス…をーー」

「ん。了解。ちゃんと蕩けさせてあげる…。」

蓮は優しく優しくキョーコの頬を撫でる。

徐々に近づく顔にドキドキと鳴る心臓が期待を高める。
キョーコは蓮の手のひらの温かさに誘われるようにそっと瞳を閉じた。



そして、蓮の唇がキョーコの唇にしっとりと重なった。
味わうようにゆっくりと唇同士が触れ合う。
緊張のため固く閉ざされていたキョーコの唇も、その柔らかさに翻弄され、気付けば口の中に蓮の舌を迎え入れていた。
深く深く口の中を蓮に暴かれながら、キョーコの手が控えめに蓮の服をつかんだ。
舌も優しくゆっくりと絡め合わせて、唾液を交換し、そっとそっと丁寧にキョーコの思考をさらって蕩けさせて行く。
蓮の舌を歯で傷付けないように大きく開けられたキョーコの口の中を蓮が味わい尽くす。

「ん…ふぁ…んん…」

どのくらいの時間そうしていたのか。
二人の唇が離れる頃には、二人の息使いも少しだけ早くなっていた。

ぽうっと余韻に浸るキョーコの瞳がうっとりと蕩けている。
蓮は優しくそんなキョーコの頬を包んで微笑みかける。
額同士を突き合わせて互いに暫く余韻に浸ると、蓮がゆっくりと目を開き、こっそりとキョーコに囁きかけた。

「どう?ちゃんと蕩けることが出来た?」

キョーコは頬を赤く染めたままコックリと頷いた。

「そう…じゃあ、今度は情熱的な方だね?」

「ん…。」

「行くよ…」

ゆっくりと目を閉じて同意を示したキョーコに、蓮は再び唇を合わせた。
身体の芯から熱くなるような情熱的なキス。
先程よりも少しだけ荒々しく無我夢中というようなキスの嵐にキョーコは驚いて蓮の体を引き剥がそうと足掻いてしまった。

漸く唇が離れた頃には、キョーコは息も絶え絶えになっていた。

ハフハフッと荒い息を吐くキョーコを蓮も肩で息をしながら、強く抱きしめていた。

「ん…がさ…離して…」

「…ダメ。離さない。」

キョーコは蓮の腕の中で、ポロポロと涙を流していた。
蓮の熱い情熱的な口付けに、一瞬だけ蓮と心が深く繋がったように感じてしまったのだ。
本当は蓮も自分のことを好きなのではないかと期待する自分がいて怖くなったのだ。
そんなものは幻想だとわかっていたから。

だけど、蓮はキョーコを強く抱きしめて離してくれない。

心臓の音を蓮に聞かれたくなくて、蓮の気持ちを聞くのが怖くて、キョーコは必死に暴れる。
心の中がぐちゃぐちゃだった。

ずるをしたのは自分だ。
蓮の唇が欲しくて、蓮の優しさを利用したのだから。

だけど、手に入らない。決して手に入るはずのない人。
そんな人にこんなにも心を奪われてしまった。


思い出にできると思った。

今後もキスシーンの撮影も来ることもあるかもしれない。その時の練習になるなんて…下手な理由付けをして自分の気持ちを誤魔化していた。

だけど、そんなものじゃ足りない。

情熱的なキスを受けながら、はっきりと思ってしまったのだ。
蓮が欲しいと…蓮の心が欲しいと…浅ましい心が訴えかけてくるのだ。

ポロポロと流れる涙がキョーコの顔をぐしゃぐしゃに濡らしていく。
だけど強く抱きしめられた身体は身動きも取れなくて、腕もしっかり抱え込まれているため、その顔を隠すこともできなかった。

虚しくて、苦しくて、逃げ出したい。穴があったら入りたいと、キョーコが必死に蓮から逃れようとしていたところで、蓮から信じられない言葉を発せられた。

「好きだっ!最上さんを愛してる!」

「っ?!」

耳を疑うそのセリフに、キョーコはピタリと動きを止めた。

「ごめん。でもこれだけは信じて。蕩けるようなキスも情熱的なキスも、俺は心から愛してる人にしか出来ない。最上さんにしか出来ない。」

「…う、そ…」

「嘘じゃないよ。最上さんだから…出来たんだ。」

そっと蓮の指が涙で濡れたキョーコの頬を優しく拭う。
覗き込んできた蓮の目は真剣だった。辛そうな懺悔をするようなその目の色は、今のキョーコの目の色と同じだった。

「君が俺とのキスを考えてたって聞いてから、俺が1日どんな気持ちだったかわかる?」

キョーコはふるふるとわからないと首を振った。

「愛しいと…君が欲しいとずっと思ってた。そんな君が、俺とのキスを考えてるなんて…正直、撮影どころじゃなかったよ。」

「えぇ?!そんなっ!敦賀さんが?!」

キョーコが信じられないとばかりに目を見開く。

「うん。だから、責任とって俺と付き合ってください。」

「ふぇ?!責任?!付き合っ…えええええ?!ななななんなんですか!それはぁぁ?!」

悲鳴に近いキョーコの声を浴びながら、蓮が頬を少し赤く染めて口を尖らせた。

「だって、君のせいだろう?俺とのキスを想像してあんなに可愛い顔してるなんて反則だ…。」

「かっ可愛っ?!」

「うん…。ほら、今も…そんな可愛い顔は反則だって言ってるだろう?」

蓮の指がちょんとキョーコの額を小突く。

「〜〜〜〜っ!!」

「俺は君が好きだ。最上さんは?」

キョーコは真っ赤な顔で口をパクパクさせて答えるどころではない。
蓮はずずいとキョーコに顔を近づけた。

「まさか、俺とのキスを想像してたとか言ってたのに、そんな気ないなんて言わないよね?」

にっこりと、キュラキュラ突き刺さる似非紳士スマイルで凄まれて、キョーコは逃げ場がないことを悟った。

「わ…たし、私…も、…敦賀さんが…貴方が好き…です。」

キョーコが蓮の目を上目遣いで見て答えた。
蓮は嬉しそうに微笑むとキョーコに再び顔を寄せる。

「俺も…大好き。」

そう言って、蓮がゆっくりとまた唇を合わせた。
ちゅっちゅっちゅっと啄むようなキスをしながら、蕩ける笑みを浮かべて蓮がキョーコの目を嬉しそうに覗き込む。
キョーコの中で自然と蓮の気持ちが届いて幸福感と歓喜が湧き上がっていた。
蓮との心の通うキスはキョーコの心をどんどん暖かくしていく。

「ね?キスにも蕩けるキスや情熱的なキス以外にも色々あるんだよ。試してみる?」

蓮が少しだけ悪戯っ子の少年のように目を輝かせて問いかける。

「ん…はい。あの…よろしくお願いします。でも、あのっ!おて…お手柔らかにっ!!」

キョーコが真っ赤な顔で答えると、蓮は満足そうに微笑んだ。

「じゃあ、まずはね…」

その夜、蓮とキョーコは色んな種類のキスを二人で沢山沢山試したのだった。






今宵も蓮の寝室に密やかなキスの音が繰り返し鳴り響く。

「ん…ねぇ、敦賀さん…」

「ん?なぁに?キョーコ…」

会話を挟みながらもキスの嵐は止まらない。

「あの…ね、あの時のキスをして欲しいの…甘く蕩けるようなあの始まりのキスを…」

「ん。了解。キョーコのご所望とあれば喜んで…」

蓮はキョーコの可愛いおねだり通りに蕩けるようなキスをする。
ベッドに身を投げた二人は長く深い蕩けるキスを繰り返しながらも、甘美な夜を過ごすのだった。


END


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*****


なんだこれは!なんだこれは!なんだこれはぁぁぁ!
書いていたら想像と全く違うブツが出来上がってしまいました…!!

ギブミー文章力!!
ブランクって恐ろしい…!とまたまた痛感。

とりあえず何とか纏まった…かな?と思いながらも、本当にキョーコさんと蓮様をキスさせるためだけの話に…

うーむ。でも、ま、いいのか☆
今までの話も考えればそんな話ばっかりだし(笑)
蓮様がキョーコちゃんと幸せになってくれさえすれば風月は満足なのさぁ〜〜♪

ピコ様に唆されて素敵企画に風月も片足を突っ込んでしまいました…!
うーむ。恐るべし!ピコ様エネルギー(笑)


書いてたらギャグ路線の他の全く違う別のものが出来そうだったので、慌てて軌道修正してこんなお話になりました。
お楽しみ頂けてたら幸いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

さーて…。そろそろ次の止まってる連載…手をつけないとなぁ〜〜。

恋の季節ははまだまだ終わる気配がないので、やっぱりなくした記憶…かなぁ?
と迷い中です。
ご意見あれば参考にさせて頂きます☆
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