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アレはあの人で私じゃないの!

アレはあの人で私じゃないの!


キョーコと奏江はラブミー部の雑用でファンレターの入った段ボールをそれぞれ二箱ずつ抱えて、階段を昇っていた。

「全く…。いつまでこんなこと続けなきゃいけないのかしら…。アンタも私も、今やドラマでレギュラーまでやってるのに!」

「こればっかりは文句言っても仕方ないわよ、モー子さん。とにかくポイントのために頑張りましょう!」

そんな文句を言いながらもキッチリと与えられた仕事を熟すのは、そういう性分だからだ。

「それより、私はこの後が楽しみなんだ〜。だって今日はモー子さんとぉ〜初めてのぉ〜」

「あんた、浮かれるのはいいけど前見て歩きなさ…って!キョーコ!!!!」

「キャァァァ!!」

浮かれていたキョーコがウッカリと足を踏み外して後ろにぐらりと身体を傾けた。
奏江は咄嗟にファンレターの箱を脇に放り出して、キョーコの身体を掴むが、間にあわずキョーコと共に階段から落下する。

流石にヤバイと衝撃に備え、ギュッと目を瞑り、とにかく守らなければとキョーコの頭を抱きしめた瞬間、予想よりも早く衝撃が来た。

ーーガッッッツン。

ーーー……ッいっっったぁぁぁぁぁあアアアア!!

硬いものにおでこがぶつかって、ドサリと倒れた己の体。
人を抱えて倒れた為か、全身を強打した衝撃で暫く動くことができなかった。

「ごめんなさい!!モー子さん!!モー…え?!つ、敦賀さん!!なんで敦賀さんが!!敦賀さんも大丈夫ですか?!」

ーーーえ?嘘…敦賀さん…?一体どこに…

キョーコの叫び声に、奏江はウッと呻きながら目を開けた。
おでこの痛みが半端ないため、目を開けるのも困難だった。

「ごめんなさい!!私のせいで…大丈夫ですか?!」

「った…うっ…。」

何とか開いた目の前には涙を目にいっぱい溜めて青い顔をしているキョーコが心配そうに覗き込んでいた。
キョーコの怪我のない様子を見て、奏江はホッと胸をなで下ろす。

「良かっ、た…無事…で…。」

痛む身体に鞭を打って何とか起き上がり周りを伺うが、キョーコが呼んでいた敦賀さんらしい人の姿が見当たらない。
すると、身体の上で誰かが動く気配がしたので、驚いてそちらに目をやった。
いつの間にキョーコ以外の人が巻き込まれていたのだろうか?

「うっ…く…」

「あぁぁ!!モー子さぁぁぁん!良かったよぉぉぉぉ!!」

一瞬、キョーコは何を言ってるのかと奏江は本気で思った。
何故なら、こちらを見ずに別の方を見ながら奏江に対して呼びかけているのだ。
長い黒髪の女性がムクリと己の身体の上で起き上がり、ゆっくりとその顔を上げた。

そしてその女性と目が合った瞬間、互いに信じられないものを見たというように眼を見開いて固まった。

「「………え?」」

それは、とても奇妙な感覚だった。
鏡が目の前にあるという条件以外で、自分自身と目が合うということが現実で起こり得るのだろうか?

しかも鏡を見ているのであれば、自分と同じ動きをするはずなのに、明らかに違う動きをしているのだ。
まるで、誰かが別の意思で目の前にいる自分を操っているかのようだ。
いや、夢か幻覚かなにかだろうか?それとも何かのドッキリ?

何が何だか分からずに、奏江が混乱している間に、キョーコは泣きながら自分ではない方の奏江の身体に抱き付いていた。

「うわーーーん!!モー子さぁぁん!!無事で良かったよぉぉぉぉ!!」

自分と同じく戸惑っている様子の己の身体が、勝手に動いて抱き着いてきたキョーコの背中を戸惑いがちにポンポンと叩いていた。

まだ事態が飲み込めていないところへさらに第三者から声が掛かった。

「蓮!!大丈夫か?!」

青い顔をした人気俳優敦賀蓮の敏腕マネージャー、社だ。

社に手を取られ、助け起こされようとするが、身体が痛くて思うようにいかない。

「あ、あり、がと…ございま…」

「琴南さんも、キョーコちゃんも、大丈夫?二人とも立てる?」

先程から訳がわからない。
何故、己に呼び掛けているはずなのにその度に、頭を背けられるのだろうか?

それに、先程からキョーコも社も、敦賀さんがどこにいるというのか?

「はい!敦賀さんと、琴南さんに助けて頂いたおかげで私は何ともありません。でもお二人を巻き込む形になってしまって本当に申し訳…」

ーーーまるで、私が…私、が…?!ま、まさか!!

奏江がハッとして漸く一つの考えに行き着いた所で、奏江は社に腕を担がれ、立ち上がらされていた。

よろめきながら、壁を支えにした己の手を見る。
ゴツゴツした長い指…。

続いて立ち上がった目の前にいる己の頭とキョーコの頭の位置がいつもの視界より下にあり、見える景色も明らかにいつもと違う。

ーーーちょっと…ちょっと待って?!もしかして、これ、敦賀さんの目線?!だとしたら私が敦賀さんになってんじゃないの?!

慌てて、目の前にいる己を確認すると、キョーコに支えられて立ち上がったところだった。密着した身体、キョーコとの顔の近さに頰を染めている様子のラブミーツナギの奏江の姿を確かに見た。

ーーーってことは…アレ…中身は、あの人なんじゃ…!!

奏江を支えたまま、只管謝り続けるキョーコとそれに対する社は大丈夫だよ。蓮は頑丈だから。と何事にも気付かない様子で会話をかわしている。

漸く事態が飲み込めた奏江だったが、それを明らかにする前に社にせっつかれた。

「さぁ蓮!歩けるか?お前のことだから、病院よりも仕事って言うんだろうが、流石に病院に行くか?」

「いえ…あの…。」

慌てて自分は蓮じゃないと伝えなければと思ったが、言葉が見つからない内に、分かってるというように社から背中を叩かれた。

「あぁ、全く、流石だよなお前。こんな時でも仕事最優先なんだもんな!でも撮影の合間に念のため病院で検査受けるからな!キョーコちゃんと琴南さんも念のため病院行って診てもらって。ごめんね。あんまり構ってられなくて…じゃあ、俺たちは行くから。」

そういって、キョーコと自分の身体から引き離されそうになって、奏江は慌てて抵抗しようとした。

「…え?や、ちょ…」

「蓮、気持ちはわかるが、流石に片付けを手伝ってる暇はない。次の現場に行かないと…」

思ったよりも強引な社の腕の力に引き戻される。
鍛えているとはいえ、全身強打した身体は力が全然でなかった。

ーーーえええええ?!嘘でしょ!ど、どうすんのよこれぇぇぇ!!

奏江はドナドナよろしく、キョーコと己の身体に入っているのであろう蓮を残して、その場を去ることになってしまったのだった。

それからは怒涛の時間が過ぎた。
分刻みでスケジュールが入っているという噂は伊達ではなく、本当にこれは人一人の仕事なのかと思うほど色々な仕事が次々に舞い込んで、気が付けば22時を回っていた。

思いもよらず売れっ子の仕事を熟すことになった奏江は悪い気がしていなかった。

ーーーコレ、ある意味凄い経験なんじゃないかしら。

役者の仕事が何より大好きで、大好きで一日中お芝居をしていたいと思う奏江にとってまさに夢のような1日だった。
まだまだ天辺越えまで撮影は残っているのだが、本当にドキドキワクワクしてしまうのが抑えられない。

このまま蓮の身体を乗っ取れないかしら…とまで思ってしまう。

高揚した気持ちのまま、あの子は今頃、どうしてるかしらね?なんて何気なく考えた奏江は、一気に青ざめた。

ーーーウソ!!しまったわ!!今頃あの子…!!!!

奏江は今日のキョーコとのスケジュールを思い出して、居てもたってもいられなくなった。
慌てて蓮の携帯を取り出し、人の携帯を勝手にみたらいけないとかそんなことを言ってる場合ではない!と慌てて着信履歴を探す。

ーーーあった!!

すぐに見つけた『最上さん』の文字を迷わずクリックして電話をかける。

ーーー出て!出るのよ!!出なさい!!キョーコ!!

電話を掛けながら、奏江の脳裏には嬉しそうな今朝のキョーコの言葉が蘇る。

『うふふ。今日は大将がモー子さんのために腕をふるってくれるって!女将さんの許可も降りたし、泊まっていいからね。あー楽しみ〜。モー子さんと一緒にお風呂に入って、一緒の布団で眠れる日が来るなんてぇ〜!!』

友人との裸の付き合いに憧れがあったのだと話していたキョーコの嬉しそうな笑顔。

ーーー…もう、一緒に入ったとか言わないわよね!!ちょっとぉ私の身体を勝手につかってそんなことしたら流石に許さないわよ!敦賀蓮!!

そうして、長いコール音の後、漸く電話が繋がった。
ホッとして奏江は蓮の声で口を開く。

「良かった!!キョーコッ!!実は…」

その瞬間、相手が一言も発しないまま何故か突然プツリと一方的に切られてしまった電話。

「は?!ちょ、何!!」

慌てて掛け直すも、その後は電源が入っていないため掛かりませんというアナウンスしかならなかった。

ーーーなんなのよ!!どうなってるってのよぉぉぉ!!教えなさいよ!!キョーコぉぉぉ!!

キョーコと己の身体をつかった蓮がどんな状況になっているのか考えるのも恐ろしくて、奏江はその後ずっと悶々としてしまうのだった。


END

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*****

A→蓮様視点で奏江の完璧演技でキョーコちゃんとのイチャイチャライフ完全満喫「うふふー!モー子さんつーかまーえた!」

B→蓮様視点で奏江になってキョーコちゃんの恋愛相談。「もしかして、お…つ、敦賀さんが、好き、なの…?」「お、お、お、お風呂は…流石に…」

C→キョーコちゃん視点で奏江LOVE全開で蓮様と気付かず積極的に迫って、甘えて…「ね?モー子さん…約束、したでしょ?」

なんてね☆
某様企画の選択肢楽しそうだったなーと思いつつ、参加できなかったので、気分だけでも(笑)

あ、この選択肢は冗談なので、勿論続きません!笑


いつもと違う感じの設定で書きたいなーと思っていたところで突然思いついた奏江視点。
元々このお話は蓮様視点で考えてたのですが、奏江視点の方が面白いのでは?!と思ってこんなお話に( *´艸`)

蓮様視点だったら風月のいつものお約束パターンになりそうだったので、こんなのもたまにはありですよね〜♪うふふ♡
まぁ、かなり、短めだったのでただのネタのような感じになってしまいましたが、短編のつもりで書きました!

同時刻のキョーコちゃんor蓮様視点はご想像(脳内妄想)でご自由にお楽しみいただければ、嬉しく思います♪

みなさんがこの話で、どんな同時刻妄想を浮かべるのか…知りたい〜!!
もし、思いつくものがあったら是非教えてくださいね♡

いやはや、かなり短い時間で一気に書いたので、拙い文かもですが、吐き出せて満足です。

お粗末様でございました!
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先ほど投稿を終え

燃え尽きているので、何にも思いつきませんが、非常に楽しかったです。

蓮さんはキョコさんとのお泊まりを満喫してるみたいですね。←電話切った犯人

Re: 先ほど投稿を終え

まじーん様

楽しんでいただけて嬉しいです((*´∀`*))
電話を切ったのが果たして、蓮様なのか…キョーコちゃんなのかはわからないですよ( *´艸`)

電話に出た途端、いきなり蓮様の声でキョーコと呼び捨てで呼ばれて、動転して電話を切ってしまった可能性もありますから((*´∀`*))

え?あれ?

本気でどれを選択しようか悩んでました(*´艸`)
こちらも燃え尽き中のpopipiです……|д゚)チラッ

お風呂はさすがに・・でもきっと同じ布団で眠りたいですよねー(*´艸`)
お部屋に上がれるだけでもウハウハかも(〃 ̄ー ̄〃)
色々想像しちゃいますねっヽ(*´∀`)ノ♪

Re: え?あれ?

popipi様

ウフフ♪お楽しみいただけて何よりです( *´艸`)
あっちはどうなってるんだと考えることで二度美味しいかな?と思いまして(笑)
だって、お部屋には蓮様の写真とアイツの写真が!( *´艸`)
想像までたーぷりとお楽しみくださいませ〜♪
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