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不意打ちの恋心

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ご無沙汰しております。風月です。
久々に人様にお見せできる短編が書けました。
多分、ほんのり微糖なおはなしです。
お楽しみ頂けたら幸いです。


*****


不意打ちの恋心


最上キョーコは最近ハードに仕事をこなしていたため、睡魔と戦っていた。

現在尊敬し崇拝している先輩俳優、敦賀蓮の自宅にて手料理を振る舞い、片付けを蓮に任せて台本を読んでいた。
片付けくらい俺にさせて。座ってて良いよ。という蓮の言葉に甘えて、ソファで次のドラマの台本を読んでいたのだが、学業とタレントの仕事を両立しているキョーコの昨夜の睡眠時間はたったの二時間で、その前日も前々日も三〜四時間ほどしか寝ていなかった為、お腹も満たされホッと一息ついた途端、眠気が来たのだ。

ーーーうぅ…今こんなところで寝ちゃったら敦賀さんに迷惑かけちゃう…。私より忙しい売れっ子の敦賀さんをさておいて寝ることなんて出来ないわ!しっかりするのよ!キョーコ…。

そう思って台本に目を通すのだが、セリフは全然頭に入って来ず、文字として認識出来ない程キョーコの脳は疲れ切っていた。



「最上さん、珈琲の付け合わせにクッキーを貰ったんだけど…って、あれ?最上さん?」

蓮がリビングにコーヒーを持って現れると、キョーコが背凭れに凭れかかってスースーと寝息を立てていた。

蓮は一瞬驚いた顔をしたのち、クスリと微笑んだ。

「寝てる。余程疲れてたんだな。」

蓮はコーヒーカップをテーブルに置くと、キョーコの眠るソファの隣に腰掛けた。

「お嬢さん、こんなところで寝ても疲れは取れませんよ?」

こっそりと耳元に囁いてみるが、キョーコは「んっ…」と鼻から抜ける声を出すだけで起きる気配がない。

「もう少し待って起きなかったらゲストルームに連れて行くか。」

蓮は愛しい少女の寝顔を見ることが出来て、少し胸の奥がくすぐったくなった。
今までもキョーコの寝顔を見たことは数回あるが、こんな風についつい眠ってしまうほど心を許されていることが嬉しくてたまらない。
部屋はいっぱい余っているし、キョーコ一人泊めるくらいどうってことはない。
本心としては己のベッドルームに連れ込みたいくらいだが、相手はまだ未成年だし、嫌われて避けられてしまっては己が被るダメージが大き過ぎる。

それが分かっている蓮は、下手な手出しは出来ないと己に言い聞かせた。

タオルケットをかけてキョーコの様子を見守っていたが、蓮がコーヒーを飲み終わっても起きる気配がない為、キョーコをゲストルームに運ぼうとタオルケットを背凭れに掛けてから、声を掛けた。

「最上さん、ここじゃ疲れ取れないからゲストルームのベッドを使って。」

すると、キョーコが薄目を開けて蓮を見た。
ぼーっと見つめてくる寝起きのその瞳に蓮の目は釘付けになった。

「ん…コーン…?」

「…え?」

「コーン!会いたかった…!!」

ガバリと突然キョーコが蓮の首に抱きついてきた。
慌てて受け止めた蓮は急に飛びついて来たキョーコを抱き締め返す。
ギュウギュウと小さな体で一生懸命抱き着いてくるキョーコの姿に蓮は愛しさを募らせた。

キョーコはその後も何かゴニョゴニョと寝言らしきことを口にしていたが、軈て蓮に抱きついたまま再び寝息を立て始めた。

ドキドキと胸を高鳴らせて、蓮はさてどうしようかと考えた。
愛しい少女を胸に抱いてベッドに行けば己の理性が狂い兼ねない。
だからと言って引き剥がすのもなんだかもったいない。
起きたら開口一番に叫ばれるかもしれないが、出来る限りこの状態をキープしたまま一緒にいたい。
そうグルグル悩んだ蓮は、少しでもキョーコの疲れが取れるようにとキョーコに抱きつかせたまま、ソファで横になることにした。
キョーコを起こさぬよう慎重に後ろに倒れ、キョーコを胸の上に乗せる。
そして、先程背凭れに掛けたタオルケットを再びキョーコの身体にかけた。

キョーコの重みに身を任せてその優しい温もりを抱き締めていると、癒し効果があるのか、徐々に蓮の瞼も重くなって来た。

愛しい少女と一緒に夢の中へ行くなんて贅沢だななんて頭の隅で思いながら蓮はその目を睡魔に任せて閉じたのだった。


それからどのくらいの時間が経ったのかわからない。
キョーコは突然目が覚めた。

「あれ…私…」

静かに身を起こすと、見覚えのある蓮のリビングだが、蓮の姿がどこにもなく周りを見回す。

「敦賀さん…?」

不安気に周りを見回していたキョーコは、己の身体の下に何か気配を感じてようやく視線を下に向けた。

「え?つ、敦賀さん?!何でこんなところに…」

しっかりと蓮に腰掛けてしまっている自分に驚き飛びのこうとするが、キョーコの腰は蓮にしっかりホールドされていて、飛び退くことが出来なかった。
そこで漸く今まで自分がどこに寝ていたのかを理解した。

「もしかして、私…敦賀さんの上に寝ちゃってたの?なんで?どうして…」

一瞬顔が青くなるが、次の瞬間には茹蛸のように真っ赤になった。

「私ったら、な、なんて破廉恥な…」

「ん…」

そう独り言を言っていると、蓮が頭だけ寝返りを打った。

その造形技術が施されたかのような美しい寝顔に目が釘付けになる。

心臓がドキドキと早鐘を打つが、育ち過ぎた恋心はここから逃げるという選択肢よりも、別の選択肢を取った。

「…もうちょっとくらい良いわよね?敦賀さんも寝てるし、私も今まで寝てたんだもん。もうちょっとだけ…敦賀さんの目が醒めるまで…」

そう己に言い聞かせて、キョーコは蓮の顔を見つめ起きないことを確認しながら、その身を再び蓮に預けた。
クンと鼻を動かすといつもの安心する蓮の香りが胸を満たす。
そっと見上げると蓮の綺麗なラインの顎が見えた。

「敦賀さん…」

程よくついた筋肉を確かめるように手を這わせ、キョーコは蓮の名を呼んで、何を思ったのか、蓮の顔にそっと顔を近づけてチュッとキスをした。
キスをした場所は顎だったが、キョーコは己の不意打ちのキスに驚いていた。
だが驚いたのはキョーコだけではなかった。
蓮もキョーコが身を起こした時から起きていたのだが、叫ばれないのを良いことにもう少しだけ一緒にいたくて寝たふりを続けていたのだ。
そしたらキョーコが逃げずに、もうちょっとだけと言いながら己に身を預けて来たので、それだけでも驚いていたのに、不意打ちの顎へのキス。
思わず目を見開いてしまったが、キョーコは己の行動に驚くあまりこちらの様子は気にしていないようだ。
でも顎よりも唇にして欲しかったというのが本音の蓮は、今の己の角度ではキョーコからは唇にしたくても届かなかったのかもしれないと願望寄りに考察した。

ならばキスをしてしまいやすい角度にすれば良いと、蓮はまだ寝ているふりをしてキョーコを抱えなおし、寝返りを打った。

「きゃっ!わ…顔が近っ」

キョーコは蓮の突然の寝返りに驚いた。
先程までは蓮に乗っかる形だったが今度は蓮と向かい合う形で、ソファの背凭れと蓮の身体にサンドイッチにされた状態だった。
逃げ場がない中、蓮の顔は鼻同士がくっつきそうなくらい近くに迫っていた。
キョーコは真っ赤になったが、かちんこちんになって何も出来ない。
すると、蓮が「ん…」と言いながら、キスを強請るように少し唇を近づけて来た。

キョーコの心臓がありえないくらいのスピードで鼓動を刻んでいたが、完全に蓮が寝ていると思っているキョーコは、ゴクリと唾液を飲み込むと、頬を染めて蓮に誘われるままその唇を密かに重ねた。
一瞬であれば己の胸の中にしまっておける。そう思ったのだ。

だが、すぐに離れようとした唇はその後追いかけられ再び塞がれた。

「んッ…」

背凭れに退路を断たれているため、逃げることも叶わない。

味わうように重ねられた唇の熱に溶かされている間に、背中に回された手のひらに頭を固定されて、ますます逃げ場がなくなる。

「敦賀さ…っんぐ!」

真っ赤になって名を呼んでも、重ねられる唇は甘く食まれて、薄く開いた唇に肉厚の何かが押し入って来た。
驚いて押し返そうと舌で抵抗すれば絡め取られて、漸くキョーコはそれが蓮の舌だとわかった。

「ふぅ…ん…ハァッ」

時々キョーコに息継ぎの間を与えながらも、いつの間にかソファに押し倒されていたキョーコの太ももに蓮の手が添えられていた。

「ちょ、敦賀さんッ…」

「ん…?」

真っ赤になったキョーコがグイッと蓮の胸を押し返したことで、蓮はキスをやめ、愛しそうにキョーコの顔を覗き込んだ。

「い、今のは一体…」

「…君からキスを仕掛けて来たんだろう?」

そう指摘されて、ハッと唇を隠して真っ赤な顔になってしまったキョーコが可愛くて、蓮の顔面が崩壊する。

「んなッ?!き、気付いて…」

「まぁ君が起き上がった時に俺も目が覚めてたからね。」

「え…?えええぇ?!嘘…!」

「最上さんがどんな反応するか知りたくて寝たふりしてたんだ。そしたらまさかまた俺にくっついてきて顎にキスしてくるなんて…嬉しい誤算だった。」

蓮の心は弾んでいた。あの天然記念物的に初心なキョーコがなんとも思っていない男にキスをするとは思えない。
キョーコの中で確実に特別な男になれているという証に違いない。

「んなっ!な…お、起きてたなら声かけてください!!そしたらあんなこと…」

「してもらえなかっただろうね。寝たふり続けて正解だった。」

キョーコは返す言葉を失い、真っ青になって口をパクパクしていた。
どんな制裁を受けることになるのだろうと、あんなキスをされても蓮の気持ちに微塵も気付いていないキョーコはこの後に蓮からされるお仕置きを覚悟した。

「まさか最上さんから不意打ちでキスしてくれるなんて…しかも顎だけじゃなく、唇にも…」

「キャァァァ!!すみませんでした!!すみませんでした!!すみませんでしたぁぁぁ!!ついつい出来心で敦賀さんにあのような暴挙を…最上キョーコ、この所業についてのお仕置き…!どんなことでも覚悟している所存でございますので、どうかこのことは…忘れ…」

キョーコの突然の謝罪に呆気にとられていた蓮だが、その中に出てきたひとことで蓮の空気が妖しいものにがらりと変わった。

「…お仕置き?そう…どんなことでも覚悟…出来てるんだ。」

「ふぇ…?」

そして蓮の表情を見て、キョーコはピキンと固まった。
そこにはキョーコの苦手とする夜の帝王が舌舐めずりをして微笑んでいたのだ。

「えっと…あ、あの…」

ダラダラと冷や汗を流して、抵抗しようと思っても、ソファに押し倒されたこの状況で逃げる事は叶わない。

「どんなお仕置きも、覚悟…出来てるんだ?」

言質を取るため、再び発せられた問いかけに、キョーコは迫力負けしてうっかり頷いた。

「は、はひ…」

キョーコの返事を聞いて嬉しそうに微笑んだ帝王は、そのキョーコの耳元に囁いた。

「じゃあ、最上さんの全てを俺に頂戴。」

「…え?」

キョーコは蓮の言葉の意味が分からず、固まった。

「全てって…」

「心も身体も人生も、これからの最上さんのプライベートの時間全部。」

キョーコは目を見開いた。そして顔を真っ青にしてすぐにガタガタと震えだした。

「そ、それは…一生かけて私をイジメ抜くとかそう言う…」

「違うから。」

何か勘違いしているキョーコをバッサリと否定した蓮は、恋愛曲解思考のキョーコにはこれでは何も伝わらないかとため息を吐き出して、改めて言い直した。

「君には、嘘のない本当の気持ちを言葉にしないと伝わらない事はわかってる。だからちゃんと言うよ。だから君にはその気持ちをしっかり受け止めて考えて欲しい。」

「え?」

「俺は、君が…最上キョーコさんのことがどうしようもないくらい好きだ。もう君以外に人生のパートナーは考えられない。君と一緒に人生を歩みたい。君の隣で君と一緒に笑いあって生きていきたい。君の隣に立つ男が自分以外のやつだなんて許せない。君の声で起きて、君のご飯を食べて、君と俺の子供と楽しい家庭を築きたい。」

「な…え、えええぇ?!」

「これが俺の真剣な気持ち。だから最上さんの心も身体も人生も欲しいって言ったのはつまり、君のこれからの人生で隣に立つ男としての権利が欲しいってこと。」

「な、そ、え、えええー?!」

蓮の気持ちを知ってキョーコは混乱した。
まさか蓮が自分を思ってるなんてそんなことあるわけないと思い、蓮の言葉を何とかして曲解しようとするが、それでもどう考えても、捻じ曲げようがなかった。
言葉だけではない。蓮の目がそれほど真剣だったからだ。
そして見つけてしまったのだ。蓮の真剣な目の奥に揺れる不安な心。カインの時に見た弱い心がチラチラと垣間見えている。

キョーコは胸が熱くなった。キョーコ以外に人生のパートナーは考えられないと言った。隣に立つ権利が欲しいと懇願してくれた。
キョーコもその気持ちに応えるため、地獄の底まで持って行くつもりだった己の想いの蓋に手をかける。

「敦賀さん…。」

そうして、キョーコは蓮も完璧に見えるけど完璧ではない一人の人間なのだと認識した。

そっと手を伸ばし、蓮の頰に手を伸ばす。
そしてその目をしっかりと覗き込み、蓮の瞳の奥で揺れる不安気な一人の男に向かって返事を返した。

「私も貴方が好きです。どんな貴方も大好きです。」

蓮は目を見開いた。言われた言葉に胸が熱くなる。

「最上さん…!」

そして想いが重なった蓮とキョーコは抱き合うと、どちらからともなく再び唇を重ねた。

まだ恋愛初心者のキョーコのために、蓮はキスだけにとどめる。

「これから先はゆっくり時間をかけて、君の全てをもらうから覚悟してね。」

「…はい!望むところです!」

少しずれたキョーコの返答に苦笑して、蓮はキョーコと気持ちが結ばれたその嬉しさの余韻に身を任せて再びキョーコを抱えて目を閉じた。

それから少し遅くなったがキョーコの下宿先へ車で送り、車から降ろす前にももう一度キスを交わす。

「おやすみ。最上さん。」

「おやすみなさい。敦賀さん。」

可愛く頬を染めて笑うキョーコを見て、やっぱり家に泊めればよかったと胸の内で独りごちながら、名残惜しくも別れて帰路につく。

部屋に戻りソファに綺麗に畳んで置かれたタオルケットが残されていて、蓮はそれを持って己の寝室に入った。
キョーコと思いが通じ合っていることがわかって気持ちが高ぶった蓮は寝ることが出来ずに何度も寝返りを打つ。

「あー。駄目だ。全然眠れる気がしない…。」

枕元に置いたタオルケットを抱きしめてやはり最上さんを帰すんじゃなかったなんて思う 蓮はやはり重度の恋愛音痴なのだろう。
結局キョーコも同じように眠れぬ夜を過ごしたようで、こんな二人が一緒に暮らし始めるまでにはそんなに時間はかからないかもしれない。

不意打ちのキスで繋がった二人の恋心。
お互いに恋愛音痴で不器用な二人。
プロポーズ紛いだった蓮の言葉にキョーコが気づくのはまだもう少し先なのかもしれない。


END

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非公開コメント

いいですね〜〜!

不意打ちだからこそ、隠せない、恋心。

乙女な蓮さんの言動に癒されますね。

そして、そんな蓮さんを喜ばせちゃうこちらも乙女なキョコさんが可愛いです。

ここから数日は無理しまくってでも、キョコさんに会いにいきそうですね、蓮くん。

会いたい、夢じゃないと確認したい。…キスしたい。

彼の脳内がこのワードで埋め尽くされてそうです。

Re: いいですね〜〜!

まじーん様

久々のアップにも関わらず訪問ありがとうございます!!
そうなのです。不意打ちだからこそ隠せないのです。

今回結構蓮様も乙女でしたよね!笑
毎日忙しい中無理してでも会いにきてくれたら、蓮様だけじゃなく、キョーコちゃんもニヘニヘした顔の崩壊が止まらないかもですね!
まじーん様の想像した乙女な蓮君可愛い!!!!( *´艸`)

そのワードに頭を占められた蓮君を想像したら、風月もニヘニヘが止まらなくなりました!笑
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