恋の季節は…10《冬の寒さが戻ってくるでしょう》

恋の季節は…10
《冬の寒さが戻ってくるでしょう》


翌朝、キョーコが教室に入ると相変わらず蓮は、社と共に女の子の集団に囲まれていた。

キョーコが登校してきたことに気付いた蓮は、女生徒達を社に預けると、キョーコに近付いた。

「やぁ、最上さん。おはよう。昨日は大丈夫だった?」

「敦賀君。おはよう。その節はとんだご迷惑を掛けちゃってごめんね!まさか敦賀君に対してショーちゃんがあそこまで暴言吐くなんて思わなくて…。本当にごめんなさい。」

「いや、いいんだよ。君は悪くないから…ね?」

蓮がキョーコに話しかける。
それを面白くない顔で見つめるのは女生徒ばかりだが、その中には当然ながら瑠璃子の顔もあった。

蓮は自分の物だと主張する様に、瑠璃子はあからさまに蓮の腕にしがみつきながら声を掛けた。

「ねぇ、蓮?最上さんと何の話??瑠璃子の前で分からない話なんてしないで。」

キョーコの目の前で色目を遣い擦り寄ってくる瑠璃子。蓮は初めて付き合ってる女の子に対して嫌悪感を抱いた。

「瑠璃子…。俺は、ベタベタするの好きじゃないって言っただろ?」

蓮はそう冷たく言いながら瑠璃子を睨んだ。瑠璃子は蓮の腕を離しながらぷぅと膨れて見せる。

そんな二人のやり取りをキョーコは少しだけ羨ましそうにぼぅっと見つめていた。

それに蓮が気付き声をかける。

「最上さん?どうかした?」

優しく心配そうに顔を覗き込む蓮との距離がとても近くて驚いたキョーコは、顔を真っ赤に染め上げて一気に後ずさりした。

「ななな、何でもない!!なんでもない!!何でもないよ!!」

ーーードン

キョーコは、勢いよく後ずさった為、後ろにいたクラスメートにぶつかると、その相手は勢いに押されて前のめりに倒れこんだ。

「もー!!痛いわね!!ちょっと!!貴方!!気を付けなさいよ!!」

キッ!と、物凄い形相で睨まれて縮こまるキョーコ。

「ご、ごめんなさい。」

「あー!もー!!本当にこのクラスは騒がしいったら。じゃれ合いなら教室の外でやんなさい!!」

「ご、ごめんなさい…えーっと…モー…子さん…?」

すると、その女性は綺麗な顔を般若のように歪めて恐ろしい形相でキョーコを怒鳴りつけた。

「ちょっと!!もー!!名前分からないからって変なあだ名付けるんじゃないわよ!!」

「ご、ごめんなさい。」

「ごめんね。琴南さん、最上さんが君にぶつかったのは、俺が原因だから、最上さんをそんなに怒らないでやって。」

蓮がキョーコを背後に隠すようにしながら立つと、琴南と呼ばれた女生徒は蓮に一瞬視線を送ると興味なさげに顔を背けて、蓮にだけ聞こえるようにポツリと言った。

「貴方、自分の言動に気をつけるのね。敦賀君が最上さんを守ることで、クラスの女の子達の最上さんを見る目は益々厳しくなってるわよ。」

助言のようなその言葉を残して、琴南は自分の席に向かった。

それを蓮は呆然と見つめ、周りを見回すと、そこにはキョーコを鋭い目で睨む女生徒が沢山いたのだった。



その日の昼休みを終えた休み時間。
移動教室の為、教室内から移動しようと準備をして歩き始めたキョーコだったが、不意に足元に足が差し出され、それに思いっきりつまづいてしまった。

その姿が小気味好いのか、クスクスと笑い出す女生徒達。
中にはそれに興じて、楽しそうに暴言を吐く生徒もいた。

蓮が助けようと近寄る前に、キョーコはあっという間に起き上がると、申し訳なさそうに頭を下げて、その場から駆け出していた。

その姿を見て、蓮は遣る瀬無い思いを抱えて立ち尽くすのだった。



キョーコが移動教室で1人向かっていると、何処からか松太郎の声が聞こえた気がして周りを見回す。

それはひと気のない目立たないとこから聞こえて来たので、松太郎が授業をサボる気なのかな?と気になり、キョーコは声のする方に近付いた。

そこで見た光景に、キョーコは一瞬息を呑み、パッとその身を建物に隠した。
松太郎が知らない女の人を抱き締めてキスをしていたのだ。

ーーーきゃー!ショーちゃん!!ここは学校よぉ!!何て破廉恥なことしてるのぉ!!!!

キョーコは真っ赤になりながら、両頬を抑えた。

ーーーバレたら停学?!?!いいえ、もしかしたら退学かもしれないわ!!どうしよう!!見つかったら忙しい女将さんまで学校に呼び出されることになるんじゃ?!

キョーコがそんな心配をしてるとは思ってもない二人はコソコソと内緒話をするように囁きあう。

「祥子さんの唇甘いね。」

「ショーったら、本当に口が上手いのね。皆にも言ってる癖に、聞いたわよ。春樹先輩にも手を出したんですって?」

「でも、本命は祥子さんだよ。」

「ふふ。嘘ばっかり。そんなこと言っても騙されないんだから。でも、今は私だけを見てくれたら許してあげる。」

そうしてまたキスをする気配して、キョーコはドクドクと激しくなる鼓動を抑え、その場から駆け出した。

ーーーショーちゃんのエッチい!!皆にあんなことしてるの?!信じらんない!!私はされたことない…って、されても困るけど!!!だって、だって!!ファーストキスは結婚式の時にしたいんだもん!!

キョーコは真っ赤になって、息を切らしながらひたすら走った。逃げるように走ってたどり着いたのは、屋上だった。
壁に背中を預けてズルズルとしゃがみこむ。

ーーーあぁぁ、私は次にショーちゃんと会う時、どんな顔して会えばいいの?!あんなとこ目撃したなんて言えないし…。女将さんにも言えないよぉ!!

しばらくは松太郎のキスのことで頭がいっぱいでただただ狼狽えて真っ赤になっていたキョーコだが、不意に蓮と瑠璃子の今朝のやりとりのことを思い出した。

何故か分からないが胸の奥がズキズキと痛む。

ーーー敦賀君と、松内さんは恋人同士…だったら、キスだって…。

キョーコは急に苦しくなってしまった心臓を抑えて、その場で膝を抱えて涙を流したのだった。


(続く)

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モー子さん初登場です!

そして、松太郎のこのシーンは本当は二話目か三話目で入れる予定だったのに、ここにきてようやく入れることが出来ました(笑)

※Amebaで2012/02/17に投稿した記事に加筆訂正を加えたものです。
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恋の季節は…9《夜はまた一段と冷え込むでしょう》

恋の季節は 9
《夜はまた一段と冷え込むでしょう》


蓮の家のテーブルには、今まで並んだことがなかった出来立ての料理がキョーコの手によって並べられていた。
炊きたてのご飯と色鮮やかなサラダ、目玉焼きの乗ったハンバーグにスープ。

初めてまともな食事が用意された己の家のリビングに、蓮は感動さえ覚えた。

「凄いね…」

「ふふふ。いつもはお弁当ばかりだけど、炊きたてのご飯もいい物だよ。今日は土鍋で炊いてみたの。」

「土鍋で?美味しそう。じゃあ早速、頂きます。」

「はい。どうぞ召し上がれ。」

蓮が手を合わせて言うと、キョーコが嬉しそうに微笑んだ。

蓮が炊きたてのご飯を口にするのは、中学の給食以来で、とても感動していた。

「美味しい…」

「良かった。やっぱりほかほかご飯が一番だよね。」

蓮の言葉にキョーコが嬉しそうに微笑む。

二人で他愛のない会話を楽しみながら、和やかな食事の時間はあっという間に過ぎていった。

「ご馳走様でした。」

「はい。お粗末様でした。」

二人はほぼ同時に食べ終わり、微笑み合うと、並んで仲良く食器を片付け始めた。

何となく無言が続いても、二人でいると、気まずい雰囲気にもならなくて、キョーコも蓮も安心出来た。


「そろそろ送るよ。」

蓮に言われてキョーコが時計に目を移せば、既に21時を過ぎていた。

食後のココアをご馳走になってたキョーコは長居をし過ぎてたことに漸く気付いて、深々と頭を下げた。

「こ、こんな時間になるまで気付かないなんて…本当にごめん!!あの、図々しくも長居しちゃって…。」

いきなり勢いよく土下座を始めたキョーコに、蓮は慌てて身体を起こさせる。

「も、最上さん!!土下座なんてしなくていいから!!気にしてないよ。こっちは美味しい料理までご馳走になったんだから、本当はもっといてもらっても全然構わないんだけど、流石にお家の人が心配するだろう?」

蓮のお家の人が心配という言葉を聞いてキョーコが青褪めた。

「た、大変!!本当に、なんてこと!!」

キョーコは慌てて立ち上がると、急いで制服を確かめに、バスルームに向かった。

「ちゃんと乾いてる?」

キョーコの後を追ってバスルームに着いた蓮は、制服に手を伸ばして確かめると顔を顰めた。

バスルームを乾燥モードにして、制服を干していたのだが、まだかなり湿っていたのだ。
しかし、キョーコは全く気にせずにそれを着ようと服を脱ぎ始めた。

「え?!最上さん?!?!ちょっ!最上さん!!!!」

「へ?!あ、きゃあ!!」

テキパキと蓮の目も気にせず慌てて服を着替えようと脱ぎ始めたキョーコを見て、蓮が顔を真っ赤にしながら慌てて呼びかけると、キョーコはようやく気付いたのか、慌てて身を屈めた。

蓮は急いで顔をキョーコから背けて、脱衣所から出ようとするのだがその濡れたままの制服に着替えさせる気にはなれず、制服を取り上げると、ドライヤーを使って乾かし始めた。

「つ、敦賀君!!そこまでしなくていいから。」

「良くないよ!こんなの着てウロウロしてたら風邪引くだろ?!いくら暖かくなって来たとは言え、まだ夜は冷え込むんだから。」

蓮は急いでドライヤーをかけるのだが、やはり中々簡単に乾く物ではない。
あまり遅く送るのも気が引けた蓮は、生乾きではあったが、さっきよりかは幾分かマシだろうと渋々、急かすキョーコに制服を手渡した。

蓮が脱衣所の扉を閉めるのを待って着替えたキョーコだが、出てくるまでに1分とかからなかった。

大慌てで鞄を掴むキョーコに、とりあえず自分の持ってるジャケットの中で一番小さい物をキョーコに渡す。

恐縮しまくっていたキョーコの肩から無理矢理羽織らせると、蓮はキョーコを送る為に玄関を出た。

「本当にここまでしてもらわなくてもいいのに。でも、ありがとう。敦賀くん」

キョーコは今まで周りから扱われて来た時とは、全く違う優しい蓮の行動と言葉に、くすぐったさを覚えながらも、どうお礼を言ったらいいのかと考えあぐねていた。

今まで人から優しくされたことのないキョーコは、優しくされた時の対応に慣れていなかったのだ。

でも、蓮はキョーコのそんな気持ちも全て包み込むような笑顔で対応してくれる。

キョーコの胸には知らぬ間に蓮に対する温かい気持ちが芽生え始めていた。


二人で並んで帰る帰り道、いつもは怖い暗い道も、蓮と通るととても特別な道に感じていた。

「それでね、その時に…」

「おい!キョーコ!!!!」

蓮とキョーコが楽しく会話をしながら歩いていると、突然怒鳴るような声が割って入った。

声の方に顔を向けると、鬼のように顔を怒りに歪めた松太郎が立っていた。

「お前!キョーコのくせに何こんな時間までちんたらしてんだよ!!」

「ショ、ショーちゃん…。」

「お前のせいで俺がお袋から怒られちまっただろうが!!相変わらずトロさだけは人一倍だな!!…ん?誰だてめぇ??んな?!…敦賀蓮?!?!」

キョーコに向かって罵声を浴びせていた松太郎は、ふとキョーコの隣に立つ背の高い男に気付き、睨みつけた。するとそこには松太郎が学校の中で一番気に食わない男だとキョーコに言い続けていた蓮が立っていたのだ。

「…はじめまして…かな?不破君。」

蓮は、松太郎のキョーコに対する言葉に嫌悪感を抱きつつも、とりあえず微笑みかけた。

「…んな、何で…お前がこんな奴と一緒にいるんだよ…。」

松太郎は蓮の挨拶も無視してキョーコに噛み付いた。

「ショーちゃんあのね、今日はちょっと先生に頼まれた仕事が長引いちゃって、ずっと敦賀くんが手伝ってくれてたの!!」

松太郎の不機嫌さを感じ取ったキョーコは急いで松太郎に駆け寄ると嘘をついた。

ーーー敦賀くんに変な事を言われたくない!!

「はぁ?!相変わらずトロイなおまえは…」

松太郎は、心底呆れた顔でキョーコを見る。

キョーコは蓮を松太郎から遠ざけるように松太郎の機嫌を取ろうと慌てて笑顔を作って言った。

「ショーちゃん私のために迎えに来てくれたの?嬉しいな。女将さんにも後で私からショーちゃんは悪くないって言っとくから、ごめんね。私のせいで怒られちゃったんだね。」

「キョーコ!俺がいつもこいつの事嫌いって言ってんのお前は知ってんだろうが!!何、仲良く一緒に歩いてるんだよ!!」

「つ、敦賀くんは夜道を一人で歩いたら危ないからってわざわざついて来てくれただけなの!!」

「はぁ?!お前、自信過剰じゃねぇ?誰がお前みたいなやつを好き好んで襲うかよ!!」

「そ、それはそうだけど…。」

「不破君って言ったっけ?いくら幼馴染でも、言っていい事と悪いことがあるんじゃないかな?何でそんな風に彼女の事を否定するんだ。」

蓮は松太郎のあまりの暴言に怒りを抑えられず咎めるように言った。

キョーコの側に立ち、キョーコを松太郎から隠すように立ちはだかる。

そんな蓮をキョーコは不思議そうに、松太郎は忌々しそうに見つめた。

「つ、敦賀くん?」

キョーコが恐る恐る声をかけるが、蓮は松太郎を威嚇するように睨み付けていた。

「ハンッ!!敦賀…お前、顔はいい癖にキョーコみたいな奴がいいのかよ。」

松太郎は、そんな蓮の様子に小馬鹿にしたような笑みを浮かべて嘲笑った。

「所詮良いのは顔だけかよ。女の趣味、悪ぃんだなあんた。勿体ねぇ。」

松太郎は蓮に向かってフンっと勝ち誇ったような顔を向ける。

「ショーちゃん!!」

キョーコは蓮を心底馬鹿にした松太郎の態度に憤慨して怒るのだが、松太郎は素知らぬ顔だ。

「あぁ?何だよキョーコ。ほらっ!とっとと帰んぞ!寒ぃだろ!お前俺に探させた罰として、今からコンビニであれ買ってこいよ!」

「…うん。わかったよ。探しに来てくれてありがとうね。ショーちゃん…」

キョーコは松太郎の顔色を伺いながら、蓮に向かって申し訳なさそうに目尻を下げた。

松太郎の手前、蓮のフォローをすることが出来ないキョーコは、松太郎に腕を乱暴に引っ張られながらも、松太郎に気付かれないように気をつけながら、蓮に精一杯の謝罪を込めて頭を下げる。

残された蓮は、その場に立ち尽くしたまま、爪が手に食い込むほど、強く強く拳を握り締めていた。


(続く)

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※このお話はAmebaで2012/02/16に投稿した話に加筆訂正したものです。

恋の季節は…8《割と穏やかな天気が続くでしょう》

恋の季節は…8
《割と穏やかな天気が続くでしょう》


キョーコの制服が乾かないので、ぶかぶかのジャージで買い出しに行かせる訳にもいかず、なんとか渋るキョーコを部屋に残して、蓮が近くのスーパーに買い出しに出掛けた。

キョーコの書いたメモを覗き込み、キョロキョロと辺りを見回しながら必死に食材を探して行く蓮。

「あれ?蓮??」

「ん?あ…瑠璃子…。」

そんな蓮の姿に、最近付き合い始めた瑠璃子が突然声をかけてきた。

「わぁ!蓮ってこの辺に住んでたの??」

「まぁ…ね。」

「えー!!知らなかったぁ!蓮の家に行きたい行きたい!!ねぇ、今から連れてって!!」

瑠璃子のお願いに、蓮はやんわりと掴まれた腕を解きながら、断わりの言葉を口にした。

「悪いけど、今日はダメだよ。家に大事なお客様が来てるんだ。」

「えぇ?!そうなんだ!じゃあ明日は?明日は行っていい?」

「明日?…ごめん。明日もダメだ。」

「むぅー。それじゃあ次に都合いい時はいつなの?」

「う…ん。まぁ、確認してからまた大丈夫な時は教えるよ。」

「わかった!ちゃんとお母さんに紹介してね。あ!蓮はご飯は何が好き?私、今度お弁当作ってこようかなぁ。」

瑠璃子の言葉に蓮は狼狽える。
弁当はキョーコのもので充分足りているのだ。正直もらっても困る。

「え?いや、お弁当はいいよ。俺、実は好き嫌いが激しいから、食べれないもの作られても困るし。」

蓮は言いながら自分の中に矛盾を感じた。

今までの自分は異性が自分の為に用意する料理が好きになれず、食べることさえ拒否していたのだ。なのに、何故かキョーコの料理は楽しみにしている自分がいる。

それに、今思えば、完全にプライベートな家の中に社以外の他人を上げたのは、蓮にとっては初めてのことだった。

今までの彼女たちからもせがまれたことは何度かあったが、なんだかんだはぐらかして来たのに、気づいたらキョーコのことは自分から誘っていた。

ーーー何でだろう?

「れん!!…蓮!聞いてる?」

「え?!あ、なに?ごめん。聞いてなかった。」

「もー。今度の日曜日、デートしよ!!って言ったの。」

「え?日曜日?」

「うん。何か予定ある??」

「いや、日曜日は予定ないけど…。」

「ふふ。じゃあ決まりね!!日曜日はデートで。サンドイッチは好き??」

「え?あ、まぁ…」

「じゃあ、お弁当、サンドイッチ作ってくるね!!天気がよかったらピクニックしましょ。この間、特注の日傘が手に入ったんだ。持っていくわね。あ!じゃあ私はそろそろ行かなきゃ!!またねー。蓮!」

あっという間にデートの約束を取り付けられ、瑠璃子は嵐のように去って行った。


「…日曜日に、デート…か…。」

ーーーどうせなら、最上さんと行きたいよなぁ~。…???ん?何で最上さんなんだ??

蓮は突然浮かんだキョーコの事を疑問に思いつつも、瑠璃子に捕まって思いの外時間を取られていた事に気付いて、慌てて買い物の続きを始めたのだった。



「あ!おかえりなさい!敦賀君!」

家に着くと、キョーコに出迎えてもらえ、蓮の顔には知らずに笑みが零れる。

「ただいま。遅くなってごめんね。」

「ふふ。随分時間かかったね。やっぱり普段買い物し慣れてないから?」

「うん。それもあるかも。あと、さっきクラスメートの…ほら、松内瑠璃子ってわかる?あの子とスーパーでばったり出くわしちゃってさ。大変だったんだ。」

「そう…なんだ。たしか敦賀君って、松内さんと付き合ってるんだよね?」

「え?…あ、うん。そう…だね。」

キョーコに瑠璃子との関係を指摘されたことが何故か胸に突き刺さり、蓮は違和感を覚えて戸惑った。

「じゃあ、敦賀君のお家に来たがったんじゃない?」

「うん。まぁ来たがってはいたけど、ちゃんと断わったよ?」

「それ…は、私がいるから?」

「いや、そうじゃなくて、俺元から他人を自分のプライベートに入れるのが苦手な質なんだ。だから瑠璃子の申し出も断わったんだよ。」

「…え?でも、私は?」

「あぁ、うん。それは俺もさっき驚いてたんだ。社以外でここに他人を入れたのは、最上さんが初めてだよ。なんでだろう?」

「…そうなの?何でだろうね?」

二人で不思議そうに首を傾げ合うと、一瞬の間の後、二人は吹き出した。

「ぷっ!そんなに考え込まなくても…!」

「ふふ。敦賀君こそ!さぁ、あんまりもたもたしてると遅くなっちゃうから、急いで作るね。」

蓮から買い物袋を受け取って、キッチンに駆け込むキョーコの後ろ姿を優しい目で見つめる蓮。

「もしかしたら、妹がいたらこんな感じなのかな?最上さんって見てて飽きないよなぁ。」

キョーコの鼻歌交じりに料理をする気配を感じながら、蓮はノートを広げた。


勉強始めて20分。何となく集中出来ずに落ち着かなくなって来た蓮は、いそいそとキョーコのいるキッチンに向かった。

楽し気に料理をする後ろ姿を見て、蕩けるような笑顔を向けるのは本人も自覚出来ていないところであろう。

「最上さん、何か手伝うことない?」

「敦賀君、勉強してていいのに。手伝ってくれるの?」

「うん。何だか落ち着かなくって。」

「ふふ。じゃあ、このサラダが出来たのでお皿に盛り付けてもらえる?」

「うん。わかった。」

蓮はお皿を棚から出すと、キョーコの料理する姿を盗み見つつ、言われた通りサラダを盛り付けた。

「何作ってるの?」

キョーコの鼻歌を聞きながら蓮は、楽し気に料理をするキョーコの手元を後ろから覗き込んだ。

「これ?ハンバーグにかけるデミグラスソースだよ。ちょっと味見する?」

キョーコがにっこりと微笑んで、スプーンを持ち上げると、蓮は嬉しそうに口を開いた。

「うん!…ん。驚いたな。美味しいよ。」

「ふふ。良かった。ありがとう♪」

キョーコは出来上がったデミグラスソースを脇において次々と料理を作り出す。

「最上さんの手って、魔法みたいだなぁ。」

「え?!魔法?!」

キョーコの目がキラキラと輝き出す。

「うん。だって次々と新しいものを作り出して行くから。魔法使いみたいだ。」

「ふふ。敦賀君って不思議ね。ショーちゃんは、魔法なんてこの世にないっていうのよ。」

キョーコの口から出たショーちゃんという単語を聞いて何故かモヤモヤした感情が出て来て蓮は戸惑った。

「そ、うなんだ。でも、君は信じてるんだろう?」

「うん。昔、私妖精の王子様に会ったことがあるのよ!コーンって言うの。コーンに魔法を見せてもらったんだ。」

キョーコの笑顔で言う言葉に、蓮は柔らかい笑みを浮かべてキョーコを見る。

「そうなんだ。魔法ってどんなの見せてもらったの?」

「空を飛んで見せてくれたり、あと石!」

「石?」

「うん。コーンがくれたの。太陽にかざすと、色が変わって見えるのよ。今も私の宝物。」

そう言ってキョーコは、首から下げた巾着袋からコーンの石を取り出した。

「これだけは、隠されたり取られたりしたくないから。ずっと肌身離さず持ってるの。」

大切そうに優しい目で石を見つめるキョーコの表情に蓮は釘付けになる。

「キョーコ…ちゃん…」

「え?!敦賀君?」

思わず呼んでしまった名前に、キョーコが驚きの声を上げたので、蓮ははっと我に返って、口元を抑えた。

「あ…ごめっ。何でもない。」

そう言って、そのままくるりと背を向けてキョーコから離れる。

そんな蓮を見てキョーコは心配そうな目を向けるのだが、蓮は直ぐにキッチンから姿を消してしまった。
首を捻るしかないキョーコは、そのまま夕食の支度に取り掛かったのだった。


(続く)

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…やっぱり蓮もまだ自覚しておりませんでしたね。
出会いのシーンからなので、恋愛初心者の蓮君が気づくのはもう少し先になりそうな予感??

出来心で遊びに来させたけど、これからどうなるのか全く考えれてません。
このままでは、考えてた全体の骨組み無視する形になりそう~!
どこかで修正しなければ!!

↑ふふん。今ようやく加筆修正中なのだ(笑)

※Amebaで2012/01/25に投稿した話を加筆訂正したものです。

恋の季節は…7《春一番》


恋の季節は…7
《春一番》


「敦賀君の家って、お金持ちだったんだね。」

キョーコは、一人で暮らすには広すぎる蓮の部屋に感心しながら、キラキラした目で部屋を見回した。

「そう?あんまりわかんないけど…」

「ソファもTVもおっきい!!うわぁ!ガラスのテーブル!!絨毯も気持ち良さそう!!」

大興奮のキョーコに苦笑を漏らしつつ、蓮はバスルームに向かい、キョーコの為にお湯をバスタブに張り、タオルなどを準備する。

「あ!敦賀君ありがとう!!」

何時の間にか後ろを着いてきていたキョーコが遠慮気味に蓮に声をかけると、蓮はキョーコを安心させるように優しい笑顔を向けた。

「うん。どうぞお姫様。ごゆっくりお楽しみ下さい。」

蓮に促されて覗いたバスタブには、色取り取りの薔薇の花びらが浮かべられており、キョーコは目を真ん丸に見開くと、一気にメルヘンの世界へと旅立って行った。

「わぁ!!薔薇のお風呂だぁー!」

「母さんからたまに送られてくるんだけど、中々自分じゃ使わなくてね。…って聞いてないね。」

蓮は、薔薇の花びらが家にある理由をキョーコに説明しようとしていたのだが、キョーコの目は何処かにトリップしており、一人であははうふふと、メルヘンの世界に頬を染めている。
そんなキョーコに苦笑しつつ、蓮は優しい目を細めてキョーコを見つめた。

ーーーメルヘンチックなのも、昔と全然変わってないな。


蓮から優しい笑顔で見つめられてることに気付いたのか、覚醒したキョーコが頬を染め、罰が悪そうに蓮を上目遣いで見上げた。

そのキョーコの表情を見下ろした蓮は途端に無表情になり、ふいと視線をそらす。

「あぁーっと…じゃあ、入る?」

「うん。…でもいいのかな?こんな素敵なお風呂…私なんかが独り占めしちゃって…」

「ん?一人だと遠慮しちゃう?じゃあ一緒に入ろうか??」

「けっ!結構です!結構です!結構です!!結構です!!結構です!!結構です!!結構です!!結構ですぅーーーー!!!!」

蓮がさり気なくサラリと言った言葉に、キョーコは即座にその光景を想像してしまったのか、顔を真っ赤にして後ずさった。

「つ、つつつつ敦賀君の破廉恥いー!!!!」

ーーゴイン

後ろに下がりながら盛大に扉にぶつかり鈍い音がしたのだが、本人は蓮から1cmでも離れようと必死だった。

「も、最上さん…今扉に…」

「きゃーーー!!お風呂一人で入るからぁ!!出てってぇぇぇぇ!!!」

キョーコは、蓮を脱衣所から追い出すと、ドアを背にしてゼーゼーと荒い息を吐いた。

「何もそんなに嫌がらなくても…。あ、最上さん気持ちいいからってお風呂で…」

「寝ないよ!!!!」

「あんまり長風呂すると…」

「のぼせないもん!!!!」

「浮かれすぎて風呂場で…」

「転ばないったら!!!!」

扉を挟んで、蓮とキョーコは息の合いすぎる掛け合いがしばらく続くのだった。




「あの…敦賀君…。お風呂…ありがとう。」

蓮が教科書を開いて予習をしていると、ホカホカとした湯気を身に纏いキョーコがリビングに現れた。
制服もススで汚れてしまった為に、洗濯しており、キョーコは蓮のジャージを借りていた。

ぶかぶかの蓮のジャージを沢山折り曲げ現れたキョーコの姿を見て、蓮は軽く吹き出す。

「あ!!今笑ったぁ!!酷い!!」

「ごめんごめん。あまりにもサイズが違い過ぎたから…。そっか、最上さんが着ると俺の服はそんなにぶかぶかになるのか…」

蓮は苦笑しながら、キョーコの頭をヨシヨシと撫でると、キッチンに向かった。

「飲み物は、コーヒーでも平気??」

「うん。何から何までありがとう。」

「良いんだよ。立ってないで座ったら??」

「だって、高そうなソファよ!それに、絨毯も!!!!汚してしまったら私とてもじゃないけど、弁償出来ないわ。」

「いいんだよ。俺なんてしょっちゅう汚してるし。」

「嘘嘘!だって凄く綺麗だもの!」

「ハウスキーパーさんが綺麗にしてくれるから大丈夫なんだ。」

蓮の言葉に、キョーコはあんぐりと口を開く。

固まったキョーコを自然な動作でソファに座らせた蓮は、キョーコの隣に腰を下ろした。

「は、ハウスキーパーさん?!」

「うん。そんなにビックリすること?」

「普通の家にはそんな人いないよ!!いや!既に、見た目から家具から普通の家とは呼べないけどっ!!」

キョーコの力説に、蓮は苦笑を漏らした。

「まぁ、親がずっと家を空けてるからね。一人じゃ何かと大変だろうってお世話になってるんだ。」

「あ、そっか…敦賀君お母さん達と離れて暮らしてるんだもんね。」

「うん。そうなんだ。ま、だからどうってことじゃないけどね。」

「ご飯とかは?」

「え?」

「ご飯とかはどうしてるの?」

キョーコの質問に、蓮は不思議そうに答える。

「ご飯は、まぁ、最近は最上さんがお昼ご飯わけてくれるからね。不自由してないよ?」

「じゃなくて!!!!晩御飯とか!!朝御飯とかは?!」

「あー。まぁ、適当に…?」

蓮の誤魔化すように濁した言葉にキョーコは立ち上がり、スタスタとキッチンへ向かって冷蔵庫の前に立った。

「失礼します!!」

一応、一言家主に断りを入れてガバリと冷蔵庫の扉を開けると、中にはサプリメントゼリーやミネラルウォーターがそれぞれ数本、ビタミンドリンクが二ダース程と、あとはささやかに、ケチャップと封が空いてないミニタイプのマヨネーズ。

食材と呼べるものは何一つ入っておらず、キョーコはガックリとその場に崩れ落ちた。

「敦賀君!!!!ご飯はちゃんと食べなきゃダメなんだよ!!体を作る基本なんだから!」

「まぁ。わかってはいるんだけどね…。」

蓮が苦笑しながら言うと、キョーコはジトリと咎めるように蓮を見つめた。

「う…。わかったよ。これからはなるべく食べるように精進します。」

「絶対に?」

「うん。絶対に。」

蓮の目をじっと見つめて言質を取ると、キョーコはにっこり微笑んで立ち上がった。

「良かった!じゃあ今日は何がいい?何もないから買い出しに行かなくちゃ!!」

「え?最上さんが作ってくれるの?」

「うん。今日はお風呂を貸してもらったもらったお礼も兼ねて。」

「じゃあ最上さんの好きなものがいいな。」

「え?私の好きなもの?」

「うん。」

蓮の言葉にキョーコはニッコリと微笑む。

「じゃあ、今晩はハンバーグね!!目玉焼きが乗ったやつ!!」

キョーコは元気いっぱいの笑顔で答える。

「うん。楽しみにしてるよ。」

キョーコの予想通りの返答に、蓮は内心で可愛いなと思いながら、愛おしそうな笑顔を浮かべたのだった。


(続く)

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訂正前では、キョーコがこの日から蓮の家に晩御飯作りに毎日通うことにしてたのですが、思う所があり無くしました。
まだ二人の距離がそこまで近付いてないですからね!

※Amebaで2012/01/21に公開したお話に加筆訂正したものです。

恋の季節は…6《雨のち晴れ》

恋の季節は…6
《雨のち晴れ》


「あれ?ないわ…。」

キョーコは自分の下駄箱を見て、やられた…と小さく溜息を吐いた。

帰ろうと思ったら、女将さんに買ってもらったローファーがなくなっているのだ。

取り敢えず学校の敷地内にあればいいな。と思いながら、思いつく限りの隠されそうな場所を探し歩く。
ゴミ箱、掃除用具の入ったロッカー、トイレの中など探すのだが、中々見つからない。

外かもしれない!と思ったキョーコはその足を焼却炉へと向けた。

ススだらけになりながら、焼却炉の周辺を探すと、ようやくススの中から見つけることが出来た。

「はぁ。良かったぁ!あったわ。」

キョーコが安堵の息を吐いていると、そこへ蓮が小走りでやって来た。

「最上さん?!どうしたの?!」

驚いてキョーコを見る蓮に、キョーコは慌てて立ち上がると、靴を後ろに隠した。

「あ、ううん。何でもないよ」

「何でもないことないだろ?!上履きのまま、そんなススだらけになって!何を探して…」

蓮は言葉の途中でキョーコの背中に隠した靴がチラリと見え、言葉を切ると、一気に近付いて、キョーコからヒョイと靴を取り上げた。

「あ!!か、返して!!」

キョーコは反射的に出てしまった悲鳴に近い自分の言葉に驚く。
蓮もキョーコを見て淋しそうに微笑んだ。

「俺は…君のものを隠したり捨てたりしないよ。」

蓮の言葉にキョーコは「はい…わかってます。」と頷きながら、下を向く。

すると、蓮の大きな手が、キョーコの頭に突然触れて来たので、キョーコはビクリと身体を震わせた。

「ススだらけだ…。」

蓮は言いながら、優しい手つきで、キョーコの頭や、顔についてしまったススを払う。

キョーコの胸がドキドキと高鳴る。
こんな風に人に触れられるのは始めてのことだった。

肩や腕についたススやゴミを払うと、蓮はキョーコの腕を引いて思わず抱きしめていた。

「つっっつつつ敦賀君?!」

キョーコが真っ赤になりながら狼狽えて、蓮の腕の中で暴れる。

「敦賀君まで汚れちゃうよぉ!!」

「構わないよ。俺のことはいいから。」

蓮は、キョーコを抱き締める腕に力を込めた。

「俺にまで、心の中を隠さないでいいから。」

蓮の言葉に、キョーコは「ズルい…」と呟く。

蓮の制服をギュッと掴んで、キョーコは声を殺して震えながら涙を流した。

蓮は、そんなキョーコが落ち着くまで、まるでキョーコの心を包み込むかのように、何も言わずにそっと抱き締めていたのだった。




蓮がここに来た理由は、数分前に遡る。
放課後の教室で社と二人で例の如く女子達に囲まれて会話をしていると、チラリと見下ろした窓から、キョーコが慌てて外を走る所をたまたま見かけた。

キョーコの向かう先は焼却炉ぐらいしかなく、人目に付きにくい場所だったため、蓮は心配になった。

もしかして誰かに呼び出された…とか?!

蓮はキョーコが心配で堪らず、適当に誤魔化してその場から抜け出すと、急いでキョーコの姿を探した。

ようやく見つけたキョーコは、汚れることも気にしてないのか、膝を地面に付け、馬立ちになりながら何かを探していた。
あまりの体制に、蓮は眩暈を覚えつつ、某然としながらも何とかキョーコに声をかけた。

慌てて立ち上がったキョーコが背中に隠した靴を取り上げると、咄嗟に出たキョーコの悲鳴混じりの声に苦笑が漏れる。

君は俺まで敵だと認識してるのだろうか?

そんなことを思いながらキョーコを見れば、キョーコの髪や顔や制服をススが汚しているのに気付いた。
思わず抱き締めようとして伸びた手が、キョーコの身体についたススをそっと払う。

なかなか取れないススが、彼女の心についた傷のようだに思えて、蓮は無性に心が焦った。
払えば払うほど広がるように感じてしまう。

だったら払わずに、洗い流してしまえばいい…。
そう思った蓮は、キョーコが泣けるようにただ強くキョーコの身体を抱き締めた。

こんなに細くて小さな身体で耐えるにはあまりにも辛すぎる。その痛みを涙で洗い流して。せめて安心して泣ける場所を作ってあげたい。

蓮は、声を殺して泣くキョーコを抱き締めながら、宥めるようにキョーコの頭をポンポンとなでるのだった。




「え?そのまま帰る気?」

「うん。」

蓮の驚いた声に、キョーコはケロリとして答える。

「でも、そんな格好じゃお家の人びっくりするんじゃない?」

「大丈夫だよ。お世話になってる旅館のそばにね、綺麗な小川があるの。そこで汚れを落とせば大丈夫。」

ーーーあぁ、あの小川か…。

蓮は心の中でこっそりと森の中にある小川を思い出した。
キョーコちゃんと初めて出会った想い出の小川だ。

「でも、小川って、まだ水冷たいだろ?」

「うん。でも平気だよ。慣れてるもの。」

キョーコの言葉に蓮は顔を歪ませる。

「そんな…。それなら…俺の家に来たらいいよ。今、俺は一人暮らししてるんだ。家のシャワー使ってよ。ね?」

「え?!…でも、そんなの迷惑なんじゃ…。」

「迷惑なんてとんでもない。川で水浴びなんて、それこそ心配でいても立ってもいられないよ。」

「敦賀君…。ありがとう。そんな風に言ってくれるの敦賀君ぐらいだよ。」

「じゃあ、決まりだね。もう帰れるんだろ?」

「うん。大丈夫。」

「じゃあ行こうか。」

蓮は、キョーコの汚れた制服を見て自分の上着をバサリと肩から掛けると歩き出した。

キョーコはそんな蓮の背中を見て、何故か胸がキュンと締め付けられる感覚を覚える。

人目につかないように裏口からこっそりと抜け出して、二人は蓮の家に向かって並んで歩き出した。

蓮の足はキョーコよりも長いはずなのに、スピードはキョーコのペースに合わせている。

いつも小走りで松太郎の後を付いていっていたキョーコは、そんな蓮の気遣いに胸が再びキュンと締め付けら胸がドキドキと弾むのを感じるのだった。


(続く)

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*****


まだ焼却炉ってあるのかなぁ??高校はないんでしたっけ??

うーん??高校いってたのが、5年以上も前のことなので、色々変わってるだろうから、今の学校の決まりとかとは無視な感じで読んでもらえたらと思います!

※Amebaで2012/01/20に投稿した記事に加筆訂正をしたものです。
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