【別館】撮影風景『人形のオンナ』更新

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アレはアイツで私じゃないの!後編

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*****


アレはアイツで私じゃないの!後編


ーーーうっ。か、帰りてぇ…。何だよこの尋常じゃねぇ負のオーラは…!

キョーコは一歩一歩をひどく重く感じながら蓮に近付いた。

ーーーおいおいマジかよ…。相手はあのキョーコだぞ?たった一言でどんだけ沈んでんだよ…。

ズブズブズブズブと何か得体の知れない暗い塊に今にも飲み込まれそうな蓮を目にして、キョーコは寧ろ戸惑ってしまった。

近寄ったら腐ってしまうんじゃ…なんて思いながら、助けを求めるように後ろにいるショータローを振り返れば、ショータローはグッと拳を握り、行け!!と目つきの悪い顔で強く訴えかけてくるので、ぐっと堪えて恐る恐る最後の重い一歩を踏み出し蓮の目の前に立った。

「あ…あのぉ…つ、敦賀…サン?」

不自然にひっくり返りながらかけられたキョーコの声を聞いて蓮の肩がビクンと揺れた。

ゆっくりと顔を上げた蓮は、縋るような…捨てられた仔犬のような潤んだ瞳でジッとキョーコを見上げてきて、キョーコは思わず赤面して後ずさった。

ーーーーンナッ……!!んて顔をしてんだよ!!!!!!!

「……。最上さん…?」

弱々しい表情と声には生気の欠片もなく、芸能界1ピーな男の面影も、ゴージャスターなオーラも微塵もなく、キョーコは一瞬唖然としてしまったが、すぐに気を取り直し口を開いた。

「あ、あの…さっきは…」

瞬きもせずジッと仔犬のような目で縋るように見上げてくる視線。
雨なんか降ってないのに、その姿を見て雨に濡れて震えている仔犬の姿が重なるのは何故だろう?

ーーーウッ…な、なんなんだよ!その顔は…!!いつもの胡散臭い顔はどこに置いてきやがったんだよ!!って…イヤイヤ、マジかよ…なんだよコイツ…!!

その視線に耐え切れず、冷や汗をだらだら流したキョーコは腰を折って90度の角度でしっかりと頭を下げた。

「すっ、スイマセンでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ーーーキョーコだぞ?コイツの一言で天下のゴーシャスター様がこんなに落ち込むなんて誰も思わねぇだろ!!

一瞬の間をおいてもなお、全く反応のない蓮。
キョーコは蓮の様子を伺うため、恐る恐る顔を上げた。

すると、そこには驚いた顔で目を見開いて固まってる蓮がいて、戸惑いながら声をかける。

「あ、あの…敦賀…サン?」

呼びかけたことで、ハッとして顔を上げた蓮は、キョーコの目をじっと見つめた。

「何故…君が謝ってるんだ…?」

「え…いや、だって…」

「君があんなことを言ったのは、気付かない間に俺が君の気に触ることを何かしていたんだろう?もう二度と近付くなと言いたくなるほどに…」

自分自身の言葉で身を切り裂いているようにどんどん傷付いた顔をしていく蓮を見かねてキョーコは声を荒らげ慌てて答えた。

「んな?!ち、ちがっ!!あんなのほ、本気じゃなかった…ってか…あの…」

「………本気じゃ…なかった…?」

「あれは、その、そうだ!!あのバカで間抜けな男に無理やり言わされたんだ、ょ…じゃない!です!」

「?不破、君に…?」

「はいっ!」

「そう…」

そう呟くと、蓮の空気がすうっと変わった。
仔犬の顔はあっという間にガラリと変わり、蓮の纏う空気は絶対零度の極寒地帯に入ったかのように冷たくなった。
キョーコはその一瞬の変化に驚いて思わず後ずさる。

「ひぃぃ!!」

ーーー何だ?!この尋常じゃねぇ冷気は?!どこから来やがった?!こいつか?!こいつが発信源か?!マジ怒りじゃねぇか!!

いつの間にか立ち上がっていた蓮から、壁際にじわじわと追い詰められ、キョーコは絶体絶命のピンチに追いやられた。

ーーー殺される!!キョーコの野郎!!俺から言わされたって、そう言えば大丈夫ってさっき電話で言ってたじゃねぇかぁぁぁぁ!!!!

「何であんな奴の言いなりになった…?」

「そそそそそそそそれは、そ、そう!そう言わないとまたキスするぞって脅されたからで…!!」

「そうか、それは仕方がないね。あんな奴に君の唇を二度も奪わせるわけにはいかない。」

蓮の雰囲気が妖しい夜の空気を纏い始めた。

ーーーん?何だ?!冷気が弱まっ、た…?

少し温度が変わったことに意識が奪われたキョーコは蓮の目つきが怪しげに揺らめいたことには気が付かなかった。

「だって君の唇は、もう他の誰にも渡せないからね…。」

そう言って、蓮はキョーコの唇をいやらしい手つきで撫でると、その顔を意味ありげに覗き込んだ。

「へ?!」

ーーーえ?!な、何だ?!この空気!!色気垂れ流しかよ!!!!一瞬ドキっとしちまったじゃねぇか!!くっ!こんな野郎相手にドキドキしちまうなんて…。…ってか、顔近けぇ〜〜〜!!

「な、何…言ってるんですか?敦賀サン、やだなぁ〜…。」

「いや、唇だけじゃないな。君の全ては誰にも渡せない。」

ーーーちょ、何だよ?!その目!その雰囲気…やべ…男相手なのに…その、はずなのに…何か腰砕けそ…

今にもキスされそうな雰囲気にキョーコがうっかり目を閉じそうになってると…

「だっ!ダメェェェ!!」

突然、蓮が横から何者かにタックルされ、キョーコからバリッと引き離された。

「うぁっ?!」

ーーーっっっっ!!お、俺は今何を?!

蓮のキスをうっかり受け入れようとしていた自分自身に驚いて、キョーコは真っ赤になって口を腕で覆った。

「な?!不破…くん?!」

「敦賀さん!騙されちゃダメです!!」

ショータローの声が聞こえたことでハッとしてキョーコがそちらに視線をやれば、蓮の身体にショータローが巻きついているという異様な光景が飛び込んできた。

「な?!おまっ!!何して…!!だぁぁ!!やめろぉぉぉぉ!!俺様のイメージがぁっ!!」

「うるっさいわね!!アンタが私の許可なく敦賀さんを誘惑したりするからでしょ?!謝罪に来たんじゃなかったの?!」

「んなぁ?!だ、だぁーれがこんな奴、誘惑するかよ!!!!お前の目は節穴か?!今のはどう見てもコイツから誘惑してきただろうが!!」

「な?!私なんかを敦賀さんから誘惑してくるわけないでしょ?!」

「だーかーらー俺じゃねぇって!こいつがいきなり迫ってきやがったんだよ!!」

「つ、敦賀さんとキ、キキキキキキッキスなんて!!破廉恥よぉぉぉぉ!!」

「てめっ!だからその身体でその言葉遣いやめろっつってんだろうがぁ!!」

突然目の前で始まったやり取りのテンポの良さはいつもの二人の仲の良さを表してるように思うのだが、どうも違和感が大有りで、蓮は目を見張った。

「アンタが敦賀さんを誘惑したりするからでしょう?!」

一方は明らかにキョーコの口調だが、声も姿もショータローのもので…

「だーかーらーしてねぇっつってんだろ?!」

もう一歩は明らかにキョーコの身体で声だが、男のような口調になっている。

「えっと…これは…どういうこと?最上さん、説明してもらえるかな?」

蓮は恐る恐る二人に声をかけた。
途端に青ざめたショータローだったが、その場に這いつくばるように土下座をしたことで、キョーコがギョッとして飛びのいた。

「す、すいませんでしたぁぁぁ私たち、敦賀さんを謀ろうとしておりましたぁぁぁぁ!」

「ぬぁ!!ちょ、おま、俺の身体で土下座すんなぁぁぁ!!」

そしてショータローもキョーコも収録時間が迫っていた為、蓮に掻い摘んで説明をして、また後ほど三人で改めて落ち合うことになったのだった。


蓮も出来るだけ巻きで仕事を終わらせたものの、落ち合えたのは21時を過ぎてからだった。

「キョーコちゃん!…と、不破君?!」

駐車場に待っていた意外な二人組の姿に流石の社も驚いていたが、蓮は気にする風もなく、二人を車に招いた。

「話は後です。とりあえず乗って。」

「はい!失礼します!!」

丁寧に断りを入れて真っ先に乗り込んだショータローにも驚いたが、ぶすっと不貞腐れたキョーコはいつもと様子がまるで違い乗るのを渋っていて、社は頭の中で疑問符をたくさん飛ばしていた。

「ほら、君も。」

「さっさと乗りなさいよ!!敦賀さんを待たせちゃってるじゃない!!」

車の外にいる蓮と車の中のショータローに急かされて、キョーコは渋々従った。

「ちっ。わかったよ。」

そう舌打ちをして乗り込んだキョーコを唖然と見送った社に、蓮は呼びかける。

「社さんも乗ってください。」

「あ?あぁ…。」

4人で車に乗り込み、蓮は車を走らせた。

社だけが何故ここに不破君が?と思いながらも、私語厳禁状態の空気の中、事の成り行きを見守ろうと、アンテナを張り巡らせていた。

そして暫く車が走ったところで、ショータローが蓮にしおらしく話しかけた。

「あのぉ…敦賀さん。」

「ん?何?」

蓮の座席の後ろに座ったショータローからの声かけに優しく答える蓮の様子を見て、社はギョッとした。

「せっかくなので、お夜食作りますけど…。お夕飯、召し上がってないですよね?」

「あぁ。うん。そうか…じゃあ何処かスーパーでも寄る?」

「はい!お願いします!」

「クス。了解。」

社は二人の会話の内容に度肝を抜かれた。

「え??どういうこと??不破くんが料理を作るの?!蓮のために??」

「…んなわけねぇだろ、おっさん!何で俺がそんなことしなきゃいけねぇんだよ。」

社の言葉に、すかさずキョーコが突っ込んだ事で、社は漸く真相に辿り着いた。

「やっぱり!なんか可笑しいって思ったらそう言うことか!!キョーコちゃんと不破君があべこべなんだ!」

「そうなんです。何故か身体が入れ替わってしまって…。」

「ふん。どうせ入れ替わるならもっとボリュームのある色気のある身体が良かったけどな。」

「なんですってぇ!!私だってあんたのモヤシみたいな身体お断りよ!」

「んな?!モヤシだと?!俺のどこがモヤシだってんだよ!!」

「あんたなんか敦賀さんと比べたらもやしよ、モヤシ!!」

「くっ…テッメェ…!!」

入れ替わっても仲の良さが見て取れるやり取りに、蓮は面白くなくて終止符を打った。

「はい。ストップ。とりあえず話は家に着いてからにしよう。」

蓮にそう言われると、ショータローは小さく謝り座り直し、キョーコはチッと舌打ちしながら、窓の外を眺めた。

異様な空気に包まれたまま車の中は蓮の家に着くまで私語厳禁状態が続くのだった。


「んな?!なんじゃこりゃー!!」

キョーコは最上階についたエレベーターから降りて叫び声をあげた。
ワンフロア一室の部屋に驚きが隠せなかったようだ。

「うるさいわね!立ち止まってないでさっさと付いてきなさいよ。」

「おまっ!なんで驚かねぇんだよ!!」

ショータローの落ち着いた態度に驚いて、キョーコが詰め寄った。

「キョーコちゃんは蓮の家に何度も来てるからね。な〜蓮。」

「えぇ。そうですね。」

社がニヤニヤしながら言えば、キョーコが素っ頓狂な声をあげた。

「はぁぁ?!」

「…あんたこんなところで驚いてたら、敦賀さんの寝室なんて見た日にはひっくり返るわよ。」

「んな?!し、寝室って!!おい!キョーコ!!お前まさか敦賀の毒牙に…」

「蓮の家のことは俺よりキョーコちゃんの方が知ってるかもね。」

「えぇ?!そんな…まさか。」

「だーって俺、キョーコちゃんと違って蓮の家に泊まったことないもん。寝室も入ったことないし。」

「え?そうなんですか?」

「さぁ。どうぞ。」

「あ、ありがとうございます。お邪魔します。」

「泊まっ…?!?!…おい!キョーコ!!」

「あーー。もう、煩いわね!何度か泊まったことがあるからって何よ?あんただってショーコさんの家に泊まったりしてるんでしょ?同じじゃない!少しは黙ってて頂戴!」

ショータローの衝撃的な言葉に、キョーコはショックで反撃の言葉が出ず、口をパクパクさせて固まってしまうのだった。


ショータローが作った料理を食べ、とりあえず腹ごしらえを済ませた4人は片付けを済ませ、蓮がコーヒーを用意すると早速本題に入った。

「それで…どうやったら元に戻れるんだろうね。」

「今日はこのままでも何とかなりましたが、さすがにずっとこのままって訳には…」

「うん。そうだね。」

「同じ衝撃を受けたら戻ったりするんじゃ…。」

「だからって再び階段を転がり落ちるの?そんな危険なことさせるはずないだろう。怪我をしたらどうするんだ。」


その後も話し合いは続いたのだが、結局何もいい案が浮かばぬまま、ショータローが目をこすり始めたのでお開きになった。
しかし、一人になったキョーコが何をするかわかったものでないため、キョーコは蓮の寝室で一緒に眠ることになった。

一悶着あったあと、無理やり着替えさせられた服の上から蓮に手足を動かせぬよう巻き付かれて、身動きが取れなくなったキョーコは力では叶わないと諦めたように目を瞑る。

ーーー何だか、色々なことがあって今日は疲れたな…

深い深い眠りに落ち、キョーコはそのまま朝を迎えた。

*

「つ、つつつつつつ、敦賀さん?!あの、これは一体全体どう言った状況なのでありましょうか?!」

蓮の腕の中で目覚めたキョーコは自分の姿に驚いた。
下の方が何やら開放的な気がすると思ったら目の前には昨日身につけていたはずのショーツとブラが落ちてるし、何やら男物の服を着せられてはいるが、逞しい蓮の腕に動けぬようしっかりと抱きしめられているのだ。
それに何だかとっても、何故だか身体が熱を持っている気がする。

「あぁ。おはよう。最上さん。良かった。眠ったら戻ったんだね。」

「ひゃわ!お、おはようございます!あのぉっ…」

「昨夜は最上さんの身体を使って不破君に誘惑されてね…。大変だったんだ。」

「へ?!ゆうわ…?!あいつ一体何を?!」

「それは…その…不破君がね、俺の前でその…服を全部脱いじゃって…。ごめん。全部見ちゃった。」

ギュッと身体を抱き締められ、心底言いにくそうに言われた言葉の内容に、キョーコは気を失いそうになった。

「ふぇぇぇぇえ?!あ、あの、見ちゃったって、え?あの、その、もしや…このわたくしめの、はだ…はだっ…はだっ、かを…?」

蓮は一瞬言葉に詰まったが、正直に白状することにした。

「……うん。そしてごめん。ちょっとだけ味見もしちゃったかな。」

「ふぇ?!味見?!味見って何ですかぁぁ?!!!」

「うん?興味ある?何なら今から実戦で教えてあげようか。」

コロンと転がされたキョーコにのっしと跨った蓮の雰囲気から何かを感じ取ったキョーコは慌てて真っ赤になって拒絶した。

「けけけけけけ結構です!結構です!結構ですぅ!!!!!」

「ぷ。はは。良かった。ちゃんと最上さんだ。」

蓮は、嬉しそうに無邪気に笑うと、そっとキョーコの頰に手を添えた。

「おかえり。最上さん。」

「は、はい。あの、ただいま…です。」

顔を赤くして恥じらいながらいうキョーコの可愛らしい笑顔にギリギリまで保っていたはずの理性がガラガラと崩れる音を耳の奥で聞いた気がした。
ノックアウトされた蓮は己の理性を制御することも出来ずうっかりキョーコを抱きしめてしまった。

ぎゅぅぅーと強く抱きしめてくる蓮に、キョーコは驚いて目をグルグルと回した。
熱い蓮の体の体温の近さに今更ながら服の薄い生地だけで遮られていることを否が応でも自覚させられる。

「ふぁっ?!…あのっ!つ、敦賀さん?」

「身体だけが欲しいわけではない。…ないけど、でも俺も男なんだよ。もうそろそろ限界…。」

「へ?!限界って…どこか具合でも?大丈夫ですか?」

蓮の言葉に、キョーコは驚いた。自分のことばかりでいっぱいいっぱいだったが、ショータローが何かやらかして蓮を困らせたのではないかと急に心配になってきたのだ。

「…大丈夫じゃない。最上さんが好き過ぎて、愛しすぎてどうにかなってしまいそうだ…。」

「へ?!ちょ、敦賀さん…何やら、寝ぼけて…」

「寝ぼけてなんかない。これが俺の本当の気持ち…。」

「ほんとの…気持ちって…え?!」

蓮はふぅと息を吐き出すと、キョーコを抱き締めていた腕の力を少し緩め、キョーコの顔を覗き込むと、じっとキョーコの目を見て告白した。

「ずっと最上さんが好きだった。」

キョーコが目を見開き、ヒュッと息をのんだ。

「好きで好きで堪らない。好きすぎて、胸が苦しい…君が欲しくて堪らない。」

「敦賀さん…。」

キョーコの目に涙が溢れた。
蓮の言葉が嬉しくて堪らない。
キョーコは感動のあまり己の格好も忘れて、蓮の首にガバリと抱き着いた。

「好き…。私も…私も敦賀さんが好きです。」

蓮は目を見開いた。震える手でキョーコを強く抱きしめ直す。

「本当に…?」

「はい…本当です!こんなことで嘘なんかつきません!ずっとずっと気付かないふりしてたの。そしてこの気持ちは墓場まで持って行くつもりだった。でも敦賀さんが私を必要としてくれるなら…」

「最上さんっ…!!」

蓮はガバリとキョーコをベッドに押し倒し、そして真剣な眼差しでキョーコの顔を覗き込んだ。
ゆっくりと二人の顔が近づき濃厚な空気が忍び始める。

「キス…してもいい?」

キョーコは恥ずかしそうに、小さく頷いてギュッと目を閉じた。

蓮はそんなキョーコにクスリと笑みをこぼし、優しく口付ける。

「ん…ぁ…」

口付けながら、蓮の熱い掌がキョーコの太ももを撫で上げた。
舌を絡ませ、キスに夢中になりながら、蓮はキョーコの中から昨夜のショータローの気配を消すかのようにキョーコの身体を撫で回す。

キスに応えるのがいっぱいいっぱいのキョーコは蓮の手の動きが気になりながらも抵抗することが出来ず、代わりに強請るようにギュッと蓮に縋り付き、蓮を喜ばせた。
そして二人のキスは益々深まる。

「ぷはっ…はぁ、はぁ…や…」

キスに痺れて、酸欠になりそうなキョーコの唇を解放して、蓮はキョーコの頰や首筋に唇を這わせた。

「ん…。」

いつの間にか露わにされていた胸の頂きに吸い付かれて、キョーコはハッと意識を取り戻すと真っ赤になりながら暴れた。

「や、そんな…敦賀さんっ!!」

「味見…。」

ペロリと舌で唇を辿りながら、ドヤ顔で言われたキョーコは真っ赤になって固まった。

「な?!」

「後こっちも…。」

「あんっ」

蓮の唇が、普段はスカートで隠れている太ももの付け根に落ちた。
熱い舌の感触とチュッと離れて行く唇の感触。

「味見…。」

怪しい雰囲気を纏う蓮に、真っ赤になったキョーコはワナワナと震えながら今日一番になるであろう大声で叫んだ。

「つ、つつつつつ、敦賀さんの破廉恥ぃぃぃぃぃ〜!!」

枕を抱きしめて、小さくなってしまったキョーコの服の裾から可愛いお尻が見えそうで見えないのを眺めながら、さてどうしてくれようかと、心の中で独りごちて、ポンポンと背中を叩き宥める。
そして先輩面して欲望を隠すため、それらしい言葉で言いくるめた。

「わかった?今自分がどういう状態でいるのか。そんな無防備な格好で男のベッドにいつまでもいるもんじゃないよ。」

そんな涼しい顔をしていう蓮にキョーコはジロリと白い目を向ける。

「昨夜、何してたんですか?!あいつと!!こんな破廉恥な格好で!!」

「んー。それは、最上さんは聞かない方がいいんじゃないかな?あぁでも安心して。最後まではしてないから。」

「んなぁ?!」

「だってしょうがないだろう?好きな女の子が自分のベッドの上で裸になったら…何もしないわけにはいかないじゃないか。最後までいかなかっただけ褒めて欲しいくらいだよ。」

「そんな!!自信満々に褒めて欲しそうな顔で何てこと言ってるんですかぁ!!」

「んー。だってキョーコが可愛いのが悪い。」

「んな?!キョーコって…!」

「ん?ダメだった?」

「いえ、あの…。」

「折角恋人同士になったんだし、それくらいいいよね?」

「な?!こ、恋人って…!」

「そうだろう?違うの…?」

「………だって…あの、本当に私でいいんですか?」

「キョーコで良いなんて言ってない。俺は、キョーコが良いの。」

「敦賀さん…。」

「さぁ、俺がその枕に嫉妬してしまう前に、こっちへおいで。」

蓮が手を広げると、キョーコはおずおずと枕を離し、蓮の胸に飛び込んだ。

「でも良かったよ。キョーコが俺のこと好きになってくれてて…。」

「私も、敦賀さんが私のこと好きだなんて、夢にも思ってませんでした…。」

「キョーコ…」

「敦賀さん…」

熱く見つめ合う二人。
再び、唇が重なろうとしたところで、寝室のドアがバァンと開け放たれた。

「朝っぱらから鬱陶しいんだよ!!さっさと着替えて支度しやがれ!!おい!キョーコ!朝飯!トロトロしてんなよ!」

驚いて固まる二人が抱き合っているのを見ても、ショータローは驚いてはいなかった。
そんな二人を馬鹿にするように鼻で笑う。

「ったく。案の定、朝からイチャコラしやがって。…敦賀サン!あんたの本気はわかったから、キョーコは暫く預けてやるけどな!泣かしたら承知しねぇからな!キョーコも、何かあったら俺んとこにこい。話くらい聞いてやる。じゃあな!」

夜中の間に蓮との間に何があったのか、ショータローは顔を若干赤くしてそう言い残すと、寝室だけでなく、蓮の家から出て言ったのだった。
朝食は蓮のために早く作れということらしい。

「何あれ…。」

言いたいことを言うだけ言ってドスドス足を響かせて去って行ったショータローにキョーコは戸惑い、蓮はくすりと笑った。

「彼なりの激励なんじゃないかな。」

「はぁ…。」

「俺たちの関係も認められたみたいだし。さぁどうしよっか?」

「へ?どうする…とは…?」

「うん。だからね、そのままの格好で俺に抱きついて来たということは、このまま俺と愛を深めたいのかな?って。折角晴れて恋人同時になった上に、二人っきりにもなったことだし…。邪魔者はいないよね?」

夜の帝王の雰囲気でキョーコをベッドにコロンと転がしながらそう言われると、キョーコはあっという間に蓮の腕の中から飛びのいて、目にも留まらぬ早さでパンツとブラを引っ掴むとそのまま壁に張り付いた。

「あの…私…!そうだ!!朝ごはん!朝ごはん作ってきますのでっ!!」

「え…」

「この続きはまた今度でお願いしますぅぅ!!」

そう言いながら逃げるように走り去ったキョーコを見送って、蓮はぱたりとベッドに倒れた。

「はーーーー。良く我慢したよ、俺…。」

頑張った自分にエールを送り、顔を緩めて笑うと手に入れた幸福を噛み締めた。
先程までキョーコが抱き締めていた枕を胸に抱き、溢れ出る愛しさを逃さぬように強く強く抱きしめ、そこに残っていたキョーコの温もりと残り香を存分に吸い込む。

「キョーコ…。」

先程までのキョーコとのやりとりを反芻していた蓮は、キョーコの最後の言葉を思い出して、はっと目を見開いた。

“この続きはまた今度でお願いしますぅ〜!!”

そう言って真っ赤な顔で走り去ったキョーコ。

「そのお願いは今度絶対叶えてあげないとな。」

クスクスと甘く崩れた顔で嬉しそうに笑って、蓮は「あーーーー」と幸せいっぱいのため息を吐き出して、天井を仰いだ。

身体が入れ替わったことを知って、ショータロー相手に少しばかり嫉妬を抱いていた蓮だが、思わぬ形で手に入ってしまった彼女。

愛のキューピッドになってくれた彼女の幼馴染に心から感謝して、ご飯に呼ぶキョーコの声に返事を返した。

まだまだ若い二人にはこれから時間はゆっくりとある。
少しずつ、少しずつ二人の関係も深めていけばいい。

蓮は立ち上がり、美味しそうな朝食が並ぶリビングへと向かったのだった。


END

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*****

楽しみにしてくださってた皆さん!大変長らくお待たせしてしまって申し訳ありませんでしたぁぁ!!!!!!

後編の前半部分のショータローキョコが、キョーコの一言で浮き沈みする蓮や、蓮に責められてウッカリ惚れそうになってしまうところが描きたくてこのお話を書いたのですが、そこから二人の身体が元に戻るまでの案がずっと思いつかず、お風呂シーンとか色々盛り込めそうな要素はあったものの、変態チックになりそうで、どうしたものかと、悩みに悩んでたうちに、前半部分を書き終えた満足感からすっかりその続き書くの忘れて放置してしまってましたぁ!


アメンバー申請のメッセージで、漸く書きかけてたことを思い出したこのお話。
キョーコちゃんの中に何ヶ月もショータローを放置してしまっててごめんなさい、蓮キョファンの皆さん!!そして何より敦賀さん!!!!

あぁ、大魔王が降臨してきそうで恐ろしいっ!!

そんなこんなで、夜中の間に何があった?!な感じでハピエンにしちゃいました(笑)
いやぁ、実は夜中のシーンも書いたのは書いたのですよ。ええ。それはもうガッツリと。
そしたらもう長いのなんの…。
この記事でも長いくらいなのに、カットしたシーンもこれと同じくらいの長さで、これ絶対一話分じゃないし…確実に限定だし…!!

こんなキョーコちゃんの中にショータローがいるまま、後編の部分だけ限定にしちゃうとか何だか風月が許せなかったので…(だってアメンバーじゃない方は結局ラストどうなった〜?!って感じで悶々とさせてしまい、結局その人たちの脳内ではキョーコちゃんの中にショータローが入りっぱなし…という最悪の状態になってしまうわけで…それは蓮様にとっても不本意になってしまうだろうから耐えられず)、限定になりそうな部分だけ丸々っとカットして、通常公開にすることにしました!

カットした確実限定行きの部分も、オマケとして後日アップするのもありかなぁ〜とか考えつつも、とりあえず今の所は保留中です。
これはこれで各々の想像力で楽しんで頂けることができるのかなぁ?と♪

久々書き始めたらやっぱいかんです。
色んな蓮キョが頭ん中をぐーるぐる。
さて、どれから仕上げていきましょうかね…。

今年は恋の季節は…に手を出して年内に終わらせることが出来るかにチャレンジしようかと今の所はかんがえてますが、さて、どうなることやら。

これからもぼちぼち見守っていただけたら幸いです。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。

風月でした!

砂浜アクシデント

砂浜アクシデント


まだ肌寒さが残るがピクニック日和の平日の午後、キョーコはロケバスの中で、ドキドキと脈打つ心臓を落ち着かせながらその時を待っていた。

ビーチでは沢山のスタッフがビーチシートを取り囲み、慌ただしく撮影の準備をしていた。

撮影が始まるまでは、風邪をひいたら行けないからとキョーコの肩にはタオルを掛けられている。

「スタンバイオーケー!!配置について。」

号令を聞いて、エキストラもこの肌寒い中、水着になって配置についた。

「京子さん入りまーす!」

「よろしくお願いします。」

キョーコはやや、緊張した面持ちでスタッフに挨拶しながら、誘導されるままビーチに向かった。

「じゃあ京子ちゃん、タオルを外してあっちに頭を向けてうつ伏せに寝そべってくれる?」

「…は、はい!わかりました。」

キョーコは深呼吸を一つして、自分の中のスイッチを切り替えると言われるまま、タオルを外しビキニ姿を露わにする。
タオルは丁寧に折り畳んでそばに置いて寝そべった。

それを確認して近くにいた衣装スタッフが声をかける。

「じゃあ京子ちゃんごめんね。失礼して外すわね。」

「は、はい!」

キョーコのビキニの後ろのフックが外され、キョーコはわかっていたこととはいえ、心許ない気持ちになった。

「京子ちゃん、ごめんなさい。腕も抜くから少し力を抜いてくれる?」

「あ、はい!すみません!!」

キョーコは言われるまま脱がされて無防備な姿になると、キョーコはこのまま逃げたい気分になったのだが、そこに肩からタオルが掛けられたことで、少しホッと息をつけた。

チラリと視線を送った先に、スタンバイ中の蓮と社が並んで立っていた。

キョーコは蓮の姿を見て、勇気をもらうともう一度深呼吸をして、気持ちを切り替えた。

「貴島さん入りまーす!」

「よろしくお願いします。」

そうしてキョーコに近付いてきたのは貴島だった。

「よろしくね!京子ちゃん。」

「あ、はい。よろしくお願いします。」

「じゃあ失礼して。寒いよね?外すけどいい?」

貴島がスタンバイ位置についてタオルに手をかけた。

「は、はい!!よろしくお願いします。」

貴島の声掛けにキョーコも心を決めた。

「うぉっ!京子ちゃん背中綺麗だね。」

「あ、ありがとうございます!」

背中綺麗と言う言葉に、キョーコはホッと息を吐いた。

「ふふん。嬉しいな〜敦賀君の視線は怖いけど、仕方ないよな〜こればっかりは、キャスティングだもんね!」

貴島の声がウキウキと弾んでいるが、確かに蓮からの怒りの波動が離れているキョーコにも伝わってきた。

ーーーひーー!!なんであんなにお怒りなのよぉ〜!!やっぱり…私のような貧相な身体じゃ人様の目に余ると…!!でもっ、でもそれは貴島さんの言うようにキャスティングで決まったことで仕方ないじゃないですかぁぁ!!

キョーコは心の中で涙目になりながら、必死で笑顔を作った。

「そ、ソウデスヨネ〜!キャスティングですもんね!仕方ないですよね〜!!」

「うんうん。そうだよ。敦賀君より俺の方が京子ちゃんには適任ってことかな。」

「え…それってどう言う…」

キョーコが真意を確かめようとしたところで、監督からスタートの声が掛かった。

日焼け止めのCMの為、UVを乗せた貴島の手がキョーコの背中を滑る。

「ん…」

女の人とは違うザラッとした貴島の手の感触がちょっと怖くてキョーコの背中がビクンと跳ねた。
貴島は口許に笑みを浮かべ、両手を使い丁寧に塗り進んでいった。


「………社さん。」

「何だ?蓮。」

「塗りすぎじゃないですか?」

「まぁ、仕方ないだろ。オーケーが出てないんだから…。」

一方その頃、離れた場所にいた蓮はイライラしていた。
必要以上に力の入った腕組みをしながら蓮は2人の撮影を見守っていた。

本当はロケバスの中でスタンバイなのだが、心配で出てきているのだ。

蓮はこの後の撮影で別のモデルに日焼け止めを塗ることになっている。

オーケーの声がかかり、キャスト入れ替わりの為蓮も呼ばれた。

「行ってきます。」

肌寒い中、コートを社に託して足早にキョーコの元へ向かう蓮を見送りながら、社はやれやれと首を振った。
入れ替わるのに少し時間がかかるため、そんなに急ぎ足にならなくてもいいはずなのに、キョーコが心配で堪らないらしい。
それならさっさと告白して付き合ってしまえばいいと思うのだが、相手はあのキョーコだ。
一筋縄ではいかないことは社も百も承知だ。

「だけどなー。いい線行ってると思うんだけどな〜。」

最近のキョーコを見ていると蓮は気付いていないようだが、おやおや?と思う場面が時々あるのだ。
一時期蓮が日本にいない間、キョーコの臨時マネージャーを引き受けたことがあったが、蓮のことを話す時の顔が恋する乙女に見えた時もあった。

もちろんそれを突っ込めばいきなり真剣で険しい面持ちで全力否定してくるものだから、思い違いだったのかとその時は思わされるのだが、それでも後から思い返せば少しの期待は残っている。

そんなことを考えながら蓮に視線をやると現場の時が止まっていた。

「…ん?え?!な、何だ?!何があった?!」

蓮の腰に細い腕が絡みつき、そこかしこから主に女性達からの悲鳴が上がっていた。
社は慌てて渦中の方向に向かった。


「す、すすすすすみません!!敦賀さんっ!!ちょっと、あの、びっくりしちゃって。」

「い、いや、いやいや、ぜ、全然。気にしないで最上さん。あ、離れたらだめだよ。」

社が近くへ行くと、何故か真っ赤な顔のキョーコが、これまた真っ赤な顔の蓮に抱き付いていた。
2人の間を隔てるものは何もなさそうだ。

「一体全体、何があったんだ?」

当然の疑問を社が口に出せば、キョーコが焦ったように口を開いた。

「や、社さん!ごめんなさい!ああああの、これには訳が…」

「うんうん。大丈夫だから、落ち着いて話そうか。」

「あの、俺が最上さんにお疲れ様って声をかけたら、突然最上さんが飛びついて来て…」

「ちちちちちちが!違います!!あの!何かが胸の下で動いて、ビックリして跳びのいたら敦賀さんが…あの…ごにょごにょ。」

正確には突然動いたキョーコの胸が露わになることを恐れた蓮が咄嗟にキョーコを抱き締めたのだが、一瞬のことで、蓮もキョーコもどちらから抱き付いたのかわからなくなっていた。
キョーコの肩から掛けられていたタオルははらりと砂浜に落ちている。
周りの悲鳴は蓮がキョーコを抱き締めたことでエキストラの中のファンからの悲鳴だったらしい。

「え?…何かが動いた?」

蓮がキョーコの言葉に訝しんで眉をあげた。

「は、はい!あの、ビーチシートの下で…」

キョーコが申し訳なさそうに指差した先で、放置されたビキニが僅かに動いた。

蓮が片手でしっかりとキョーコを抱き締めたまま、もう一方の手を伸ばして、ビーチシートを捲ると、その下に蟹がもぞもぞと逃げようとしていた。

「カニ…?」

「カニ…ですね。」

ビーチシートが外され、自由になった蟹はせかせかと海に向かって行った。

それを見送った2人はプッと吹き出し、楽しそうに笑った。

満足するまで笑った蓮とキョーコだったが、大きな問題が残っていた。

「さて最上さん、今の状況はわかってるかな?」

「は、はい。すみません。あの、すぐに離れて…あ…」

離れようとしたキョーコを蓮はグッと力を入れて引き止めた。

「ダメだから。わかってる?今、君裸も同然なんだよ?」

「わ、わかってます。」

蓮に指摘されてキョーコは益々真っ赤になった。
そんな状態で蓮に抱き付いているのだ。
蓮の体温がダイレクトに伝わって来てキョーコの心臓は爆発寸前だ。

「周りにはこんなにスタッフもいるし貴島君だって社さんだっている。」

「は、はい。だけど敦賀さんにこんな…」

早く離れないと身がもたないと思うのだが、何処かで離れたくないと思っている自分もいてキョーコは蓮に対して申し訳ない気持ちになった。

「俺はいいの。取り敢えず移動して着替えよう。監督。少し時間頂けますか?最上さんを安全なところに連れて行きます。」

「え?あ、あぁ頼む。」

「じゃ最上さん、俺の首に手を回して」

「え…?こ、こう…ですか?」

「うん。じゃ捕まっててね。」

「おい蓮。」

蓮が立ち上がろうとした所で、社が待ったをかけた。

「なんですか?社さん。」

「まだ肌寒い。これを着ていけ。」

社に預けていたコートを渡され、蓮はそれを受け取ると礼を述べて、コートを羽織りそれでキョーコの体を隠して立ち上がった。

「ずっるいよねー。敦賀君。俺の方が京子ちゃんの側にいたのに、最終的には搔っ攫っちゃうんだもんな〜」

貴島の残念そうな声を聞いて、キョーコが抱きついた相手が貴島でなくて良かったと心底胸をなでおろす社だった。

ロケバスで何かがあったのか、なかったのかは知らないが、その後の撮影は終始ご機嫌な蓮がいたとかいなかったとか。

何はともあれ、快晴に相応しい穏やかな現場になったことは断言できるだろう。


END

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*****


久々すぎて、どうしたものやら…(笑)
リハビリで短編書いてみました。

かなり久しぶりに降って湧いたお話です。

それにしてもブランク酷い。
最近本も読んでないから文章力も低下しまくりですね。

前はどうやって書いてたんだろ〜笑

お粗末な内容で失礼しましたーー!!
多分、夏頃のCMを今頃取ってるよな〜と思いつつ書いた内容です。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

謹賀敦賀♡

謹賀敦賀♡


「ーーちゃん、…キョーコちゃん!」

「…ッハ!!」

キョーコは下宿先であるだるま屋の女将の声で我に返った。

「す、すみません!私ったらまた…」

居間で年末特番を観ていたキョーコとだるま屋夫妻だが、キョーコは0時まで僅か数分という時に、事務所の尊敬する大先輩であり、密かに想いを寄せているあの人は今頃どう過ごしているだろうかと考えて、ついつい意識を飛ばしてしまっていたのだ。

「いや、私らは別に構わないんだけどね…さっきから携帯が鳴ってるよ。」

「…へ?!」

言われて視線を落としてみれば、テーブルの上に置いていた携帯が己の存在を主張するかのように激しく振動していた。

その事にも気付かないほど妄想脳を働かせてしまっていた自分を誤魔化すように、キョーコは慌てて携帯を手に取り立ち上った。

「す、すみません!ありがとうございます。ちょっと出てきますね!」

そう言って居間を出ながら着信者の名前を見てドキリとキョーコの心臓が大きく跳ねた。

今正に考えていた人物からの電話に、後ろ手で襖を閉めつつ、頬を染め胸を高鳴らせながら恐る恐る通話ボタンを押し耳に当てる。

「お、お疲れ様です!最上ですっ!!」

『クス。お疲れ様、俺だけど…今大丈夫?』

少し笑い声を含んだ優しい低音ボイスが耳に響く。
口元がふよっと緩みそうになるも、密かな恋心がバレたら蓮のそばにいられなくなると思い込んでいるキョーコは、そんな想いを上手に隠して先輩を崇拝する完璧な後輩として元気よく返事を返した。

「はい!大丈夫です!如何なさいましたか?」

『いや、今年ももうすぐ終わるなって思ったら、何となく最上さんは今どうしてるかな?なんて思ってね。』

蓮の言葉に、キョーコは驚き目を見開いた。

「え?!」

『ん…?何?どうかした?』

いつもより蓮の声が甘く聞こえてしまうのは、電話だからだろうか?
蓮が自分のことを考えてくれたことが嬉しくて、キョーコの口がつい滑った。

「いえ、あの、私も…その、敦賀さんどうされてるかな?ってちょうど考えてたので…」

ごにょごにょと恥じらいながら告げた言葉に、少し妙な間が開いた。

『………そう、なんだ…。ゴホッ』

「え?敦賀さん、もしや風邪ですか?」

『…あ、いや違うよ。気にしないで。…あ、それより最上さん、カウントダウン始まったよ。』

「え……?」

『3…2…1…』

低い蓮の声が静かに優しくもカウントダウンを告げてくれた。
キョーコの胸がドキドキと高鳴る。
居間のテレビからわあっと言う歓声が聞こえると同時に、蓮の柔らかな声が耳に飛び込んできた。

『明けましておめでとう。最上さん。今年もよろしくね。』

「あ、明けましておめでとうございます!!こちらこそ!!今年もどうぞよろしくお願い致します!!」

キョーコは深々とお辞儀をして恐縮しつつ新年の挨拶を返したが、その胸の中は驚きと喜びで溢れていた。
世界一贅沢な年越しかもしれないなんて思いながら、偶然とはいえ蓮に一番に新年の挨拶出来たことが嬉しくて堪らない。
思わずキョーコの口元には笑みが溢れていた。

「ふふ。」

『ん?どうかした?』

「いえ、何だか新年早々敦賀さんを独り占めしてる気がして…贅沢だなぁって…」

キョーコはクスクスと嬉しそうに笑った。

『俺だって今最上さんを独り占めしてる気分だよ。』

「ふふ、私なんて独り占めしたところで喜ぶ人なんていませんよ。でも敦賀さんは…」

『…いるよ。』

「ふぇ?」

『いるよ。ここに。』

蓮の言葉に、キョーコは頭の中に沢山の疑問符を浮かべた。

「え…?何がいるんですか?」

『だから、最上さんを独り占めできて喜ぶ人だろう?』

「…??そこにいるんですか?」

『だから、俺』

一瞬、ヒュッと息を呑み目を見開き、キョーコの時が止まった。
だが、すぐにキョーコは目を閉じると、口をキュッと結び、ジト目で窘めるように低い声を発した。

「…………敦賀さん。」

『何かな?』

対する蓮が涼し気なことが人の気も知らず腹立たしい。

「からかわないでください。」

ーーー 一瞬ドキッとしちゃったじゃない!

『からかってないよ。本気だよ。』

「もう、すぐそうやって…敦賀さんの悪い癖ですよ!私じゃなかったら勘違いしちゃうところなんですからっ!」

『勘違いってどんな?』

「もういいですっ!」

『…教えてくれないの?』

「教えませんっ!」

余裕な蓮の声に腹をたてるふりをしつつ、キョーコは自分の気持ちがこれ以上期待しないよう精一杯のセーブをかけた。

『そう。残念。じゃあ勘違いついでに一つお願いしていいかな?』

「え?お願い…?何ですか?」

『お雑煮が食べたいなって思ってるんだけど…』

蓮の言葉に、キョーコは悲鳴を帯びた驚きの声を発した。

「ええ?!敦賀さんが…!自分から自分から食べたいだなんてっ!!」

『…何だか、未知の生命体が現れたような反応だね…傷付くな…』

「いえ!決してそんなつもりはっ!!あのっ私で良かったらお雑煮お作りします!!今日はお仕事ですか?」

『いや、1日オフだよ。』

「じゃあ、お昼頃伺っても良いですか?」

『…良いの?』

「はいっ!!やります!やらせてください!!この最上キョーコ、謹んで敦賀さんの新年をお祝いするため腕をふるわせていただきます!!」

キョーコは力一杯返事を返した。

『クス。じゃあ、お願いするよ。10時頃で良いかな?』

「へ?」

『だるま屋さんまで迎えに行くよ。』

「え?そんな…悪いですよ!勝手に向かいます!」

『俺がお願いして来てもらうんだから…』

「でも…」

『じゃあ10時に行くから。最上さんは待ってること。いいね?』

「…わかりました。」

キョーコは蓮に言いくるめられ、渋々了承した。

『じゃあ、おやすみ。良い夢を見てね。』

「あ、はい!おやすみなさいませ!敦賀さんもゆっくり休んでくださいね。」

切れた電話に少しの寂しさを感じながらも、取り付けられた約束にじわじわと胸が踊りだす。

「何だか、今年はとっても良い年になりそう。」

キョーコはそっと携帯を握り締めながら、頬を染めて微笑んだ。


ーーー世界中のみんなが笑顔で過ごせる素敵な年になりますように。

*Happy new year♡2017♡


END

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*****


…ということで、明けましておめでとうございます!
昨年はあまり更新できずすみませんでした。
そんな中でもアメンバー申請くださった皆様、ありがとうございます!
今年も、あまり出来ないかもしれませんがあまり期待せず、のんびりとでもお付き合い頂ければ光栄です。
久々に書いたのでキャラがブレてたらすみませんっ(汗)
こんな風月ですが、2017年もどうぞよろしくお願いいたします( *´艸`)

皆さんにとって素敵な一年になりますように♡


風月

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

敦賀教信者の行く末

敦賀教信者の行く末


「私、最上キョーコは、敦賀教信者 第一号としてここに…」

「…何、してるのかな?最上さん?」

選挙カーのマイクで敦賀教と書かれたタスキを胸に掲げ、白昼堂々とざわつく人々の前で演説をしていると通りかかった蓮から声をかけられた。

「あ!敦賀さん!!」

慌てて選挙カーから降り挨拶に出向く。

「こんにちは!!」

「こんにちは。…で、何してたのかな?」

「これはですね!!」

キョーコはハニカミながら、自身が信仰する敦賀教について熱く語り始めた。


話を聞いて見事に落ち込んでしまった蓮を前に、キョーコはアタフタと慌てた。

「あの、敦賀さん?どうしました?」

「俺は…君の前では人間にすらなれないのか…」

ズーーーンと落ち込む蓮に、キョーコは一生懸命言葉をつなぐ。

「え?!いえ、そう言うわけでは!!ただ私はですね!それだけ深く敦賀さんを尊敬し、信仰し、崇め奉っているわけで…。」

「………嬉しくない。」

「そんな!!でも、じゃあ私はどうしたら?!私はこの身を捧げてもいいくらいの覚悟で…」

「?!身を…捧げる…?」

「はい!!敦賀さんの為なら、この身…いえ命さえもかけられる覚悟で…!!」

「そう…。」

そして蓮は、気を取り直して立ち上がると、それはそれは爽やかな笑顔を向けて告げた。

「じゃあ、今すぐその身を捧げてもらおうかな?」

「へ?!」

「へ?!って…捧げてくれるんだよね?嘘だったの?」

「え?いえ…決して嘘では…。でも、捧げるってあの…?」

そう言って戸惑うキョーコを軽々とお姫様抱っこして蓮は告げた。

「うん。そうだね。まずは社長に俺たちのことを報告して記者会見だな。結婚式はおいおい日取りも含めて固めていくとして、役所に籍を提出して、新居は早速今夜から家でいいよね?」

「へぇあい?!ちょ、え?!敦賀さん待っ…」

「身を捧げるって言っただろう?自分の言葉には責任もってもらわないとね。」

「言いました!!言いましたけど、それとこれとは違…!!!!いいい〜やぁぁ〜!!助けてぇぇぇ〜!!モー子さぁぁぁぁん!!」

キョーコは蓮に攫われたまま闇の中に消えていった。





「ーーーっていう、夢を見たのよ…」

ラブミー部室で作業をしながら、キョーコが話す夢の内容を聞いて、奏江は微妙な顔をしていた。

「アンタ、それきっと正夢よ。予知夢だったんじゃない?」

「へ?いやぁだー!モー子さんったら!私と敦賀さんが結婚なんてあるわけないじゃなーい!なんてったって、私は敦賀教を信仰する敦賀教信者第一号なんだから!この身を捧げる覚悟って言っても、教祖様とそんな如何わしい関係になるなんて、そんなこと許されるわけ…」

ーーコンコンコン。

「あ、はーい!」

「やぁ、最上さん。」

「つ、敦賀さん?!」

「随分興味深い話をしてたね。俺にもその夢の話、詳しく聞かせてもらえないかな?」

にっこり微笑んだ蓮の笑顔が、夢の中の蓮と重なり、キョーコはヒィイと後ずさった。

「き、聞こえてたんですか?!あ、ああ、あれはその…!!」

「さてと。私はそろそろドラマの撮影に向かわなきゃ。」

「ふぇ?!も、モー子さん?!」

「じゃあ、キョーコ後はよろしく。敦賀さんもごゆっくりどうぞ。」

「ありがとう。琴南さん。」

「待って!!!!置いていかないでモー子さん!!!!」

ーーバタン。

鞄を掴んだ奏江はあっさりと部屋から出て行ってしまった。

部屋の中には蓮と二人きり。
キョーコの心臓が煩いくらいに騒がしくなった。

「さぁ、最上さん。聞かせてくれるだろう?そのあと二人がどうなったのか…あぁ、なんならこれから夢の通りか実践してみるのもいいかもね?」

キョーコの身体がカチンコチンに固まり、背中からダラダラと冷や汗が流れた。
そんなキョーコの体を後ろから拘束し、蓮はそっと悪戯っぽく耳打ちをした。

「その身を俺に捧げる覚悟出来てるんだろう?」

「いいい〜やぁぁ〜!!助けてぇぇぇ〜!!モー子さぁぁぁぁん!!」

キョーコの助けを求める手は虚しく宙をつかむ。

その後の二人がどうなったのか…。
それは皆様のご想像にお任せしよう。


END

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*****

ふと浮かんだお話でした☆

キョーコさんが敦賀教を熱く信仰しているのを知って人間でさえないと落ち込んだ蓮様が、この身を捧げる覚悟と言われて一気に浮上するところを書きたくなったのです(笑)

ギャグチックですみません。
ネタにすべきか短編にするかで迷いましたが、とりあえず短編にしときます。
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初めての方は、まずはブログ内の、「はじめまして。」からご覧ください(*^^*)

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