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雨に流されて… 3(限定)

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拍手お礼〈28〉と呟き。

いつも拍手とコメントありがとうございます♪
恐らく風月はコメントや応援メッセージによって生かされてますね(笑)
拍手もいいね!もブログ応援もとっても嬉しいんですが、やはりコメントが付くと気分の上がり方が違うというか、やる気が俄然湧き上がる気がします。

今日の風月があるのは、本当にコメントやメッセージで風月の気持ちを盛り上げて下さる皆さんのお陰です。
多分、アップするお話にコメントが皆無だったら、ここまでしぶとくスキビ二次界で生きてなかったでしょう(笑)
まさに生命維持に必要不可欠。
多分、風月潰されるのは簡単です。
ハートが弱いので、ノーコメント&ノーアクションで簡単に自滅してしまうでしょう(^_^;)


なので、本当に本当にありがとうございます♪



そんなわけで、暖かいコメントくださった方へのお返事でございます。

【光くんのヒ】
ち◆ぞ◯様→おぉ!光さんってリアルにも結構いますよね!そう言われてみれば、風月の叔父も光さんでした(笑)
蓮様はきっとわかってて際どい会話をしてるんですが、キョーコちゃんはわかってなくて際どいこと言っちゃってますからね。
これは周りに付き合ってると思われても仕方がないでしょうね( *´艸`)
光くんは報われないけど、そこがまたイイのです!
凄く応援したくなる人ですよね!
popipiさん宅にはまだ行ってないのですね!凄く素敵なお話てんこ盛りなので、是非覗きに行ってみてください♪
風月の妄想を現在素敵なお話にしてくださってる方です(笑)
いつもコメントありがとうございます♪


【雨に流されて… 1】
ち☆ぞ様→コメントありがとうございます!本当に前触れもなく起こる脳内ストライキはどうしたもんでしょうね(笑)
書きたいはずなのに、書きたくない…みたいな(^_^;)
あうあう。そんな風に言っていただけると嬉し恥ずかし…調子に乗って、もっと書けるものからガンガン書こうって思えちゃいますよー!!(←根が単純。笑)
そして、今回のお話のコーンバレは風月も書きながらビックリでした(笑)
今回の話は結構自由なキャラクターに動かされてる感じです(笑)
波乱の展開…風月も見守るしかないかもです。
濡れた敦賀さん…萌えですよね!!同志がいて嬉しいです!!
書きたくないときは無理をせず、楽しんで書けるときに書くのが一番ですよね!
…とはいえ、間が空きすぎると焦りも出てきちゃうのですが…(^_^;)
お互いたのしみましょー!
すっごく嬉しいコメントありがとうございました!!元気でました☆


【雨に流されて… 2】
ち◆ぞ◯様→アリですか!ありがとうございます♪あは☆ばれちゃいましたか。風月の話は、確かにお風呂ネタ多いですよね〜!!
何を隠そう風月は敦賀さん大好き人間なので、敦賀さんにイイ思いをさせてあげたいっ!!ってのが一番根底にあります!
寧ろ、敦賀さんにイイ思いをさせてあげるためにお話を書き始めたようなものなのです!
なので、蓮様が絶対にドキドキしちゃうであろう、お風呂シュチュエーションが大好きなんですよね(笑)
お風呂シーンが多いのは、とにかく蓮様に美味しい思いをさせてあげたいっ!っていう風月の強い願望の現れです。
なので、お風呂シーンどれも好きと言っていただけてとても嬉しいです♪
地震は中々治りませんよね…。このお返事書いてるときに先ほどもまた揺れてました。
ゆれることに慣れつつある今日この頃…。危険ですね。危機管理能力が低下してるかもしれません(^_^;)
そうですね。自分で自分を追い詰めないよう、休み休み楽しく書いていきますね。
嬉し楽しいコメントをありがとうございます!!


【拍手お礼〈27〉*】
ち◆ぞ◯様→はい!蓮様華麗に飛んじゃいましたよー(笑)これからどうなるかお楽しみに♪
コメントありがとうございました!


以上です☆
今回も本当にありがとうございました!!

この部分が楽しかった!というような一言の感想だけでも、風月にはご馳走であり、活力になります☆

もちろん、過去作品もコメント締め切ったりはしてないので、コメント残したいなーと思っていただけた方はコメント欄でも拍手へでも遠慮なく感想などいただけるとものすごーーーく嬉しいです☆
頂いたコメントに触発されてうっかり書いちゃうことも多々ありますので、皆さんのうっかりコメントお待ちしてます(笑)

楽しんでくださる皆さんがいて、風月も楽しんでお話が書けています。
なので、いつもこっそりとでも覗きに来てくださる方も含めて、こんな呟きにまでも目を運んでくださる皆さんのことが風月はとってもとっても大好きです。

本当に本当にありがとうございます!

自己満足なお話も多くて、皆さんに楽しんでいただける話が何処まで書けるかわかりませんが、これからもどうぞよろしくお願いします。


風月のちょっとした呟きと感謝の気持ちでした。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

雨に流されて… 2

雨に流されて… 2



雨の中、当てもなく獣道を下山していると、二時間ほど歩いて漸く奇跡的に人が住めそうな建物を見つけることができた。
びしょ濡れの二人は、そこへ助けを求めて近づいた。

「あの、すみません!どなたかいらっしゃいませんか?!」

近づいてみれば、年季の入った民宿で、天候のせいだろうか、人がいるのかも怪しいほど、おどろおどろしい雰囲気に見えた。

「すみません!入れていただけないでしょうか?」

どんどんと扉を叩くが返答はない。

二人は顔を見合わせ、蓮が扉に手をかけた。
鍵が開いていたのか、スススと抵抗なく開いた引き戸に驚きつつ、二人は「すみませーん」と声を掛けながら中へ入った。

すると薄暗いフロントような場所に老婆が一人椅子に座って編み物をしながら船を漕いでいた。

「あの、申し訳ありません。」

恐る恐る近づいて声を掛けると、老婆は目を醒ましゆっくりと顔を上げ、不思議そうに蓮とキョーコを老いた澄んだ瞳に映した。

「…おや、びしょ濡れだねぇ…」

「すみません。今晩一晩、泊めていただけないでしょうか?」

「えぇ、えぇ、うちは民宿ですからねぇ。構いませんよ。」

「本当ですか!!ありがとうございます。助かります。」

「迷ってしまって困ってたんです。ありがとうございます。」

「よっこらせ。」

老婆は椅子から立ち上がった。
背は低く、大きく曲がり、重たそうに足をひきづっている。

「そんなにずぶ濡れだと部屋より先にお風呂に入ったほうがよさそうだねぇ。ついておいで…。」

ゆっくり歩く老婆の歩調に合わせて二人も続いた。
キョーコがクシャミをしたので、蓮はキョーコを気遣いその肩を抱き寄せた。
抱き寄せた肩は雨で冷えてしまったのか、カタカタと小さく揺れていて、蓮は少しでもキョーコの寒さが和らぐようにグッと抱きよせる腕に力を込めた。

「ウチには天然の温泉があるのが自慢でねぇ。露天風呂があるけど、この雨だからねぇ…。狭い貸切風呂ぐらいしかないけどいいかねぇ?」

「はい。有難いです。」

「本当にありがとうございます。」

「あぁ、ここ、ここ。ここが脱衣所であっちが風呂の入り口さね。タオルはあの棚にあるのを自由に使っていいからねぇ。着替えは二人が入ってる間に用意しておくから早く入って温まっておいで。」

暖かい包み込むような笑顔を向けられても二人は戸惑ってしまう。

「「はぁ…」」

詰めたら6人ぐらい入れそうなそこには仕切りもなく、トイレへ続く扉が一つだけ。
シンプルな区切りの棚にそれぞれ6つの脱衣籠が置かれており、その脇の棚に大中小のタオルが積んであるだけだった。

「え、あ、あの…ここ…」

「あぁ、すまないねぇ。私がここにいちゃ服も脱げないねぇ。じゃあ二人が湯につかってる間に、ご飯の支度でもしてこようかね。」

「え…いや、あの、男女別々じゃ…」

「美肌効果も疲労回復の効能もあるからねぇ。ゆっくり寛いで、よく温まって出てくるんだよぉ。上がったら教えとくれ。」

困惑する二人を残して、聞こえてなかったのか老婆は二人の戸惑いに気付かぬままニコニコと嬉しそうに去ってしまった。

「「………」」

老婆が姿を消すと、蓮とキョーコの間に何とも言い難い気まずい空気が流れた。

「あ、あの…お風呂!つ、敦賀さんからどうぞ!」

「いや、最上さんが先。クシャミも出てるし…」

「え?!何言ってるんですか!私は風邪引いても何とかなりますけど、敦賀さんは秒単位で仕事が入ってるんですから、敦賀さんが優先で…」

「秒単位なんて大袈裟な…。震えてる女の子を残して一人で入れるはずないだろう。俺は、君の後でいい。その間に俺は社さんに電話を…」

引き返して老婆に電話を借りようとした蓮の腕をむんずと掴んでキョーコは引き止めた。

「だ、ダメです!!風邪引いちゃいます!!」

「ダメって…どっちかが先に入るしかないなら、君が先だ。俺は後で…」

「ダメです!させられません!!だったら…だったら、一緒に入りましょう!!」

「………え?」

蓮はキョーコの提案にピシリと固まった。

「そんなびしょ濡れの体でウロウロしてたらいくら体を鍛えてても体調崩しちゃうのは明白です。私のせいで敦賀さんを巻き込んで川に落ちてしまったのに私一人先に入るなんて出来ません。」

蓮はキョーコに涙目で見上げられて、必死に云い募られて、眉を寄せた。
何処までも先輩としてしか見られていない自分がもどかしい。
少しばかりイラつきながら蓮は言った。

「最上さん、君、自分が何を言ってるのかわかってるのか?」

ピリッとした蓮の怒りの波動に、キョーコはビクッと体を跳ねさせながらも、引くわけにはいけないと躍起になった。

「わかってます!わかってますけど…あのっせ、背中っ!!背中合わせで入ればお互い見えないし大丈夫です!!ね!そうしましょう!!」

真っ赤な顔ででも頑として譲らないという必死なキョーコの姿に、蓮はこちらこそ譲れないと反発する。

「いや、ダメだろう。君は忘れてるかもしれないが、俺も男なんだよ?」

「そんなの承知の上です!」

「いや、ダメだ。おかしいだろう。男の俺が女の君と一緒になんて…!」

ーークシュ

「ほら、またクシャミをした。こんな無意味な言い争いしてる暇があったら君から入るべきだ。」

「ダメです!敦賀さんも一緒です!!」

「だから、それは出来ないと言ってる!」

蓮はイライラして声を荒らげた。
キョーコが涙目で蓮を見上げた。

「何でわかってくれないんですか?!私は敦賀さんに風邪引いてほしくないんです!」

「だから、俺だって君に風邪引いてほしくないんだ。」

「だったら一緒に入るしかないじゃないですかっ!!」

「…だから、何でそうなるんだ…!!君は…君は、他の男が相手でも同じ状況になったらそんな提案をするのか?!」

「んな?!そんなこと絶対にしません!!」

「……じゃあなんで…」

「敦賀さんだから…」

「は?」

「敦賀さんだから…敦賀さんのことは…誰よりも、信用…してますから…」

真っ赤な顔で、ギュッと強く袖を掴むキョーコの手は震えていた。
よっぽどの勇気と覚悟で、提案していることが蓮にも見て取れた。
それを見下ろし、蓮もグッと拳を握る。

「…本当に…良いんだね?」

キョーコがパッと顔を上げた。
視線が合うと、キョーコはその目に覚悟を決めた様子で唇を引き結んだ。

「女に二言はありません!」

フンッと鼻息荒く言い切るそのキョーコの姿に、はぁぁ〜…と蓮は深く溜息を吐いた。

「後悔しても知らないから…。」

「しませんから!!」

再び、溜息を吐き出してボソリと呟く。

「人の気も知らないで…。」

「え…?何か言いましたか?」

「…いや、わかったよ。じゃあ俺が先に入るから、君も準備できたら入ってきたら良いよ。」

蓮はそう言いながらレインコートと服をさっさと脱ぎ始めた。
張り付いた服はいつもより脱ぎにくく、少し苦戦してしまう。
冷たくなった衣服は体温を奪うばかりで何の役にも立たない。
チラッと横目でキョーコを伺えば、蓮に背中を向けて、いそいそとレインコートを脱いでるところだった。

ーーー………無防備すぎるだろう…。手…出さずにいられるのか…俺…?

遠い目をしながら、こうなってしまった以上何とか理性を保てるようにしなければと、何度も何度も蓮は己に言い聞かせるのだった。
先輩としての意地とプライドと理性の天秤が危う気にゆらゆら揺れるのを感じながら、蓮は気合いを入れ直すため、キョーコに気付かれないよう深呼吸を繰り返す。
キョーコが隣で服を脱ぐ気配に心臓の音はドッドッドッドと強く速くなるばかりで深呼吸の意味はあまり果たせないのだった。


(続く)

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*****


………あれ?何だか思ってもみなかった方向に進んでますことよ?

成立前で二人でお泊りさせて二人が……(←ネタバレかもなので伏せました。)ってなるにはどうしたらいいかって無理のない設定で考えて書いてたはずなのにいつの間にかこんなことに…(笑)

実は、蓮様のコンタクトが片方外れちゃうのも、老婆も、一緒にお風呂も…書いてていつの間にか勝手に生まれてしまったので最初に設定考えた時には全く浮かんでなかったので、実は一話目も二話目も考えていたのと全然違う展開になっております。
全くの想定外です。


ちゃんと書きたかった話まで無事行き着けるのかしら…(不安)

書きたかった展開と全く別物になりそうな予感ですが、これはこれで…有りなのかな?(笑)

ま、なるようになるさで気楽に書いて行きます( *´艸`)
しばしお付き合い下さいませ。

そして多分、次回は限定です。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

雨に流されて… 1

雨に流されて… 1


突然降り出した雨の中、山の上で撮影をしていた団体はどんどん強くなる雨足に撮影を中止にし下山を決め移動していた。

「もう少し降りたところに、宿舎があったはずだからそこで避難しよう。」

「最上さん、大丈夫?」

「はい。敦賀さんこそ、大丈夫ですか?」

「危ないから俺から離れないで…」

「そんな、子供じゃないんですから…」

山道のため傘はさせず、用意されていたレインコートを着て監督の先導している団体に続いて進んでいると、キョーコの目の前を歩いていた女性スタッフが転んでしまった。

「だ、大丈夫ですか?!」

「大丈夫…あ、メイクセットが…!!」

バラバラと転がった道具の一つが坂を勢いよく下っていく。メイク道具の一つのようだ。

まだ立ち上がり切っていないスタッフの代わりにキョーコが素早く動いていた。

「私、取ってきます!」

「え?!あ…京子ちゃんっ!!」

「最上さんッ!!」

他のスタッフや蓮の呼び止める声に背を向けて小道具を追ってキョーコは走り出した。
止まることなく転がり続けていたメイク道具が暫く追いかけたところで漸く止まった。
だいぶ離れてしまった気がする。
結構な傾斜があるところだったが、木の根元に引っかかっており、手を伸ばせば届く距離に見えた。
手を伸ばせば届きそうとはいえ、急な斜面は川へと続いている。
念のため近くにある木を片手で掴み、もう片方の手をメイク道具へ伸ばした。

「あと…ちょっと…きゃっ!」

あと少しに思えたところで突風が吹き、足が滑った。
掴んでいた木も雨で濡れていたのでつるんと手から離れ、キョーコはそのまま斜面を滑るような形になった。

「キャァァァァァ!」

「最上さんっ!!…っく!」

追って来ていた蓮がキョーコの手を間一髪で掴んだが、蓮も一緒に斜面を滑り落ちる。

慌ててキョーコを腕に抱き寄せて、キョーコを守るように抱きしめた。

「敦賀さん?!なんで…」

「マズい…川がっ!」

「え…」

「俺に捕まって!!」

ーーザッパーン

二人揃って川にそのまま飲み込まれた。

「れーーーーん!!!!キョーコちゃーーーーーん!」

傾斜の上から叫ぶ社の声は雨音と、増水した川の音にかき消されてしまった。



ーーザバンッ

「プハッ…ハァハァハァハァ…く…最上さんっ?!最上さんしっかり!!」

どれだけ流されただろう。
キョーコが蓮の腕の中でぐったりしているので蓮は焦った。

「クソッ…」

腕一本で何とか捕まった木を頼りに、蓮はまずキョーコを川から引き上げると、己も続いて川から上がった。

木が生い茂るその場所には人が通れるような舗装された道はないようだ。

「最上さんっ!最上さん!!聞こえるか?!しっかりしてくれ!!」

呼びかけても肩を叩いても反応のないキョーコを抱えて、とりあえず川から離れ多少は雨風をしのげそうな大きな木の下へ移動した。
気道を確保し、キョーコの脈拍と呼吸を確認して蓮は青ざめる。

「最上さん!最上さんッ!目を開けてくれ!!!!」

蓮は慌てて心臓マッサージをし、そして少し躊躇しながらもそんな躊躇してる場合はないとばかりに人工呼吸をして蘇生を試みる。

「最上さんっ!最上さん!!キョーコ…キョーコちゃん、しっかり!!」

蓮は必死に呼びかけながら人工呼吸と心臓マッサージを繰り返した。
すると、ゴボッと水を吐き出しキョーコが息を吹き返した。

「キョーコちゃん!!」

「ん…あ…コーン…?」

何度か咳を繰り返した後にぼんやりと己を瞳に映したキョーコを見て、蓮がポロリと涙を流した。

「コーン…泣いて…」

蓮の涙を心配して伸ばしたキョーコの手をそのまま引き寄せて、蓮は強く強くキョーコの身体を抱き締めた。

「良かった…良かった…!!キョーコちゃんが生きてて…!!」

「コーン…」

「はっ!具合は大丈夫?気分悪くない?どこか怪我してない?」

バッと慌ててキョーコを己から離して、キョーコの不調がないか確認するため、蓮はキョーコの両肩に手をかけて目を覗き込み心配そうに確認した。

「え…うん。だ、大丈夫。…あれ?コーン…目、片目だけ黒い…?それに、髪が……」

不思議そうに覗き込むキョーコの言葉に、蓮はハッとした。

ーーーもしかして、さっき川に落ちた時にコンタクトが片方流されて…?!

「コーン…?」

ーーーどうしたら…俺はまだ、戻るわけにはいかない。だれにも話せない。だけど最上さん…キョーコちゃんにだけなら…

蓮が思考を巡らせていると、キョーコが小さくクシャミをした。

ーークシュッ

それを見て、蓮はすぐに真顔になり立ち上がった。

「話は後にしよう。とにかく宿を探さなきゃ。携帯は持ってる?」

「確か、ポケットに…あれ?ない。」

「流されちゃったか…。俺も、社さんに預けたままだ。」

「………え?」

「仕方ない。行こう。歩ける?」

「え…あ、う……え?は、はい…あの…?」

「もう夕方過ぎてるはずだ。早く宿探さないとこんな格好のままじゃ君も俺も風邪をひく。」

「あのっ…つ、敦賀さん…なんですか?」

「…うん。一緒に川に落ちたんだ。覚えてない?」

「…覚えてますけど…でもその目…それにさっき私の名前…。」

「話せば長くなる。とにかく誰か人を探さないと…夜になる。せめて宿を見つけて、それからだ。」

「わ、わかりました。」

そして蓮はキョーコの手を引き、立ち上がらせた。
幸い二人とも目立った怪我がなかったようだ。
二人は夜を越せそうな場所と人を探して雨の中を歩きだした。

「あ、あの…敦賀さん…手…」

しっかりと当然のように握られた手が何だか恥ずかしくてキョーコは手を引かれなくても歩けると言おうとしたのだが、蓮は首を振った。

「却下。こんな所ではぐれたら大変だろう?それに手を繋いでた方が暖かいし安心できる。」

キョーコが混乱しつつも繋がれた手と蓮の背中にそっと頬を染めているのに気づかないまま、蓮はキョーコを守るために周囲の様子にも注意を張り巡らせるのだった。


(続く)

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*****

蓮様なんとかキョーコちゃんを救出!
それにしても、コンタクトなくしちゃったことで、蓮様怒るタイミングまでなくしちゃいましたね。
今日は雨だったので、雨から連想。

そんなに長くは…ならない、はず?

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

光くんのヒ

こんにちは!
現在、風月のリクエストを叶えてくださってるpopipiの妄想ブログ♪のpopipi様がめでたく一周年を迎えられたとのことで、お祝いのお話考えてみました☆
どんな話がいいですかー?と聞いたところ、3つぐらい候補上げていただき、どれも魅力的で迷いに迷い、3つまとめて…というのも考えましたが流石に難しく(笑)

その内の一つに絞らせてもらいました。
他の二つはおいおい…うっかり浮かんだ時用に取っておきます(笑)

それでは、短めですが楽しんで頂けたら幸いです。


*****


光くんのヒ


雲ひとつない晴天に恵まれた日の正午過ぎ、俺はこれから始まるドラマの顔合わせに来ていた。

「あれ?京子ちゃん?」

「あ、光さん!おはようございます。」

角度きっちり90°。今時、ここまでしっかりとしたお辞儀ができる若者がいるだろうか?否、そうそういないだろう。

「おはよう。ここにいるってことは…もしかして…」

「あ、はい!今度美咲役を演じることになりました。よろしくお願いします。」

ペコリと下げられた頭を見ながら聞いた役柄に驚きが先に湧き上がった。

「え?!み、美咲役って、京子ちゃんなの?!」

思わずひっくり返った声が出て少し焦る。

「はい!光さん、晃役ですよね?よろしくお願いします。」

「よ、よろしく!!そっか!京子ちゃんと、こ、ここ、恋人役かぁぁぁ!!」

ーーーヤバい。嬉しい。嬉しすぎる。どないしよう。

光の心拍数が一気に上がる。動揺した為、硬い声が出てしまった。
慎一や優生が近くにいたらからかわれていたに違いない。

「すみません、私なんかが恋人役で…」

声が硬かったことに気づいたキョーコは何か勘違いしたようでシュンと眉を下げるので、光は慌てた。

「いや!そんな!!全然っ!寧ろラッキーで!っていうか…凄く楽しみでっ」

誤解を解きたくて、何とか言い繕っていると、キョーコが突然目を輝かせた。

「京子ちゃ…」

「敦賀さん!」

「………へ?」

光は思わず動きを止める。
そうだった。このドラマの主役は敦賀蓮だったのだ。
京子ちゃんも他の女性と同じでやっぱり敦賀蓮のこと好きなのかな?なんて思いながら、蓮に駆け寄るキョーコをちらりと盗み見る。

「おはようございます!敦賀さん!」

嬉しそうな弾ける笑顔に、何故か胸がチクリと痛み、苦しくなった。

「おはよう。最上さん。」

ーーふわり。

キョーコのあいさつを受けた蓮の笑顔を見て、光は思わずドキリとした。

ーーーあ…れ…?敦賀さんの今の表情って…

「昨夜も遅くまで演技の練習に付き合っていただいて、ありがとうございました。」

ーーーん…?昨夜遅くまで…?

「全然。構わないよ。少しはお役に立てたかな?」

「それはもう!少しと言わず物凄く!本当にありがとうございました!!」

「結局朝方までかかっちゃったけど、大丈夫?今朝も学校行く前にお弁当まで作ってくれて…殆ど寝てないだろう?」

ーーー朝方まで?!え?!お弁当?!二人ってまさか?!

「いえ、そんな!それに結局敦賀さんがお風呂に入ってる間にソファで寝てしまって…。すみません。ベッドまで運んで頂いたみたいで…。敦賀さんこそ、身体は大丈夫ですか?腕も痛くないですか?」

実際キョーコはゲストルームのベッドで寝ていて、蓮に腕のことを聞いたのは抱き上げた時に重くなかったかということを心配して言ったのだが、光は思わず、キョーコを抱き上げてベッドへ運び、そのまま腕枕をしてキョーコを抱き締めて眠る蓮、そんな二人の姿を想像してしまって赤くなった。

「ん。大丈夫。俺鍛えてるし。」

ーーー………な、何だか…俺、聞いてはいけないこと聞いちゃった気がする…。

胸が何だか苦しい…。
始まる前からブレイク寸前のハートを守るように心臓に手を当て抑えた。

周りでもひそひそと2人の関係について言葉をかわす人がいたが、当の二人はあくまでもやましいことはないとばかりににこやかに会話を交わしている。

「じゃ、そろそろ時間だから、座ってようか?」

「あ、はい!そうですね。」

仲良く当然のように隣に座ろうとする二人、お互い先に座るのを譲り合いながら、キョーコが座る方と蓮を挟んで反対側には蓮のマネージャーの社が座った。

ーーーな、何だろう…これ…凄く嫌な予感が…。

チラリと蓮の目が光を捉えた。
途端、背筋を伸ばしてピキンと固まった光を品定めするようにジッと蓮が見つめていた。

「つ、敦賀さん!ブリッジロックの石橋光ですっ!晃役を演じます!よろしくお願いします!!」

品定めの視線から逃れたくて、慌てて挨拶をすれば、虚をつかれたような顔をして、その後蓮はクスリと微笑んだ。

「敦賀蓮です。よろしくお願いします。石橋さん。」

「敦賀さん、光さんは敦賀さんより年上なんですよ。」

「ーー光さん…?」

蓮の目が鋭くなり、スッと蓮の発する温度が少し下がった気がして、光は慌てて付け答えた。

「あ、お、俺たちブリッジロックのメンバーは全員苗字が石橋なんです。だから、俺たちを知ってる人はみんな、下の名前で呼ぶので…」

「あぁ、なんだ。それで…。」

安心したのか一瞬凍てつきそうになっていた空気がフワッと軽くなった。
そしてキョーコに向かって、「そうならそうと言わないとわからないだろう?」と付け加えていた。

ーーーな、何だかよくわからへんけど怖かった…!!

光は一瞬垣間見えた蓮の本性に驚き慄いていた。

ーーー敦賀さんって春の陽射しのような人なんやなかったんかー?!

春の日差しとは真逆の極寒の雪国オーラに光はブルブルと身を震わせていた。

「光さんもそろそろ座った方が…大丈夫ですか?顔色が…」

「だ!大丈夫や!!問題あらへん!」

「それならいいですけど…」

心配そうに覗き込んでくれるのは嬉しいはずなのに、先ほどから突き刺さる痛いほどの視線に耐え切れず、「失礼します」と一言詫びを入れて、キョーコから距離をとって座った。

ーーー危ない危ない。アレは下手に近付いたらただじゃ済まへん。

ニコリと嘘くさい笑顔で微笑まれて、光はヒッと顔を引きつらせた。

程なくして始まった顔合わせと台詞合わせ。

ーーー俺、生きてられるかな…。

これから生死を分ける戦に乗り込もうとしてる気分になってしまうのは何故だろう?

チラリと蓮とにこやかに話すキョーコの表情を見て、光は己の失恋を悟ると、心の中で涙を流した。

光くんのヒは、悲恋のヒなのかもしれない。
光の枕をぬらす日々はこうして幕を開けたのだった。


END


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*****


如何でしたでしょうか?!
popipi様、いつもありがとうございます。
こんな話で良かったらもらってやってください♪

可哀想な光くん…結構光君ネタ書き尽くした感があってこんなお話になってしまった。
物足りなかったらお知らせください(笑)

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

拍手お礼〈27〉*

いつもたくさんの拍手やコメントありがとうございます。

地震の方も落ち着いてきたかと思いきや、また大きいのがきたり、大きいの以外だとちょこちょこ揺れてるのを感じ、この間も豪雨で、落ち着かない日々がつづいてますが、熊本や大分の方は大丈夫でしょうか?
小学校低学年の時は大分の由布院に住んでいたので、あの時の友人たちは無事だろうか?と心配です。

支援物資も届いていてもなかなか配布が出来てないというのが現状のようですね。
どこにどのくらいの人数が避難しているのか、範囲が広範囲なので把握が大変かもしれませんが、一刻も早い復興を祈ってます。


さて、遅くなってしまいましたが、いつも沢山の拍手ありがとうございます!
お陰様で、4500拍手になったので、後半にサプライズストーリーを用意してます。

それでは拍手お返事です。
お返事大変遅くなってしまって申し訳ありません!

【なくした記憶を終えて。】
gen○b◆様→お返事遅くなりました!!ありがとうございます!!完結するまで待ってて下さったんですね!!纏め読みだなんてありがとうございます!途中文章の書き方が変わってたりするので、読みにくいかもしれませんが、お楽しみ頂けたら幸いです。

【拍手お礼〈26〉】
ま☆たけ様→ご心配おかけしてしまったようですが、こちらは大丈夫です!返事遅すぎて本当に申し訳ないです。ありがとうございます!


【なくした記憶 53】
あ□様→完結してからの一気読みの感想をありがとうございます!!面白かったと思っていただけたのが何よりの喜びです。
最初の方のローリィと社のおいてけぼり感も楽しんでいただけましたか( *´艸`)
今回の話は年相応でベッタベタにキョーコちゃんに甘える蓮様が書きたかったんです〜♪なのでその部分を気に入っていただけて凄く嬉しいです☆
最後のクー登場で苦戦した部分も楽しんで頂けて心底ホッとしました♪
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
これからもどうぞよろしくお願いします!


【さよならは言わないで。-数年後-】
かばぷー様→ありがとうございます!ギュンギュンドキドキして頂けてとっても嬉しいです☆
風月も時々こそこそお邪魔させて頂いてます(笑)
お互い頑張りましょー♪


ち■ぞ△様→ありがとうございます!ジョンが貴島さんみたいとの言葉にガッツポーズしました!気づいていただけて嬉しいです。
風月の中で、ジョンは社と貴島さんを足して2で割ったイメージで書いてました(笑)
蓮君もキョーコちゃんも3年間踏ん張りましたよ!
そしておっしゃる通り、ジョンさんから蓮君は天然記念物扱いされると思います( *´艸`)
そして流石に隣の部屋にみんながいるので、キス以上のことはしないんじゃないかな〜と思います(笑)
3年我慢したんだし、きっと夜まで待てるはずと信じてます。


拍手への返信は以上です。

では続きまして、総拍手数4500を超えましたので、サプライズショートストーリーの時間です(笑)


お楽しみ頂けてる方がいらっしゃったら幸いです。


***


敦賀さんの不思議体験*13*


キョーコの目が丸々と零れ落ちそうなほど見開かれる。

〈あ、えっと…ごめん…ね?〉

キョーコの視線の強さに居た堪れなくなった蓮が、思わず申し訳なさそうに口を開くと、先程まで出せなかったはずの声が出た。

『え…』

更にキョーコの目が見開かれる。
声が出たことに蓮自身も驚いた。

ーーーアレ?今、声が出た?さっきまで出なかったのに、何で…?

思わず己の身体を確認すると、手も足も自在に動くようになっていた。

『つ、敦賀さんの人形が…』

キョーコの顔色がどんどんと悪くなっていく。

『しゃ、しゃべって…動い…!!』

ヒイィーー!!!!と青ざめてキョーコが悲鳴を上げた次の瞬間、手をグーパーにして動きを確かめていた蓮の身体は優雅に宙を舞っていた。

ーーーえ?


(続く)

「敦賀さん…飛ぶ」の巻(笑)

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***


続きは総拍手数5000でお会いしましょう〜♪

さよならは言わないで。–数年後–

震災のニュースを目にする度に、何だか凄く気分が沈んでしまいます。
先ほどもスーパーのレジに並んでいたら地震警報が鳴り響き、周りもざわざわしてしまいましたが、今回揺れは殆ど感じなかったです。


被害の状況などを伝える情報は大事ですが、それに振り回されたり、そのことばかりに意識を向けていてもどうしようもできません。
こういったピンチが訪れた時に、どう捉え、どう行動するかが大事だと思います。
風月一人で出来ることなんてたかが知れてますが、話を書くことはできる。

そして風月の己に課してるミッションは多くの人を笑顔にし元気付けることです。
勿論、自己満足な部分も大いにありますが、読んでくれた人が笑顔にそしてほっこり幸せな気分になって貰えたらいいなって思いながらいつも書いてます。
拍手や、コメントくださる皆様の言葉に逆に風月の方が元気付けられてることも多いですけどね((*´∀`*))
いつもありがとうございます!


さて、今回のお話は、前回書いた『さよならは言わないで。』の続きの話になります。
※前回読んでない方は、そちらから先にお読みください。
読んでない方がそのまま読んでしまうと意味不明と感じると思います。

続き催促頂いてうっかり書いてしまいました!
すぐに浮かんだくせに、書き上がるまでかなりの時間を要してしまいました(笑)


※『』は英語、「」は日本語です。
※風月にしては珍しくオリキャラ出てきます。

お楽しみ頂けたら幸いです。


*****


さよならは言わないで。-数年後-


ーートントントントントントントントン
ーーそわそわそわそわそわそわそわそわ
ーーチラチラッチラッチラッチラチラッ
ーーウロウロウロウロウロウロウロウロ

時計をチラチラと気にしながら、腕を組んだまま人差し指で己の肘をトントンしつつ落ち着きなく部屋中をウロウロしているのは金髪の大男だった。

目に余るその常にない様子に、焦れた様子で目鼻立の良い茶髪の男が耐えかねたように声をかけた。

『クオンッ!』

ーービクッ

クオンと呼ばれた男、蓮は己の名を呼ばれハッとする。

『何だ?ジョン…』

『そわそわし過ぎ!落ち着きなさ過ぎっ!お前ってそんなキャラだっけ?』

『いや、だって…』

ーーチラッ

蓮は注意を受けてしどろもどろになりながらも、まだ時計を気にすることをやめない。

『だぁーから!鬱陶しい!!全く。たかだか恋人と久しぶりに会えるくらいで一体なんだよ。ここ最近ずっとそんな調子だし、何者だよ?京子って…』

ーーピクッ

蓮はキョーコの名前にすかさず反応を示した。

『ジョン…』

ジロリと久遠が怖い顔でジョンを睨みつける。

『な、何だよ?』

『“キョーコちゃん”だから。』

『は?!』

『“キョーコちゃん”だから。』

『あ、あぁ…』

ジョンは、蓮より3つ年上のアメリカでのマネージャーだ。
敦賀蓮としても、久遠ヒズリとしても変わらずサポートをしてくれている。
ジョンは、数年前までアクションスターを目指していたのだが、足の怪我が原因で日常生活に支障はないもののアクションが出来ない身体になってしまった。
そして3年前、蓮がハリウッドに進出してきた時に蓮と出会った。
蓮の並々ならぬ演技への情熱に胸を打たれて、己の夢を蓮に託し、蓮のマネージャーを志願したのだ。
多少大雑把なところがあるジョンだが、ジョンのサポートがなければこんなに早くここまで来ることは出来なかっただろう。

蓮は先日、ハリウッドで久遠ヒズリとして初の主演を演じた映画が公開され、アカデミー主演男優賞候補とまで言われるほどの知名度を手に入れたのだ。

マリアの父親にしてエージェントの皇貴とマネージャーのジョンは蓮にとっては感謝しても仕切れないほどの恩人だ。

蓮はとても緊張してるのか椅子に腰掛けても、尚頭を抱えて、ふぅー。と何度も息を吐き出して緊張を解こうとしていた。

『お、おい、大丈夫か?』

『あぁ…』

『まだ今飛行機が漸く着いた頃ってだけだろ?今からそんなんじゃ彼女がここに来るまで持たないぞ身体…。』

『やっぱり空港に…』

腰を浮かした蓮を止めるため、ジョンは腰にしがみ付いて全力で止めた。
このやりとりももうこのホテルへ来て3度目だ。

『だから、ダメだって!何のために皇貴が代わりに行ったと思うんだよ!お前じゃ目立ちすぎるの!キョーコ“ちゃん”にも迷惑かけることになるんだぞ。少しは自覚しろ!』

シュン…と明らかに肩を落としている蓮の様子に、ジョンはからかうような声をかけた。

『全く、言い寄ってくる女優たちを全く相手にしないからゲ◯なのかと噂までたってたのに、まさか日本に彼女がいたとはね。だけど、彼女がいたって遊んでる奴いっぱいいるだろ?つまみ食いくらいすればいいのに、真面目だよな久遠は…』

『…誤解させたくないんだよ。』

蓮の返答を聞いて、ふーんなんて言いながらも、何か聞きたげにジーーーっとジョンが見つめてくるので、蓮はチラリとジョンを見返し視線に答えた。

『…何だよ?』

『いや〜。お前がそこまで惚れ込むってさ…その彼女、相当良いのかな〜?って。』

『…は?』

『いや、だからアレだよ…アレ…夜のさ…』

蓮はジョンの言葉に、突然無表情になると、プイッと顔をそらした。

『え?な、何だよ?教えるくらい良いだろ?どんな感じなんだよ?』

『…だ…』

ボソッと蓮が顔をそらしたまま小さな声で何かを発したが、よく聞こえなかったジョンは首を傾げた。

『あ?何だって?』

蓮は口を閉じて再び言葉にするのを躊躇う様子を見せたが、それでもジョンが覗き込んでくるので、観念したように頬を乙女のように染めてボソリと口にした。

『…………まだなんだ…』

蓮の告白を聞き、ジョンは雷に打たれた顔で一拍固まったのち、信じられないとばかりに叫んだ。

『ハァァァァァァァァァ?!嘘だろ?!嘘だよな?!嘘だと言ってくれぇぇぇぇぇ!!!!』

ガクガクガクガクと驚愕の表情でジョンは蓮の肩を揺らした。

『ジョン、落ち着け…』

『これが落ち着いてられるか?!3年…お前がこっちに来て3年だぞ?!それから一度も日本には帰ってないよな?!』

『あぁ…そうだな。』

『何でだ?!何でだよ!!日本でいくらでも出来ただろ?!お前…何でだ?!』

『いや、だから…まず落ち着け…ジョン』

そして蓮はキョーコとの馴れ初めを話した。
長い間片思いをしていた事、漸く想いを伝え合い、互いの気持ちを知ることが出来たのがアメリカ行きの飛行機に乗る直前だったこと。
それからは電話やメールやエアメールのやり取りだけでお互いに忙しく一度も会えてないこと。

ジョンは驚愕に震えていた。

『信じられん…!!いや、だがな?!よく考えろ!!お前が貞操守ったって、彼女は隠れて浮気してるかもしれないじゃないか!何でそんな相手にそこまで入れ込めるんだ?!』

『失礼な…。そんなことする子じゃないよ。ジョンも会えばわかる!キョーコは…彼女は明るくまっすぐで、今時珍しいくらいの純情乙女なんだ。嘘も苦手で馬鹿正直で素直な子なんだよ。』

キョーコのことを語る蓮の顔を見てジョンは目を見開いた。
そして感心したように頷いた。

『お前…そんな顔もできるんだな…』

シミジミと言われた言葉に、蓮も驚く。

『…え?』

『そんな甘やかな優しい顔…男の俺でも見惚れてしまったじゃないか…や、ヤバイ…心臓が…』

『ジョン、冗談やめてくれ。』

そんなやり取りをしてるうちに、時間は経ち、とうとう待ちわびた来客を知らせるノック音が蓮のいるホテルの部屋に響いた。

すぐに弾かれたように立ち上がった蓮を制して、ジョンが迎えに出た。

蓮は緊張がピークに達するのを感じていた。
こんな緊張感、映画の舞台挨拶でも最近は感じないのにーーなんて思いながらも、どうしてもソワソワしてしまう。

ーーー今あの廊下の向こうには彼女が?!

そう思うだけで、心臓がバクバクと音を立てた。

よく聞こえないが話し声が聞こえる。
蓮は今一度大きく深呼吸をして気持ちを落ち着けた。


+++


飛行機の中でも、ずっとソワソワして落ち着かなかった。
あの始まりの別れから3年の月日が早くも立っていて、久しぶりに会える喜びと、まだ変わらずに好きでいてくれているかの不安で押しつぶされそうだった。

ーーー会いたい。でも、会うのが怖い…。

久遠ヒズリとして活動を始めてからはその話題性も相まって、人気に拍車がかかっていて、数多くの女優やモデルが蓮へラブコールを送っているという噂を良く耳にしていた。

ーーー私には勿体無いくらい素敵な人だもの。あんなに綺麗な女優さんに囲まれてたら他に好きな人が出来たりしてるかも…。

3年という月日はあまりにも長い。
マメにメールや電話で愛を伝えてくれている蓮だが、自分の親にさえ愛されず、あんなに側にいた幼馴染からも捨てられた自分だ。
心変わりも受け入れる覚悟は持たなくてはいけないのかもしれない。

ーーーだけど…

やっぱり怖くて、でもやっぱり会いたくて。
顔を見て、直接話がしたくて…。

3年間焦がれに焦がれた会いたいという想いが実のろうとしてるのに、期待と不安で頭の中はぐるぐると渦巻く。

離れている間、海を越えた土地で頑張ってる蓮の評判を聞きながら、キョーコもガムシャラに頑張った。
社交辞令だとわかってはいるが綺麗になったと言われることも最近は増えた。
仕事のオファーも増え、ファンレターもそれなりの量貰えるようになったし、自信もある程度はついたつもりだ。
だけど、やっぱりいざ会えるとなると何故か湧き上がる恐怖。

少しは休まなきゃと思うのに寝付くことも出来なくて、蓮がどんな顔で迎えてくれるのかなんてそんなことばかり考えてしまっていた。

ーーーあぁぁ!ダメダメ!せっかくここまで来たんだから。何弱気になってるのよ!キョーコ!!覚悟決めなさい!

己を己で叱責して自分で何とか落ち着こうと試みる。

それでも…

「あぁぁぁぁ〜ん!やっぱりダメよ!モー子さぁぁぁん!!」

キョーコが情けない声を出せば、アイマスクをして隣に座りそっぽを向いていた奏江が声をあげた。

「あーもーうるさいわね!他の人の迷惑でしょ!!さっさと寝なさい!!」

「モー子さんのいけずぅ!!」

「キョーコちゃん、ほら落ち着いて…」

「社さぁぁぁん。」

蓮がいなくなって、無事にラブミー部を卒業したキョーコと奏江には社というマネージャーがついていた。

「蓮もキョーコちゃんに会えたらすごく喜ぶと思うよ。」

「そう…でしょうか…。」

「うん。だから安心して…ほら、ちゃんと寝ないと時差ぼけで撮影どころじゃなくなっちゃうよ。それに、他の人もお休み中だし…」

「うぅ…そうですよね。すみません。」

そう、キョーコと奏江は、とうとう本場のハリウッド映画からオファーを受けて出演することになったのだ。
しかも主演は久遠ヒズリ。

椹からオファーの話が来た時はびっくりしすぎてキョーコは暫く放心してしまったが、心を決めてここまで来たのだから、もう引き返すことは出来ない。


ここ数年で自分に自信がある程度はついたとしても、愛が絡むとやはり怖くて…。
元々愛に対して否定的な考えを持っていたのだ。雑誌やインターネットの情報で男女の問題や恋愛相談など目にすればその度に自分に当てはめてしまい、不安は更に膨れ上がっていた。

ーーー敦賀さんが一瞬でも私を好きでいてくれたなんて、それだけでも奇跡みたいなものだし…。

キスされて、別れ際に言われた愛の言葉と抱き締められた温もりは、3年経った今でも消えることはない。

ーーー恋人…に、なるのかな?

そう考えるだけで顔に熱が集まり、心拍数が自然と上がりドキドキしてしまう。

ーーーでももう、他の好きな人ができていたら…。

胸の奥が苦しくてキュウッと締め付けられる。

会えなかった分、募る不安、そしてそれと同じくらい育ってしまった想い。

ーーー会えたら…一度で良い。もう一度、もう一度だけでいいから、あの時みたいにギュッてされたい…。

心臓がドキドキして甘く痛んで苦しかった。


空港に迎えに来てくれていたマリアの父である皇貴と会い、車に乗せられ宿泊するホテルに向かった。

「久遠…いや失礼、敦賀も、京子さん、あなたが来るのを首を長くして待ってますよ。」

優しい笑顔で掛けられた言葉に、キョーコは頬を染め、そしてハニカミながら笑った。

車が進むたび、蓮への距離が縮まっていく。逸る心を抑えて、ドキドキと高鳴る心臓の前で、ギュッと拳を握りしめた。
会えなかった時間が長かった分、緊張感が増した気がする。
ふぅーっと長く息を吐き出して、心を落ち着けようとしたところで、車がホテルに入っていった。


皇貴がホテルの部屋をノックすると、少しして一人の男が出迎えてくれた。
皇貴と親しげに挨拶を交わして、チラリとこちらを見た男は、ジョンと名乗り、緊張しているキョーコと奏江を見比べて、奏江に向かって『君がキョーコちゃん?』と声をかけた。
奏江が首を振り、『いいえ。私は奏江。この子がキョーコよ。』と答えると、ジョンは意外そうな顔をして、ヘェ〜っとニヤニヤ笑いを浮かべると、『よろしく、キョーコちゃん。久遠が待ちわびてるから行こうか。』と、キョーコの肩を抱いてさり気なくエスコートを始めた。

『へ?!え、あ…』

緊張から部屋に入るのを躊躇していたキョーコは、ジョンのエスコートでうっかり入ってしまい慌てる。
その姿を見た社も、久しぶりの再会が闇の国の蓮さんになってしまうと慌てた。

「あ、おい!ちょっと…」

社は二人を追いかけ、その社に続くように奏江と皇貴も部屋へ足を踏み入れた。


『久遠!連れてきたぞ〜』

ジョンの声に慌てて顔を上げれば、そこにはジョンに肩を抱かれた少女の姿があった。
3年前の面影を残しつつも、美しく花開き始めた彼女の姿に一瞬見惚れ、息を飲む。
キョーコも久しぶりに見る蓮の姿に、胸を震わせていた。

「つ、敦賀さんっ…!!」

キョーコの声にハッとして、蓮が漸くジョンの手の位置に気付いた。
しかし、その瞬間、キョーコは勢いよくも美しくお辞儀をし、ジョンの肩に掛けていた手は外されてしまい、ジョンは唐突なキョーコの行動にギョッとしていた。

「ご、ご無沙汰しております〜!!!!」

その堅苦しい言葉に、蓮は一瞬キョトンとした後、照れたように笑った。

「キョーコ…久しぶり。凄く会いたかった。」

「きょ、恐縮ですっ。」

「堅苦しいのはいいから。こっちに来たら?」

「は、はいっ!!も、最上キョーコ!!謹んでそちらに行かせていただきます。」

ギクシャクギクシャクと音になって聞こえてきそうなほど不自然な動きを見せるキョーコに、ジョンは少し不安になってきた。
後から入ってきた皇貴にこっそり問いかける。

『彼女大丈夫なの?演技なんて出来るの?』

『えぇ、今は久しぶりに久遠に会えて緊張してるだけでしょう。』

「あんなキョーコちゃん久しぶりに見たな。」

「見事なまでのギクシャクぶりですね。」

しかし、ぎこちないのはキョーコだけではなかった。

「えっと…その、久しぶり。」

「は、はい!ご無沙汰してます!!」

先ほどと同じ挨拶をしている蓮とそれに答えたキョーコに、社も奏江も目を見開く。

「凄く…その、綺麗になったね。」

「えっ、あ、ありがとうございます!敦賀さんも、凄く…カッコいいです。」

「そう?あ、ありがとう。」

二人のドギマギした様子が見ただけで伝わってくる。
いつものスマートさはどこへやら、滅多に見れない蓮のぎこちない仕草に、ジョンは暫く驚いて見ていたが、居心地が悪くなり、ふと隣を見ると、社と目があった。
出会ったばかりのジョンと社だが、思うところがあったようで、アイコンタクトで意思の疎通を図ると、奏江と皇貴に出るよう促し、ジョンが代表して久遠に声を掛けた。

『久遠!俺たち隣の部屋にいるから。ごゆっくり。』

話しかけられた蓮はビクッと肩を揺らして答えた。

『あ、あぁ…』

『キョーコちゃんもまた後でね。』

ナチュラルにウィンクをしてくれたジョンに、キョーコは慌てて綺麗なお辞儀をした。

『はいっ!ありがとうございます!後ほどっ!』

そしてバタンと閉まるドアの音を聞いて、漸く二人っきりになったことにキョーコは気づいた。

「二人っきりだね…」

「ふぇぁぁぁ!!そそそそそ、そうですねっ!!」

まさに今気づいたばかりのことを口にされて、キョーコは心臓が跳ね上がるほど驚いた。
バクバクとなる心臓が耳に響く。

「あ、あのっ!えっと…」

何か話さなきゃと思えば思うほど、何を話せばいいのかわからなくてテンパって目を回してしまう。
するとそんな姿を懐かしく思いながら見ていた蓮は胸が暖かい何かで包まれるような感覚になった。
緊張感が徐々に解けるように薄れていく。

「キョーコ。」

「は、はひ!」

「まずは、確かめさせて。」

「へ?!な、何をでしょう?」

「君がここにいるってことを…」

「ええ?!い、いますけど?」

ワタワタと答えるキョーコにクスリと笑って蓮はそっと手を伸ばしてキョーコの頬に触れた。
その瞬間、蓮の手のひらが触れたことでキョーコがビクンッと身を硬くし、その頬がカァッと真っ赤に染まった。

優しくキョーコの滑らかな頬を撫でる。

「うぅ…な、何だか恥ずかしいですぅ〜…」

居た堪れなくなって、思わずキョーコが真っ赤な顔で縮こまりながら言うと、蓮は「ごめんごめん」と言いながら軽く頭を撫でた。
だけどその瞬間、蓮は何故か気が付けばキョーコを抱き締めていた。

「きゃっ!!つ、敦賀さん?!」

腕の中に収めたキョーコから驚いたようなくぐもった声が聞こえて、ハッとなる。

「あ、ご、ごめん。何だか、キョーコだって思ったら思わず…」

そう言いながらも手放すことができなくて、ぎゅうぎゅうと抱き締め、キョーコの頭に顔を埋めた。

「会いたかったんだ。本当に…凄く…。」

蓮の押し殺したような声で告げられた告白に、キョーコの目にじんわりと暖かい涙が浮かんだ。
心がキュウッと締め付けられ、歓喜に震えた。
そっと、蓮の気持ちに答えるようにその背中に手を伸ばす。

「わ…私だって…会いたかったですよ?」

「うん。…うん。会いに行けなくてゴメン…。」

「そんなっ。頑張ってるのわかってましたから…」

「うん。キョーコも…」

「え?」

「頑張ったね。ハリウッド進出おめでとう。」

キョーコがフワッと笑顔を浮かべた。

「ありがとう…ございます…。」

「画面の向こうの君が、綺麗になればなるほど、不安でたまらなかった。俺のことなんて忘れてるんじゃないかって…」

「そんなこと!敦賀さんを忘れるなんてあるわけないじゃないですか!私には貴方だけですっ!」

「…うん…ごめん。」

「私だって、不安だったんです。綺麗な女優さんいっぱいいるから、他に好きな人出来るんじゃないかって…」

「そんなこと、あるわけないだろう?俺には君だけなんだ。」

「ふふ。何だか同じこと言ってますよ?」

「そうだね。…でもだからこそありがとう。俺のところに来てくれて…」

「約束…したじゃないですか。」

「うん。」

「敦賀さんがハリウッドで待っててくれてるって思ってたから、頑張れたんです。」

キョーコの言葉に、蓮は嬉しくてまた抱き着く腕に力を込めた。

「く、苦しいですっ敦賀さん!」

「あ、ごめん。」

慌てて腕を緩めると、見上げてくるキョーコと目があった。

そっとその頬に再び手を伸ばす。
キョーコの潤んだ瞳が蓮の心を鷲掴んだ。

「キョーコ…」

「…はい…」

「愛してる…」

そう蓮が口にした瞬間、キョーコがまた更に真っ赤になった。

「ぅ…あ…」

真剣な蓮の眼差しに熱く灼かれる気持ちになりながらも目が離せない。
愛してるなんて言葉、簡単に口にする勇気が無くてキョーコが言い淀んだが、蓮はそんなキョーコにそっと目を細めて、その顎をグイッと持ち上げた。

そして優しく重なった唇と唇。
重なっては離れを繰り返しながら、徐々に深まるキスに、キョーコの心が甘く蕩けながらも、もっともっとと求める気持ちが止まらない。
蓮にしがみ付く指先も、重なったくちびるも心も、全てが貪欲なまでに蓮を求めた。

「愛してる…愛してる…キョーコ」

合間合間に囁かれる愛の言葉。
その気持ちを言葉にできない代わりに口付けで答えた。
押し倒されたベッドの上、求め合う心は止まらぬままに、三年の隙間を埋めるように、ただただ互いの温もりを求めて、夢中でキスを交わしていた。


END

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*****


ニュースを見て心痛めてる方も、苦労をされてる方も、少しでも明るい気持ちになれる方がいれば幸いです。

今を生きている。
そのことに感謝して。

最後までお付き合い頂きありがとうございます。

風月

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

拍手お礼〈26〉

いつも拍手とコメントありがとうございます!
昨日はカラオケ行って4時間歌いまくりました♪
超スッキリです☆
発散大事ですね!!


なくした記憶 1から最終話まで1日で順番に一個ずつ律儀に拍手を押してくださってる方がいて、読み直してくださってるんだ〜!ってすごく嬉しかったです。
ありがとうございますー!


さてさて、それでは頂いた拍手へのお返事です☆

【なくした記憶 53〈完結〉】
ちび◯う様→ずっと暖かく応援してくださってありがとうございます!
そして一話から読み直して頂けるなんて嬉しいです☆
クーパパとジュリママの登場は風月も想定外のことだったので、暴走を止めるのは大変でしたが、なんとかアレで済ませることが出来て良かったです!
悩みに悩んだラストでしたが、風月にとって思い入れ深い話なので、本当に番外編はチャレンジしたいなーと思ってます。
ただ、すぐには無理かなー?と思ってるので暫くは別のお話でお楽しみいただけるよう頑張ります〜♪
また書きたくなって番外編アップした時はよろしくお願いします〜!


み◆ん様→このお話がきっかけだったんですね!すごく嬉しいお言葉ありがとうございます〜♪確かに萌と笑いを詰め込んだお話になりましたね☆
大好きと言ってもらえて嬉しいです♪
これからも楽しんでもらえるよう頑張ります〜♪
応援ありがとうございました!


香■様→ありがとうございます!繰り返し読んで頂けてるなんて嬉しいです!!
最終話まで本当に時間かかってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます!!
そしてまた読み直して頂けてるのはすごく嬉しいです☆
問題だらけの蓮くんでしたが、何とか色々回収できたかな?って思います。
そして素敵な番外編の提案もありがとうございます♪
楽しそうな番外編なので、脳内でコネコネして形になったらまた書かせていただきますね♪
応援本当にありがとうございました!!


【なくした記憶を終えて。】
ちび◯う様→ありがとうございます!ちょうど休載中にアメブロ登録をされてたんですね♪また再開した時に来てくださって嬉しいです☆カラオケは喉枯れない程度にバンバン歌いまくりでした♪
本当に長期にわたり、応援ありがとうございました!!


ちな☆様→ずっと応援ありがとうございました!!そしてそんな素敵なフォルダに★付きでチェック入れて楽しみにしていただけてたとは…!!嬉し恥ずかしですが、光栄です( *´艸`)
そして改めて本当に無事に終わらせることが出来て良かったと思いました!(笑)
そして最初からまた読んで頂けるとはっ!
ありがとうございます〜!!
番外編も色々コネコネしてみます〜!

本当に本当に応援ありがとうございました!!



コメントくださった皆さんも、陰ながら応援してくださった皆さんも、本当に本当にありがとうございました!!!!
本当に皆さん大好きです!!
これからもこんな風月ですが、どうぞよろしくお願いします。

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

なくした記憶を終えて。

あとがきのようなもの。


皆様、こんにちは。
風月です。

皆様の拍手やコメントなどの応援のおかげで、漸く『なくした記憶』を無事完結させることができました!!

今まで応援してくださった皆々様に心から感謝しております。

『なくした記憶』は風月のスキビだよりのスタートと、ほぼ同時期(ブログ開設で二次デビューホヤホヤの三日目)に無謀にも連載をスタートした話なので、風月の中で恐らく一番思い入れの深いお話でした。

コメントやメッセージを頂けるたびに一喜一憂し続けてきたこの話は、楽しんで書けたり、書きたい方向に話が持って行けなかったりとかなり悩まされた作品でもありましたが、やっぱりいざ最後にENDを付けるとなると、寂しくなってしまい付けることに凄く勇気がいりました。

可愛い久遠くんな蓮様が無邪気にキョーコちゃんを翻弄していく話を一緒に楽しんでくださる皆さんがいてくれて本当に嬉しかったです。

連載を再開するまで紆余曲折がありましたし、期間もだいぶ空いてしまったので、最初に読んでいてくださった方が今どのくらい残ってくださってるかもわかりませんが、ずっと応援してくださった皆さんも、最近新しくアメンバー様になってくださったみなさんも、これからなってくださる皆さんも楽しんで頂けるお話になってたらいいな。って思います。

最後の最後でローリィがでしゃばってきてクーまで出てきた時は、もうダメだ…終わらせられる気がしないかも…なんて思い、ぼやいて弱音を吐いたりもしましたが、頂いたコメントのお陰で楽しみにしてくださってる方がいらっしゃるって再確認できて、再度頑張ることができました。


書き直しも検討しましたが、やはりがっつり書き直したとしたら、ここまでの話を読んで続きを楽しみにしてくれてる人にはガッカリな感じになるかもと思い直しやはり、このままラストまで繋げることにしました。

今後は、残ってるお話の以降作業と、それに合わせての続きリク頂いてる分の続きを書けるものから書いたり、恋の季節は…の連載を再スタート…そして、思いつく話が出てくれば、なくした記憶の番外編的なものも書けたらいいかなー?って思います♪

正直なくした記憶のラストは詰め込みすぎた感満載じゃないか?!って思わなくもないのですが、とりあえずもうそろそろ終わらせないと本当にダメだ!と思い直して何とかラストという形で終わらせました。

消化不良な方がいたら申し訳ありません。
でも、風月の中で蓮様は記憶を全部取り戻す予定ではなかったので、最後は全部思い出して『おかえり』で終わらせることが出来てちょっとホッとしました。


53話なので他の長期連載をされてる方に比べれば大したことないでしょうけど、風月の中では元々30話ぐらいのつもりで書いてたので、結構なボリュームに感じてます。
不自然な部分があってもこれも風月ワールドということで、大きな心で受け止めて頂けたら幸いです。



さーて、なくした記憶の連載を終わらせてやっと肩の荷が下りたどー!!って感じなので、これからは伸び伸びとしていくつもりです。
今日は仕事終わったらカラオケでも行って歌いまくってきます!

連載の大変さを知ってても、また連載を書きたくなってしまう脳内には一度パンチをくらわせたい気分ですけど、今後もぼちぼちやってくので、これからもお付き合い頂けたら幸いです。


なくした記憶を長い間、応援してくださった皆様、本当に本当にありがとうございました!!
皆様には言葉では表現できないくらい感謝しております。

これからもよろしくお願いします。


風月

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なくした記憶 53〈完結〉

※今回、「」は日本語、『』は英語だと思って下さい。
※関西弁は間違ってても大目にみて頂けたら幸いです。


長かったですが、ようやくラストです!!


*****


なくした記憶 53


「Ladies and gentlemen!!さぁ!これから、ここにいる皆さんの時間を頂戴して、敦賀蓮、京子の婚約緊急会見を行う!!」

スポットライトが集まり明るく照らされた天井付近には、何故かアラビアン国王風の格好をした男がロープに捕まった状態で喋っていた。


「「「しゃ、社長〜〜?!」」」

ブリッジロックのメンバーはその人物、ローリィを見て驚いていた。

「え?!あれ?敦賀さんは?!」

「京子ちゃんもおらへん!」

ザワザワと客席も混乱する中、いつの間にか蓮とキョーコの姿がなくなってることに気づいたブリッジロックだったが、すぐにローリィの仕業だと気付く。
目眩しなのか、派手にしたいだけなのかダンサーズ数人がまだ素晴らしい腰の振りを披露しながらスタジオの真ん中で踊っていた。

「ちょっと社長!どういうつもりですか!!」

「とにかく、そんなところ危ないですから降りてきてください〜!!」

ローリィはスタジオの天井近くでぶら下がっているため、5メートルほど高い場所にいるのだ。

ハーハッハッハッと上機嫌で笑っているローリィにとりあえず何を言っても無駄だと思いながらもとりあえず声をかけていた。

「蓮と京子は今、ダンサーズに導かれて衣装チェンジに行っている。なぁに、すぐに戻ってくるから心配することはない!!」

「はぁ…」

「それはそうと、これ、俺たちの番組なんですけど…。」

「細かいことはいいじゃねぇか。そこはお前、同じ事務所のよしみってやつで。勿論、お前たちの番組だから婚約会見の司会進行はお前たちに任せる。」

「え?!任せるって社長?」

「あれ?そう言えば付き合いだしたのって先月だって敦賀さんさっき言ってへんかった?!」

「せや!スピード結婚やんっ!」

「でも京子ちゃんってまだ…」

「はっ!高校生やないか!」

ブリッジロックがそんな会話を交わしていると、客席から悲鳴が上がった。
慌ててその視線の先に目を向ければ、ローリィがものすごい速さで落下していた。

「「「しゃ、しゃちょーーーー!!!!」」」

青い顔でローリィの身を案じて叫んだ三人だが、ローリィの身体の下に一頭の動物が走り込んできて、ローリィを上手い具合に背中で受け止めた。
どうやらこれもいつもの傍迷惑な演出の一つだったようだ。
しかもそこに現れた動物は…

「「「ラクダー?!?!」」


ーーーあのおじさん…一体何者?!?!

その時の唖然とする観客の顔にはそう書いてあったという。

「さぁ、準備は整ったようだっ!それでは、頼んだぞぉっお前たちっ!さらばだっ!」

しっかりとラクダの手綱を引いたローリィがラクダを巧みに操り回れ右をさせるのと同時に、セットが回転して、着物を着せられ緊張気味のキョーコと、その隣に袴を着た蓮が椅子に座った状態で現れ、その隙にローリィは姿を消した。
蓮の袴姿にキャーっと黄色い歓声が飛ぶ。

「敦賀さんかっこええー!」

「うわぁ!京子ちゃんも着物姿綺麗やなぁ。」

リーダーの光が思わずそう感嘆の感想を正直に述べれば、キョーコは真っ赤になりながらも、「あ、ありがとうございます!」とはにかんで見せるので、その可愛さに思わず光は心臓を撃ち抜かれてしまった。

「うっ!」

「リーダー!しっかりせい!」

「リーダー!!大丈夫か?!」

雄生と慎一がすかさず両側から支える。

「だ、大丈夫や!俺も男や。」

「なんかようわからんけど、大丈夫なんやな?」

「あぁ。大丈夫や!」

「よし。じゃあ行くで!」

蓮とキョーコの向かい側には三人分の椅子が並べられている。

そこに腰掛けながら、三人は突然企画に盛り込まれた婚約会見コーナーにアドリブで対応した。
流石に長年レギュラーで司会を勤めてるチームだけあって、チームワーク力は抜群だった。

「まずはご婚約おめでとうございます。」

「「ありがとうございます。」」

「でも、まだ京子ちゃんは高校生やったって記憶してるんやけど…」

「勿論、結婚を急いでるわけではないので、彼女が高校卒業したあと、時期を見てから結婚するつもりです。」

「え?じゃあ何で今の時点でプロポーズしたん?指輪まで用意してはったよね?」

雄生の質問に、蓮は少しだけ考えるそぶりを見せた。

「宣言…ですかね?彼女は他の誰にも渡さないっていう…一応、指輪は付き合いだした時から用意してました。時期を見て渡そうと…。それに、漸く念願叶ってお付き合いができたので、テレビで公開プロポーズしちゃえば、彼女が逃げたりできなくなるからちょうどいい機会かな?って。」

「な?!に、逃げたりなんてしませんよ!」

「そうかな?さっきだって逃げようとしてただろう?」

「あ、アレはだって…」

確かに逃げようとしていたのは事実なので、キョーコは赤い顔で答えに詰まって俯いた。

「強引にゴメンね。でも、30秒以内に見つけ出さないと社長から君と本気で引き離されそうだったから、慌てて探してたんだ。」

「あぁ、せや!同棲してるって…」

「ええ。ですが、同棲というと語弊があります。正確にはルームシェアですね。記憶をなくしてる間、社長から彼女が俺の世話係に任命されまして、住み込みで食事の世話などをしてくれてまして、記憶を取り戻してから漸く付き合うことになったのでそのまま…。みなさんのおっしゃる通り彼女はまだ高校生なので、さすがに寝室は別々ですし。健全なお付き合いをさせて頂いてますよ。」

ニッコリと似非紳士な笑顔で微笑む蓮に、キョーコ以外は皆が騙され見惚れてしまう。

ーーー嘘!確かに部屋は別にあるけど、最近は殆ど一緒に寝てるじゃない!!お風呂だって乱入してくるくせにっ!

なんてキョーコは心の中で思いながらも、そんな事実恥ずかし過ぎて口に出せない。

「そうやったんか〜。」

「いやー。良かった!だって、もし敦賀さんが高校生相手に手出してたらなんか犯罪チックやもんな。」

そう言われた蓮は笑顔で固まった。
サクッと刃物が心臓に突き刺さっている。

「あー!わからんでもない!何か見た目が大人過ぎてな。」

「年齢のギャップがねー!」

盛り上がったブリッジロックに、気づかれないようにショックを受けている蓮のためにキョーコが慌ててフォローを入れた。

「でも、敦賀さんこう見えてまだ21ですし。年齢は私とも4つしか違いませんし…」

「キョーコ…こう見えてって…」

落ち込み気味の蓮に漸く気づいて、ブリッジロックのメンバーも慌ててフォローを入れた。

「せ、せや!まだ敦賀さんもまだ21なんやもんな!」

「ほら、何かドラマでも大人の男の役をすることが多いやん?やから、イメージがさ…」

「敦賀さん色気すごいから、隣にいるのは絶世の美女のイメージが…」

光のフォローの言葉に今度はキョーコがズンっと落ち込んだのを見て、光が真っ青な顔になって慌てた。

「え?!いや、違うっ!キョーコちゃんが絶世の美女やないってことやなくてやな。」

「いいえ、私は地味で色気のない女なので…」

「キョーコは綺麗だよ?地味だなんてことはないって、いつも言ってるだろ?…この子、素がいいので、メイクや衣装によって変幻自在なんですよ。」

蓮がそう言うと、光がカンペが出されてることに気付いた。

「え?あ、写真あるんや?京子ちゃん七変化の?それでは京子ちゃんの七変化があるようなので、紹介します。モニターをご覧くださいっ!」

カシャという音と共に、キョーコが初めてメイクを施された瑠里子との演技対決の時の艶やかな着物姿が映し出され、会場は騒然となった。

「わっ!ベッピンさんや!!これ、ホンマに京子ちゃん?!」

「全然わからへん!!」

「めっちゃ綺麗やなぁ〜。」

そしてまたカシャと切り替わり、そこには不破のプロモに出た時の天使の格好をしたキョーコが映し出された。

「うわっ…」

「やばっ…」

「ほんまの天使や…」

その後も次々とキョーコの変身写真が映し出され、会場は興奮に包まれていた。

「いや、ホンマに凄いわ!キョーコちゃん!!」

「全部同一人物とやなんて言われるまで…いや、言われても絶対わからへん!!」

「これみたら納得や!!敦賀さんと京子ちゃんは文句なしのお似合いカップルや!」

「地味で色気ないやなんてとんでもあらへん!寧ろそんなこと言う奴がおったら、そいつの目が節穴やわ!!」

「いや〜ホンマにビッリしたわっ!!」

「な?!みんなも二人お似合いやと思うよな?!」

慎一が会場に同意を求めると、割れんばかりの同意を示す拍手が起こった。

「ほら、みんなも納得やで!」

「ビッグカップルの誕生やなぁ〜!!これからが楽しみや!」

その後もブリッジロックにより、記憶をなくしてた間のことを掘り下げられたり、二人の馴れ初めや、過去の出会いについて様々な質問がされ、一時はどうなるかと思われた番組はブリッジロックの手腕により無事和やかな雰囲気で終了した。

その後、蓮とキョーコは高級ホテルへ連れ去られ、今度は集められた記者の前で改めて婚約記者会見が行われた。
ローリィが珍しくスーツを着てるものだから違和感しかなくてキョーコは思わずガン見してしまった。

そして質問が飛び交い白熱している記者会見の会場に雪崩れ込むように一人の男が駆け付けた。

「キョォォォォーコぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「っっっ?!?!」

その人物の姿を見て、キョーコは驚いて思わず立ち上がった。

「えええええぇ?!?!せ、先生?!」

ハリウッドスターのクーの突然の登場に一同は騒然となった。

「やぁーっと来やがったか…」

ローリィがニヤニヤと笑うと、遅れてヒールを履いた背の高い女性も息を切らして走り込んできた。

『アナタッ!置いて行くなんて酷いわっ』

『す、すまんジュリ…』

女性はクーの妻のモデルのジュリエラだった。
突然の世界的に有名なビッグカップルの登場にもう何が何だかわからなくなり、集まった記者たちもパニック状態だ。

『あの子は?!あの子はどこ?!』

キョロキョロとしていたジュリエラがキョーコと蓮の姿を見た瞬間、ポロポロと涙を流し始め、崩れ落ちそうになった。

そんなジュリエラを慌ててクーが横から支える。

『ジュリ…』

『あぁ、アナタッ!私の寿命はあと10秒よ。』

『えぇ?!ジュリ!ジュリ!!しっかりしてくれぇっ!!』

ジュリエラの言葉とクーのドラマチックなやり取りに会場がドヨドヨとどよめく。

そんな二人に呆れた目をしていたローリィだったが、蓮はスッと立ち上がると、無言でキョーコの手を引き記者をかき分けて二人の元に向かった。

「ちょ、く…つ、敦賀さん?!」

そして蓮はクーとジュリエラの前に立った。

『落ち着いてください。ミセス、ミスター…』

英語で呼びかける蓮の声に、ジュリエラがハッとしたように潤んだ瞳で蓮を見上げた。

『久遠…』

小さな小さな声だったが、キョーコには確かに聞こえ、そして真近で見たジュリエラの美しさに息を飲んだ。


クーが一度気づかれないように息を吐き出して、スッと立ち上がると蓮に対峙してその目を見つめた。

「キョーコは私の娘も同然。親の承諾もなしに、婚約会見か?」

「その点については申し訳ございません。ちゃんとお二人にも挨拶に伺うべきでした。」

蓮は二人に頭を下げる。

「何分、先ほどプロポーズを受けてもらえたばかりなので。順番が逆になってしまいましたが、大切なお嬢さんを私に頂けないでしょうか?」

「えぇ?!つ、敦賀さん?!」

クーとジュリエラにとって二人の本当の子供は蓮のはずなのに、何故かお嬢さんを下さいと頭を下げている蓮に驚いてキョーコが慌てた声を上げる。

「本気なんだな?」

「勿論、本気です。」

二人は視線をぶつけ合った。
暫し、緊迫した空気がぶつかり合う。
目だけで本気度を測り、そしてクーが先にフッと笑みを作った。

「じゃあ、お前を私とジュリの息子と認めよう。」

蓮はその言葉を聞いて目を見開いた。

「私たちの娘であるキョーコと夫婦になるなら、お前は私とジュリの息子だろう?」

「あ…」

キョーコはハッとした。優しくて暖かいクーの眼差しの中に、少しだけ混じった不安に揺れる色を見つけた。

固まってる蓮を見上げ、キョーコはクイっと蓮の腕を引いた。
蓮もハッとして、長い息を吐き出して、少しだけぎこちなく笑った。

「ありがとうございます。キョーコを幸せにしてみせます。……お父さん…『お母さん…』」

蓮の言葉に、ジュリは再び感極まって涙を流し、クーの胸に縋り付いた。
クーは嬉しそうな顔で、優しくジュリの頭を撫でる。

『ありがとう。どうか娘を幸せにしてやってくれ、息子よ。』

まだここでは正体を明かさないと決めた蓮の意思を汲んで、クーもジュリエラもキョーコの婚約者として蓮を受け入れることで妥協した。

『あぁ、キョーコ…!』

ジュリエラも初めて会ったキョーコに抱き付いた。
そして小さな小さな声でキョーコだけにつぶやいた。

『ありがとう、キョーコ。久遠をありがとう…私達と久遠をまた繋いでくれてありがとう。』

『いえ、そんなっ私…っ!』

キョーコは突然、妖精界のクイーン様を彷彿とさせる美女に抱き着かれて驚き、目を回しそうになってしまった。
慌てるキョーコの背に蓮がそっと手を伸ばして支えると、キョーコも蓮の温もりを感じて、落ち着きを取り戻した。

『久遠…』

小さな声で蓮の本名を呟いたキョーコにハッとして、ジュリエラも蓮を見上げる。

『心配おかけして申し訳ありません。私はこの通り、大丈夫ですから。』

ウンウンと頷いて、ジュリエラは蓮の代わりにキョーコをギュウギュウに抱き締めたのだった。

「おい、お前ら…」

そこへローリィの呆れた声が響く。

「ボスッ!」

「記者会見の途中だぞ。邪魔するんじゃねぇよ。」

「すまん、ボスッ!可愛い娘の婚約を聞きつけて慌てていたのだ。」

クーが慌てた。

「じゃあ、キョーコを頼んだぞ!敦賀君!」

「はい!父さん。」

蓮の返事に、クーは満足そうに笑った。

「キョーコ。」

「は、はいっ!先生!!」

キョーコの返答には、クーは不満そうに眉を上げた。

「なんだ?敦賀君は、私のことをちゃんとお父さんと呼んでくれるのに、お前は私のことを父さんとは呼んでくれないのか?」

「は!い、いえ!すみません。えっと…お、おとっ、おとっ…おおとっちゃま!」

「ブックク…今度はおとっちゃまか…それもいいな…。」

自分の口から飛び出した呼び名に、キョーコは一人ああああああああと悶えていた。

『キョーコ…私のことは?!ねぇ、私のことは?!』

『ふぇ?!せ、先生のおくさま?!』

『違うでしょ!ママって呼んで!』

『ま、ママママママ…』

『キョーコ、テンパり過ぎだから…。』

くすくすと楽しげなやり取りを見ていたローリィの痺れがとうとう切れた。

「あーもー!仕方ねぇな!こうなりゃもう祭りしかねぇ!会見祭りだぁ!」

「「「えぇー?!?!」」」

「??」

皆がローリィの意味不明な発言に驚きの声を上げる中、ジュリエラだけがキョトンとした顔をしていた。

ローリィの言い出した会見祭りは混乱した会場を収拾するどころか、またさらなるパニックに包んでしまうのだった。




翌日の新聞の見出しは荒れに荒れた。

ーー敦賀蓮、京子と熱愛発覚!!

ーーヒズリ夫妻、娘の婚約で来日?!

ーーW嘉月、まさかの親子に?!

ーー衝撃!クーに娘?!世界のクーおとっちゃま!!

ーービッグカップル誕生!!

ーー蓮、熱愛で京子と同棲?!

ーーヒズリ夫妻と涙の再会!

ーー敦賀蓮、生放送中に堂々プロポーズ!!

ーー京子溺愛!クーと蓮の男のバトル

ーー京子七変化に驚きの声

ーー敦賀蓮、記憶喪失を告白!

ーー蓮と京子、石が繋いだ運命の出逢い!


など、新聞社やテレビ局によって様々な切り取り方をされていた。



「ん…。」

「おはよう、キョーコ。」

ベッドの中でキョーコが目覚めた。
目覚めたばかりのキョーコに、蓮は神々しい笑顔を見せ、そっと優しい口づけを送った。

「くぉん…おはよ…」

朝日の光を浴びて、明るく輝く蓮の素肌に、急に同じベッドで横になってるという気恥ずかしさが生まれてキョーコはシーツを掻き集めた。
その姿に蓮はクスクスと笑い、そしてベッドのそばに備え付けられているテレビを指差した。

「テレビ…凄いことになってたよ?」

「え…あ…っ!昨日のっ!!」

キョーコも蓮の言葉を聞いて慌てて身を起こした。
付いていたテレビでは昨日の生放送の様子も取り上げられていた。

「これで、これからはキョーコが俺のものだって堂々と口に出来るね?」

ベッドの上で身を起こしたキョーコを後ろから抱き寄せて、蓮は嬉しそうに笑ってキョーコのこめかみにキスをした。

「もうっ。久遠ったら…そんなの恥ずかしいだけなのに…それに私なんて…」

困ったように笑うキョーコを抱きしめたまま、蓮は言葉を続ける。

「昨日、ちゃんと証明されただろ?君は私なんて…なんて自分を卑下しなくていいんだ。客席のファンもみんな、俺たちを暖かい拍手で認めてくれた。君は誰が見ても魅力的ってことだ。」

「久遠…」

「自信を持って、キョーコ。君のことを誰よりも愛してる俺が言うんだから間違いないだろう?」

「ふふ。ありがとう。」

怒涛の記者会見の後、ローリィによる婚約パーティがローリィ邸にて開かれ、それは深夜にまで及んだ。

当然、予約していたレストランは行けず、二人で静かに過ごす甘い誕生日の夜とはならなかったが、それでも大好きな人達に誕生日と婚約をお祝いされてキョーコは幸せだった。

キスを交わしてベッドに沈められそうになったところで、キョーコは蓮の頬を両手で挟んで、その目をじっと見つめた。

「ん?どうかした?キョーコ…」

「ううん。何でも…。」

そう言いながらも、尚もじっと見つめてくるキョーコに蓮は首を傾げた。

「何?キョーコ、言いたいことがあるなら何でも言って?」

「えっと、何だかね、変だけど、何故か久遠におかえりって言いたい気分になっちゃって。」

「え…?」

「言ってもいい?」

「え…あ、あぁ、うん。」

戸惑いながらもそう答えた蓮に、キョーコは嬉しそうに笑いかけた。

「ふふ。おかえりなさい。久遠。」

言われた瞬間、蓮の心の中で何かがフワッと軽くなった気がした。
蓮は目を見開き、そして幸せそうに無邪気な顔でふわりと笑って答えた。

「ただいま、キョーコ。そしてありがとう…。愛してるよ。」

優しいキスが降る。

朝日が差し込むベッドの中へ身を沈めて、二人は記憶をつなぎ合わせるように互いを求めあい、夢中でキスを交わすのだった。


END

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*****


長い間、応援ありがとうございました!!

これで完結です。
後日、後書きなようなものを書こうと思います。
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