医師の執着 2(別館)

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拍手お礼〈33〉

みなさん、こんにちは。
風月です。
今日は気持ちがいいくらいの晴天です!


いつもたくさんの拍手と応援メッセージありがとうございますー!!
それでは、拍手へいただいたコメントへのお返事です。

【恋心の涙・続】
ち◆◯う様→一か八かのキョコちゃんの勝負…!キョコちゃんは負ける方に賭けてたようですが、初めてはの“は”で大勢逆転(笑)おめでとう!!蓮様の心がっちりゲットでございます〜♪
キョーコちゃんにとってはまさかの黒星だったでしょうね( *´艸`)
尚さん、煽ってくれてありがとうー!!ですね!!


ゆ□ーの★様→にゃー!!まさかの体育祭お昼休み中に感想ありがとうございます(笑)
ふふふ♪先生のイラストで脳内変換して頂けて嬉しいです〜♡


かばぷー様→ふふふ♪これぞ蓮キョですよね!ラブラブやっほーいですよね(笑)
おぉ!切なさもありましたか?楽しんで頂けて大満足です♪


【恋心の涙・オマケ】
ゆ□ーの★様→体育祭の次の日があの場所ですか?!凄い体力!!素敵です☆
しかもそんな現実離れした世界から覗きに来てくださってありがとうございますぅ!!!!
ご堪能頂けましたなら幸いでございます〜♡
風月も久しぶりに行きたいです( *´艸`)


ち◆◯う様→社さん完全蚊帳の外ですよね!!恐らく告げて行ってたなら、社さんはきっと「お風呂?!…お風呂って、おまっ?!」って真っ赤になってリビングでゆっくり寛げなかったことでしょう。きっと言わなかったのは蓮様の優しさだと…そう信じたい(笑)
確かに社さんどうしてるんでしょうね?恋人実はいそう…な感じもないですもんねー!
尚さんはもう、粉砕しちゃいましたねー。しばらくは立ち直れまい。
うんうん。本当にしつこそうな男ですよね。
この話はここで諦めてくれることを願うしかないけど…うん。確かにまだ怒り狂ってるあたり、諦めてなさそう(笑)


かばぷー様→本当に楽しんで頂けてて嬉しいです。蓮様をとことんデロデロにしてやりました!!
そしてやっぱり社さんもしょーちゃんもどうしてもこういう役回りですよね(笑)
尚さんは同情する余地なし!ってかんじですもんね。


【医師の執着 1】
ち◆◯う様→書いてたらだんだん蓮様がしつこいくらいねちっこくなって困り果ててます(笑)
ご本人様コメント欄で自己発表(?)してくださったのでお名前出させて頂くと、猫木 葵様でございます♪
白衣と首輪のタイトルに胸を撃たれ、、1話目読んでトドメ刺され、今に至ります。
合ってましたか??
実はアメンバーになってなかったので、慌てて申請しましたが、アメンバー承認降りるまで待てず、4話まで一気に書きあげちゃった次第です。←何処にそんな力が残ってたんでしょうね(笑)
あ、愛しの少女は原作と同じく4歳下の設定です。
少女なんて書いちゃったからわかりにくくてすみません。

楽しんで頂けるようがんばります!!


以上でした。


皆様、ありがとうございますー!

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

医師の執着 1

パラレルですよん♪

二話目からはがっつり桃予定ですよん。
閲覧注意ですよん(笑)←え?なにこのノリ。
蓮様が徐々にヘン◯イさんに変貌していきます。

苦手な方は早々にお引き取りくださいませ!!

どんなのでもばっちこーい!!なハラハラドキドキが好きなお嬢様方はどうぞお楽しみくださいませ☆

※ちなみに風月医療系疎いので病院の仕組みなどから完全妄想創作です。
こんなのおかしいんじゃない?って所は鼻で笑って許してやってくださいませー!!


*****


医師の執着 1


敦賀総合病院の一人息子である敦賀蓮は、生まれながらの医師としての才能に恵まれ、容姿、家柄、学歴、収入、そしてフェミニストな性格に至るまで全てにおいてパーフェクトで、患者も仕事仲間も問わず女性の心を魅了し、男性にも一目置かれる存在だ。
敢えて欠点を挙げるとするなら、齢28歳にして仕事人間で恋人がおらず、取り繕った笑顔で皆お友達という線引きをしてしまうところだろう。

過去に一度も恋人がいなかったのかと問われると、そういうわけでは勿論ない。
寧ろモテ過ぎて、別れても別れても3日と空けずに次の彼女が簡単にできていた。
しかし、常に仕事最優先人間なのが災いし、『仕事と私どっちが大事なの?!』という質問を聞き飽きて、ここ数ヶ月、交際を申し込まれても断り続けているのだ。

「お前もそろそろ将来を考えたら?」

「なんですか?藪から棒に。」

蓮は白衣を羽織り、支度しながら、学生の時から付き合いのある先輩医師の社から発破をかけられていた。

「いや、だってお前、ここの跡取りだろ?」

「そうですけど、なかなかこればっかりは…難しいです。」

「まぁな…お前の気持ちもわからなくもないけど、第二病棟の百瀬さん…仕事人間だし、実家はクリニック持ってるし、上手くいきそうな気がするんだけどなぁ。最近、いい感じなんだろ?噂聞いたぞ。」

「社さん、俺のことよりご自分はどうなんですか?」

「俺か?俺はまぁ次男だからな。気楽なもんだよ。」

何かと蓮を気にかけてくれる社は、蓮にとって兄のような存在だった。

「まぁ、とにかく、百瀬さんのこと真剣に考えてあげれば?」

「珍しいですね。社さんが肩入れするなんて…。」

「まぁ、院長からもお前のことよろしく言われるからなぁ。あの子真面目だし、仕事はできるし、何より可愛いじゃんか。羨ましいよなぁ〜。あんな可愛い子から慕われるなんて。」

「何言ってるんですか。社さんだって、この間、佐竹さんに迫られてたじゃないですか?」

「な?!あ、あれは…酒の席での話だろ?」

「佐竹さん、本気みたいでしたけどね。」

「あー、はいはい。わかったよ。もうお前のことは放っときますよーだ。」

そんな会話をしながら別れ、二人はそれぞれ自分の業務に入った。


何時ものように仕事をこなし、一段落ついたところで、蓮が少し休憩を取ろうと休憩室に向かっていると、廊下の角で一人のナースにぶつかった。

「あ、す、すみません!敦賀先生!!」

「いや、こちらこそごめん。百瀬さんも怪我はない?」

「は、はい!」

ぶつかった衝撃で逸美が落としてしまった書類を一緒に拾い集めるためしゃがみこむ。
せっせと蓮の目の前で書類を拾うのは、業務前に社から話題に出された百瀬逸美だ。
実は蓮が親に提案された婚約者候補の一人なのだ。現在の院長である蓮の父親も一人息子の将来を心配しており、恋人を作らなくなってからというもの、お見合い話を時々持ってくるようになった。
逸美の方は満更でもないらしく、仕事中は弁えているようだが、仕事が終わると時々、何か話したそうな顔をして見つめられることがある。

正直、逸美は美人で大人で、男性からの人気も高く、仕事もでき、蓮と同じく公私混同は良しとしない自分に厳しい人間だ。
逸美となら試しに付き合ってみてもいいかもなと思いはしても、どうしても今暫くは恋人を作る気分にはなれないのが現状だ。

どうせ誰も、“彼女”の代わりになどなれるはずがないのだから…。

蓮は心の中で深くため息を吐き出した。


散らばったのは患者のカルテの様だった。
その中で、妙に気になるカルテがあって、蓮は吸い寄せられるようにそのカルテに手を伸ばした。

「この子…」

「え…?あぁ、今第二病棟で長期入院してる患者さんですね。もう運ばれて半年になるんですが、外傷はもうほとんどないのに、意識だけが全然戻らなくて…。自宅に何度も連絡してるのですが、ご不在みたいで御家族の方とも全然連絡が取れてないし、お見舞いも今まで一度もないんですよね。」

「そっか。彼女はなんで運ばれたの?」

「階段を踏み外して落ちてしまい頭を強く打ったようで…道に倒れてるところを通りがかった人が偶然見つけて救急車で運ばれたようです。」

「なるほどね…」

蓮はそう言って、カルテを逸美に返した。

「あまり長期になるようならどうにかしないとね。今度俺も彼女の様子を見に行ってみるよ。」

「はい。是非よろしくお願いします。では、あの…私はこれで。」

逸美はほんのり頰を赤らめてペコリと頭を下げると足早に去っていった。




1日の業務が終わると、蓮の足は逸美から聞いた第二病棟に向いていた。

「最上、キョーコ…か…」

病室の前で立ち止まり、名札に書かれた名前を呟く様に呼んだ。
返事がないのはわかっていても、ノックをして蓮は静かに病室へ足を踏み入れた。

お見舞いもないというから当然といえば当然だが、部屋には花も何も何も飾られていない。
無機質な部屋の無機質なベッドにまだあどけなさの残る少女は横たわっていた。

腕から伸びた管が点滴に繋がれ、血の気のない顔は青白く、脳波を調べているのか脳から伸びた管が機械につながっており痛々しい。

蓮はゆっくりと少女に近付き、ひんやりとした頰に手を伸ばした。

「やぁ、キョーコちゃん。久しぶりだね。」

その白い肌の存在を確かめるように優しく撫でる。

「まさかここに入院してたなんてね。だれも見舞いに来なくてずっと一人なんだって?君のショーちゃんは…何できてくれないんだろうね?ねぇ、キョーコちゃん…。」

蓮の問いに目を閉じたまま答えない一人の少女。

そこに横たわっていたのは、蓮にとって唯一の想い人で手に入れたくてもそれが叶うことのなかった最上キョーコだったのだ。

「主治医は…石橋くんか…。」

蓮は、ポツリとそう呟いた。

「待ってて、キョーコちゃん。君は俺が助けてあげるからね。」

蓮はそうキョーコへ告げると、白衣を翻し、病室を後にした。

権力という名の武器を行使して、中々目が覚めないことをいいことに、研究用の特別病室を使うことに決めると、早速すぐに部屋を整えさせ、病室を移す準備を整えてから、担当医の石橋に打診する。

敦賀先生が言うなら…と渋々ながら了承した石橋からキョーコを引き継ぎ、その日のうちに研究室に併設し作られた特別病室へ移した。

完全個室で蓮のIDがないと出入りが出来ない特別病室は、蓮の研究室と併設してあり、マジックミラーで特別病室の中の様子が研究室からよく見渡せるようになっている。

蓮の研究室とというのは名ばかりで、自宅に帰るのがめんどくさい蓮が主に私室として寝とまりのために利用している部屋で、簡易キッチンに冷蔵庫、シャワーとトイレも完備の一見どこぞのホテルのスィートルームのような造りの部屋だ。

そこの階段を降りドア一枚を隔てて繋がる特別病室は、蓮の研究室よりは狭いものの、キョーコがいつ目覚めても快適に過ごせるようにキョーコの好きそうな花や家具を取り揃え、キョーコに何か異常があればすぐ駆けつけられるように異常を察知する準備も万端だ。
勿論、風呂トイレも常備しているのでこの中で女性が一人で暮らすことにも支障はない。
部屋の中に設置されたカメラで特別室の様子は24時間自動録画でパソコン内に記録される。
そのデータは蓮だけが見ることが出来のだ。

「さぁ、キョーコちゃん。今日からここが君の部屋だよ?これからは毎日、俺がキョーコちゃんの側にいてあげるからね。もう寂しくないよ。」

研究室からよく見える絶妙な位置に配置したベッドにキョーコを寝かせ、キョーコの枕元に腰掛けた蓮は、その頰を撫でながら、口元に暗く歪んだ笑みを浮かべたのだった。


(続く)

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*****


2話目からは、完全限定になります!!
もしかしたら途中別館行きになるかも?ってくらいがっつり桃予定(笑)


実はこのお話、某様の素敵なお話のタイトルと話の内容にうっかり触発されて勢いで書いたものでして、某様から許可を頂き公開させて頂きましたー!!

快くオーケーしてくださった某様!!
ありがとうございますー!!
そして風月これまたうっかり。
某様のお名前をお出していいか確認漏れしてしまいましたよ。

取り敢えず、お名前出しの許可が出たときは二話目の時にでもお名前とお話タイトルこっそりご紹介させて頂きます( *´艸`)

あー。カテゴリーまで作っちゃって、現在5話目制作中ですが、最後まで書き上げる勇気あるかなぁ?(汗)
桃って結構、こんなのアップしていいのか?って悶々しちゃって公開前に怖気づくことも多いんですよね…(^◇^;)

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ジャンル : 小説・文学

恋心の涙・オマケ

続きの声も多かったので背中を押されて、オマケを書いてみました!!

お楽しみいただけたら幸いです。



*****


恋心の涙・オマケ


ーーーピンポーン

「んん…」

心地のいい微睡みの中、夢の世界から現実に引き戻すようにチャイムの音が部屋に響いた。

腕の中に収めた温もりがもぞもぞと動く気配を感じて抱き締め直す。

「きゃっ!!つ、敦賀さ…」

「ん…。」

朝からこんな風に愛しい彼女の可愛らしい声が聞けるなんて本当に夢のようだ。
昨夜初めて触れることが許された柔らかな肉の塊を確かめるように優しく揉み込めば、慌てふためく彼女の気配。

「ちょっ、やん。だ、駄目。」

「ん。駄目じゃない。だって俺のだもん。」

「な?!お、俺のだもんって…」

寝ぼけた頭のまま、何となく甘えて縋りつけば、目を閉じててもわかるくらい真っ赤に狼狽えた彼女の声が耳に届く。
この世のすべての幸せを手に入れたようなそんな気がしてしまう。

ーーー夢じゃないよな?だってこんなに肌が柔らかくてプニプニでスベスベで気持ちいいなんて…

「キョーコ…可愛い…」

ベッドの中で起き抜けの頭で幸せいっぱいな気持ちでイチャイチャと仲睦まじく、キョーコとじゃれ合う。

「可愛い…」

キョーコを仰向けに変えて、ちゅっちゅっと真っ赤なキョーコの唇と色付いた頰と首筋、鎖骨と順々にキスを落とし下がっていく。

「や、だめ…あんっ。」

ーーーピンポーン、ピポピポピンポーン

キョーコの熱が再び沸き上りそうになったところへ割り込むようにチャイムが響いた。

キョーコがビクッと驚き、蓮もそう言えばチャイムが鳴ってたなということに今更ながらに気づいた。
蓮は時計をちらりと見て、邪魔されたことに心底残念そうな顔をしつつも、仕方なくむくりと起き上がり、緩慢な動作でパンツを履き、シャツを一枚手に取った。
ドアへ行く前に一度キョーコの元へ戻り、キョーコの額に優しく口付け、ポンポンと頭を撫でる。

「まだゆっくりしてて。すぐ戻ってくるから。」

シーツに赤くなった顔を半分ほど埋め、目から上だけを出してるキョーコに安心させるよう微笑んで、蓮は破壊的なキョーコの可愛さに破顔しつつシャツを羽織りながらドアを閉めて出て行った。


「れーん?お〜い、大丈夫か〜?」

チャイムを鳴らしても姿を見せない担当俳優に心配になったのか控えめにドンドンとノックする社に少し声を大きくして答える。

「社さん、大丈夫です。すみません。今開けます。…おはようございます。」

「なんだいたのか…よかった。おはよう。…ん?まだ起きたばっかりか?珍しいな…」

社は蓮のシャツのボタンが全開な様子に驚きながらも、招かれるまま中に入り、玄関にちょこんと置かれた女性もののハイヒールに気づき固まった。

「社さん?」

呼ばれた声にハッとして蓮を見れば、一見、平静を装ってはいるが、「俺は今幸せです!」という言葉を隠しきれずに思いっきり顔に書いた百戦錬磨に見えて実は恋愛音痴の担当俳優。
玄関の女性ものの見覚えのある靴と蓮の顔を交互に見つめ、昨夜のキョーコの取り乱した様子を思い出し、ピーンと社の中ですべてが繋がった。

「おまっ?!まさか…!!」

社が今日少し早めに来たのだって実は、昨夜のキョーコの様子が気になってのことだったのだ。
あの後どうなったのか仕事に行く前に聞こうと訪れれば、まさかの展開に、嬉しいような複雑なようなそんな気分だ。
…というのも、昨夜のキョーコの取り乱した様子から、蓮がキョーコの弱みに付け込んでしまったのではないかという思いがあるからだ。

「それは誤解です。」

突然、蓮の言葉が、社の脳内分析をスパンと打ち切った。

「ん?何がだ?俺はまだ何も言ってないぞ。」

訝しげな目を向ければ、蓮はサラリと答える。

「俺は、あの子の弱みに付け込んだわけではありません。ちゃんと告白して、お互いの気持ちを確かめてから抱きました。」

「お、おまっ?!」

蓮の包み隠さずストレートな「抱きました」発言に社は真っ赤になって動揺した。

「なんです?何か可笑しなことでも?」

「…い、いや。そういうデリケートなことはオブラートに隠してだな。」

社は落ち着くため、メガネの位置を戻した。

「社さんには、ちゃんと隠さず報告したほうが何かと都合がいいかと思いまして。」

「まぁな。それもそうだけど…。じゃあ、キョーコちゃんは今…?」

長い廊下を歩きながら、リビングへ向かう。

「はい。寝室のベッドの中です。」

「そっか…。それにしても、いやーー!!よかったなぁ!!蓮!!お兄さんは嬉しいよ!!」

バンバンと蓮の背中を叩く。

「ありがとうございます。今後もこのことでご迷惑をおかけすることもあるかとは思いますが、よろしくお願いします。」

「うんうん!お兄さんに任せなさい!!」

社が笑顔でそう言うと、蓮は安心したように微笑んで、そして何やらそわそわと落ち着かない様子で時計を気に始めた。

「…社さん、まだ時間ありますよね?」

「え?あ、あぁ。余裕持ってきたからな。朝食食べる時間くらいは…。後一時間後くらいに出れば大丈夫だけど…。」

「そうですよね。社さんはリビングでゆっくりしててください。俺はちょっと…キョーコの様子を見てきますので…」

社は蓮の口からさらりとキョーコという呼び捨ての単語が出たことに内心驚いた。
ドキドキと胸が高鳴る。
そしてバタンとリビングの扉が閉まったことで、社はキャーキャーと女子高生が恋話をする時のように一人盛り上がり始めた。

ーーーキョーコだって!キョーコだって!!あの蓮がキョーコちゃんのことをキョーコだってぇ〜!!いつもは最上さんって呼んでたのに、顔赤らめちゃって幸せいっぱいって感じで!もーー!!!!可愛い奴めッッ!!よかったなぁ!!よかったなぁ!!蓮!!念願叶ってぇ!!キョーコちゃんを手に入れられてー!!

一通り、はしゃいだ後は、落ち着いたのか、カシュッと買ってきていた缶コーヒーを開け、ニマニマと口元を緩ませながら、朝食用に買ってきたサンドイッチを口に含んだ。



そして時間は経過した。



「…………」




ーーーアイツ…何してんだ?あと5分しかないぞ?

余裕があるはずだった時間はとっくになくなり、蓮がリビングに戻ってくる気配すらない。
社はそわそわと落ち着きがなくなり不安になってきた。

ーーーえ?まさか、朝から?!俺がいるのに?!おいおい、勘弁してくれ!!これは俺が呼びに行かなきゃ行けないのか?そのパターンなのか?!

そして時計の針がカウントダウンを告げ始め、間も無く0というきっちり一時間後のタイミングで、ガチャとリビングの扉が開いた。

「お待たせしました。」

だだ漏れの色気を隠しもせず、春満開という言葉が似合いそうな顔して支度を終えた蓮が戻ってきた。

「…………お前、朝から…?」

ややげんなりして確認すれば、蓮はまさかと苦笑した。

「いえ、そんなわけないじゃないですか。一緒にお風呂入って、ちょっと味見しただけですよ?」

ルンルンと今にもスキップをし始めそうな蓮の様子に、社は何だか気が遠くなる気がした。

ーーーここは、俺がしっかりしなくちゃ。からかってる場合じゃないかも…。

今までは大人の余裕をかましていた蓮を相手にしていたのでからかう余裕があったが、今はからかうとデッロデロの惚気沼に引き摺り込まれそうだ。

ーーーきっとそうだ。恐ろしいことになるに違いない。

社はデロ甘地獄絵図を頭に描いて青ざめた。

触らぬ神に祟りなし。
蓮がいかに誰かに話したそうにうずうずしてようと、迂闊に聞かない。からかわないと社は心に誓った。
お花畑を至るところで咲かせ公害を撒き散らす蓮を楽屋に引き摺り込んで、お説教することも敦賀蓮の品質を守るマネージャーのつとめであり、二人の恋を応援するお兄ちゃんの大事な役目なのだ。

「全く。世話がやけるよ。」

社はそれでも、二人が結ばれてよかったと、心の中では惜しみない祝福をおくるのだった。



一方、蓮とキョーコが結ばれて数日後、そうとは知らない尚がテレビ局内を歩いていると、正面から蓮が歩いてくるのが見えた。
未だに幼馴染のキョーコは自分のものだという勘違いをしている尚は、そのキョーコが好きだと言ったあの男を前に何でもいいから一言あの男を悔しがらせる気の利いた一言を言いたくてたまらなかった。

しかし、尚が口を開く直前、尚の存在に気付いた蓮は、今まで見たこともないような花畑を頭に咲かせたような顔でムカつくくらい爽やかに声をかけてきた。

「やぁ、不破くん。久しぶり。最近、調子はどう?」

「お、おお?まぁまぁだけど…。」

「そうか。それは何よりだね。」

わざわざ足を止めて、ニコニコと嬉しそうな笑顔を向けてくる蓮は何か聞いてくれと言わんばかりで、尚はうっかり聞いてしまった。

「アンタは随分、いいことがあったようだな。」

「あぁ、そうなんだ。わかるかい?」

蓮の笑顔に何となく不吉な予感がして早々に立ち去りたくなった尚だが、蓮がそれを許すはずもなかった。

「実は、最近、自慢して回りたいくらい可愛くて魅力的な彼女が出来てね。」

「へ、へぇーー。それはよかったっスね。」

ーーー何だ。キョーコの奴、自覚した途端、結局失恋じゃんかよ。だからやめとけって言ったのに、馬鹿な奴…。

「毎日、彼女のいる家に帰るのが嬉しくて仕方がないんだ。」

「はぁ…」

ーーーいや、どーでもいいんですけど…。アンタの恋話なんてこれっぽっちも興味ねぇし…。

「肌もスベスベで柔らかくて、腕の中で素肌を重ねるともう天にも昇る心地になってーー」

どうでもいい惚気話と彼女自慢をペラペラと話す男に若干引いてしまう。
奴のマネージャーは早々に電話を掛けるふりをして離れて行ってしまった。

ーーーってかこんな状態の担当放り出してていいのかよ?キャラ違くねぇ?

そんな風にどうでもいいことを考えていると、ふと、蓮の声の調子が変わった。

「…以前、君がわざわざ駐車場で待ち伏せしてまで教えてくれた、俺だけはないって話だけど…」

「え?あ、あぁ。」

「残念だったね。わざわざ教えてくれたのに。こんなことになって。」

ニッコリと嘘くさい笑顔で微笑まれ言われた言葉に、一瞬尚の思考が止まる。

「……は?」

「あぁ、じゃあ俺はもうそろそろ時間だから…っとそうそう。大事なことを言い忘れてた。彼女、もう下宿先には住んでないから、下宿先に行っても会えないよ?」

「は?アンタ、何言って…?」

尚の頰が引き攣る。認めたくない。認めたくないがもしかして…という嫌な予感が湧き上がる。

「あそこは約1名の不審者に対しての防犯対策が心配だったからね。早々に越してきて貰ったんだ。俺の家はセキュリティー面も安心だし、寂しがりやで甘えん坊な彼女にとっては、抱き合って眠れて寂しい思いをしなくて済んで、一石二鳥だろう?」

「甘えん…?!抱き合っ?!は?はぁぁ?!」

やっぱりという嫌な予感が的中しつつも、キョーコと寂しがりやはわかっても、甘えん坊という単語や抱き合うという言葉が結びつかなくて思わず驚きの声を発する。

「本当に、君のおかげだ。彼女と出会えたのも、彼女とこうなれたのも。全部ね。だから、君には心から感謝してるよ。ありがとう。じゃあまたね、不破君。」

最後は本当に嬉しそうに、心の底からの笑顔で礼を述べ、デロデロの笑顔を残して蓮は去っていった。

その姿を見送り、ブルブル震えた尚は、火山が爆発する勢いで怒り狂った。

「ふ…ふ、ふっっっっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

その後の尚は荒れに荒れて暫く手がつけられなかったと後に彼のマネージャーは語った。

尚がキョーコと会おうにも何故か妨害され会えぬまま時は過ぎ、半年後の婚約記者会見で、その事実を証明されたことになり、また再び手がつけられなくなったのは言うまでもないだろう。
画面の中で、蓮とキョーコは幸せいっぱいの笑顔で、終始、テーブルの下で仲良く手を繋いでいたという。



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*****


一粒で二度美味しい…的な?
おまけ社と尚で分けようかなー?とも考えたのですが、そうなったら二人だけでは済まない気がしたので、纏めてみました。

自慢しまくる笑み崩れた敦賀蓮が何気に書いててツボです(笑)

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恋心の涙・続

恋心の涙・続


ーーガンッ!

尚はイライラに任せて思い切り椅子を蹴り飛ばした。

「ちょっと尚!なにしてるの!」

マネージャーの祥子が問いかけても、般若顏でぶつぶつと何かしら呟いていて聞いちゃいない。

ーーークソッ!キョーコのヤロウ…!人の気も知らねぇで!

尚は先ほどのことを思い出してムカムカしていた。

『私、好きな人が出来たの。』

バラエティ番組でたまたま一緒になったキョーコが突然楽屋に現れて、いきなり爆弾を投下した。

『…は?』

『だけど、躓いたわけじゃないわ。私は私の進む道の先にあの人を見てるの。だから、京都にも帰らない。仲居にもならない。私はここで、私を…最上キョーコを作るって決めたの。』

意思を宿した強い目が、尚を射抜いた。

『お前、バッカじゃねぇの。』

尚はそんなキョーコの言葉を認めたくなくて、精一杯の嫌味を込めて鼻で笑った。
そんなの認めるわけにはいかない。キョーコは俺のものだ。俺のものが俺の許可なくどっかいくなんて許せない。

『お前みてぇな地味で色気のねぇ女、あの男が振り向くはずねぇだろ!』

キョーコが誑かされた相手なんてわかってる。
あのいけ好かない男だ。

『なんならよぉ、お前の色気ってやつ、俺が今から引き出してやろうか?』

壁に追い詰め、耳元に内緒話をするように囁くと、キョーコは火事場の馬鹿力の如く力に任せて尚を突き飛ばすと、傷付いた顔をして走り去った。

その表情が尚の心にトゲのように刺さった。

「あんな顔…させたかったわけじゃねぇよ…。」



その頃、キョーコは蓮のマンションで死刑宣告を待っていた。

『抱いてください。』

勇気を振り絞って口にした言葉。
きっとこれが蓮との最後…そうなることがわかっても、口に出さずにはいられなかった。
もう抑えることができないくらいこの想いは膨らみきっていた。


キョーコは待った。覚悟を決めて待ちに待ったが、対する蓮からは何の反応も返ってこなくて、キョーコは恐る恐る蓮を見上げた。

蓮は驚きの表情を浮かべたまま、見事に固まっていた。
そんな蓮を見上げたキョーコの目がばっちり合った。

「「……え。」」

ばっちり合った瞬間、弾かれたように蓮が動きを取り戻した。

「あ、あぁっと…と、取り敢えず、中に入る?」

「え…あ、そ、そうですよね!」

ギクシャクギクシャク。
そんな擬音が聞こえてきそうなくらい二人は不自然な動きをしながら玄関を潜った。

「コーヒー…入れてくるから。最上さんは適当に寛いでて…。」

「あ、は、はい!わかりました!!」

何時もなら私がやります!と言うところだが、今回は言えなかった。否、それどころではなかった。
キョーコは絶賛大混乱セール中だったのだ。

ーーーえ?!何?!何?!どういうこと?!私、抱いてくださいって破廉恥極まりないこと言ったのよ?!なのに、何でそんな危ない女をホイホイ家に上げちゃうんですか?!しかも、ノーコメント?!ノーコメントなの?!

じわっとキョーコの目に再び涙が溜まった。

ーーーやっぱり…私、地味で色気もないから女として見られてないんだ…。

そんな風に思い込み始めた時、蓮がコーヒーカップを手に戻ってきた。

「はい。まず、これ飲んで落ち着こうか。」

「…はい。ありがとうございます。」

手渡されたカップを手にとって、キョーコはそれに視線を落とした。
何となく、コーヒーを手にしながら重苦しい空気が二人の間に流れていた。
時計の音と、ゴクリとコーヒーが喉を越す音だけがその場の空気を支配する。

その重い空気を一呼吸置いた蓮が打ち破った。

「何があったの?」

キョーコは突然響いた蓮の声に、来たわっ!!…とギュッとコーヒーカップを握りしめ、唇を噛み締めた。

「抱いてくださいってどういう意味?」

蓮から少し怒ったような僅かにピリピリした空気が漂っていた。

「…そのまま、の…意味です。」

呟くように答えたキョーコの言葉を聞いて、蓮はカツンとワザと音を立ててマグカップをテーブルに置いた。
キョーコの肩がビクンッと跳ねる。

「意味…わかって言ってるの?」

蓮は自分の膝に肘を乗せ、手の上に顎を乗せて、キョーコの顔をジッと試すように見つめた。

「…わかってます!わかってないと言えません!!」

「なら、どうして俺なの?」

「それは…」

キョーコは己の動悸が早くなっているのを感じながら、蓮を見習ってコーヒーカップをテーブルに置き、深く深呼吸をすると、蓮を見つめた。

「初めては…敦賀さんがいいからです。」

震えながらも口にしたキョーコの言葉はかなりの勇気を必要としたに違いない。

「そう…」

蓮はそう小さく呟くと、キョーコの腕をグイッと掴み、己の足の上に腰を攫って引き上げた。

「きゃっ!!」

真っ赤になったキョーコがわたわたと慌てるも、蓮は少しピリッとした空気を発しながら、キョーコを至近距離で見つめた。

常にない近さに、キョーコの心臓が早鐘を打つが、怨キョレーダーが反応していることにも驚かねばならず大忙しだ。

「あ、あの…敦賀さ…?きゃ!」

腰をグイッと引き寄せられ、身体が密着し、蓮がより近くに感じる。
ドコドコ鳴る心臓とキャイキャイはしゃぐ怨キョ達に、キョーコは死刑宣告ならこんな心臓に悪い体制やめてーーー!!!!と心の中で叫んだ。

自由な方の蓮の手が、キョーコの頰をそっと優しく包む。
ビクッと体を跳ねさせ目を強く閉じたキョーコの頰を、蓮の指が優しく滑った。

「初めて…“は”…?」

「???」

「それってどういう意味?」

「ふぇ?」

「俺は初めての為だけの男?」

「敦賀さん?」

「俺に抱かれたら、君は俺の元を去って誰か別の男の元へ行くのか?!」

蓮のピリピリした怒りを直接感じながらも、言われた言葉の意味がわからず、キョーコは戸惑った。

「え…?」

「俺は…」

蓮のキョーコを抱きしめる腕にギュッと力が篭り、そして、その顔を苦しげに歪めた。

「敦賀さん?」

「俺は…君を一度抱いてしまったら、手放せない。もし、君が俺を捨て別の男の元へ行ってしまったら、俺は嫉妬に狂って、その男を…君をどうするかわからない。わからなくて怖い…。」

キョーコが目を見開いた。言葉が出てこない。
騒ぎまくっていた怨キョも蓮の様子に戸惑い始めた。
覗き込まれた蓮の目に心のすべてを絡めとられる。

「俺は最上さんを心から愛してる。」

強い眼差しを向け至近距離で告げられた言葉に、キョーコの息がヒュッと音を立てて止まった。

目を見開き固まるキョーコに、蓮は顔を近付けた。

ーーーちゅっ

そう優しい音を落としたのは、キョーコの柔らかい頬。
そしてそのままキョーコを強く強く抱きしめ、耳元で小さく「キョーコ…」と熱っぽく囁いた。

キョーコの全身が一気に茹で蛸のように真っ赤になった。

ドコドコドコドコと激しくなる心臓の音は先ほどの比ではない。

「つ、がさ…」

「ん?」

さわっと蓮の熱い手がキョーコの背中を意志を持って動いているのが服を介してもわかる。

「あの…」

「くす。心臓の音…凄いね?」

「そ、それはだって敦賀さんが…あんな意味がわからないことを言うから…!」

「わからない?本当に?君は凄いな。随分、ストレートに伝えたと思ったけど?」

「いえ、だからそのっ…」

「言っとくけど、俺は本気だから。最上さんを手に入れたら、手放す気はない。手放すなんて出来ない。」

蓮の高い体温から湧き上がる香りが、キョーコの胸を締め付ける。
蓮がキョーコをソファーへ押し倒した。

「俺はもう君以外、愛せない。」

キョーコの頰を手で包み込み、目を見てハッキリと告げられた言葉はキョーコの胸に深くつき刺さった。

心をガードしていた自分を否定する言葉が次々と溶けていく。

目を見開いたキョーコの目からポロリポロリと涙が溢れた。

蓮の優しい唇が、その一つ一つを宝物のように大切に舐めとっていく。

「敦賀さん…」

「ん?」

キョーコが名を呼べば、優しく微笑んでくれる蓮が愛おしくて堪らない。

「信じて…いいですか?」

「うん?」

「その言葉に嘘はないって。」

蓮はその言葉を聞くと、キョーコの手を取り己の頰を包み込ませた。
冷たい手の感触が蓮の頰に触れる。

「勿論。信じてほしい。俺が心から愛してるのは最上キョーコさん、君だけだ。」

そう言って、頰に当てさせていた手を取り、恭しく指先に口付けた。
キョーコは頰を桃色に染め、蓮を見つめる。

「私も好き…貴方が好き。だから、あなたが欲しい。」

蓮はそれを聞いて目を見開き、そしてクシャリと顔を崩して嬉しそうに微笑んだ。
そんな蓮の笑顔に、キョーコも驚いて目を見開く。

そしてふと、真剣な表情になった蓮が、キョーコの頰に手を当て、顔を近付けてきた。
キョーコは蓮を受け入れるように、そっと目を閉じた。

優しい口付けが二人の想いを繋ぐ。
恐る恐る確かめるようだったキスは段々と深まり、やがて溺れるようなものに変わっていく。
舌を絡め、無我夢中で互いを求めあうキスは二人の欲求を高め合う。

やがて、蓮はキョーコをお姫様抱っこで抱え上げると、時折キスを送りながら、寝室へ姿を消した。

二人の甘い甘い夜はそうして始まったのだった。




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*****


最近、恋心の涙に拍手がついたのを見て、そう言えば何だか続きっぽいものの書きかけたのがあったなーと発掘して優しい仕上がりで書き上げてみました♪
味付けは皆様のお好みでどうぞ(笑)


お楽しみいただけたら幸いでございました。

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拍手お礼〈32〉*

こんにちはー!
風月です。
いつも拍手と応援ありがとうございます!!

もう少ししたら拍手総数5555でゾロ目?!と思いつつ、予告では5500としてたので、サプライズショートストーリーの続きを最後に載せようと思います!!

一応、書き溜めた分は全部完結したけど、書き直したくもなってきたので、さてどうしようかな〜という感じです(笑)

さて、では頂いた拍手コメントへのお返事です。

【もしも、ピュアなあの子が家出したら?】
ち◯◆う様→ありがとうございますー!!ピュアキョも怨キョもどっちも可愛いですよね〜♪蓮様に見つかったら絶対こんな感じ(笑)
そして自分から親ビンの好きな人ばらしちゃったこと、確実に気付いてないですよね。
天然ウッカリ(笑)

ええ?!まさかのこれの続き?!うーむ…う、浮かぶかな??浮かんだ時は書いてみまーす。でも期待しないでくださいね(笑)

ゆ☆□め・様→ふふふ♪ありがとうございますー♪心のオアシスになれたようで嬉しいです!!
本当にこれから何が起きるんだ?!って感じですよね(笑)
小さいキョーコちゃんをどうしようというんだ。蓮様(笑)



以上です!!
ありがとうございましたー!!


***

さて、ではお待ちかね(?)の、サプライズショートストーリーの続きです!!
お楽しみくださいませ!


***


敦賀さんの不思議体験*15*


『そ、そうよね。まずは深呼吸…』

〈そうそう。ほら一緒に…吸って〜〉

ーーすぅぅぅ〜

〈吐いて〜〉

ーーはぁぁぁぁ〜

〈また吸って〜〉

ーーすぅぅぅ〜

〈吐いて〜〉

ーーはぁぁぁぁ〜

〈…どう?落ち着いた?〉

『えぇ、まぁ…少しは…』

キョーコは人形の蓮の前で正座をして座っていた。

〈まず、俺にも何が何だかわからないんだ。気付いたら君の超リアル人形の中にいた。〉

『はぁ…あの…。つかぬ事を伺いますが、あなた様は…?』

〈え…?俺?おれ、は…〉

ーーーマズイ!ここは、なんとかして誤魔化さなければ…!さっき最上さんの胸に顔をこすりつけたことがばれたら、二度と近付かないで下さい!なんて言われてしまうかも!!

蓮は必死で何と答えるべきかを考えた。


(続く)

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もしも、ピュアなあの子が家出したら?

もしも、ピュアなあの子が家出したら?



「おかえりなさい!敦賀さん♡」

「…え?」

蓮は自宅の玄関で誰もいるはずがないのに突然声をかけられ驚いて固まってしまった。

驚いてキョロキョロと辺りを見回す。

「こっちです!コッチ」

声のする方を見て目を見開く。

「…君は…?」

廊下にちょこんと正座していたのは蓮の手のひらサイズほどの小さな小さな女の子だった。

その女の子の体がフワッと浮き上がり、蓮の目の前で可愛らしく微笑んだ。

「私ですか?私は、ピュアキョです。」

「ピュアキョ?…って、その顔…もしかして最上さん?」

真っ白な服に身を包んでフワフワ浮いているキョーコの顔に驚く。

「はい!さすが敦賀さん♡私は最上キョーコの中のピュアなハートの一部。ピュアキョです!」

「ピュアなハート…?」

恐る恐る出した蓮の手のひらにちょこんと乗った天使の格好をした小さなキョーコ。

「はい!敦賀さんに会いたくて会いたくて、家出してきちゃいました!!」

えへへ。とはにかんだ表情もキョーコのそれだ。

「ええ?家出ってまさか…最上さんのところから?!」

「はい♡しばらく敦賀さんのお側においてください。よろしくお願いします!!」

ぺこりと綺麗に土下座でお辞儀をされる。

「いや…俺は構わないけど…。大丈夫なの?それ…」

「平気です!!ピュアキョは他にもいるので。」

「え?ピュアキョって君だけじゃ無いの?」

「はい!私はほんの一部です。ピュアキョの他にも怨キョと言う子達もいます。」

「怨キョ…?」

「復讐に囚われた怨念化したキョーコです。とってもガラが悪いんです。」

「あ、あぁ、なるほど…」

「一度は彼らに身体を乗っ取られて外へ放り出されていたのですが、今は基本的には共存しています。」

「でも、君が出てきちゃったら皆心配してるんじゃ無い?」

「それが…今親ビン…」

「親ビン?」

「あ、本体の最上キョーコのことを親ビンと呼んでるのですが…」

「あぁ。そうか…それで?その親ビンがどうかしたの?」

「実は…その親ビンが恋をしちゃったんです。」

「……え?」

「ずっとその人のことが頭から離れなくて、そうこうしてるうちに、怨キョからあんた達がいるからこんなことになったのよ!って私たちピュアキョが虐められるようになってしまって…」

「それは大変だったね。それで?最上さんが好きっていうのは…?」

「え…?!や、やだぁ!!敦賀さん♡そんなこと私の口から言えるわけ無いじゃ無いですか!破廉恥ですぅ〜!!」

ピュアキョは顔を赤らめてその顔を隠してイヤイヤダメダメと恥ずかしがった。

小さなキョーコのそんな姿を見て、蓮はどうしてやろうかという気になってくる。

「ピュアキョ…君のことは何て呼んだらいいのかな?」

「え?!そ、それはそのままピュアキョでもキョーコでも…」

「ふーん。じゃあキョーコ。」

名前を呼ばれてピョッとキョーコが真っ赤になった。

「ふぇ?!あが…えっと…そ、その…」

キョトキョトと周りを見回すキョーコをそっと胸に抱えた。

「ふぎゃ!つ、敦賀さん?!あの…!!」

「君が最上さんの心の一部というのなら、俺が君を捕まえたら最上さんの心の一部を俺が占めることになるのかな?」

「はわぁー。つ、敦賀セラピーが…♡もうダメェ。」

「ん?ダメッて?」

「だって…だって…」

ピュアキョが蓮の懐でメロメロになっていると、また小さいのが何人かやってきた。

「あぁー!!ピュアキョ!こんなところにいたぁ!!」

「ちょっとあんた!敦賀さんから離れなさいよっ!!」

「また最上さんがいっぱい…あ、もしかして君たちが怨キョ?」

「へ?!私たちが見えるの?!」

「嘘?!今まで敦賀さんの周りのブラックアンテナに誘われて近付いても見つからなかったのに!!!!」

「それはそうと、ちょっとアンタ!!」

怨キョのうちの一人がビシッと蓮の胸元で目をハートにしているピュアキョへ人差し指を向けた。

「私たちの親ビンがあの馬鹿ショーにどんな仕打ちにあったか忘れたの?!顔のいい男ほど信用ならないって教訓にしたはずでしょう?!」

「でもでも!敦賀さんは違うもの!!」

「同じよ!!エセ紳士笑顔の遊び人のプレイボーイじゃない!!」

蓮の頰がピクッと引きつる。

「そーよそーよ!今すぐそいつから離れなさい!!今ならまだ間に合うわ!!」

「そーよ!親ビンがその男に恋してるなんて…目も当てられないわ!!また親ビンが傷付くの目に見えてるじゃない!!手遅れになる前に諦めさせなきゃならないって何度も会議で話し合ったでしょう?!」

「え…?最上さんが俺を…?」

蓮が信じられない怨キョたちの言葉に呆然としてしまったその隙に、怨キョが数人がかりで蓮からピュアキョを引き離そうと引っ張り始めた。

「さぁ!早く帰るのよ!!」

「いーーーやーーーー!!私は敦賀さんの側にいたいのよぉ!!」

「だーかーらー!!ええぃ!往生際の悪い子ね!!取り返しのつかないことになる前に…ふぎゃ」

胸元にしがみ付くピュアキョを引き離そうとしていた怨キョも含めて蓮はとりあえず抱き締めた。

「最上さんが…俺を?その話…もっと詳しく聞かせてもらえるかな?」

このまま帰すわけにはいかないとしっかり捕まえ、にっこり微笑む。

エセ紳士笑顔に怨キョ達が一気に青ざめ震え始めた。

「ふぇ?!や、ヤダちょっと!!!!あんたのせいで捕まっちゃったじゃない!!どーしてくれんのよ!!」

「ぎゃーーーー!!助けてぇぇぇ!!親ビーーーーーン」





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拍手お礼〈31〉と、今後の予定

皆様、こんにちは。
今日は気持ちがいいくらいの晴天です☆

さてさて、いつも拍手ありがとうございます♪
まさか没話にまでコメント頂けるとは…!と嬉しい限りでございました!!

これから暫くは移行作業にはいるので、コメントも付かなくなるだろうな〜ということを見越して、拍手お返事を溜めずにアップしておくことにします(笑)

とは言え、コメントいただいて数日経っちゃいましたけどね☆


拍手へコメントくださった方、毎度のことながらお待たせしてしまってすみません。
お返事です。


【《没話》雨に流されて… 6】

へなへなっち様→久しぶりのコメントありがとうございます!!こちらも捨てがたいですか!ありがとうございます♪


ち◯◆う様→あはは、読み違えちゃいましたか?挑と桃って似てますもんね!!脳内桃だらけになっちゃいましたか??(笑)何だか無性に桃なお話が読みたくなる時がありますよねー♪
こんなお話も嫌いじゃないですか☆良かったです〜♪
コメントありがとうございます☆


かばぷー様→今回のは、婆さんのキャラが何だか変わりすぎちゃったのと、蓮様が一緒にお風呂で悶々としてて必死で耐えたのに、他の男に先を越されてしまっていいのか?!あまりにも蓮様が可哀想ではないか?!という思いもあり没にしました(笑)
没にしてメモに残ってる話も色々ありますね〜。まぁ、完成したら大概はアップしてるので、書きかけで没にした物が大半ですが…。
あら☆好物の部類のお話でしたか( *´艸`)
ピンチから救ってくれる蓮様の話は風月も好物です。
オリキャラ出すの風月は苦手なんですが、誠司くんのキャラは書いてて楽しかった気がします(笑)
コメントありがとうございました!!



以上です。

さてさて、暫く移行作業と案内してるのですが、移行作業もただ移すだけでなく若干編集して移行してるのでわりと時間が掛かるかと思います。
そしてリアルで新しいことに挑戦中でして、もしかしたらお話更新&移行作業が亀スピードになるかもしれません。

なので、恋の季節は…はもう少し落ち着いてからの再開になると思います。
再開を心待ちにしてくださってる方もいらっしゃるようですが、もう暫くお待ち下さいませ。
なくした記憶と、My HOMEは再開時に終わりが目前に見えてたのですが、恋の季節は…は書きたいことが沢山残ってまして、多分、現在ネタの3分の1もまだ書けてないので、ちゃんと時間が作れる時にしっかり書きたいなと思ってます。

なので、短編の移行&移行時に頂いてる続きリクエストを書くということに暫くは没頭することになると思います。

現在風月が把握してる続きリクエストは…
『ネコネコ仔猫』=クー登場
『運命の歯車』
『敦賀君の災難』
『〇〇者、尚』シリーズ
『ハレムの華(別館)』
『夢から醒めたら』の蓮バージョン

です。

リクエストしてたのに忘れられてる?!というものがあればこっそり教えて下さい。
リストに加えておきます。

上記にあげたものも続き希望と伺ってはいますが、叶えられる保証はありません。
チャレンジして思うように書けず断念してしまう場合もありますのでその点に関しては予めご了承下さい。

なので、アップされたらラッキーぐらいの気持ちでいて頂けたら有り難いです。


それではまたお会いしましょう!風月でした!

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act.181続き。

風月の処女作です。
2011.11.05にAmebaで投稿したものを若干加筆修正して、移行しました。

+++++

初の投稿は、今の本誌でのカインとセツカの続きからです。
同じベッドで寝るようになって、数日という設定で書いてみました。

****

act.181続き。


キョーコはTV局内を覚束ない足取りで歩いていた。

ーーー同じ部屋で一夜を明かすだけでも、かなり緊張しちゃうのに、まさか同じベットで寝ることになるなんて…!!

カインとセツカとしてホテル生活が始まり、キョーコは蓮と何故か同じベッドに寝ることになり、安眠できるはずもなく、ここ数日寝不足の日が続いていた。

フラフラになりながらも、自分の楽屋の扉を開く。

「よぉ!」

「げ!!」

ーーバタン!!

キョーコは思わず扉を閉め、楽屋の名前をもう一度確認した。
間違えていないことを確かめ、今度は勢いよくそのドアを開け放した。

「なんで、あんたが私の楽屋でくつろいでんのよ!!ショータロー!!!」

人の楽屋のソファに堂々と座ってる幼馴染に怒鳴りつける。

「うっせーな。こんくらいで一々騒ぐなよ。俺とお前の仲だろ?」

ニヤニヤ笑いながら言う尚が憎たらしい。

「は?!どんな仲だっていうのよ!冗談じゃないわ。私はあんたとの過去なんか抹消したいくらいなのに!!」

「照れんなよ。キスした仲だろ?」

「………は?」

「は?じゃねーだろ?!忘れたとは言わせねーぞ!バレンタインの時の…」

「ば!バレンタイン?!!」

キョーコはバレンタインと聞いた瞬間、ワインゼリーを渡した後の蓮からの頰チューを思い出してしまい、かなり動揺した。
ボボボボボッっと一気に顔が真っ赤になる。
それを見て一瞬怪訝な顔をした尚だったが、次の瞬間何を勘違いしたのか勝ち誇ったようにニヤリと笑った。

「なんだよ。赤くなりやがって…。そんなに俺とのキ…」

「あ!!あれは!!ただのお礼なんだから!!」

「………は?!」

「だ、だから、ただの挨拶よ!!深い意味はないはずなのよ!」

キョーコは尚が目の前にいることをすっかり忘れて、一人思考の小部屋に迷い込んで弁解した。

「おい!さっきから何を一人で混乱してんだよ!お礼とか挨拶とか言いやがって!そんなに良かったなら、もう一回やってやるよ!」

そういいながら、腕をぐいっ!と掴まれた。

「な?!ちょ!!離しなさいよ!なんのつもりよ!」

「なんのつもりって…あの日の再現だけど?」

「ひーー!!いーーーやぁー!!あんた私を地獄に突き落とす気なの?!!!」

キョーコは「二度目はないよ?」と蓮に囁かれた時の顔を瞬時に思い出し、真っ青な顔でガタガタ震え出した。
流石の尚もキョーコの怯え方を見て怪訝な顔をする。

「は?!なんだよ。その反応は…赤くなったり青くなったり忙しいやつだな…」

「私はまだ命が惜しいのよ!!離してよ!!」

「だから、訳わかんねーってんだよ。お前!!頭大丈夫か?」

「あんたのせいで、ちっとも大丈夫じゃないわよ!!あんたが変なこと言うから色々思い出しちゃったじゃない!!」

キョーコはキッと尚を睨み付けた。

「やぁ、楽しそうだね最上さん。」

噂をすれば影?!と言いたくなるほどタイミング良く、いつからいたのか、蓮の声がキョーコの楽屋へ響いた。
背後からなので顔は見えないが、どす黒いオーラをキョーコは感じとった。
凄く突き刺さる笑顔でお怒りになってるに違いない。
尚はキョーコの腕を掴んだまま、蓮を余裕の笑みで見つめた。

「よぉ。敦賀さん、悪いけど見てわかる通り俺たちお取り込み中なんで、邪魔しないでもらえますか?」

ーーーしょ、しょしょ、ショータローあんたなんってことを!!

キョーコは心の中で絶叫するも、言葉が出せなかった。
何故なら、空気がピシリと音を立てた気がしたからだ。そう、例えるなら氷にヒビが入ったような。そんな感じだろう。

「ふーん、そう…」

さっきと比べて明らかに低くなった声音が響いた。バックにはキュラキュラと光り輝くスマイルの効果音が聞こえる気がする。

「お取り込み中…ね。それは済まないことをしたね?不破君。…お取り込み中ということだけど、出て行った方がいいのかな?ー最上さん??」

「めめめめめめ、滅相もございません!!!見捨てないで下さいーーー!!」

そういうと蓮はニッコリと微笑むと「と言うことだから、不破君失礼するね?」と言いつつ、遠慮なく尚の腕をキョーコの腕からべリッと引き剥がした。

「っ!てっめぇ…!!」

尚が蓮を睨みつける。

「…腕…赤くなってるね…」

蓮は尚を無視して、キョーコの掴まれてた腕をジッと見つめた。

「あ…」

キョーコもつられて腕に視線を落とした。その隙を突くように、蓮はその腕を持ち上げて赤くなった部分にさり気なくチュと口づけた。
キョーコの血液は一気に沸騰した。

「な、ななななななななな!!」

尚もボーゼンと立ち尽くして眺めていた。

「突然、何するんですかー!!」

「何って…早く治るおまじない?」

「んな!!」

寝不足なのに一気に沸騰したために、軽い貧血になりよろける。

「っと!…どうしたの?大丈夫?」

蓮の腕がすかさずキョーコを支えた。

「あ!すみません!大丈夫です!ちょっと今日は貧血気味で…」

「そういえば、顔色も良くないね?ちゃんと睡眠…」

ーーとってる?と聞こうとした蓮は一瞬口ごもった。

「……もしかして、昨日も眠れなかった?」

「え?!や、あの…そんなことは…」

「全く、君は…。嫌なことは無理に付き合わなくていいんだよ?」

蓮がため息を吐きつつ暗い顔を見せる。

「そ、そんな!嫌な訳ではないです!!ただ、その、緊張してしまっただけと言いますか…。」

尚は面白くなさそうにドカッと音を立ててソファに座り、テーブルにドンっと音をわざと立てて足を乗せ、自分の存在をアピールした。
しかし二人は尚を気にも止めずに話を続けていた。
チッ。舌打ちはしたものの、何となくキョーコと蓮を二人きりにするのが癪で、尚はそこに居座り続けた。

一方蓮は、嫌ではないと聞いて安心するものの、男として意識されてないのか?と複雑な気分になっていた。
緊張が男だと意識してと言うことなら嬉しい限りなのだが、この子に限って…という学習能力が働く。

「と、とにかく!敦賀さんと二人きりで同じ部屋で寝るということですら緊張するのに、同じベットだなんて…とてもじゃないですが眠れません!!破廉恥ですーー!」

尚は、思考が一瞬停止した。

ーーーは?!今こいつなんて言った?!同じベットで寝る?!!

「…っおい!キョーコ!それどう言う意味…」

「ご、ごめんね。最上さん…。君を寝不足にさせてたことに気付かなくて…。もしかして、一昨日から眠れてないの?」

ーーーおとといからと言うことは、1日だけじゃないのか?なに考えてるんだ!!

「あ、えっと…あの、でも私の役への未熟さが原因ですので、敦賀さんはお気になさらないで下さい!!」

蓮が暗くなって自分を責めそうになっているのを見て、慌てて弁解した。

「そんな!それは違うよ。最上さん!あれは俺が…っ!」

苦しそうな蓮の姿を見て、キョーコの胸がキュウンと疼いた。

「でも、嬉しかったんです!」

「…え?」

ゆっくりと、キョーコの手が蓮の頬へと伸びて其の手で頬を包む。

「たとえ、役としてでも、敦賀さんの力になれるんだってことが!だから、嫌ではないんです…。敦賀さんの苦しい顔は見たくない。私でも、できる事があるなら、どんなことでも力になりたいと思うんです。」

「も、がみさ…」

蓮は堪らず、キョーコをキツく抱きしめた。キョーコは驚いて小さく悲鳴を上げた。

尚も焦って声をかける。

「っ?!おい!!」

キョーコは、抱きしめられて一瞬驚いたものの、そっと壊れ物を扱うように優しく蓮を抱きしめ返した。

「敦賀さんの力になりたいです。一人で苦しまないで下さい。私がずっと側にいますから。その苦しみを私に分けて下さい。」

キョーコは顔をあげるとニッコリと蓮に微笑みかけた。
尚はキョーコのそんな言葉と行動が理解出来ずに固まってしまった。

「君は…。本当にずっと側にいてくれるの?俺の、側に…?」

「貴方がどんな過去を抱えていても、貴方は私の尊敬する唯一の人です。私にとって貴方は、誰にも変えられない大切な存在なんです。貴方の変わりは誰も居ません。私の目標なんですから!」

蓮の腕に更に力が篭り、ぎゅうっと更に強くキョーコを抱きしめる。

「君は…俺がどんな過去を背負っていても、受け入れてくれるというの?」

「えぇ、勿論ですよ。私は貴方のお守りなんですから。」

「おい!お前ら!!」

尚が目の前の光景が信じられず、声を掛けるが、二人には届かない。

「やっぱり君が、…俺にとっては君だけが、唯一の光だ。ずっと変わらない…初めて出会った10年前のあの日から…ずっと、君の存在が俺の生きる道しるべだ。」

「…え?」

キョーコは蓮の10年前という言葉に不思議な顔をする。
蓮と10年前に出会った記憶などない。だけど、何か引っかかるものを感じていた。

「お互いに、髪の色も雰囲気も性格も、何もかも変わってしまったけど、君の本質は出会った時から変わってない。君の存在が、俺の生きる支えだった。10年前、京都の河原でたった数日間一緒に過ごしただけだけど、あの夏の日の優しい時間は俺にとっても、とても大切な宝物だった…。」

キョーコがじっと蓮を驚きの表情でみつめる。

「…コー、ン…?」

蓮は苦しげな表情を少しだけ和らげて微笑みかけた。

「妖精じゃなくてごめんね。ずっと黙っててごめん。君が俺のあげた石を今でも大切にしてくれてて、凄く嬉しかったんだ。」

「う、そ。…本当に…?本当にコーンなの?」

「うん。そうだよ。キョーコちゃん。ごめんね。君がコーンを思って泣いた時もただ抱きしめることしか出来なかった。本当はここにいるよ。って言いたかった。」

キョーコの目からみるみる涙が溢れて来た。

「コーン!!!!コーン!!!」

キョーコはギュッと力一杯蓮を抱きしめた。

「会いたかった!!ずっと逢いたかったんだよ!コーン!!!」

「うん、…うん、ごめんね。俺もだよ。キョーコちゃん。」

今度は蓮が優しく抱きしめ返す。
尚は一人、異様な光景を見るような目で二人を見ていたが、段々とムカムカしてきて、キョーコの肩に手をかけた。

「おい!!キョーコ!!何だよコーンって!俺、何も知らねーぞ!」

「きゃ!!え?!!ショータロー?!まだいたの??」

キョーコは、尚を見ても怒りの感情がなにも湧き上がらないのか、ただ驚きの声を上げた。

「いちゃわりーかよ!!10年前ってなんだよ!俺、コーンなんて名前知らねーぞ!!」

「当たり前でしょ!!コーンとのことは誰にも話してないんだから!私の中の大切な大切な思い出なの。」

その言葉を聞いて、今度は蓮が驚いた顔をした。

「え?でも俺にはコーンの話をしてくれたよね?」

「何故だか、敦賀さんには話してもいいと思ったんです。貴方なら笑わずに聞いてくれるんじゃないかって…。モー子さんにも、話したことはありません。」

「そうか。」

ーーーそんなに大切な思い出を俺にだけ話してくれてたのか…。

蓮は嬉しさのあまり破顔した。

「もしかしたら、どこかでわかってたのかもしれませんね。貴方がコーンなんだってこと。」

「キョーコちゃん…。」

「でも、ずっと黙ってたなんて酷い!!私が逢いたがってたの知ってたくせに!!」

「ごめんね。でも話す訳にはいかなかったんだ。俺は過去は持ち込まないと決めていたから。」

キョーコは拗ねたようにプイッと顔を逸らした。

「いいんです。わかってます。一度言っておきたかっただけ。許します。貴方が黙っていたのはきっと訳があるはずだから。」

「ありがとう。キョーコちゃん。」

キョーコの目尻に溜まった涙を蓮が唇で拭う。

「な、なななな!!何するんですかー!!」

「ん。やっぱりキョーコちゃんの涙はしょっぱくてほんのり甘いね?」

かぁーーっと、キョーコの顔が赤くなる。

「貴方が、そんなことばっかりするから!!バレンタインって聞いただけで、あの時のことを思い出すじゃないですかー!!お礼でキスなんて日本人の常識にはないんですから、気を付けて下さいよー!!!」

「あれはただのお礼じゃないからね。立派な愛情表現だよ?」

「は?!お前が言ってたお礼って、こいつからのか?!」

尚はショックで呆然としてしまった。
しかし、キョーコの目には今は蓮しか写っていなかった。それを見た蓮も尚の存在を無視することに決め込んで嬉しそうにキョーコを見つめた。

「な、愛情表現ってなんですかー!そんなことばっかりするから誤解しそうになるんです!私をこれ以上惑わさないで下さい!!」

「それは、君が俺を意識してるってことかな?尊敬する先輩としてじゃなく、一人の男として見てくれてるの?」

「何訳わからないこと言ってるんですか?!敦賀さんはずっと尊敬する先輩です!!それに、男の人だってことくらい認識してます!いっそのこと、認識してなかったら同じ部屋で生活してもドキドキし過ぎて眠れないって状態にならなかったのに!」

「俺と一緒にいてドキドキするの?本当に?」

蓮は嬉しそうに破顔した。

「ドキドキしますよ、!敦賀さんを目の前にしてドキドキしない人なんていないと思います。」

「うん。でもね?俺は君にさえ見てもらえればそれだけで良いんだ。他の人の視線なんてどうでもいい。君の視線を独り占めしたい。」

「んな!!そ、そう言うセリフは想い人にしてください!!言う相手間違えてますよ!!」

「間違えてないよ。だって俺の唯一の想い人は君なんだ!ずっと好きだったよ。それこそ、キョーコちゃんって呼んでた時からずっと。」

「う、そ…だって、敦賀さんの好きな人は、高校生のはず…16歳だって言って……あ!」

キョーコはそこまで言って、自分も高校生で、話を聞いた当時、自分も16歳であったことに気付いた。
そして信じられないと言う目で蓮を見つめた。

蓮は、なぜキョーコの口から想い人が高校生という言葉や、16歳というワードが出てくるのか疑問に思ったが、今しっかり告白しなければと思った。

「君とまた出逢えて一緒に過ごす時間が増えて、大切な人は作れないって、自分で枷をつけていたのに、君の一挙一動がどんどんその枷を壊して行くんだ。君の瞳が俺の心を捉えて離さない。好きなんだ。キョーコちゃんが…最上キョーコを俺は愛してる!世界中の誰よりも君が大切で、俺には必要な存在なんだ!」

キョーコは蓮の言葉を聞きながらポロポロと涙を流した。
尚は最早声が出ずにショック状態だ。
今このままにしていたら完全にキョーコは離れてしまう。そんな気がする。
それはわかってるはずなのに、何も口出しすることができずに、事の行方を見守る事しかできなかった。
フラフラと後ろに下がると尚は壁にぶつかってズルズルと崩れ落ちた。

キョーコを今でも自分の物だと思っていた。キョーコは自分以外の誰の物にもならないと思っていた。
でも今、キョーコは尚をその目に映していない。尚ではない他の男の腕の中で、他の男を見ている。
キョーコの中にはもう尚の入る隙がない。それがわかってしまった。

表情豊かなキョーコが、いつからか目の前では泣かなくなった。酷い捨て方した時も、涙は見せなかった。
尚はキョーコのうれし涙さえ見たことがなかった。
蓮の腕の中でポロポロと涙を流すキョーコを見て絶望する。

ーーーそいつの前では泣けるのか?涙を惜しげもなくみせるのか?
俺はお前にとってなんだったんだ?

「わ、たしが…必要な存在…?」

「うん。俺の側にいて欲しい。セツカとカインとしての生活が終わっても、もう君から離れるなんて出来ない。俺とずっと一緒にいて!お願いだ。俺を一人にしないで…!」

「そんな…貴方を、一人になんて…私は、側にいていいの?貴方の側にいることを望んでいいの?愛される資格なんてないのに?」

「愛されるのに資格なんて必要ない。今だからわかるよ。俺は君を愛する為に生まれてきたんだ。そして君も俺に愛される為に生まれてきたんだ。世界中の人が敵に回ったとしても、俺は君を愛し続けるよ。何度だって言える。愛してる君を、誰よりも…」

そう言って、蓮はキョーコの唇を奪った。

「んん!…つ、敦賀さん!!」

キョーコは突然のキスにびっくりして顔を真っ赤にしていた。

「ん?嫌だった?」

蓮は真っ赤になってるキョーコを見て可愛いなと幸せいっぱいの気持ちで微笑んだ。

「…嫌じゃ、ありません、けど…」

「良かった。…なら、いいよね?」

もう一回だけ、と、蓮は微笑むと今度は深く口づけた。深く深く、何度も角度を変えて、しっかり口づける。

途中からキョーコが息苦しくなり、抗議の為に蓮の胸を叩いた。

「んんーー!ぅんむー!!」

蓮は一通りキョーコの口内を満喫すると名残惜しげに唇を離し、これ以上ない幸せの余韻に浸りながら、愛おしさいっぱいの顔でキョーコを見つめた。
キョーコは耳まで真っ赤にした顔で一瞬蓮を見つめたが、恥ずかしさのあまりすぐに蓮の胸に顔を埋めてしまった。

蓮は堪らずにギュッと再び力を込めて抱きしめた。

「ごめんね?嬉しくって、つい。…役者の法則は覚えてる?」

腕の中でコクンと頷くのがわかった。

「今のが、キョーコのファーストキスだよ?」

キョーコはもう一度こくんと頷くとギュッと蓮に抱きついた。
蓮はキョーコの香りを肺いっぱいに吸い込んで満喫すると、ポツリとつぶやいた。

「これ…夢じゃないよな?」

キョーコはパッと顔をあげると、びっくりした顔で蓮を見つめた。

「ん?なに?」

「えっと…、あの、私も同じ事を考えたので、びっくりして…」

「そう。」

蓮は嬉しそうな笑みを浮かべた。キョーコも微笑み返した。

「じゃあ、夢じゃないって確認してみる?」

「え?どうやってですか?」

「うん。もう一回だけ堪能させて?」

「つ、敦賀さん!」

「ダメ??」

「~もう!そんな捨てられた子犬のような目は反則です!!ダメだなんて言えないじゃないですか!」

蓮はその言葉を聞いて嬉しそうに微笑むと、ゆっくりと顔をキョーコに近付けた。キョーコも顔を真っ赤にしながらも、受け入れる為に目を閉じる。

唇が触れる寸前、蓮が、あ…と小さな声を漏らして、キョーコから視線を外した。
キョーコは疑問符を浮かべて目を開け、蓮を不思議そうに見つめた。

蓮は壁の方を見ていた。
そこには真っ赤な顔で魂が抜けたような姿の尚が壁にもたれて座り込んでいた。
蓮は尚に向かって、ニッコリ微笑んだ。

「そろそろ出て行ってもらえるかな?ただの幼馴染のショーちゃん?」

それを聞いてキョーコはギョッとして振り返り、尚がまだいた事にようやく気付いた。
今までの一部始終を全部見られていた事に、全身真っ赤になると、声にならない叫び声を上げた。
尚も弾かれたように立ち上がり、赤い顔のまま蓮を思いっきり睨みつけると、何も言わずに乱暴に扉を締めて走り去った。

尚が出て行ってからも顔を真っ赤にして口をパクパクさせてるキョーコを見て、蓮はクスクス笑いながらキョーコの反応に微笑んでいた。

「じゃあ、邪魔者もいなくなったことだし、改めていいよね?キョーコ?」

キョーコはフルフルと震えると、大きな声で叫んだ。

「敦賀さんの、敦賀さんの、いじめっ子~~~!!!!」

蓮はまたクスクス笑うと、幸せを噛みしめる為に、しっかりとキョーコを抱き寄せて、大声を出す口を再び塞いだ。

キスされながら、キョーコは恥ずかしさからポカポカと蓮の胸を叩いて抗議していたが、しばらくすると蓮とのキスに酔いしれ、今まで感じた事のない幸福が湧き上がってくるのを感じていたのだった。


END

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*****


最初の話は、タイトルもなかったのですね(笑)
…というか今見たら恥ずかしすぎる。
直しようがないところも多々ありまして、読みにくいかと思いますが、お楽しみ頂けたら幸いです。

これから暫くは移行作業で時々新作挟むような形になると思います☆

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

《没話》雨に流されて… 6(限定・アナザーストーリー)

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