スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

恋の季節は…5《午後より雲行きが怪しくなるでしょう》

恋の季節は…5
《午後より雲行きが怪しくなるでしょう》


教室に戻ると、キョーコはいつものように席に着く。
相変わらず自分の居場所を感じないこの場所だが、それでもキョーコの心は今まで感じたことがないくらい暖かくなっていた。

「あ!おい、蓮!どこいってたんだよ~!」

教室に社の声が響くと、女生徒たちも蓮に気付きワラワラと蓮の周りに集まりだした。

「敦賀君どうしたの?どこか具合悪かったとか?」

「もう大丈夫なの?」

「ん。ちょっとね。」

蓮は言葉を濁して、女生徒の間を縫うように進み、社の元へ向かった。

「相変わらず凄い人気だな。たった一時間いなかっただけであんだけ人が群がるんだから。」

蓮は社の言葉に困ったような苦笑を零した。

「最上さんも、いなかったのに皆が気にするのは蓮だけだもんな。」

社のポツリと呟いた言葉に、蓮は顔を上げ、キョーコを見る。

キョーコは気にすることもなく、机の上に次の授業の準備を整えていた。

蓮がそんなキョーコを見つめていると、キョーコがその視線に気付いたのか、振り返り大きな目が蓮を見つめかえした。

控え目にニコリと微笑み軽く頭を下げたキョーコに、蓮の心臓がドキンと大きく跳ねる。

キョーコがまた前を向き直ってからも、蓮の胸の動悸が収まるまで少し時間が必要だった。

「ん?どうしたんだ?蓮?…蓮?」

「え?…あ、ごめん。何?社?」

「お前やっぱりどこか具合わるいのか?ぼーっとしてるけど。」

「そんなことないよ。さっきまで日向ぼっこしてたから…まだ少しだけ眠いだけだよ。」

「日向ぼっこでサボりかよ!蓮にしては珍しいな。ま、たまにはいいんじゃない?」

社の言葉と同時にチャイムが鳴り、蓮は社と別れて席に着いた。



そして翌日のお昼休みーー

「あ。最上さん発見!!」

「わっ!敦賀君。どうしたの?」

「ここに来れば最上さんに会えるかな?って思って。」

「わぁ。本当に会えた!」

一応松太郎の為にお弁当を作っていたキョーコだが、松太郎の教室にこっそり持って行けば、松太郎は既に仲間たちとワイワイ騒ぎながら弁当を食べていた。

キョーコはその様子を見てそっとため息を吐いたものの、免疫が出来たのか、はたまた昨日の心強い蓮の存在に癒されたお陰か、昨日のような疎外感に打ちひしがれることはなかった。

屋上に行けば、また蓮に会えるかもしれない。そんな僅かな期待を抱いたキョーコは、お弁当を持って、軽い足取りで屋上に向かったのだ。


最初、蓮の姿が屋上にないことにちょぴりがっかりしてしまったキョーコだったのだが、弁当を広げていたら蓮が現れたので、キョーコは嬉しくて顔が緩んだ。

「ん?本当に会えたって?」

「ふふ。ここに来たら敦賀君に会えたりしてって思いながら今日も来たんだ。」

「そうなんだ。」

キョーコの笑顔に、蓮も嬉しそうに顔を崩す。それを見たキョーコもふふふ。と笑った。

「いつもそうやって笑えば良いのに。」

キョーコの言葉に蓮が首を傾げる。

「そうやってって?」

「教室では敦賀君、凄く嘘くさい笑顔浮かべてるんだもの。」

「嘘くさいって…酷いな。」

蓮はキョーコの遠慮のない言葉に可笑しそうに声を上げて笑う。

「そういえば、敦賀君今日のお昼は?」

「ん?食べてないよ。」

当然のことのように言う蓮に、キョーコは呆れたようにため息を着いた。

「もう!敦賀君ってば、食べないことが普通なんて可笑しいわよ。あの、良かったら…食べる?今日はサンドイッチにしてみたんだけど…」

「え?!本当に?!あるの?うわぁ!!美味しそう!!もらっていいの?」

「うん。どうぞ。」

キョーコがニコニコとお弁当箱を差し出すと、蓮が嬉しそうに両手を合わせた。

「頂きます。」

「はい。召し上がれ。」

そんな改まった言い方をし合うのは新婚みたいだとお互いに勝手にこっそり思いながら、顔を見合わせ恥ずかしそうに笑いあった。




「敦賀君!ちょっと今いい?」

同じクラスのリーダー格の松内瑠璃子から蓮は人気のないところへ呼び出された。

「どうしたの?」

蓮はこの後の言葉を何となく予想しながら、取り敢えず聞いてみた。

「あの、敦賀君って、今彼女いないんだよね。」

「まぁね。一週間前に別れたし。」

「あの、じゃあさ、今好きな人とかは??」

「好きな人?今はいないけど…」

「えっと、じゃあ私と付き合ってみない?私、敦賀君のこと本気で好きみたいなの。」

やっぱりな…と思いつつ、蓮は苦笑を漏らす。

「…そうなんだ。まぁ、別にいいよ。」

「え?!本当に?!そんなにあっさり?!」

「え?何か変?」

「いや…全然いいんだけど、ちょっと拍子抜けって言うか。」

「そう?」

「でも良かった!よろしくね!敦賀君!!私のことは瑠璃子って呼んでね!あっ!敦賀くんのことも蓮って呼んでも良い?」

「うん。何でもいいよ。じゃあ、そろそろ教室に戻ろうか。」

蓮はそういいつつも興味なさそうに踵を返してスタスタと歩き去ろうとする。
それを見た瑠璃子はぷぅと口を膨らませて、蓮の腕に腕を絡めて抱き込むようにして歩き出した。

しかし蓮はそれをさり気なくほどきながら、瑠璃子に言った。

「悪いんだけど、こういうベタベタした感じはあんまり好きじゃないんだ。今までと同じように接してくれる?」

蓮の本気で困ったような言葉に瑠璃子はちょっとだけつまらなそうな顔を向けるのだが、取り敢えず言われたとおり腕を放すと、少しだけ離れて隣を歩き出した。

しかし、蓮と付き合えることになった嬉しさからか、瑠璃子の頬は緩んだままだった。

蓮にとって彼女は特に特別ではない。まぁ、好きになる努力はしてるが、そもそも愛とか恋とか蓮自身が良くわかってないのだ。嫌いではないから好きなんだろう。という程度だった。
しかし、蓮に彼女がいるとわかると、周りの態度は一変する。

あからさまに色目を使う人は彼女に気を使うからなのか激減するし、何よりあまりキャーキャー言いながら人が集まらなくなって行動が取りやすくなるのだ。

リーダー格の瑠璃子が相手なら、尚更寄ってくる人も減るだろう。


教室に二人で戻ると、女子の集団からざわめきが起こった。

皆告白のことを知らされていたのか、仲間達は興味津々という顔で瑠璃子に集まる。

「で?!どうなったの?」

瑠璃子がニッコリと笑って、嬉しそうに皆に向かってピースした。

「ふふふ。蓮の彼女になりましたー!」

「えー?!いいなぁ!!羨ましい!!」

「流石瑠璃子だね!狙った獲物は逃がさない!!」

「ふふん。もっちろんよー。蓮に手を出したらあんた達だって許さないんだからね。」

瑠璃子の言葉に、皆が残念そうな顔を見せるが、まぁ瑠璃子ならしょうがない。という顔を作っていた。



「あ!ねぇ最上さん、この問題解き方わかる?」

キョーコが屋上で泣いてるのを蓮が目撃して数日が過ぎた。

毎日、松太郎の為に一応弁当を作って来る健気なキョーコだが、やはり松太郎は別の女の子から弁当を受け取っており、キョーコはこっそり身を引くのだった。

若干の淋しさを抱えつつ屋上に足を運べば、いつもそこに蓮がいた。

そして二人で他愛ない話をしながらお弁当を食べることがここ最近の日課になりつつあった。

屋上で密かに縮まっていたキョーコと蓮の距離。
蓮は、いつものようにキョーコに話しかけたのだが、いつもと唯一違ったのは、ここが教室だと言うことだった。

教室の空気が一瞬にして変わるのだが、蓮もキョーコもそれに気付いていなかった。キョーコの机に椅子を近付け、二人で仲睦まじく問題を解く姿を、瑠璃子を中心とした数人の女子が睨むように見つめていた。


《続く》

スキビ☆ランキング


*****


※Amebaで2012/01/19に投稿したものに加筆訂正をしたものです。
スポンサーサイト

恋の季節は…4《快晴》

恋の季節は 4
《快晴》


「ごめんなさい。」

真っ赤になりながら、キョーコは蓮に深々と頭を下げた。
蓮のシャツはキョーコの涙と鼻水でグッショリと濡れていたのだ。

「何で謝るの?」

「だって、気持ち悪いよね。私なんかの涙で濡れて…。こんなのバレたら敦賀君もイジメにあっちゃう。そうならないようにちゃんと誰とも関わらないようにしてたのに…。」

キョーコは目と鼻を泣き腫らして真っ赤にしたまま、シュンと顔を曇らせた。

「別に。俺は平気だよ。」

蓮の優しい声に、キョーコはおずおずと顔を上げる。

「気持ち悪く…ない?」

「また泣きたくなったらいつでも言って?俺の胸で良かったらいつでも貸すから。」

蓮の柔らかい表情と優しい言葉に、キョーコは胸を詰まらせる。

「でも…」

ーーきゅるきゅるきゅるきゅるきゅるるるりるり~

「え?何だ?何かの楽器??」

突然キョーコの言葉を遮るように聞こえた大きな音に反応して、蓮は不思議そうに周りを見回す。
すると、すぐ近くから再び同じ音が響いた。

ーーきゅるきゅるきゅるきゅるぎゅるるるる~

「うっひゃぁぁぁぁーー!!!」

キョーコが真っ赤になって、お腹を抑える仕草を見て、蓮はワンテンポ遅れて、キョーコのお腹の音だったことに気付く。

「ぷっ。」

そんなキョーコの姿に思わず笑いがこみ上げ、蓮は体をフルフルと震わせながら耐えようとしたのだが、我慢出来ずに思いっきり吹き出した。

「あっはははは!最っ上…さんっ!!最高!!はっははははは!!」

「ちょ、ちょっと笑わないでよっ!!」

蓮を恥ずかしそうに真っ赤な顔で睨むキョーコに、蓮は必死で笑いを食い止める。

「ぷっ。ごめんごめん。そりゃあんだけ泣けば、お腹も空くよね。お昼は食べなかったの?」

「あ…そういえば…。」

「今持ってる?」

キョーコは蓮の質問に、コクンと頷いて答える。
蓮はそんなキョーコにふんわりと微笑んだ。

「じゃあ今食べたら良いよ。」

「でも、授業が…」

「平気平気。最上さん優秀だし、一時間くらい休んだって大丈夫だよ。」

「優秀?…私は馬鹿だよ。」

「?それ、誰からの評価?最上さんは優秀だよ。小テストだっていつも高得点じゃないか。」

キョーコはフルフルと首を振った。

「でも、満点はどんなに頑張っても取れないもの…。」

キョーコの表情と言葉の重みに、蓮は昔を思い出した。

100点取れない馬鹿な子だと母親にけなされていた少女。

蓮は、そんなキョーコにポツリと言った。

「別に、100点が全てじゃないと思うけど。そりゃ、点数は大事かもしれないけど、どれだけ知識として身に着いてるかが重要なんじゃないのかな?全教科100点取らなきゃいけないなんて思ってると変に力が入って、冷静になれば解ける問題も解けなくなるんじゃない?」

蓮の言葉に、キョーコの目から鱗がポロリと落ちる。

それを実際に見た蓮はギョッとした。

「そう…だよね?…そうだわ。敦賀君の言うとおりだわ。私、いつの間にか、100点しかとったらダメなんだって思い込んでた。」

キョーコの言葉に蓮が笑う。

「あまり煮詰めると後が大変だよ。たまには休息をとるというのも大事な勉強だ。」

「うん!敦賀君って凄いね。今初めて尊敬した!!同じ年とは思えない!!」

「初めて尊敬って…。君…何気に酷いね。まぁ別にいいけど。」

キョーコの天然発言に苦笑しながら、蓮はキョーコの隣に寝転がった。

「あれ?敦賀君も戻らないの?授業始まっちゃうよ?」

「んー。そんな気分じゃなくなったし。ここ気持ちいいから、ちょっと日向ぼっこでもして行きたいなって。」

「ふふ。そうだね。本当にやんなっちゃうくらい良い天気。」

キョーコは不思議な気持ちになりながら空を眺めた。蓮といると、先程までの悲しみが嘘のように穏やかな気持ちになれたからだ。
こんなに短時間で清々しい気持ちになれたのは久しぶりだった。

「敦賀君は…?お弁当食べたの?」

キョーコは自分のお弁当を広げながら、何気なく蓮に問いかけた。

「んー。まぁ、食べた…かな?」

「??何でそんなに曖昧なの?足りなかったとか?」

「まぁ、俺は基本的に食べないからね。朝しっかりカロリーインゼリーで栄養補給して来たし、大丈夫…」

「ええぇえぇ?!ゼリー?!ゼリーはご飯じゃないよ!!そんなの、何も食べてないに等しいじゃない!!」

「え?あ、いや…あんまりお腹空かなくて。何も食べないより良いかなって。…それにしてもそんなに驚くことかな?」

「驚くよ!良くそんなので育ち盛りのその大きな体が持つね。…あの、良かったら…ショーちゃんの為に作ったお弁当だけど、食べる?」

「え?いいの?」

「うん。残ってても捨てるだけだし…あの、敦賀君にはいっぱい迷惑掛けちゃったし、こんなの御礼にも何にもなんないかもしれないけど…。」

「とんでもない。じゃあお言葉に甘えて頂くよ。」

蓮が起き上がり、ふんわりと笑いながら言うので、キョーコの胸がトクンと高鳴った。

ーーーわっ!神々スマイルだ!!

キョーコも蓮に釣られるように、自然と笑顔になりながら、テキパキとお弁当を並べて行った。



「ウマッ!!」

「え?!」

「あ、ごめん!思わず…。凄く美味しいよ!!感動した!!初めてこんなに美味しいご飯食べたよ!!」

弁当を食べながら、蓮が感動を露わに口に運ぶのを見て、キョーコは真ん丸に目を見開き戸惑いがちに問いかける。

「え?あの…褒めてくれてるの?」

「褒めるも何も、凄いよ!!本当の事言っただけだし。最上さん料理上手なんだね!」

蓮の口から返って来たのは称賛だった。

キョーコは生まれて初めて自分が手を掛けた物が褒められて、嬉しさと恥ずかしさが一気に込み上げて、ほにゃんとはにかんだ。

蓮はそんなキョーコの表情を見て無表情で固まる。

ーーー俺、何考えてんだ?!思わず抱きしめたいなんて…。

蓮は、自分の中に生まれた初めての感情に戸惑った。

今まで付き合ってきた女の子とは、彼女達の雰囲気を察して、今抱きしめた方が良いのかな?とタイミングを読みながら抱きしめたことはあったのだが、自分から抱きしめたいなんて衝動的に思うのは、初めての感情だったのだ。

「あの、褒めてもらえるなんて思ってなかったから…嬉しいな。」

キョーコの幸せそうに頬を染めて言う言葉に思わず見惚れる蓮。

「…こんなに美味しいのに、誰も褒めてくれないの?」

蓮はそんな自分の気持ちをごまかす為に、思いついたことを口にした。
キョーコは淋しそうに微笑みながら、コクンと頷いた。

「勿体無いな。美味しいものを美味しいって言いながら食べないなんて。こんな弁当なら俺は毎日でも食べた…あ!いや…ごめん。何でもないよ。」

蓮は自分が思わず口に出しそうになった本音の言葉を慌てて引っ込めた。

毎日でも食べたいなんて言って、キョーコに無理させるわけにはいかない。しかも自分から進んで何かを食べたいなんて口にするのは初めてのことだったのだ。

キョーコは蓮が毎日でも食べたいと言ってくれたことに再びほにゃんと顔を緩める。

「ふふ。ありがとう。お世辞でも凄く嬉しいよ。」

キョーコの言葉に、蓮は驚き目を見張る。
キョーコは蓮の本音をお世辞だと思ってるのだ。

蓮はお世辞じゃないよ。と言いかけたが止めた。

期待をさせるような言葉をサラリと言うことをいつも社に注意をされていたのを思い出したからだ。

二人で他愛ない話をしながら、食事を終えると、キョーコはすっくと立ち上がり、空に向かって思いっきり伸びをした。

清々しい無邪気な笑顔を浮かべて、蓮に向き直る。

「敦賀君!今日はどうもありがとう!!また頑張れそうだわ!!」

キョーコの笑顔が蓮の心をくすぐる。

「うん。元気出たみたいで良かった。」

「ふふ。敦賀君って不思議ね。もしかして魔法使い?」

相変わらずメルヘン思考な彼女に笑みが零れる。

ーーーやっぱり彼女があの時のキョーコちゃんだ。

蓮の心の中でキョーコを守りたい。この笑顔をずっと守っていたい。という思いが広がる。

眩しそうに目を細めて、蓮はキョーコの顔を見上げた。

「さぁ、どうかな?」

「やっぱり!否定しないってことはそうなんだ!」

「…魔法使いが好きなの?」

「うん!だって魔法使いは、シンデレラに魔法を掛けて綺麗にしてあげるのよ。」

キョーコの満面の笑顔で言う言葉に、蓮はくすくすと笑う。

「じゃあ、最上さんを綺麗にするのは、俺の役目なのかな?」

「え?!綺麗にしてくれるの?」

「うん。いつでもどうぞ。シンデレラ。なんなりとお申し付け下さい。」

蓮が立ち上がって仰々しく頭を下げるのを見て、キョーコは目を見開き、クスクスと笑う。

「ふふ。敦賀君って見掛けによらず結構お茶目なのね。知らなかったわ。」

「そうかな?お茶目は初めて言われたよ。」

蓮も一緒になってクスクスと笑う。

「あ!チャイム!!」

5限目の終了を知らせるチャイムが聞こえて、キョーコは顔をあげる。

「本当だね。最上さん、先に教室戻りなよ。俺はもう少しここでゆっくりしてから戻るから。」

「うん!ありがとう。敦賀君、またね!!」

「うん。気をつけてね。」

蓮は、キョーコに手を振り、キョーコの姿が校舎に入るまで見送ると、柵に寄りかかり、空を見上げ、大きく息を吐き出した。

「魔法使い…か…。君の王子様はやっぱりまだ"ショーちゃん"なのかな?」

蓮はもう一度空に向かってため息をつくと、目を閉じて、風を感じた。
優しい風が蓮の頬を撫でる。

ーーーそれでも、彼女の笑顔を守れるのなら。俺は別に魔法使いでも…。

蓮はそう思う自分に苦笑しながら、自身も教室へと向かうのだった。


(続く)

スキビ☆ランキング


*****


ようやく蓮様とキョーコちゃんの回です!
でもまだまだキョーコは松太郎と決別は出来ていないようですね。

ここから先はまだしばらく悶々タイムあるかもですが、一緒に悶々としながらお楽しみ頂けたらと思います!

※Amebaで2012/01/18に投稿した内容を加筆訂正したものです。

恋の季節は…3《ところにより豪雨》

恋の季節は 3
《ところにより豪雨》


ーーー何だか、妙な視線を感じるわ。

キョーコはここ数日、今まで感じたことのない視線を感じて落ち着かなかった。

視線を感じて振り返っても、別に変わった様子はない。

ーーー???自意識過剰かしら??

キョーコは首を傾げながら、向き直る。

授業が終わったのでいつものように片付けをしていると、コロコロと消しゴムが転がってしまった。

今まで物を落とすと、踏んづけられたり、蹴飛ばされたりと色々あったキョーコは、内心溜息を吐きながら、落とした消しゴムに気づかぬふりをした。

ーーーわざわざ拾わなくても、新しい消しゴム出せばいいかなぁ。

そんなことを考えていたら、急に男の子から名指しで声を掛けられ、キョーコは心臓が跳ね上がるくらい驚いた。

「最上さん、消しゴム 落としたよ?」

途端に、教室からザワッとした気配が上がる。

「え?!あ、す、すみません!!ありがとうございます!!」

拾ってくれたのは、今一番学校内で人気のある話題の男の子。

入学式から目立っていた蓮を、松太郎が毛嫌いしており、ここ数日、家で蓮のあることないこと悪口を聞かされてたキョーコは、松太郎の機嫌を悪くする蓮にあまり関わりたくなくて、急いで消しゴムを受け取ると、すぐに前を向き直り消しゴムを筆箱にしまった。

しかし、落とした物を拾ってもらうなんてことが初めてだったキョーコは、蓮の手が触れそうなった時、内心ちょっぴりドキドキしたことは、松太郎には絶対に口が裂けても言えないだろう。

休み時間に、松太郎が昨日出された宿題を取りに来た。
キョーコは松太郎が学校では他人の振りしろよ!と言いつつも、自分から会いに来てくれたことに、嬉しさを感じていた。

ーーーショーちゃんわざわざ私の教室まで取りに来てくれたんだ!!

キョーコは嬉しくて堪らずに、えへへと緩む顔を松太郎が去った後も、抑えられなかった。

自分を批難する会話も聞こえてくるが、キョーコは全くそんなことを気にも止めていなかった。



それから数日後、また教室に突然松太郎が現れた。

「おい、キョーコ!ちょっといいか?」

松太郎の突然の訪問にざわめく教室。
キョーコが嬉しそうに松太郎に駆け寄る。

「今日、帰らねぇからお袋達にそう伝えとけ。」

「え?何で?」

「部活の奴の家に泊まりに行く事になったんだよ。だから、俺晩御飯いらねぇから。」

「うん。わかった。誰のお家に行くの?」

「はぁ?何でそんな事までお前に言わなきゃいけねぇわけ?とりあえずそれだけお前はお袋に伝えてくれればいいんだよ。じゃあな!」

松太郎はそう言って、自分の教室へと戻って行った。


次の日、本当に帰って来なかった松太郎の為にお弁当を用意してきたキョーコが、昼休みになり松太郎のクラスに向かう。
教室を覗けば数人の女の子に囲まれてる松太郎の姿があった。

「あ!ショーちゃ…」

「ショーちゃぁん!!」

キョーコが松太郎を呼ぼうとすると、それを遮るかのように大きな声が割り込んだ。

「んだよ。ポチリ。大きな名前でそんな呼び方で呼ぶなよ。恥ずかしいだろ。」

「えへへー。今日はねぇ、美森…ジャジャーン!!ショーちゃんの為にお弁当作ってきましたぁ!!」

言いながら鞄から大きな包みを取り出すポチりと呼ばれた女の子。

「おぉ!でかしたポチリ!!今日は弁当なかったんだよー。」

「やーん!ずるーい美森!!」

「えー?ショーってばどうして弁当ないの?」

「いつも手作り弁当あるよね?あれお母さんが作ってくれてるの?」

「いんや、あれはウチのお抱えの家政婦が作ってんだよ。料理ぐらいしか取り柄がないトロイ奴何だけどな。」

「えぇー?そうなの?じゃあ、今度作ってきたら私のも食べてくれる?」

「あぁ、だけどいっぺんに持って来られても食べ切れねぇからな~。」

「あ、じゃあさ、作りたい人で順番に作ってきたらいいんじゃない?それならいいでしょ?ショー。」

「あぁ。毎回代わり映えしない弁当で飽き飽きしてたからな、ちょうどいいかもな。」

「やったぁ。じゃあ明日は私~。」

「えー?じゃあ私は木曜日ー」

「毎週?!毎週なの?!抜け駆けじゃーん!!」

松太郎を囲んできゃっきゃとはしゃぐ女の子の集団を見ながら、キョーコは某然と立ち尽くす。


ーーーウチのお抱えの家政婦…??


ーーー料理ぐらいしか取り柄がないトロイ奴…??

ーーー毎回…代わり映えしないベントウ……。

キョーコの瞳からポトリと涙が一粒落ちた。

目の前が真っ暗になり、キョーコはフラフラとその場を離れる。
その後、どういう道を歩いて来たのか覚えていない。

気が付いたらキョーコは学校の屋上に来ていた。

ただ某然として、屋上にペタリと座り込み、空を眺める。
ポロポロと溢れる涙が止まらない。
存在そのものを否定された様で、今の今まで心の支えだった松太郎からの心ない言葉に、キョーコは心臓をえぐられたようだった。


ーーー料理しか取り柄のない…家政婦。

松太郎にとって自分とはその程度の人間だったのだ。

ーーー私の存在って何なんだろう??

松太郎が心支えだった。一緒にいるのが当たり前で、一番側にいて誰よりも大切で特別で、理解できる相手。

それは言葉には出さなくても松太郎も同じだと思っていた。

憎らしい程の青空を眺めて、キョーコは静かに涙を流す。


「最上…さん?」

ひっそりと1人で誰にも気付かれないと思って泣いていた所に、第三者の声がかかりキョーコの肩が跳ね上がった。

ビクリと固まり、慌てて涙を引っ込める。
ゴシゴシと涙をぬぐって、キョーコは立ち上がって何食わぬ顔を蓮に向けた。

「あれ?敦賀君??ごめんなさい。…すぐ、消えますから。」

震える拳を握り締めて震えそうになる声を明るく保ち耐えるが、涙がまた溢れ出すまで10秒とかからないだろう。
早くここから抜け出さなければ…!

そう思ったキョーコは蓮の顔を見ようともせずに足早に通り抜けようとしたのだが、それは蓮に掴まれた腕によって阻止されてしまった。

「は、離して下さい!」

「嫌だ。離さない。」

「ど…して…ほっといて下さい。すぐに消えますから、今は放っておいて下さい。」

キョーコの言葉に、蓮はギリッと歯を噛みしめる。

「…俺は君をイジメに来たわけでも、馬鹿にしに来たわけでもない。」

蓮の静かな怒りの声に、キョーコの肩はフルリと震える。

「泣きたいなら、泣けばいいだろう?何でそんな無理に平気そうな笑顔を浮かべるんだ?」

「泣きたくなんて…なっ…い」

キョーコは最後までいう事が出来なかった。
気丈に振舞ってはいたが、涙が溢れて止まらなかったのだ。

「くっ…ふっ…」

必死に声を殺して涙を流すキョーコの姿に、蓮の胸がキリキリと痛む。
その場に泣き崩れたキョーコの頭からブレザーの上着をかぶせると、しゃがみこんで自分の胸にキョーコの顔を埋めさせた。

「こうすれば見えないから…。思いっきり泣いていいよ。」

蓮のキョーコを気遣う言葉に、キョーコの嗚咽は酷くなり、蓮の胸に縋り付くようにシャツを握り締め泣き出した。

蓮はただ黙ってキョーコの頭を強く抱きしめていた。


(続く)

スキビ☆ランキング

*****

※Amebaで2012/01/17に投稿したものを加筆訂正したお話です。

アレはアイツで私じゃないの!後編

【ス・○・ビ非公式ファンサイト有志同盟からのお願い】
原作画像を掲載しているなど、原作への著しい権利侵害が見受けられるサイト様からのリンクは拒否させていただきます。

心当たりのある運営者様へ。この【お願い】文章を載せているサイト&ブログに関しての名称と作品名、そしてリンクの即時削除をお願いいたします。
(原作画の無断掲載、原作のただ読み&アニメや音声等の違法ダウンロードなど、原作側の利益を大きく損なう行為に加担するサイトへのリンクは拒否いたします。関連二次壊滅の危機を迎える前に対処してください)



*****


アレはアイツで私じゃないの!後編


ーーーうっ。か、帰りてぇ…。何だよこの尋常じゃねぇ負のオーラは…!

キョーコは一歩一歩をひどく重く感じながら蓮に近付いた。

ーーーおいおいマジかよ…。相手はあのキョーコだぞ?たった一言でどんだけ沈んでんだよ…。

ズブズブズブズブと何か得体の知れない暗い塊に今にも飲み込まれそうな蓮を目にして、キョーコは寧ろ戸惑ってしまった。

近寄ったら腐ってしまうんじゃ…なんて思いながら、助けを求めるように後ろにいるショータローを振り返れば、ショータローはグッと拳を握り、行け!!と目つきの悪い顔で強く訴えかけてくるので、ぐっと堪えて恐る恐る最後の重い一歩を踏み出し蓮の目の前に立った。

「あ…あのぉ…つ、敦賀…サン?」

不自然にひっくり返りながらかけられたキョーコの声を聞いて蓮の肩がビクンと揺れた。

ゆっくりと顔を上げた蓮は、縋るような…捨てられた仔犬のような潤んだ瞳でジッとキョーコを見上げてきて、キョーコは思わず赤面して後ずさった。

ーーーーンナッ……!!んて顔をしてんだよ!!!!!!!

「……。最上さん…?」

弱々しい表情と声には生気の欠片もなく、芸能界1ピーな男の面影も、ゴージャスターなオーラも微塵もなく、キョーコは一瞬唖然としてしまったが、すぐに気を取り直し口を開いた。

「あ、あの…さっきは…」

瞬きもせずジッと仔犬のような目で縋るように見上げてくる視線。
雨なんか降ってないのに、その姿を見て雨に濡れて震えている仔犬の姿が重なるのは何故だろう?

ーーーウッ…な、なんなんだよ!その顔は…!!いつもの胡散臭い顔はどこに置いてきやがったんだよ!!って…イヤイヤ、マジかよ…なんだよコイツ…!!

その視線に耐え切れず、冷や汗をだらだら流したキョーコは腰を折って90度の角度でしっかりと頭を下げた。

「すっ、スイマセンでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ーーーキョーコだぞ?コイツの一言で天下のゴーシャスター様がこんなに落ち込むなんて誰も思わねぇだろ!!

一瞬の間をおいてもなお、全く反応のない蓮。
キョーコは蓮の様子を伺うため、恐る恐る顔を上げた。

すると、そこには驚いた顔で目を見開いて固まってる蓮がいて、戸惑いながら声をかける。

「あ、あの…敦賀…サン?」

呼びかけたことで、ハッとして顔を上げた蓮は、キョーコの目をじっと見つめた。

「何故…君が謝ってるんだ…?」

「え…いや、だって…」

「君があんなことを言ったのは、気付かない間に俺が君の気に触ることを何かしていたんだろう?もう二度と近付くなと言いたくなるほどに…」

自分自身の言葉で身を切り裂いているようにどんどん傷付いた顔をしていく蓮を見かねてキョーコは声を荒らげ慌てて答えた。

「んな?!ち、ちがっ!!あんなのほ、本気じゃなかった…ってか…あの…」

「………本気じゃ…なかった…?」

「あれは、その、そうだ!!あのバカで間抜けな男に無理やり言わされたんだ、ょ…じゃない!です!」

「?不破、君に…?」

「はいっ!」

「そう…」

そう呟くと、蓮の空気がすうっと変わった。
仔犬の顔はあっという間にガラリと変わり、蓮の纏う空気は絶対零度の極寒地帯に入ったかのように冷たくなった。
キョーコはその一瞬の変化に驚いて思わず後ずさる。

「ひぃぃ!!」

ーーー何だ?!この尋常じゃねぇ冷気は?!どこから来やがった?!こいつか?!こいつが発信源か?!マジ怒りじゃねぇか!!

いつの間にか立ち上がっていた蓮から、壁際にじわじわと追い詰められ、キョーコは絶体絶命のピンチに追いやられた。

ーーー殺される!!キョーコの野郎!!俺から言わされたって、そう言えば大丈夫ってさっき電話で言ってたじゃねぇかぁぁぁぁ!!!!

「何であんな奴の言いなりになった…?」

「そそそそそそそそれは、そ、そう!そう言わないとまたキスするぞって脅されたからで…!!」

「そうか、それは仕方がないね。あんな奴に君の唇を二度も奪わせるわけにはいかない。」

蓮の雰囲気が妖しい夜の空気を纏い始めた。

ーーーん?何だ?!冷気が弱まっ、た…?

少し温度が変わったことに意識が奪われたキョーコは蓮の目つきが怪しげに揺らめいたことには気が付かなかった。

「だって君の唇は、もう他の誰にも渡せないからね…。」

そう言って、蓮はキョーコの唇をいやらしい手つきで撫でると、その顔を意味ありげに覗き込んだ。

「へ?!」

ーーーえ?!な、何だ?!この空気!!色気垂れ流しかよ!!!!一瞬ドキっとしちまったじゃねぇか!!くっ!こんな野郎相手にドキドキしちまうなんて…。…ってか、顔近けぇ〜〜〜!!

「な、何…言ってるんですか?敦賀サン、やだなぁ〜…。」

「いや、唇だけじゃないな。君の全ては誰にも渡せない。」

ーーーちょ、何だよ?!その目!その雰囲気…やべ…男相手なのに…その、はずなのに…何か腰砕けそ…

今にもキスされそうな雰囲気にキョーコがうっかり目を閉じそうになってると…

「だっ!ダメェェェ!!」

突然、蓮が横から何者かにタックルされ、キョーコからバリッと引き離された。

「うぁっ?!」

ーーーっっっっ!!お、俺は今何を?!

蓮のキスをうっかり受け入れようとしていた自分自身に驚いて、キョーコは真っ赤になって口を腕で覆った。

「な?!不破…くん?!」

「敦賀さん!騙されちゃダメです!!」

ショータローの声が聞こえたことでハッとしてキョーコがそちらに視線をやれば、蓮の身体にショータローが巻きついているという異様な光景が飛び込んできた。

「な?!おまっ!!何して…!!だぁぁ!!やめろぉぉぉぉ!!俺様のイメージがぁっ!!」

「うるっさいわね!!アンタが私の許可なく敦賀さんを誘惑したりするからでしょ?!謝罪に来たんじゃなかったの?!」

「んなぁ?!だ、だぁーれがこんな奴、誘惑するかよ!!!!お前の目は節穴か?!今のはどう見てもコイツから誘惑してきただろうが!!」

「な?!私なんかを敦賀さんから誘惑してくるわけないでしょ?!」

「だーかーらー俺じゃねぇって!こいつがいきなり迫ってきやがったんだよ!!」

「つ、敦賀さんとキ、キキキキキキッキスなんて!!破廉恥よぉぉぉぉ!!」

「てめっ!だからその身体でその言葉遣いやめろっつってんだろうがぁ!!」

突然目の前で始まったやり取りのテンポの良さはいつもの二人の仲の良さを表してるように思うのだが、どうも違和感が大有りで、蓮は目を見張った。

「アンタが敦賀さんを誘惑したりするからでしょう?!」

一方は明らかにキョーコの口調だが、声も姿もショータローのもので…

「だーかーらーしてねぇっつってんだろ?!」

もう一歩は明らかにキョーコの身体で声だが、男のような口調になっている。

「えっと…これは…どういうこと?最上さん、説明してもらえるかな?」

蓮は恐る恐る二人に声をかけた。
途端に青ざめたショータローだったが、その場に這いつくばるように土下座をしたことで、キョーコがギョッとして飛びのいた。

「す、すいませんでしたぁぁぁ私たち、敦賀さんを謀ろうとしておりましたぁぁぁぁ!」

「ぬぁ!!ちょ、おま、俺の身体で土下座すんなぁぁぁ!!」

そしてショータローもキョーコも収録時間が迫っていた為、蓮に掻い摘んで説明をして、また後ほど三人で改めて落ち合うことになったのだった。


蓮も出来るだけ巻きで仕事を終わらせたものの、落ち合えたのは21時を過ぎてからだった。

「キョーコちゃん!…と、不破君?!」

駐車場に待っていた意外な二人組の姿に流石の社も驚いていたが、蓮は気にする風もなく、二人を車に招いた。

「話は後です。とりあえず乗って。」

「はい!失礼します!!」

丁寧に断りを入れて真っ先に乗り込んだショータローにも驚いたが、ぶすっと不貞腐れたキョーコはいつもと様子がまるで違い乗るのを渋っていて、社は頭の中で疑問符をたくさん飛ばしていた。

「ほら、君も。」

「さっさと乗りなさいよ!!敦賀さんを待たせちゃってるじゃない!!」

車の外にいる蓮と車の中のショータローに急かされて、キョーコは渋々従った。

「ちっ。わかったよ。」

そう舌打ちをして乗り込んだキョーコを唖然と見送った社に、蓮は呼びかける。

「社さんも乗ってください。」

「あ?あぁ…。」

4人で車に乗り込み、蓮は車を走らせた。

社だけが何故ここに不破君が?と思いながらも、私語厳禁状態の空気の中、事の成り行きを見守ろうと、アンテナを張り巡らせていた。

そして暫く車が走ったところで、ショータローが蓮にしおらしく話しかけた。

「あのぉ…敦賀さん。」

「ん?何?」

蓮の座席の後ろに座ったショータローからの声かけに優しく答える蓮の様子を見て、社はギョッとした。

「せっかくなので、お夜食作りますけど…。お夕飯、召し上がってないですよね?」

「あぁ。うん。そうか…じゃあ何処かスーパーでも寄る?」

「はい!お願いします!」

「クス。了解。」

社は二人の会話の内容に度肝を抜かれた。

「え??どういうこと??不破くんが料理を作るの?!蓮のために??」

「…んなわけねぇだろ、おっさん!何で俺がそんなことしなきゃいけねぇんだよ。」

社の言葉に、すかさずキョーコが突っ込んだ事で、社は漸く真相に辿り着いた。

「やっぱり!なんか可笑しいって思ったらそう言うことか!!キョーコちゃんと不破君があべこべなんだ!」

「そうなんです。何故か身体が入れ替わってしまって…。」

「ふん。どうせ入れ替わるならもっとボリュームのある色気のある身体が良かったけどな。」

「なんですってぇ!!私だってあんたのモヤシみたいな身体お断りよ!」

「んな?!モヤシだと?!俺のどこがモヤシだってんだよ!!」

「あんたなんか敦賀さんと比べたらもやしよ、モヤシ!!」

「くっ…テッメェ…!!」

入れ替わっても仲の良さが見て取れるやり取りに、蓮は面白くなくて終止符を打った。

「はい。ストップ。とりあえず話は家に着いてからにしよう。」

蓮にそう言われると、ショータローは小さく謝り座り直し、キョーコはチッと舌打ちしながら、窓の外を眺めた。

異様な空気に包まれたまま車の中は蓮の家に着くまで私語厳禁状態が続くのだった。


「んな?!なんじゃこりゃー!!」

キョーコは最上階についたエレベーターから降りて叫び声をあげた。
ワンフロア一室の部屋に驚きが隠せなかったようだ。

「うるさいわね!立ち止まってないでさっさと付いてきなさいよ。」

「おまっ!なんで驚かねぇんだよ!!」

ショータローの落ち着いた態度に驚いて、キョーコが詰め寄った。

「キョーコちゃんは蓮の家に何度も来てるからね。な〜蓮。」

「えぇ。そうですね。」

社がニヤニヤしながら言えば、キョーコが素っ頓狂な声をあげた。

「はぁぁ?!」

「…あんたこんなところで驚いてたら、敦賀さんの寝室なんて見た日にはひっくり返るわよ。」

「んな?!し、寝室って!!おい!キョーコ!!お前まさか敦賀の毒牙に…」

「蓮の家のことは俺よりキョーコちゃんの方が知ってるかもね。」

「えぇ?!そんな…まさか。」

「だーって俺、キョーコちゃんと違って蓮の家に泊まったことないもん。寝室も入ったことないし。」

「え?そうなんですか?」

「さぁ。どうぞ。」

「あ、ありがとうございます。お邪魔します。」

「泊まっ…?!?!…おい!キョーコ!!」

「あーー。もう、煩いわね!何度か泊まったことがあるからって何よ?あんただってショーコさんの家に泊まったりしてるんでしょ?同じじゃない!少しは黙ってて頂戴!」

ショータローの衝撃的な言葉に、キョーコはショックで反撃の言葉が出ず、口をパクパクさせて固まってしまうのだった。


ショータローが作った料理を食べ、とりあえず腹ごしらえを済ませた4人は片付けを済ませ、蓮がコーヒーを用意すると早速本題に入った。

「それで…どうやったら元に戻れるんだろうね。」

「今日はこのままでも何とかなりましたが、さすがにずっとこのままって訳には…」

「うん。そうだね。」

「同じ衝撃を受けたら戻ったりするんじゃ…。」

「だからって再び階段を転がり落ちるの?そんな危険なことさせるはずないだろう。怪我をしたらどうするんだ。」


その後も話し合いは続いたのだが、結局何もいい案が浮かばぬまま、ショータローが目をこすり始めたのでお開きになった。
しかし、一人になったキョーコが何をするかわかったものでないため、キョーコは蓮の寝室で一緒に眠ることになった。

一悶着あったあと、無理やり着替えさせられた服の上から蓮に手足を動かせぬよう巻き付かれて、身動きが取れなくなったキョーコは力では叶わないと諦めたように目を瞑る。

ーーー何だか、色々なことがあって今日は疲れたな…

深い深い眠りに落ち、キョーコはそのまま朝を迎えた。

*

「つ、つつつつつつ、敦賀さん?!あの、これは一体全体どう言った状況なのでありましょうか?!」

蓮の腕の中で目覚めたキョーコは自分の姿に驚いた。
下の方が何やら開放的な気がすると思ったら目の前には昨日身につけていたはずのショーツとブラが落ちてるし、何やら男物の服を着せられてはいるが、逞しい蓮の腕に動けぬようしっかりと抱きしめられているのだ。
それに何だかとっても、何故だか身体が熱を持っている気がする。

「あぁ。おはよう。最上さん。良かった。眠ったら戻ったんだね。」

「ひゃわ!お、おはようございます!あのぉっ…」

「昨夜は最上さんの身体を使って不破君に誘惑されてね…。大変だったんだ。」

「へ?!ゆうわ…?!あいつ一体何を?!」

「それは…その…不破君がね、俺の前でその…服を全部脱いじゃって…。ごめん。全部見ちゃった。」

ギュッと身体を抱き締められ、心底言いにくそうに言われた言葉の内容に、キョーコは気を失いそうになった。

「ふぇぇぇぇえ?!あ、あの、見ちゃったって、え?あの、その、もしや…このわたくしめの、はだ…はだっ…はだっ、かを…?」

蓮は一瞬言葉に詰まったが、正直に白状することにした。

「……うん。そしてごめん。ちょっとだけ味見もしちゃったかな。」

「ふぇ?!味見?!味見って何ですかぁぁ?!!!」

「うん?興味ある?何なら今から実戦で教えてあげようか。」

コロンと転がされたキョーコにのっしと跨った蓮の雰囲気から何かを感じ取ったキョーコは慌てて真っ赤になって拒絶した。

「けけけけけけ結構です!結構です!結構ですぅ!!!!!」

「ぷ。はは。良かった。ちゃんと最上さんだ。」

蓮は、嬉しそうに無邪気に笑うと、そっとキョーコの頰に手を添えた。

「おかえり。最上さん。」

「は、はい。あの、ただいま…です。」

顔を赤くして恥じらいながらいうキョーコの可愛らしい笑顔にギリギリまで保っていたはずの理性がガラガラと崩れる音を耳の奥で聞いた気がした。
ノックアウトされた蓮は己の理性を制御することも出来ずうっかりキョーコを抱きしめてしまった。

ぎゅぅぅーと強く抱きしめてくる蓮に、キョーコは驚いて目をグルグルと回した。
熱い蓮の体の体温の近さに今更ながら服の薄い生地だけで遮られていることを否が応でも自覚させられる。

「ふぁっ?!…あのっ!つ、敦賀さん?」

「身体だけが欲しいわけではない。…ないけど、でも俺も男なんだよ。もうそろそろ限界…。」

「へ?!限界って…どこか具合でも?大丈夫ですか?」

蓮の言葉に、キョーコは驚いた。自分のことばかりでいっぱいいっぱいだったが、ショータローが何かやらかして蓮を困らせたのではないかと急に心配になってきたのだ。

「…大丈夫じゃない。最上さんが好き過ぎて、愛しすぎてどうにかなってしまいそうだ…。」

「へ?!ちょ、敦賀さん…何やら、寝ぼけて…」

「寝ぼけてなんかない。これが俺の本当の気持ち…。」

「ほんとの…気持ちって…え?!」

蓮はふぅと息を吐き出すと、キョーコを抱き締めていた腕の力を少し緩め、キョーコの顔を覗き込むと、じっとキョーコの目を見て告白した。

「ずっと最上さんが好きだった。」

キョーコが目を見開き、ヒュッと息をのんだ。

「好きで好きで堪らない。好きすぎて、胸が苦しい…君が欲しくて堪らない。」

「敦賀さん…。」

キョーコの目に涙が溢れた。
蓮の言葉が嬉しくて堪らない。
キョーコは感動のあまり己の格好も忘れて、蓮の首にガバリと抱き着いた。

「好き…。私も…私も敦賀さんが好きです。」

蓮は目を見開いた。震える手でキョーコを強く抱きしめ直す。

「本当に…?」

「はい…本当です!こんなことで嘘なんかつきません!ずっとずっと気付かないふりしてたの。そしてこの気持ちは墓場まで持って行くつもりだった。でも敦賀さんが私を必要としてくれるなら…」

「最上さんっ…!!」

蓮はガバリとキョーコをベッドに押し倒し、そして真剣な眼差しでキョーコの顔を覗き込んだ。
ゆっくりと二人の顔が近づき濃厚な空気が忍び始める。

「キス…してもいい?」

キョーコは恥ずかしそうに、小さく頷いてギュッと目を閉じた。

蓮はそんなキョーコにクスリと笑みをこぼし、優しく口付ける。

「ん…ぁ…」

口付けながら、蓮の熱い掌がキョーコの太ももを撫で上げた。
舌を絡ませ、キスに夢中になりながら、蓮はキョーコの中から昨夜のショータローの気配を消すかのようにキョーコの身体を撫で回す。

キスに応えるのがいっぱいいっぱいのキョーコは蓮の手の動きが気になりながらも抵抗することが出来ず、代わりに強請るようにギュッと蓮に縋り付き、蓮を喜ばせた。
そして二人のキスは益々深まる。

「ぷはっ…はぁ、はぁ…や…」

キスに痺れて、酸欠になりそうなキョーコの唇を解放して、蓮はキョーコの頰や首筋に唇を這わせた。

「ん…。」

いつの間にか露わにされていた胸の頂きに吸い付かれて、キョーコはハッと意識を取り戻すと真っ赤になりながら暴れた。

「や、そんな…敦賀さんっ!!」

「味見…。」

ペロリと舌で唇を辿りながら、ドヤ顔で言われたキョーコは真っ赤になって固まった。

「な?!」

「後こっちも…。」

「あんっ」

蓮の唇が、普段はスカートで隠れている太ももの付け根に落ちた。
熱い舌の感触とチュッと離れて行く唇の感触。

「味見…。」

怪しい雰囲気を纏う蓮に、真っ赤になったキョーコはワナワナと震えながら今日一番になるであろう大声で叫んだ。

「つ、つつつつつ、敦賀さんの破廉恥ぃぃぃぃぃ〜!!」

枕を抱きしめて、小さくなってしまったキョーコの服の裾から可愛いお尻が見えそうで見えないのを眺めながら、さてどうしてくれようかと、心の中で独りごちて、ポンポンと背中を叩き宥める。
そして先輩面して欲望を隠すため、それらしい言葉で言いくるめた。

「わかった?今自分がどういう状態でいるのか。そんな無防備な格好で男のベッドにいつまでもいるもんじゃないよ。」

そんな涼しい顔をしていう蓮にキョーコはジロリと白い目を向ける。

「昨夜、何してたんですか?!あいつと!!こんな破廉恥な格好で!!」

「んー。それは、最上さんは聞かない方がいいんじゃないかな?あぁでも安心して。最後まではしてないから。」

「んなぁ?!」

「だってしょうがないだろう?好きな女の子が自分のベッドの上で裸になったら…何もしないわけにはいかないじゃないか。最後までいかなかっただけ褒めて欲しいくらいだよ。」

「そんな!!自信満々に褒めて欲しそうな顔で何てこと言ってるんですかぁ!!」

「んー。だってキョーコが可愛いのが悪い。」

「んな?!キョーコって…!」

「ん?ダメだった?」

「いえ、あの…。」

「折角恋人同士になったんだし、それくらいいいよね?」

「な?!こ、恋人って…!」

「そうだろう?違うの…?」

「………だって…あの、本当に私でいいんですか?」

「キョーコで良いなんて言ってない。俺は、キョーコが良いの。」

「敦賀さん…。」

「さぁ、俺がその枕に嫉妬してしまう前に、こっちへおいで。」

蓮が手を広げると、キョーコはおずおずと枕を離し、蓮の胸に飛び込んだ。

「でも良かったよ。キョーコが俺のこと好きになってくれてて…。」

「私も、敦賀さんが私のこと好きだなんて、夢にも思ってませんでした…。」

「キョーコ…」

「敦賀さん…」

熱く見つめ合う二人。
再び、唇が重なろうとしたところで、寝室のドアがバァンと開け放たれた。

「朝っぱらから鬱陶しいんだよ!!さっさと着替えて支度しやがれ!!おい!キョーコ!朝飯!トロトロしてんなよ!」

驚いて固まる二人が抱き合っているのを見ても、ショータローは驚いてはいなかった。
そんな二人を馬鹿にするように鼻で笑う。

「ったく。案の定、朝からイチャコラしやがって。…敦賀サン!あんたの本気はわかったから、キョーコは暫く預けてやるけどな!泣かしたら承知しねぇからな!キョーコも、何かあったら俺んとこにこい。話くらい聞いてやる。じゃあな!」

夜中の間に蓮との間に何があったのか、ショータローは顔を若干赤くしてそう言い残すと、寝室だけでなく、蓮の家から出て言ったのだった。
朝食は蓮のために早く作れということらしい。

「何あれ…。」

言いたいことを言うだけ言ってドスドス足を響かせて去って行ったショータローにキョーコは戸惑い、蓮はくすりと笑った。

「彼なりの激励なんじゃないかな。」

「はぁ…。」

「俺たちの関係も認められたみたいだし。さぁどうしよっか?」

「へ?どうする…とは…?」

「うん。だからね、そのままの格好で俺に抱きついて来たということは、このまま俺と愛を深めたいのかな?って。折角晴れて恋人同時になった上に、二人っきりにもなったことだし…。邪魔者はいないよね?」

夜の帝王の雰囲気でキョーコをベッドにコロンと転がしながらそう言われると、キョーコはあっという間に蓮の腕の中から飛びのいて、目にも留まらぬ早さでパンツとブラを引っ掴むとそのまま壁に張り付いた。

「あの…私…!そうだ!!朝ごはん!朝ごはん作ってきますのでっ!!」

「え…」

「この続きはまた今度でお願いしますぅぅ!!」

そう言いながら逃げるように走り去ったキョーコを見送って、蓮はぱたりとベッドに倒れた。

「はーーーー。良く我慢したよ、俺…。」

頑張った自分にエールを送り、顔を緩めて笑うと手に入れた幸福を噛み締めた。
先程までキョーコが抱き締めていた枕を胸に抱き、溢れ出る愛しさを逃さぬように強く強く抱きしめ、そこに残っていたキョーコの温もりと残り香を存分に吸い込む。

「キョーコ…。」

先程までのキョーコとのやりとりを反芻していた蓮は、キョーコの最後の言葉を思い出して、はっと目を見開いた。

“この続きはまた今度でお願いしますぅ〜!!”

そう言って真っ赤な顔で走り去ったキョーコ。

「そのお願いは今度絶対叶えてあげないとな。」

クスクスと甘く崩れた顔で嬉しそうに笑って、蓮は「あーーーー」と幸せいっぱいのため息を吐き出して、天井を仰いだ。

身体が入れ替わったことを知って、ショータロー相手に少しばかり嫉妬を抱いていた蓮だが、思わぬ形で手に入ってしまった彼女。

愛のキューピッドになってくれた彼女の幼馴染に心から感謝して、ご飯に呼ぶキョーコの声に返事を返した。

まだまだ若い二人にはこれから時間はゆっくりとある。
少しずつ、少しずつ二人の関係も深めていけばいい。

蓮は立ち上がり、美味しそうな朝食が並ぶリビングへと向かったのだった。


END

スキビ☆ランキング

*****

楽しみにしてくださってた皆さん!大変長らくお待たせしてしまって申し訳ありませんでしたぁぁ!!!!!!

後編の前半部分のショータローキョコが、キョーコの一言で浮き沈みする蓮や、蓮に責められてウッカリ惚れそうになってしまうところが描きたくてこのお話を書いたのですが、そこから二人の身体が元に戻るまでの案がずっと思いつかず、お風呂シーンとか色々盛り込めそうな要素はあったものの、変態チックになりそうで、どうしたものかと、悩みに悩んでたうちに、前半部分を書き終えた満足感からすっかりその続き書くの忘れて放置してしまってましたぁ!


アメンバー申請のメッセージで、漸く書きかけてたことを思い出したこのお話。
キョーコちゃんの中に何ヶ月もショータローを放置してしまっててごめんなさい、蓮キョファンの皆さん!!そして何より敦賀さん!!!!

あぁ、大魔王が降臨してきそうで恐ろしいっ!!

そんなこんなで、夜中の間に何があった?!な感じでハピエンにしちゃいました(笑)
いやぁ、実は夜中のシーンも書いたのは書いたのですよ。ええ。それはもうガッツリと。
そしたらもう長いのなんの…。
この記事でも長いくらいなのに、カットしたシーンもこれと同じくらいの長さで、これ絶対一話分じゃないし…確実に限定だし…!!

こんなキョーコちゃんの中にショータローがいるまま、後編の部分だけ限定にしちゃうとか何だか風月が許せなかったので…(だってアメンバーじゃない方は結局ラストどうなった〜?!って感じで悶々とさせてしまい、結局その人たちの脳内ではキョーコちゃんの中にショータローが入りっぱなし…という最悪の状態になってしまうわけで…それは蓮様にとっても不本意になってしまうだろうから耐えられず)、限定になりそうな部分だけ丸々っとカットして、通常公開にすることにしました!

カットした確実限定行きの部分も、オマケとして後日アップするのもありかなぁ〜とか考えつつも、とりあえず今の所は保留中です。
これはこれで各々の想像力で楽しんで頂けることができるのかなぁ?と♪

久々書き始めたらやっぱいかんです。
色んな蓮キョが頭ん中をぐーるぐる。
さて、どれから仕上げていきましょうかね…。

今年は恋の季節は…に手を出して年内に終わらせることが出来るかにチャレンジしようかと今の所はかんがえてますが、さて、どうなることやら。

これからもぼちぼち見守っていただけたら幸いです。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。

風月でした!

恋の季節は…2《晴れ。ところにより雷》

恋の季節は 2
《晴れ。ところにより雷》


新しい学校、新しい教室、新しいクラスメート。
どこに行っても皆同じだ。

女子に見つかれば、キャーキャーと騒がれ群がられる。
愛想笑いで返しはするが、正直またかという気分でうんざりとしてしまう。

女子に好かれてしまうせいで、同姓からは疎まれる。
唯一の救いは、中学からの付き合いのある社と同じクラスになれた事だろう。
社も親しみやすく美形という事もありそこそこ女子からも人気がある。


中学の時、家庭の事情もあり入学と同時に一人で生活を始めていた蓮は、新しい環境にとても緊張していた。
そんな蓮に最初に声を掛けてくれた同姓が社で、それからは何かと孤立しようとする蓮を気に掛け、いつしか二人でつるむようになっていたのだ。
二人で一緒に行動するようになると、何故か一層二人の人気が高まった。

しかし、以前ほどのうっとおしさは感じなくなっていた。
それは社のおかげでもある。
囲まれると何かと社が気を利かせ、女子の注意を別に向けてくれる。
そしてその社の働きのお陰で、女子の注意が別に向いている内に、二人でその輪の中からこっそり抜け出すというパターンが出来るようになったからだ。

それでもその社のガードをくぐり抜けてたまに蓮に告白をしてくる女子もいる。
蓮は別に断る理由もないからと、付き合ってる特定の彼女がいない間はその時に告白して来た女子と付き合うというパターンを繰り返していた。

付き合い始めたからと言って、特に彼女に執着するわけでもない蓮は、彼女が蓮に愛されてるのか試す為、押しては駄目なら引いてみろ!を実行した際に、振られたと勘違いしてアッサリと自分から身を引いていた。

その為、蓮は長く続いても半年、短くて10日というような付き合いしかしてこなかった。

高校入学という若さで、既に両手では数えきれないほどの彼女が今まで出来ていた蓮だが、その中に自分からアプローチした相手は1人としていない。
ほぼ全てが積極的な女子からのアプローチによるものばかりだった。

蓮は何故振られるのかわからないまま、また別にそれを気にする事もなく、次々と新しい彼女を作っては別れてを繰り返していた。

それを近くで見ていた社は飽きれてるのだが、それに慣れたせいで、いつからかそのことについては触れられなくなっていた。

付き合ってる彼女がいても、特に蓮の態度が変わる訳もなく、皆さんお友達という雰囲気を醸し出しているので、彼女は不安になるのだ。
その事を指摘されても、わざわざその彼女の為に他の人への態度を変える気は蓮には更々なかった。


付き合ってるからと言って、周りに気を遣われるのも、うっとおしくて、蓮は付き合っていることを特に匂わせようともしない。

蓮が彼女に振られて別れたという噂はあっという間に拡がるのだが、女子達は、皆何故蓮が振られるのか不思議で堪らず、「私は絶対に振らないから!」と告白するのだが、結局、皆同じ道を辿るのだった。



新しいクラスでも席に着いた途端周りを女子達に囲まれ、話しかけられる。
いつものことに、愛想笑いで受け答えをしつつ、適当に促していた。

担任が来て、ようやく解放された蓮は、クラス中から集まる熱い視線に居心地を悪くしながらも、気付かないふりをしていた。

そしてふと、自分の斜め前の席に姿勢良く座る女の子が目に付いた。

ーーー誰だろう?あの子、俺のとこには来てなかったよな?

自分のことを振り返りもせず、熱心に担任の話に耳を傾ける少女が妙に気になり、蓮は自分で気付かないうちに、じっとキョーコを見つめていた。

ピンと伸びた背中、肩にかかる長さの綺麗な艶のある黒髪、メイクもしてない透明感のある肌。
蓮の周りに群がる女子は、皆大抵キツイ香水の匂いをまとわせていたり、髪を染めたりメイクをしていたり、こっそりアクセサリーを身につけてたりと、派手めな子達が多い。

地味めの子は大体が遠巻きに見つめてくるだけで、稀に話すことがあると、顔を真っ赤にしながら一気に捲し立てるように要件を伝え、逃げるように去っていったりする。
何をそんなに顔を赤くすることがあるのかと、蓮には毎回不思議でならない。

誰もが蓮を容姿で判断する。別にそれが嫌と言うわけでもないが、自分ってなんなのだろうとたまに思う。
どこにいても注目を浴びてしまうことが嫌で仕方がなかった。

そんな中で、自分に対して全く興味を示さない様子のクラスの女子に、蓮はこっそりと興味を抱いていたのだった。

入学式の次の日のホームルームで、一人一人席を立ち自己紹介をする。
女子達は、こぞって蓮と社にアピールをする様に二人を見ながら自己紹介をしていく。蓮はそれに気付かないふりをしながら、内心溜息を吐いていた。
男子の視線が蓮を敵とみなして突き刺さる。

蓮の番が回って来た時には、女子からは熱い眼差しで見つめられ、男子からは冷たい目で見つめられた。
自己紹介を終えた時、拍手が起こるのは女子達からだけだ。男は皆適当な拍手で済ませている。

そして、蓮が気になっていた斜め前の席の女の子の自己紹介があった。

ーーー最上…キョーコ…か…。

蓮の中で、懐かしい記憶が蘇る。

『私はね、キョーコ!カタカナでキョーコなの。』

そう言って嬉しそうに微笑む幼い女の子の姿と声が蓮の中で響いた。

ーーーもしかして、あの時のキョーコちゃん?

蓮は、僅かに湧き上がる期待に心を踊らせた。

ーーーそうだったら嬉しいな。俺のこと覚えてるかな?

そのキョーコこそが、過去唯一容姿など関係なく、自分を自分として接してくれた女の子だったのだ。



それからあっという間に10日程経った。
新しい環境に何となく慣れて来て、クラスの様子も少しずつだがわかるようになって来た。

キョーコは比較的大人しく、蓮から見てキョーコはいつも一人ぼっちだった。
他の女子達も、キョーコを空気とでも思ってるのか、それとも存在自体に気付いていないのではないかというくらい気にも留めない。
そしてキョーコ自身も、そんなクラスの様子を気にすることもなく、授業に集中してしっかりとノートをとっていた。

そして蓮は、授業が終わって机の上を整理していたキョーコが消しゴムを落としたのに気が付いた。
コロコロと自分の元へと転がってくる消しゴムを蓮は拾い上げ、落としたことに気付いていない様子のキョーコに勇気を持って初めて声を掛けた。

「最上さん、消しゴム 落としたよ?」

途端に教室からザワッとした気配が上がる。
蓮が不思議に思って周りを見回すと、ヒソヒソと囁く女子の姿があった。

「え?!あ、す、すみません!!ありがとうございます!!」

キョーコは慌てて消しゴムを蓮の手から受け取り、頭を下げた後は、それ以上の接触を望まないかのように、すぐに前に向き直りテキパキと片付けを再開し始めた。

自分が話しかけても、顔を赤くしない女子に今まで会ったことがなかった蓮は暫し驚いて思わず凝視してしまった。


そんな日の中休み、廊下が騒がしいと思えば、ガラリと教室の扉が乱暴に開かれた。

「おい!キョーコ!!お前、昨日渡した宿題出せよ!!次の授業で提出なんだよ!」

「わわっ!ショーちゃんごめんね!朝渡すの忘れてた!!はい!コレ!!」

キョーコは慌てて鞄を漁ると、大切そうにノートを取り出し、松太郎に満面の笑みを浮かべて差し出した。

「ちゃんと字は真似て書いてるんだろうな?」

松太郎がボソリとキョーコにだけ聞こえるように確認する。

「うん。勿論だよ。」

少し誇らしげに嬉しそうに笑うキョーコに、松太郎は満足そうな顔をすると、声をワザと大にして言った。

「じゃあキョーコ!ノートは返してもらうぜ!お前、俺にばっかり頼らずにちゃんと自分でも宿題しろよな!!」

「もー!ショーちゃんの意地悪!」

松太郎にそんな言いがかりをつけられても、キョーコは松太郎が宿題のためとはいえ、自分からわざわざ教室にきてくれたことが嬉しくて堪らないようで、特に気にした様子もない。

「じゃあな!」

去って行く松太郎をキョーコが、嬉しそうに見送ると、蓮の周りに群がっていた女の子達がコソコソと囁き始めた。

自然と周りの会話が聞こえた蓮は、その内容に驚いた。

「やっぱりあの噂本当だったんだぁー。」

「うわぁーデレデレしちゃってなんなの?気持ち悪いわね!」

「成績優秀なのはやっぱりカンニングとかしちゃってんじゃないの?」

「本当よね。宿題をよりにもよって不破君にやらせるだなんて、何様のつもり?!」

「本当にありえないわよ。図々しいったら。」

「不破君、優しいよねー!!カッコいいし、面倒見いいってポイント高くない?」

「本当に、何であんな地味な子の面倒見てるわけ?」

「それはあれでしょ?一緒に住んでるって聞いたけど。」

「は?!高校生になりたての癖に同棲?信じらんない!!」

「違う違う、不破君の家のお荷物なのよ!」

「え?どういうこと?」

「居候っていうのかな?」

「あの子の馬鹿さ加減に耐えられなかった親から見捨てられたらしいわよ。今では、不破君の家が経営してる旅館で働かせてもらってるんだって。」

「あ、それ私も聞いた事ある!あの子が花嫁修行だって勘違いしてるってやつでしょ?」

「えーー!ズルくない?それでお嫁さんになれるなら私も不破くんの家に居候したい〜!」


蓮は今までキョーコが授業を真剣に受けているところをずっと見て来た。
明らかに先程のは、不破がキョーコに宿題をさせた様子が伺えたのに、何時の間にか不破がキョーコにノートを見せたことになっている。
その上、あからさまに悪意のある誹謗中傷。

キョーコに消しゴムを渡しただけでざわついた教室といい、さっきの会話の内容といい、皆の態度が蓮は気に入らなかった。

「敦賀君も、あんな子の落とした物なんて拾わなくていいのよ。敦賀君の手が穢れちゃうわ!」

「そうそう、あんな卑しい子には構わない方が良いんだって。」

「ご忠告どうもありがとう。でも、俺は自分のことは自分で決めるよ。君たちに指図される謂れはないからね。」

女子達の会話に、蓮はイライラとしながらも、キュラキュラした笑顔を貼り付けて会話を打ち切ったのだった。


(続く)


*****


くぅ!!何もかも松太郎のせいだぁぁぁぁぁ!!

ぁぁぁぁ早く蓮を活躍させたい!!

スキビ☆ランキング

※Amebaで2012/01/17に投稿したものを加筆訂正した話です。

無防備な生徒(限定)

この記事はブロとも、もしくはパスワードを知っている方のみ閲覧できます
パスワード入力
ブロとも申請

恋の季節は…1《晴れ時々曇り》

恋の季節は… 1
《晴れ時々曇り》


最上キョーコ15歳。今日から憧れの高校生活。

小さい頃から大好きな幼なじみのショーちゃんこと、不破松太郎とも同じ高校に進学することが出来た。

ーーー 一生懸命ショーちゃんにもわかりやすいようにノートを取った甲斐あったわ。

キョーコは新しい高校のブレザーに着替えた松太郎を前にしてうっとりと見惚れていた。

松太郎はブスッと剥れて母親である旅館の女将に文句を垂れる。

「ガキじゃあるめーし!何でキョーコと一緒に登校しねぇといけねぇんだよ。」

女将は松太郎のブレザーのネクタイを整えながらそれをなだめる。

「そんなこと言ったって、女の子一人で行かせるのは心配やろ?もしものことがあってみい。キョーコちゃんのお母さんに顔向け出来へんくなるわ。」

「あーもう!しょうがねぇな。今日だけだからな!明日から俺は一人で行く!おい、キョーコ。あんまりくっついて歩くんじゃねぇぞ!離れて歩け!他人の振りしろよな。」

「うん!ショーちゃんと同じ学校なんて嬉しいな。一緒のクラスになれたらいいね~。」

目つきと口の悪い松太郎とは対象的に、キョーコはほわほわとした天然丸出しの顔で笑う。

昔から自分というものを持っておらず金魚のフンでしかないキョーコを松太郎は疎ましく思っていた。

松太郎はイラつきをアピールするかのようにわざと大きなため息をついて決意を新たにする。

ーーーこんな奴が俺の婚約者とかマジありえねぇ!高校で絶対に良い女捕まえて、お袋に紹介しねぇとな。このままじゃマジでこんな地味で色気のない女とくっつけられる!!そんな将来は御免だぜ!

松太郎はゾゾゾっと背筋を震わせた。

「じゃあ、いくぞ!キョーコ!!」

松太郎は嫌な気分を振り払うために、足早に家を出て歩き出した。

「あ!ショーちゃん待ってよぉ!早いよぉー!!」

キョーコの言葉も無視して足を早める松太郎をキョーコは慌てて追いかける。
空は快晴。キョーコは自分のペースでどんどんと歩いて行く松太郎に、嬉しそうに小走りでついて行くのだった。



「私、2組だったよ!ショーちゃんは??」

キョーコが松太郎を探すが、その姿は見えない。キョロキョロと周りを見回すと、すぐ後ろに女の子達に囲まれた松太郎の姿があった。

キャーキャーと黄色い声で群がる可愛い女の子達に囲まれて、松太郎はとてもご機嫌だ。

その中の会話で松太郎とはクラスが離れたことを知り、キョーコはそっとクラス表を見直し松太郎の名前を確認する。

「ショーちゃんは6組か…」

キョーコは残念そうに小さくため息をついて、松太郎を見つめた。

いつも面倒臭そうな顔しか見せない松太郎が楽しそうに女の子達と会話をしている。
松太郎の笑顔を向ける相手が自分じゃなくても、松太郎の笑顔が見れることが何よりの幸せだと思っているキョーコは、松太郎が同じクラスになった女の子と楽しそうに会話をするのを、若干の寂しさを感じながらも、嬉しそうに見てしまうのだった。

「ショーちゃんカッコ良いもん。モテるのは当たり前よね!ショーちゃんが嬉しそうだから私も嬉しいな。」

結局、松太郎はキョーコには一切見向きもせず、クラスの子たちと教室に向かってしまった。
それを見送ったキョーコも、自分の教室に足を向ける。



「ここが、私の新しい教室か〜!」

キョーコはドキドキとしながら扉を空けた。

すると教室の中には、松太郎の時とは比べ物にならないくらいはしゃいでいる女の子達の集団があった。

「敦賀くんって言うんだ!!よろしくね!私、立花美樹!みきちゃんって呼んでね!!」

「敦賀くん、私は大曽根南!南って呼び捨てでいいわよ!」

「あ!ずるい!じゃあ私もミキで呼び捨てがいいな!」

「私!私はね!…」

キャーキャー騒ぐ女の子に埋れて、男の子の姿は見えないが、松太郎以上にカッコ良い男の子はこの世にいないと思いこんでいるキョーコは、全く興味を持たなかった。
皆の視線が集まる方を見向きもせずに、黒板に書かれた席の表から自分の席を探すのだが、その席は騒がれてる席のちょうど斜め前の席で、人集りが出来ているため近付ける状態ではない。


担任の先生が現れて、皆が席に着きはじめたので、キョーコも漸く自分の席にたどり着くことが出来た。
キョーコの席は窓際で、グラウンドが一望出来る。

キョーコはテキパキと机を真っ直ぐに整えると、松太郎の旅館で身に付けた姿勢の良さで、ピシリと背筋を伸ばして席についた。


新しい高校、新しい教室、新しいクラスメート。

だが、どこにいっても対応は同じだろう。

人気者の松太郎と幼なじみで一緒に暮らしているという事実は変わらない。

どこにいても疎まれるこの事実は、今までキョーコに女友達が出来ない原因にもなっていた。
キョーコにだけ馴れ馴れしく心許した態度を取る松太郎を見て、嫉妬する女の子達からキョーコは昔から迫害にあっていたのだ。

無視、拒絶、イジメは日常茶飯事。
そのうち、男子も面白がって皆でキョーコをイジメだしたが、松太郎はそれを普通のことだと思ってるのか、特に庇いもせず、面倒臭い仕事をキョーコに押し付ける為に話しかける。

でも、それでもキョーコは良かった。
キョーコがいつも辛いことがあってもニコニコと笑顔でいることが出来たのは、松太郎という存在が近くにいるからだった。
キョーコにとって松太郎は心支えで、生きる理由のすべてなのだ。

昔から親の愛情に恵まれなかったキョーコにとっては、幼馴染の松太郎が世界の全てだった。

泣いたりしたらうっとおしがられる。
縋り付いたら振り払われる。
旅館の仲居としても、どんなに辛いことがあっても笑顔でさえいれば大丈夫と教え込まれた。
だからキョーコは笑う以外に自分を守る術を知らないのだ。

たまに顔を見る程度の母親から拒絶されても、キョーコはいつからか笑顔を浮かべる様になっていた。
それを見た母親から気味悪がられても、キョーコには笑うという選択肢以外なかった。

誰からも必要とされない中で、松太郎だけが、キョーコを必要としてくれた。

「キョーコ、ノート見せろよ!」
「キョーコ!それ俺にくれよ!」
「おい、キョーコちんたらしてたら置いてくぞ!そんくらいの荷物どうってことないだろ?早く持ってこいよ。」
「キョーコ!弁当早く詰めろよ!遅刻すんだろ?!」

ーーーショーちゃんさえいてくれれば、他には何にもいらないもの。イジメだって痛くもかゆくもないんだから。ふふ。それに女将さんからも高校卒業したら、ショーちゃんのお嫁さんになるようにいわれてるもんね。

キョーコは松太郎も同じように、自分のことを必要としてくれていのだと信じて疑わなかった。

例えクラスが違っても松太郎と自分は切れない赤い糸で繋がってる。
そんな風に思えるからキョーコはとても幸せだった。

ふふふ。と顔を幸せそうに綻ばせていたキョーコだが、すぐに、ハッとしていけないいけないと背筋を正す。

高校を卒業したら女将になるんだもん。しっかりしなきゃ!

そしてキョーコが気合を入れ直して前を向いた時、窓から見える遠くの空には雨雲が現れていた。

姿勢良くピシリと伸びているキョーコの背中を、見つめる一対の目がある事に、この日キョーコが気づく事はなかったのだった。


(続く)

スキビ☆ランキング

Amebaで2012/1/16に投稿した話に訂正を加えた話です。

恋の季節は…についての注意事項

皆様、大変ご無沙汰しております。
風月です。

さて、お待ちかねの皆様、大変申し訳ありませんでした。そろそろずっと放置してしまっていた恋の季節は…に手を出してみようかと考え中ですが、読み返してみたら文章が酷いのなんの…汗


ちょっとこれは…と思うところがありまして、暫くは修正を加え読みやすくしながら移行作業を進めようと思います。※なので暫くはスローペースでの移行作業になります。

Amebaで公開していた話の流れは同じにするつもりですが、もしかしたら所々カットしたり訂正してお送りする部分もあるかもしれません。
何気に色々手を加えたくなりそうなので、もしかしたらまた前にAmebaで見た時と少し違う話になってないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご容赦くださいませ。


完全パララルなお話のため、先に注意事項をいくつか述べさせて頂きます。

※恋の季節は…の注意事項※
①学園もののパラレルです!!
書き始めた時の長くなりそうな予感というのはやっぱり正解です。

②京言葉がわからず、ほぼ標準語です。まぁなんとなくそれらしく書いてはいますが、本物の京言葉を知ってる方は雰囲気で女将の言葉を心の中で京言葉に変換してあげて下さい。

③風月は蓮キョ派です!!最初、ショーちゃん盲目的に大好きなキョーコちゃんから始まりますが、ショーと上手くいく未来なんてあり得ない!と思ってますので、最終的には蓮キョハピエンを目指して書いてます。

④キョーコ、蓮、尚は同じ年で完全にパラレルです!

⑤ストーリー上、どうしてもキョーコちゃん大好きな方には心痛めるシーンも多く出てきてしまうと思います。※勿論、その分カバーできるよう蓮様には頑張って頂きます。

⑥更新が止まったり再開したりの繰り返しだと思います。

⑦なかなかに焦れったい展開が多々用意されております。

それでもいいよ☆という心の広い方は是非お楽しみくださいませ〜((*´∀`*))

それでは、本編でお会いいたしましょう〜!
風月でした。

王の飼い猫【別館】

この記事はブロとも、もしくはパスワードを知っている方のみ閲覧できます
パスワード入力
ブロとも申請
風月のスキビだよりカウンター
プロフィール

風月

Author:風月
こんにちは。風月のスキビだよりへようこそ。
初めての方は、まずはブログ内の、「はじめまして。」からご覧ください(*^^*)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。