なくした記憶 37

2016年01月20日18:02  なくした記憶/スキビ!《完結》

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皆さんからなくした記憶が読みたいとお声を頂き、久しぶりにUPしちゃいました!!
風月もびっくりな展開に(笑)
ではでは、お楽しみにー♪




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なくした記憶 37


蓮はしばらくして、漸くキョーコを強く抱き締め過ぎていたことに気付き、そっとキョーコの身体を離した。
すると、キョーコの目には涙が溜まっており、蓮は慌てて涙を拭った。

「ご、ごめん!!強く抱き締め過ぎたよね?」

だが、キョーコはそんな蓮の言葉に首を振った。

「違うの。幸せ過ぎて。嬉し涙なの。」

キョーコの言葉に蓮は驚いてキョーコをジッと見つめる。
目を見ながら、蓮はキョーコの名前を大切そうにそっと呼んだ。

「キョーコ…。」

「久遠…。」

蓮とキョーコの顔がゆっくりと近付くと、先程よりも深い口付けとなった。

優しく、でも、全てを食べつくそうとするようなキス。

深く深く口付けても、キョーコが拒絶の反応をしないので、蓮はキョーコの身体をまるで自分に取り込むかのように強く抱き締めた。キョーコも負け時と蓮の首に回した腕に力を込める。

二人は互いの身体をピッタリとくっ付けてキスに夢中になった。

やがて、キョーコの身体から力が抜けた所で、漸く二人の唇が離れた。

潤んだ瞳で力なく自分を見つめるキョーコに止まらない愛しさが次から次へと湧き上がってくる。

蓮はキョーコの口だけでは収まらず、顔中にキスの雨を降らせて、そして耳や首筋にもキスを落とした。

「~~っもぅ!久遠!!待て!!」

蓮がピクリと止まり、くぅ~んと鳴く仔犬のような顔を見せると、キョーコは言った。

「先にご飯ですってば!」

真っ赤になりながら慌てて背を向けるキョーコ。

「待て!って、犬じゃあるまいし…。」

と、苦笑を漏らしながらもキョーコを背後から優しく抱き締める蓮。

「もぅ!待てって言ってるじゃないですか!!く、久遠は待ってくれましたよ!!」

キョーコは、久遠に待てなんて言ったことはないが、久遠なら待ってくれるはずだと思って咄嗟に言った。

「やだ。俺は待てない。」

しかし、蓮はそう言いながら、キョーコの髪や首筋にいくつもキスを落とす。

「もー。後でいくらでも抱き締めてあげるから、大人しくしてて下さい!!」

キョーコがいつも久遠に言っていた言葉を言うと、蓮は尻尾を振り切らんばかりに勢い良く振って、キョーコの顔を覗き込んだ。

「本当に?」

「本当です!!」

キョーコが頷くと、蓮はキョーコの顔を後ろから上に向かせて、「約束。」と言いながら、キョーコの唇を奪った。

今までの言葉のやり取りは久遠の時と同じはずなのに、蓮にかかれば久遠からされたことのないような切り返しが返って来て、キョーコはドキドキしていた。

突然された不意打ちのキスにキョーコが真っ赤になる。
そんなキョーコが恥ずかしさを紛らわそうとするように料理するのを蓮は上機嫌で眺めるのだった。


キョーコが用意した朝食に、二人仲良く向かい合って手を合わせて食べ始める。

和やかな食事の時間…。

しかし、蓮は少しだけ何故か物足りなさを感じていた。

途中で蓮の箸が止まって考え込んでしまったことに気付き、キョーコが蓮に声をかけた。

「久遠?どうかした?何か口に合わないものでもあった?」

「ん?…あ、ごめんね。そうじゃないんだけど…キョーコ…。」

「はい?どうされましたか?」

「本当にこんな食べ方だった?」

「……ふへ?!」

蓮の言葉に、キョーコの顔が真っ赤に染まるのだが、蓮は自分の中でもやもやした気持ちと戦ってる為気づかない。

「ど、どどどどどうしてですか?」

「んー?なんかわからないんだけど、凄く物足りないと言うか…何と言うか…。何か思い出しそうなんだけど、それが良く分からないんだよね。」

しきりに首を捻る蓮を見て、キョーコは茹でダコのように真っ赤になって縮こまっていたのだが、蓮の“思い出しそうなんだけど…”という言葉に、実践する覚悟が決まった。

キョーコは蓮に気付かれないように小さく深呼吸を繰り返すと、意を決して、蓮に近付いた。

「…久遠?」

キョーコから声をかけられそちらを振り向いた蓮は、キョーコがあまりにも近くから覗き込んでいたので心臓がドキンと高鳴った。

「久遠の時の食べ方を知ったら思い出しそうですか?」

キョーコの潤んだ目が蓮の心を揺らす。

「う…ん。そう…だね。」

蓮はそう言いながら、ゴクリと喉を鳴らした。

「じゃあ、実践…ですよね。」

キョーコはそう言いながら、蓮の手から箸をそっと取り上げると、蓮の膝の上に座った。

「し、失礼します!!」

「え?!?!も、最上さん??!!」

蓮は、そんなキョーコの行動にビックリしながら顔を真っ赤にするのだが、キョーコも蓮に負けず劣らず真っ赤なままで、箸で掴んだサラダを蓮の口元まで持って行った。

「はい。久遠?あーん」

キョーコの行動と言葉に、蓮が無表情で思わず固まる。

それを見たキョーコは目を見開いた。

そしてクスクスと笑い出したキョーコに、蓮は少しだけムッとなる。

「キョーコ?何がおかしいのかな?」

「ふ、ふふふ。だっ、て…敦賀さ、んまで、無表情になるからぁ!!くすくすくすくす」

自分の膝の上で必死に笑いを堪えようと肩を揺らしている少女は、耐えられなくなってサラダをお皿に戻すとお腹を抱えて笑いだした。その姿に、蓮の中でむくむくとイタズラ心が沸き起こる。

蓮はキョーコの細い腰を一気に抱き込むと、キョーコを後ろから思いっきり抱き締めた。

「きゃあ!!」

キョーコは顔を真っ赤にしながら可愛い悲鳴を上げた。


蓮の箸と共に、床に敷いたラグの上を二人仲良く転がる。

「ちょ、ちょっと久遠!!」

「キョーコが笑うから仕返しだよ。」

蓮が心底楽しそうにキョーコを抱き締めたまま、広いリビングの床を転がると、キョーコも耐えられずまた笑いだした。

「くすくす、もー!久遠ったら子供みたい!!…あ、そう言えば前にも…。」

「ん??」

蓮がキョーコを身体の上に乗せて後ろから抱き締めたまま、優しく先を促す。

「久遠にも、同じことをされたことがあるんです。」

「…俺は、知らぬ間に随分と君とベタベタしてたようだね?何だか妬けちゃうな。」

「えぇ?!そんな、自分のことなのに…。」

キョーコは可笑しくてまた笑った。
自分も、蓮の好きな人を誤解して知らぬ間に自分自身に嫉妬をしていたのだ。

見えない壁を感じていたキョーコは、その壁がなくなった今、とても幸せな気分になっていた。

「私、前に久遠にこうされた時、久遠に向かって言った事があるんですよ。」

「ん?何て?」

キョーコは、蓮の方を振り返って蓮を見つめた。

思いの外至近距離で目が合って、互いにドキドキと胸を高鳴らせる。
そして、キョーコは口を開いた。

「久遠…大好きだよ。」

「俺も、キョーコが大好きだよ。」

返って来たのはあの日と同じ言葉…。
だけど、あの日は自分の好きと、久遠の好きは全く別物だった。
でも、今は違う。蓮の声の真剣さから、蓮もキョーコと同じ気持ちでいてくれることがわかって、キョーコの目からは涙が流れた。

そんなキョーコの涙に気付いた蓮が優しく微笑んで、キョーコの涙を唇で受け止める。
蓮はそっとキョーコと身体の向きを入れ替えてキョーコを下にして、そっと口付けた。
互いの想いをもう止めることなど出来る者はいない。

静かに合わせた唇が段々と深く深くなっていく。

蓮の中での理性の紐も、キョーコと唇を重ねる度に擦り減り、既に糸は切れていた。


溺れるとは、こう言うことだろうか?
もう二人は止まらずただただ互いへの熱い想いを肌を重ねて伝え合うのだった。


愛しさと、想いに身を任せ、二人は肌を重ね合った。


(続く)

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設定は朝のはずなのに…何故かこんな困った展開に…!!
どどどどどうしよう!!(←超動揺)

風月パニックです!!(笑)

※Amebaで2012/02/26に公開した話を若干訂正したものです。
↑この頃は、キス以上のお話を書くときにこんな恥じらいもあったのに、今はどこに行ってしまったのか…(笑)
や、もちろんまだ今も恥じらいはありますけどね!慣れって怖い…(笑)
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