My HOME-9-

2015年10月20日14:00  My HOME/スキビ!《完結》

*前回のお話について*
My HOMEのようなほのぼの話で限定はさむつもりはなかったのですが、ちょっと通常公開にするにはどうなの?と思った風月は限定にしちゃいました。
アメンバーじゃない皆さんには話が繋がらず意味不明?と思ったので、簡単な解説。
前回の話は湯上りのキョーコちゃんを蓮様がうっかり見ちゃったというお話でした。

ざっくりしすぎ??

蓮がとりあえず自分を落ち着ける為に吐き出した息を、キョーコはダメ息だと勘違いしてショックを受けちゃいました。

さぁ、そんな続きからどうぞ!!



*****



My HOME-9-


ーーくっしゅん。

キョーコは自分のくしゃみで目が覚めた。
どうやら昨夜はベッドに倒れこんだまま眠ってしまったようで、布団も被らずに眠ってしまっていたらしい。
慌てて布団を被ってまた寝る体制を取ろうとするも、昨夜のことを思い出してはぐるぐるとしてしまって、一度目が覚めてからは寝付くことが出来なかった。
結局目が覚めた2時から一睡も出来なかったキョーコは瞼が腫れていたのだが、一睡も出来なかったのは蓮も同じだった。

「あ…おは、よう…」

「お、おはよう、ござい…ます…。」

昨夜の出来事が尾を引いたのか、蓮もキョーコも互いに目を合わせることさえ出来ず、まともに会話が出来なかった。
話をする時も明後日の方向を向いて必要最低限の会話のみを交わす。

キョーコの姿を見ては昨夜の映像が蘇る蓮。
蓮に裸を見られたことを思い出して、逃げ出したくなるキョーコ。

何処かギクシャクした雰囲気を作ったまま、特に会話という会話もなくそれぞれが仕事と学校へと向かった。


蓮と分かれて学校へ向かったキョーコは、大きなため息を吐き出していた。
勉強にも身が入らず、いつの間にか授業が終わっていて、気が付いたら学校まで終わっていたのだ。
待ち合わせをしていたマリアに昨夜作ったマフィンを渡せば、今日の予定は終わりだ。

「…どんな顔して会ったらいいか…わかんないよぅ…。」

キョーコは悩んだ挙句、ノロノロと重い足を引きずって帰宅し、夕食の準備をして蓮の分を食卓に並べると、自分はさっさと食事を終えて自分の部屋へと引きこもることにしたのだった。




『敦賀さんへ。先に休みます。片付けは明日の朝やりますので、食べ終わったら水に浸けていてくれたら助かります。それではおやすみなさい。キョーコ。』

帰宅した蓮は、キョーコのメモを見てそっとため息をつきながらも、何処かホッとしている自分がいた。

姿を見れば、一瞬にして昨夜のキョーコの姿と重ねてしまうのだ。暴走する心が抑えられず少し時間が欲しいと思っていた。

キョーコの作った料理をぽそぽそと食べ、片付けまで済ませると、蓮も早々に自分の部屋へと引き上げた。


それから二日間、蓮とキョーコのすれ違いの日々が続いた。

キョーコが起きた時には蓮が既に出かけていて、キョーコはキョーコで帰宅してご飯を作ったら、さっさと部屋に引きこもるようになったのだ。

ギクシャクした空気のまま、訪れた3日目の夜、キョーコは蓮との空気に耐えられず、蓮の部屋から姿を消していた。




「モー子っさぁぁぁん!!おかえりぃぃぃぃ~!!!!」

キョーコは地方の長期ロケから戻って来た親友の奏江にたまらずに抱きついた。

「モーーー!!戻って早々騒がしいわね!!」

「待ってたのよぉ~!!モー子さんが帰ってくるのー!!」

「あー。はいはい。わかったから。鬱陶しいわね!離れなさいよ。私は早く休みたいの。さっさと帰るわよ。」

「はぁぁい!」

キョーコは久しぶりに会えた親友に大興奮で、ハイテンションになって騒いでいた。

そう、キョーコは奏江の部屋に泊まるために、蓮の部屋を出てきたのだ。
でもまだ全ての荷物を持ってきたわけではないため、鍵は預かったままにしている。
全てを運び出したら鍵を返そうと自分に言い聞かせながら、胸元でギュッと鍵を密かに握りしめていたのだった。



「…で?あんたはどうだったのよ?」

奏江のロケの話を聞きたがったキョーコによって食事中に根掘り葉掘り話をさせられた奏江は、食後のティータイムにキョーコに切り返していた。

「え…?ふ、普通だよ?敦賀さんも優しいし、部屋もちゃんと鍵付きの部屋を使わせてくれてるし…」

「ふーん?そんだけ一緒にいても、手を出して来ないんだ。敦賀さん…。」

「な?!何言ってるのよ!!敦賀さんがそんなことするわけないじゃない!!」

「あら?そんなのわかんないじゃない。」

「わかるわよ!大体、女として見られてるのかすら怪しいし…。」

ぽしょぽしょと言い籠るキョーコに奏江は首を傾げる。

「は?何それ、女じゃなかったら何?男ってこと?」

「ええぇ?!ち、違うわよ!!流石にそこまでは…!敦賀さん、ちゃんと女の子扱いはしてくれるもの!レディファーストだし…いつも、優しいし…」

蓮と過ごした10日間のことを思い出して、キョーコはほんのりと頬を染めた。
蓮のために弁当を用意したり、晩御飯の用意をする日々は新婚夫婦にでもなった気分で、甘くてくすぐったくて、ほにゃんと幸せそうに顔が崩れる。そういえば眠りこけた蓮を膝枕したことがあったな。なんて思い出したり、火傷をして抱きしめられたような感覚になったことを思い出して蓮は今頃どうしているのかと思いを馳せた。

ここ最近、まともに顔が合わせられなくなっても、キョーコが作ったご飯はちゃんと残さず食べてくれてるのでその点は嬉しかった。

そういえば、今日も作り置きして来たが、ちゃんと食べてくれただろうか…?

キョーコはチラリと時計を確認した。
今日は帰宅が早いはずだ。
時間通りであれば今頃帰宅して一人で食事をとっているのだろう。
蓮の帰宅が早いことを知ったからこそ、今日ロケから帰ってくると知った奏江の家に逃げるようにやって来たのだが、離れた途端心配でたまらなくなった。
これから奏江のところでお世話になることも実はちゃんと自分で報告出来てない。
話すつもりだったのだが、あんな事件があってから話をするタイミングが作れなくなったのだ。
だからこの件は社を通して伝えてもらった。
もしかしたら、ご飯も食べずにそのまま寝るつもりかもとか、自分がいないとわかって、もちろんないとは思うが女の人を連れ込んだりとかしてるんじゃないかとかグルグルと思考が渦を巻いていた。
奏江と話をしていたはずが、いつの間にかここにはいない蓮へと意識を飛ばしていたキョーコを呼び戻したのはやはり奏江だった。

「…コ、キョーコっ!!」

「ハッ!!な、何?モー子さん…」

クルクルと目の前で繰り広げられていたキョーコの百面相。
会話をしている最中に他所へトリップするキョーコの癖は今に始まったことではないので、とりあえずため息を吐いて、呆れ顔を向ける。

「はぁぁぁ~。あんたねぇ~。そんなに気になるなら、今までいた家に帰れば?」

「…え?」

「ここへ来てからあんた変よ。まぁ、変なのはいつものことだけど、いつも以上に変!」

「ええぇ~?!いつも以上に変って?!モー子さんひっどぉぉーい!」

「変じゃない。妙にハイテンションで無理して空回りしてる感じだし…。でも今ので納得いったわ。あんた敦賀さんのこと好きなんでしょ?」

「ええええ?!な、なな、なんで?!」

「わかるわよ。あんな顔してたら…。あぁ、そうか、本当は離れたくないんだ?敦賀さんと。」

「う…そ、れは…」

図星を突かれてキョーコが言葉に詰まった。

「いいんじゃない?敦賀さん。大事にしてくれそうよね。あんたには常に特別待遇だし?」

「へ?!」

「いくら部屋が余ってたって泊めないでしょ。普通。」

「そ、それは、敦賀さん優しいから…私が特別なわけじゃないわよ。たまたま私が困ってるって知ったからで…」

「ふーん?じゃあ敦賀さん困ってる子がいたら誰でもホイホイ部屋まで連れ込んじゃう人なんだ?」

「だ、誰でもってわけじゃないと思うけど…。」

「ま、少なくともあんたのことは家の鍵を任せても問題ないってくらい信用してるってことよね。」

「まぁ、そう…なるの、かな?」

キョーコがクッションを抱きしめて縮こまるのを見て、奏江は再び深くため息を吐いた。

「で、ここにはいつまでいるつもり?妙に大荷物だったけど…明日も明後日もなんて冗談じゃないわよ。」

「え?!」

これからは蓮の家を出て奏江の家に移るつもりだったので、キョーコは驚いて声をあげた。

「何よその顔は。敦賀さんの家、広いんでしょ?あんたも鍵付きの部屋を貸してもらってて家賃が食事だけでいいなんて破格じゃない。言っておくけど、私、金取るわよ。」

「ええぇ?!」

「当たり前でしょ?!1日ならまだしも、あと20日以上あるんでしょ?1ヶ月近くもただ飯食わせるわけないじゃない!!おまけに生活スペースを減らされるわけだから…そうね。1日1万円ってとこが妥当かしら?」

「い、1万?!」

「10日で10万ね!」

「そ、そんな…」

奏江の言葉にキョーコの顔から血の気が引いた。

「わかったら、さっさとあんたが一番帰りたい家に帰りなさいよ。」

「一番帰りたい…家…?」

そう言われて一番に頭に浮かぶのは蓮のいる家だった。

「全く、何があったか知らないけど、痴話喧嘩に巻き込まないで欲しいわよ。」

「ち、痴話喧嘩?!」

「あんた見てれば、なんかあったことぐらいわかるわよ!大方一緒にいるのが気まずくなって逃げてきたって感じでしょ?」

当たらずも遠からず。少しズレている気がするものの奏江の指摘は当たっていた。

「う…まぁ、その…。」

流石に裸を見られて気まずくなったとは言えないキョーコは口ごもった。

「ま、今日一日だけならまけといてあげるけど、もし明日も泊まるなら今日の分と合わせて2万円ね!」

「うぅ…モー子さんの意地悪…。」

「それが嫌なら明日はちゃんと自分の家に帰りなさい。この家でそんなジメジメした空気を撒き散らさないで頂戴!!ここはどっかの誰かさんの家とは違ってあんたに貸し出せる部屋なんてないんだからね。」

「モー子さん…。」

奏江の言葉に背中を押される形で、キョーコは蓮の家に戻ることを心に決めた。

裸を見られた恥ずかしさはあるけど、このままギクシャクしたままなのも嫌だと思う。
このまま家を出ては、あれだけ散々お世話になっていて不義理だし、何よりキョーコ自身が蓮とまた前みたいに過ごすことを望んでいた。
女性として見られることはないとしても、一番近くにいられるあの場所は誰にも譲りたくなかった。

「ありがとう。モー子さん。明日はちゃんと帰ることにするね。」

どこか吹っ切れたようににっこりと笑うキョーコの人垂らしの笑顔に、うっかり顔を赤らめた奏江は真っ赤になりながらぷいっとそっぽを向いて、「そう。ならよかったわよ。」とぶっきらぼうに答えた。

それにしても…と奏江は思う。
本当に敦賀さんはなんで我慢できるのかしら?と不思議でたまらない。
蓮がキョーコに好意を寄せていることはキョーコから聞いた話やグレイトフルパーティで渡していたプレゼントなど、数少ない接点から見てもキョーコに対して特別な感情を持っていると考えて間違いないはずなのだが、そこのところはどうなっているのか?

元気を取り戻したキョーコに適当に相槌を打ちながら、ああは言ってみたものの本当にこのままキョーコを送り返していいものか、悶々としながら寝床に着いたのだった。


(続く)



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