光くんのヒ

2016年04月26日09:43  短編(原作寄り)/スキビ!

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こんにちは!
現在、風月のリクエストを叶えてくださってるpopipiの妄想ブログ♪のpopipi様がめでたく一周年を迎えられたとのことで、お祝いのお話考えてみました☆
どんな話がいいですかー?と聞いたところ、3つぐらい候補上げていただき、どれも魅力的で迷いに迷い、3つまとめて…というのも考えましたが流石に難しく(笑)

その内の一つに絞らせてもらいました。
他の二つはおいおい…うっかり浮かんだ時用に取っておきます(笑)

それでは、短めですが楽しんで頂けたら幸いです。


*****


光くんのヒ


雲ひとつない晴天に恵まれた日の正午過ぎ、俺はこれから始まるドラマの顔合わせに来ていた。

「あれ?京子ちゃん?」

「あ、光さん!おはようございます。」

角度きっちり90°。今時、ここまでしっかりとしたお辞儀ができる若者がいるだろうか?否、そうそういないだろう。

「おはよう。ここにいるってことは…もしかして…」

「あ、はい!今度美咲役を演じることになりました。よろしくお願いします。」

ペコリと下げられた頭を見ながら聞いた役柄に驚きが先に湧き上がった。

「え?!み、美咲役って、京子ちゃんなの?!」

思わずひっくり返った声が出て少し焦る。

「はい!光さん、晃役ですよね?よろしくお願いします。」

「よ、よろしく!!そっか!京子ちゃんと、こ、ここ、恋人役かぁぁぁ!!」

ーーーヤバい。嬉しい。嬉しすぎる。どないしよう。

光の心拍数が一気に上がる。動揺した為、硬い声が出てしまった。
慎一や優生が近くにいたらからかわれていたに違いない。

「すみません、私なんかが恋人役で…」

声が硬かったことに気づいたキョーコは何か勘違いしたようでシュンと眉を下げるので、光は慌てた。

「いや!そんな!!全然っ!寧ろラッキーで!っていうか…凄く楽しみでっ」

誤解を解きたくて、何とか言い繕っていると、キョーコが突然目を輝かせた。

「京子ちゃ…」

「敦賀さん!」

「………へ?」

光は思わず動きを止める。
そうだった。このドラマの主役は敦賀蓮だったのだ。
京子ちゃんも他の女性と同じでやっぱり敦賀蓮のこと好きなのかな?なんて思いながら、蓮に駆け寄るキョーコをちらりと盗み見る。

「おはようございます!敦賀さん!」

嬉しそうな弾ける笑顔に、何故か胸がチクリと痛み、苦しくなった。

「おはよう。最上さん。」

ーーふわり。

キョーコのあいさつを受けた蓮の笑顔を見て、光は思わずドキリとした。

ーーーあ…れ…?敦賀さんの今の表情って…

「昨夜も遅くまで演技の練習に付き合っていただいて、ありがとうございました。」

ーーーん…?昨夜遅くまで…?

「全然。構わないよ。少しはお役に立てたかな?」

「それはもう!少しと言わず物凄く!本当にありがとうございました!!」

「結局朝方までかかっちゃったけど、大丈夫?今朝も学校行く前にお弁当まで作ってくれて…殆ど寝てないだろう?」

ーーー朝方まで?!え?!お弁当?!二人ってまさか?!

「いえ、そんな!それに結局敦賀さんがお風呂に入ってる間にソファで寝てしまって…。すみません。ベッドまで運んで頂いたみたいで…。敦賀さんこそ、身体は大丈夫ですか?腕も痛くないですか?」

実際キョーコはゲストルームのベッドで寝ていて、蓮に腕のことを聞いたのは抱き上げた時に重くなかったかということを心配して言ったのだが、光は思わず、キョーコを抱き上げてベッドへ運び、そのまま腕枕をしてキョーコを抱き締めて眠る蓮、そんな二人の姿を想像してしまって赤くなった。

「ん。大丈夫。俺鍛えてるし。」

ーーー………な、何だか…俺、聞いてはいけないこと聞いちゃった気がする…。

胸が何だか苦しい…。
始まる前からブレイク寸前のハートを守るように心臓に手を当て抑えた。

周りでもひそひそと2人の関係について言葉をかわす人がいたが、当の二人はあくまでもやましいことはないとばかりににこやかに会話を交わしている。

「じゃ、そろそろ時間だから、座ってようか?」

「あ、はい!そうですね。」

仲良く当然のように隣に座ろうとする二人、お互い先に座るのを譲り合いながら、キョーコが座る方と蓮を挟んで反対側には蓮のマネージャーの社が座った。

ーーーな、何だろう…これ…凄く嫌な予感が…。

チラリと蓮の目が光を捉えた。
途端、背筋を伸ばしてピキンと固まった光を品定めするようにジッと蓮が見つめていた。

「つ、敦賀さん!ブリッジロックの石橋光ですっ!晃役を演じます!よろしくお願いします!!」

品定めの視線から逃れたくて、慌てて挨拶をすれば、虚をつかれたような顔をして、その後蓮はクスリと微笑んだ。

「敦賀蓮です。よろしくお願いします。石橋さん。」

「敦賀さん、光さんは敦賀さんより年上なんですよ。」

「ーー光さん…?」

蓮の目が鋭くなり、スッと蓮の発する温度が少し下がった気がして、光は慌てて付け答えた。

「あ、お、俺たちブリッジロックのメンバーは全員苗字が石橋なんです。だから、俺たちを知ってる人はみんな、下の名前で呼ぶので…」

「あぁ、なんだ。それで…。」

安心したのか一瞬凍てつきそうになっていた空気がフワッと軽くなった。
そしてキョーコに向かって、「そうならそうと言わないとわからないだろう?」と付け加えていた。

ーーーな、何だかよくわからへんけど怖かった…!!

光は一瞬垣間見えた蓮の本性に驚き慄いていた。

ーーー敦賀さんって春の陽射しのような人なんやなかったんかー?!

春の日差しとは真逆の極寒の雪国オーラに光はブルブルと身を震わせていた。

「光さんもそろそろ座った方が…大丈夫ですか?顔色が…」

「だ!大丈夫や!!問題あらへん!」

「それならいいですけど…」

心配そうに覗き込んでくれるのは嬉しいはずなのに、先ほどから突き刺さる痛いほどの視線に耐え切れず、「失礼します」と一言詫びを入れて、キョーコから距離をとって座った。

ーーー危ない危ない。アレは下手に近付いたらただじゃ済まへん。

ニコリと嘘くさい笑顔で微笑まれて、光はヒッと顔を引きつらせた。

程なくして始まった顔合わせと台詞合わせ。

ーーー俺、生きてられるかな…。

これから生死を分ける戦に乗り込もうとしてる気分になってしまうのは何故だろう?

チラリと蓮とにこやかに話すキョーコの表情を見て、光は己の失恋を悟ると、心の中で涙を流した。

光くんのヒは、悲恋のヒなのかもしれない。
光の枕をぬらす日々はこうして幕を開けたのだった。


END


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如何でしたでしょうか?!
popipi様、いつもありがとうございます。
こんな話で良かったらもらってやってください♪

可哀想な光くん…結構光君ネタ書き尽くした感があってこんなお話になってしまった。
物足りなかったらお知らせください(笑)
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