もしも、ピュアなあの子が家出したら?

2016年05月23日10:50  お遊び

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もしも、ピュアなあの子が家出したら?



「おかえりなさい!敦賀さん♡」

「…え?」

蓮は自宅の玄関で誰もいるはずがないのに突然声をかけられ驚いて固まってしまった。

驚いてキョロキョロと辺りを見回す。

「こっちです!コッチ」

声のする方を見て目を見開く。

「…君は…?」

廊下にちょこんと正座していたのは蓮の手のひらサイズほどの小さな小さな女の子だった。

その女の子の体がフワッと浮き上がり、蓮の目の前で可愛らしく微笑んだ。

「私ですか?私は、ピュアキョです。」

「ピュアキョ?…って、その顔…もしかして最上さん?」

真っ白な服に身を包んでフワフワ浮いているキョーコの顔に驚く。

「はい!さすが敦賀さん♡私は最上キョーコの中のピュアなハートの一部。ピュアキョです!」

「ピュアなハート…?」

恐る恐る出した蓮の手のひらにちょこんと乗った天使の格好をした小さなキョーコ。

「はい!敦賀さんに会いたくて会いたくて、家出してきちゃいました!!」

えへへ。とはにかんだ表情もキョーコのそれだ。

「ええ?家出ってまさか…最上さんのところから?!」

「はい♡しばらく敦賀さんのお側においてください。よろしくお願いします!!」

ぺこりと綺麗に土下座でお辞儀をされる。

「いや…俺は構わないけど…。大丈夫なの?それ…」

「平気です!!ピュアキョは他にもいるので。」

「え?ピュアキョって君だけじゃ無いの?」

「はい!私はほんの一部です。ピュアキョの他にも怨キョと言う子達もいます。」

「怨キョ…?」

「復讐に囚われた怨念化したキョーコです。とってもガラが悪いんです。」

「あ、あぁ、なるほど…」

「一度は彼らに身体を乗っ取られて外へ放り出されていたのですが、今は基本的には共存しています。」

「でも、君が出てきちゃったら皆心配してるんじゃ無い?」

「それが…今親ビン…」

「親ビン?」

「あ、本体の最上キョーコのことを親ビンと呼んでるのですが…」

「あぁ。そうか…それで?その親ビンがどうかしたの?」

「実は…その親ビンが恋をしちゃったんです。」

「……え?」

「ずっとその人のことが頭から離れなくて、そうこうしてるうちに、怨キョからあんた達がいるからこんなことになったのよ!って私たちピュアキョが虐められるようになってしまって…」

「それは大変だったね。それで?最上さんが好きっていうのは…?」

「え…?!や、やだぁ!!敦賀さん♡そんなこと私の口から言えるわけ無いじゃ無いですか!破廉恥ですぅ〜!!」

ピュアキョは顔を赤らめてその顔を隠してイヤイヤダメダメと恥ずかしがった。

小さなキョーコのそんな姿を見て、蓮はどうしてやろうかという気になってくる。

「ピュアキョ…君のことは何て呼んだらいいのかな?」

「え?!そ、それはそのままピュアキョでもキョーコでも…」

「ふーん。じゃあキョーコ。」

名前を呼ばれてピョッとキョーコが真っ赤になった。

「ふぇ?!あが…えっと…そ、その…」

キョトキョトと周りを見回すキョーコをそっと胸に抱えた。

「ふぎゃ!つ、敦賀さん?!あの…!!」

「君が最上さんの心の一部というのなら、俺が君を捕まえたら最上さんの心の一部を俺が占めることになるのかな?」

「はわぁー。つ、敦賀セラピーが…♡もうダメェ。」

「ん?ダメッて?」

「だって…だって…」

ピュアキョが蓮の懐でメロメロになっていると、また小さいのが何人かやってきた。

「あぁー!!ピュアキョ!こんなところにいたぁ!!」

「ちょっとあんた!敦賀さんから離れなさいよっ!!」

「また最上さんがいっぱい…あ、もしかして君たちが怨キョ?」

「へ?!私たちが見えるの?!」

「嘘?!今まで敦賀さんの周りのブラックアンテナに誘われて近付いても見つからなかったのに!!!!」

「それはそうと、ちょっとアンタ!!」

怨キョのうちの一人がビシッと蓮の胸元で目をハートにしているピュアキョへ人差し指を向けた。

「私たちの親ビンがあの馬鹿ショーにどんな仕打ちにあったか忘れたの?!顔のいい男ほど信用ならないって教訓にしたはずでしょう?!」

「でもでも!敦賀さんは違うもの!!」

「同じよ!!エセ紳士笑顔の遊び人のプレイボーイじゃない!!」

蓮の頰がピクッと引きつる。

「そーよそーよ!今すぐそいつから離れなさい!!今ならまだ間に合うわ!!」

「そーよ!親ビンがその男に恋してるなんて…目も当てられないわ!!また親ビンが傷付くの目に見えてるじゃない!!手遅れになる前に諦めさせなきゃならないって何度も会議で話し合ったでしょう?!」

「え…?最上さんが俺を…?」

蓮が信じられない怨キョたちの言葉に呆然としてしまったその隙に、怨キョが数人がかりで蓮からピュアキョを引き離そうと引っ張り始めた。

「さぁ!早く帰るのよ!!」

「いーーーやーーーー!!私は敦賀さんの側にいたいのよぉ!!」

「だーかーらー!!ええぃ!往生際の悪い子ね!!取り返しのつかないことになる前に…ふぎゃ」

胸元にしがみ付くピュアキョを引き離そうとしていた怨キョも含めて蓮はとりあえず抱き締めた。

「最上さんが…俺を?その話…もっと詳しく聞かせてもらえるかな?」

このまま帰すわけにはいかないとしっかり捕まえ、にっこり微笑む。

エセ紳士笑顔に怨キョ達が一気に青ざめ震え始めた。

「ふぇ?!や、ヤダちょっと!!!!あんたのせいで捕まっちゃったじゃない!!どーしてくれんのよ!!」

「ぎゃーーーー!!助けてぇぇぇ!!親ビーーーーーン」





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