アレはアイツで私じゃないの!中編

2016年06月27日01:09  短編(原作寄り)/スキビ!

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アレはアイツで私じゃないの!中編


ーーースッゲーイイ気味!!

キョーコと身体が入れ替わったことで、世界で1番いけ好かない男にダメージを与えることができて、キョーコは心の中で高笑いが止まらなかった。

先ほど、蓮はショックでものすごい顔して固まっていたので、その間に脇をすり抜けてやったのだ。
その時の蓮とそのマネージャーの蒼ざめた顔と言ったら傑作だった。

思い出してククククと肩を細かく揺らし笑いをこらえながら歩いていると、後ろから男に声かけられた。

「あ!京子ちゃん!おはよー!!」

「…おはようございます。」

見覚えある顔だけど、誰だっけ?と思いながら見ていれば、何となく思い出した。
凶暴なニワトリがマスコットキャラクターを務めるあの番組の司会者の…確かリーダーだ。

向かう方向が同じなのか、当然のように並んで歩きだし、アレコレと話題を振ってくる男に軽くスルーをかましながら歩く。

「…でさ、すっごい地元の味って感じのお好み焼き屋さん見つけたんだ!今夜収録終わったら一緒にいかへん?」

明らかにキョーコへの好意丸出しな男に、こっそり気づかれないようため息を吐きながら歩く。

「あーーー…今日は…」

「あーー!!京子ちゃーん久しぶりー!!」

ーーーゲ。貴島…。

キョーコを妖怪魂ススリにした元凶の登場に、キョーコは思わず後ずさった。

「京子ちゃん、聞いて聞いて!実はすっごい絶品の抹茶パフェがある店を教えてもらったんだけど、男一人だと入り辛くて…来週の火曜の夜暇だったら一緒に行かない?」

ーーーは?何でキョーコなんか誘うんだよ?!もっと他にもいるだろうが…。

そんなこんなで、何とか断りを入れて歩いていたら次から次にスタッフや共演者と思われる男どもから掛けられる声声声…。

楽屋に着いた頃には流石にキョーコもぐったりとしていた。

ーーー何なんだ?この疲労感は…あいつ、いつもこんななのか?地味で色気のねぇ女の分際でこんなにモテてんのか…?

そしてキョーコはむくりと起き上がると、全身鏡の前に立った。
じっと己の顔をジロジロと観察する。

ーーーふーん…。まぁ、顔はそこそこだと思うけど…。問題はここが…。

そう言って己の胸に視線を落としたキョーコは、キョロキョロと辺りを伺い、誰もいないことを確認すると、服の隙間から胸を覗き込もうと指をかけた。

ーードキドキドキドキ

ーーーこ、これは、あれだ。あいつの色気のなさを証明するためで…。

ーーゴクリ…

ゆっくりと指をかけた服を引っ張りそろりと覗き込む。

ーーーいざッ!

ーーピリリリリリリリリリ!!

「どぅぅわぁぁぁぁ!!」

覗き込もうとしていた行為を咎めるような着信音が突然鳴り、キョーコは慌てて顔を上げ、足がもつれて尻餅をついた。

ーーードッドッドッドッ

ガニ股で転んでしまったので、鏡に大股開きの間からパンツが見えていて、慌てて足を閉じて手でスカートを抑えて真っ赤になった。

「みみみみみてねぇ!!俺は何も見てねぇぞ!!事故だ事故!!!!」

鏡の中のキョーコに向かって、慌ててわめき立てながらキョーコがこの場にいるわけじゃないとハッと気付いた。

「くそっ。何か調子狂うな…」

そう言って頭を掻いていると、まだ呼び出し音が鳴り響いているのに気付いて、キョーコは慌ててカバンを漁って携帯を取り出した。

「…あー。はい。」

『ブッッッッコロォォォォォス』

オドロオドロシイ低音が響いて、キョーコはギョッとした。

携帯を耳から離して画面を確認すると、『松太郎』の文字が躍っていて、頬を引きつらせながらも取り敢えずまた携帯を耳に当てた。

「んだよ。キョーコかよ!エスパーかお前。言っとくけど、今のは事故だかんな!事故!」

『は?!何のことよ!!それよりアンタ…さっきは敦賀さんによくもあんな酷いこと言ってくれたわね!!』

「あ?何のことだよ?知らねーよ。あ、耳くそ…フゥッ。」

『ちょ!!勝手に人の耳の穴ほじんないでくんない?!』

「うるせーな。いーだろ別に。あいつがベタベタ触ってくるからお前の代わりに言ってやっただけじゃん?」

『〜〜〜!!敦賀さんには何されたっていいのよ!』

「はぁ?!おまっ?!何言ってんだ!良いわけねぇだろ!!あんな鬼畜相手にお前…」

ショータローの爆弾発言とも取れる大胆な言動に、キョーコは信号機のように顔を赤から青に変えた。

『と・に・か・く、今すぐ敦賀さんに謝罪して!!今Bスタ奥の物置にいるの!!』

「嫌だね。なんで俺があんな奴にそんな…」

ハンっと鼻で笑ったキョーコに、受話器の向こうから絶対零度の空気が漂ってきた。

『そう…。だったらいいのね?バラすわよ。』

電話の向こうで低い声でショータローが凄んだ。

「バラすって…は?おまっ何をバラす気なんだよ?!」

キョーコは慌てて問いかける。
ショータローは先ほどのキョーコの態度を真似るように鼻で笑いながら高らかに宣言した。

『アンタの本名のことに決まってるじゃない。このあとあんたミュージックなんたらの収録があるのよ。そこでアンタの本名が本当は、不破ショータ…』

「ぐぁぁぁ!!やめろぉぉぉぉ!!」

キョーコが携帯に向かって叫びながら立ち上がった。
それを受けて、受話器の向こうでニヤリと極悪面で笑うショータローの気配がする。

『バラされたくなかったら、さっさと敦賀さんに謝罪しなさい!!あの場に一緒にいたバカで間抜けな男に無理やり言わされたんですとでもいえば敦賀さんだって…』

「ぐ…ってめ、バカで間抜けって俺のことかよ?!」

『あんた以外に他に誰がいんよの!!!!ほら!早くしないと敦賀さん行っちゃうじゃない!!まだ収録の時間まで15分くらい余裕あるでしょ?!着替えもちゃっちゃとすれば5分で済むわ!!ここまで片道ダッシュで3分ってとこね。言っとくけど、私も近くで見張ってるからね!分かってるでしょうけど、アンタの出方によってはプリンとお笑いが大好物なこともバラすわよ!!』

「だーーーっくそ!もう、わーったよ!!言うとおりにしてやるから絶対しゃべんじゃねぇぞ!!」

キョーコはドアを蹴破る勢いで開けると、その場を駆け出した。

『それと、その話し方はやめてちょうだい!』

「おまっ…く…アンタモネ!これでいい?!」

『…おぅ。やればできるじゃネェカ!ミュージックなんたらまであと15分。それまでにけりをつけろよ!じゃないと…わかってるな?』

そう言って、ショータローからの電話は切れた。

「ちっ。めんどくせぇ。やるしかねぇか。」

キョーコは全速力でBスタ奥の物置に向かった。


一方その頃、キョーコとの通話を終えたショータローは楽屋から出て先ほど蓮を見つけた場所に戻ってきていた。

ーーズーーーーーン……

ーーーひぃぃ!!いつにも増してブラックホールを背負ってらっしゃるぅぅ!!!!………そうよね!!私みたいな新人の端くれの格下の後輩からあんな上から目線でウザい近づかないで下さいなんて言われるなんて…敦賀さんのプライドだって傷付くわよ!!なんて身の程知らずなの…!!敦賀さんほどのお方に対してそんなことを言う馬鹿はあいつくらいよ!!早く謝罪に来なさいショータロォオォォォ!!

ショータローは物陰から蓮の様子をじっと観察しつつも、現キョーコに対してオドロオドロシイ怒りの感情を飛ばしていた。
そして反対側の廊下から走ってくる人影が見えた。

ーーーやっと来たわね…。さぁ!!ショータロー行きなさい!!全身全霊をかけて謝罪をするのよ!!

ショータローの姿を確認したキョーコは、キキキキキーーーっとブレーキをかけると、はぁはぁぜぇぜぇと息を切らせながら、深い海の底へと沈んでいる蓮の元へと近づいたのだった。


(続く)

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どーなっても知〜らないですよ!!
続きの要望多かったのでチャレンジしてみましたが、後半グダグダになりそうな予感。
現ショータローが、現キョーコに電話をしたのは何らかの打ち合わせを終えてから…みたいな感じ?
何だか時間軸もあやふやで穴だらけですけども、お楽しみいただけてたら嬉しいです。


ってかどうやって戻るのか…(謎)
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