敦賀教信者の行く末

2016年07月06日15:16  短編(原作寄り)/スキビ!

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敦賀教信者の行く末


「私、最上キョーコは、敦賀教信者 第一号としてここに…」

「…何、してるのかな?最上さん?」

選挙カーのマイクで敦賀教と書かれたタスキを胸に掲げ、白昼堂々とざわつく人々の前で演説をしていると通りかかった蓮から声をかけられた。

「あ!敦賀さん!!」

慌てて選挙カーから降り挨拶に出向く。

「こんにちは!!」

「こんにちは。…で、何してたのかな?」

「これはですね!!」

キョーコはハニカミながら、自身が信仰する敦賀教について熱く語り始めた。


話を聞いて見事に落ち込んでしまった蓮を前に、キョーコはアタフタと慌てた。

「あの、敦賀さん?どうしました?」

「俺は…君の前では人間にすらなれないのか…」

ズーーーンと落ち込む蓮に、キョーコは一生懸命言葉をつなぐ。

「え?!いえ、そう言うわけでは!!ただ私はですね!それだけ深く敦賀さんを尊敬し、信仰し、崇め奉っているわけで…。」

「………嬉しくない。」

「そんな!!でも、じゃあ私はどうしたら?!私はこの身を捧げてもいいくらいの覚悟で…」

「?!身を…捧げる…?」

「はい!!敦賀さんの為なら、この身…いえ命さえもかけられる覚悟で…!!」

「そう…。」

そして蓮は、気を取り直して立ち上がると、それはそれは爽やかな笑顔を向けて告げた。

「じゃあ、今すぐその身を捧げてもらおうかな?」

「へ?!」

「へ?!って…捧げてくれるんだよね?嘘だったの?」

「え?いえ…決して嘘では…。でも、捧げるってあの…?」

そう言って戸惑うキョーコを軽々とお姫様抱っこして蓮は告げた。

「うん。そうだね。まずは社長に俺たちのことを報告して記者会見だな。結婚式はおいおい日取りも含めて固めていくとして、役所に籍を提出して、新居は早速今夜から家でいいよね?」

「へぇあい?!ちょ、え?!敦賀さん待っ…」

「身を捧げるって言っただろう?自分の言葉には責任もってもらわないとね。」

「言いました!!言いましたけど、それとこれとは違…!!!!いいい〜やぁぁ〜!!助けてぇぇぇ〜!!モー子さぁぁぁぁん!!」

キョーコは蓮に攫われたまま闇の中に消えていった。





「ーーーっていう、夢を見たのよ…」

ラブミー部室で作業をしながら、キョーコが話す夢の内容を聞いて、奏江は微妙な顔をしていた。

「アンタ、それきっと正夢よ。予知夢だったんじゃない?」

「へ?いやぁだー!モー子さんったら!私と敦賀さんが結婚なんてあるわけないじゃなーい!なんてったって、私は敦賀教を信仰する敦賀教信者第一号なんだから!この身を捧げる覚悟って言っても、教祖様とそんな如何わしい関係になるなんて、そんなこと許されるわけ…」

ーーコンコンコン。

「あ、はーい!」

「やぁ、最上さん。」

「つ、敦賀さん?!」

「随分興味深い話をしてたね。俺にもその夢の話、詳しく聞かせてもらえないかな?」

にっこり微笑んだ蓮の笑顔が、夢の中の蓮と重なり、キョーコはヒィイと後ずさった。

「き、聞こえてたんですか?!あ、ああ、あれはその…!!」

「さてと。私はそろそろドラマの撮影に向かわなきゃ。」

「ふぇ?!も、モー子さん?!」

「じゃあ、キョーコ後はよろしく。敦賀さんもごゆっくりどうぞ。」

「ありがとう。琴南さん。」

「待って!!!!置いていかないでモー子さん!!!!」

ーーバタン。

鞄を掴んだ奏江はあっさりと部屋から出て行ってしまった。

部屋の中には蓮と二人きり。
キョーコの心臓が煩いくらいに騒がしくなった。

「さぁ、最上さん。聞かせてくれるだろう?そのあと二人がどうなったのか…あぁ、なんならこれから夢の通りか実践してみるのもいいかもね?」

キョーコの身体がカチンコチンに固まり、背中からダラダラと冷や汗が流れた。
そんなキョーコの体を後ろから拘束し、蓮はそっと悪戯っぽく耳打ちをした。

「その身を俺に捧げる覚悟出来てるんだろう?」

「いいい〜やぁぁ〜!!助けてぇぇぇ〜!!モー子さぁぁぁぁん!!」

キョーコの助けを求める手は虚しく宙をつかむ。

その後の二人がどうなったのか…。
それは皆様のご想像にお任せしよう。


END

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*****

ふと浮かんだお話でした☆

キョーコさんが敦賀教を熱く信仰しているのを知って人間でさえないと落ち込んだ蓮様が、この身を捧げる覚悟と言われて一気に浮上するところを書きたくなったのです(笑)

ギャグチックですみません。
ネタにすべきか短編にするかで迷いましたが、とりあえず短編にしときます。
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