My HOME-23-

2015年10月20日14:07  My HOME/スキビ!《完結》


ちょいと短めですが、翌朝の蓮様とキョーコちゃんをご堪能下さいませ。



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My HOME-23-


蓮は急速な喉の渇きで目を覚ました。

「んっ…。」

気付けばうつ伏せで寝ていたようで、恐らく二日酔いであろう頭を動かすのも億劫だったが、なんとか頭の向きだけ変えてぼうっとしながら目を開けると、置いてある家具の配置から自分がいつも使っている寝室のベッドの中にいることがわかった。
いつの間に眠ったんだっけ?なんて思いつつも、何だかまだ起きたくなくて瞼が再び重くなる。
のどは乾いたがそれよりも起きることが勿体無く感じてしまったのだ。

「ん~。」

横向けていた顔の向きを正面にして、抱きしめていたものを抱きしめ直すと、蓮はグリグリと顔を擦り付けた。

「きゃっ!!」

途端に抱きしめているものが小さな悲鳴を上げた。

ーーーん…?なんだ??そういえば、俺…何をだきしめてるんだろ?こんな抱き枕家にあったっけ??

自分が何かを抱きしめて眠っているのはわかったが、何を抱きしめているのかまではわからない。
わかるのは優しい香りと、何だかホッとする温もり、そして柔らかな感触。
出来ることならこのまま一日中ベッドの中で抱きしめたまま過ごしたいくらいだ。

うとうとと睡魔に誘うその正体を確かめたいという思いよりも堪能したい思いの方が強く目覚めかけていた意識は夢の世界へと再び足を向けようとしていた。

「つ、敦賀さんっ!!」

抱きしめていた枕から慌てたような声が響く。

「んっ…」

キョーコに似たその声に何と無く返事をしながらも、夢の世界へはあと一歩だ。
そんな時、肩がゆさゆさと揺さぶられて目を覚まさざるを得なくなった。

「おっ起きてください~!!敦賀さん~~~!!」

「ん~…?」

キョーコの声が聞こえた気がするのに、横を向いて目を開けてもキョーコの姿がない。

軽く目を開けたままぼうっとしていたら、肩を てしてし と叩かれたことでゆっくりと頭を動かして上を見上げた。
ボンヤリ見える視界、顔を真っ赤にしたキョーコがこちらを見つめていた。

「お、おはようございます!!」

「ん…。おはよう…。」

「そ、そろそろ起きないと朝ごはんとお弁当の支度がですね…」

「ん。いいよ。もう少しこのままで…」

「だ、ダメですってば!!」

「だって…喉乾いた…頭痛い。」

そう言いながらまた元の大勢に戻ろうと耳を下にして顔を抱き枕につけた。
するとドッドッドッドッという超スピードで血を送り出している心臓の音が聞こえて、蓮はパチクリと目を覚ました。

「え…?」

そろりと顔を離し、自分が今寝ていた場所とキョーコの顔のあった方を見比べる。
何度か行き来して、蓮は漸く今の今までキョーコの胸を枕にして寝ていたことに気付いた。
抱きついていた抱き枕の正体もキョーコだとわかり、飛び起きて少し身体を浮かせた。
着ている服もお互いパジャマではなく普段着のままだ。


「ごっごめんっ!!」

「い、いえっ!!すみません…」

「な、なんで君がここに…?」

蓮はガンガンと痛む頭で昨日のことを何とか思い出そうと試みた。

「えっと…や、やっぱり覚えてないですよね?珍しく酔ってらっしゃったみたいで…」

キョーコは蓮の腕に囲われた中で、両腕で胸を庇うように縮こまりながら、どういえば良いのかわからないというように困ったように眉を下げた。

そんなに飲んだつもりはないが、恐らく連日の寝不足が祟って悪酔いしてしまったのだろう。
断片的にしか思い出すことが出来ない。

「ごめん…覚えてな…」

蓮は言いかけて、キョーコの首筋に残ったかなりくっきりとした鬱血痕に気付いた。
蓮の心臓がドクンッと跳ねる。

「それ…は?」

「え?あ…。」

キョーコも指摘され一瞬わからなかったが、急に思い出したことがあって真っ赤な顔になった。自分では確認してないが、蓮が凝視しているのが昨日蓮に吸われた場所だと気付いたからだ。
起き上がって逃げたいところだが、蓮の身体は今だキョーコの上にあり、身動きを取ることが出来ない。

「こっこれは…えっとその…ちょっとしたトラブルといいますか…敦賀さんには関係ないことなのでお気になさらず…」

蓮に付けられたなんて恥ずかしすぎて言えず、覚えてないなら忘れさせたままにしようとキョーコはその場所を手で隠して誤魔化そうとしたのだが、その瞬間、蓮の空気がガラリと変わった。
急速に温度が氷点下まで下がった感じがしてキョーコがピキンと固まる。

「関係…ない…?」

怒りが溢れたその声音にキョーコが震え上がった。

「ひっ!!」

「誰につけられたのか知らないけど、関係なくはないだろう…?」

「えぇ?!いえ、本当…ただの事故ですからっ!!」

「ただの事故でこんなにくっきり?誰に許したの?」

蓮の怒りの波動に怨キョ達もすくみ上がって動けなくなっていた。
キョーコも真っ青になって涙を浮かべて蓮に訴える。

「ゆ、許してな…」

「そう…。じゃあ俺が上書きしてあげる。いいだろ?」

「へ?!」

キョーコが言われた言葉の意味がわからなくて目をまん丸に開けた瞬間、キョーコの隠している手を強引に引き離して、蓮の熱い吐息がキョーコの首筋に吹き掛けられた。

「あ…や…」

制止する間も与えられぬまま、蓮が首筋にキツいくらいに吸い付く。
昨夜と同じ場所に昨夜と同じ人物からしつこいくらいに吸われ、熱い舌で首筋を辿らた。甘く痺れるような感覚にキョーコは襲われ、もう何が何だかわからなくなる。

「やっ…ん」

蓮はキョーコの耳を甘噛みすると、そのまま耳に息を吹き掛けながら、「痕つけられたのはここだけ?」と囁きながら、ゆっくりとキョーコのボタンを外しにかかった。

どうやら血が上った頭では確かめずにいられなかったようだ。

ボタンを外している蓮に気付いて、慌てて両手で制止しようとしながらキョーコは叫んでいた。

「つ、敦賀さん!!お気を確かにぃぃぃぃ!!!!」

キョーコの叫び声で蓮はハッと記憶が呼び覚まされた。
半分までボタンを外したところで、バラバラと砕けていたピースが戻るように昨夜の出来事を断片的にだが徐々に思い出す。

帰宅したキョーコに安堵して抱きしめた自分、キスをしようとして拒まれたから代わりに隙があった首筋に吸い付いた自分、痕がついたことで満足して俺のもの宣言をした自分、キョーコから貴方のキョーコちゃんじゃありませんと言われてショックを受けた自分、そのあと少し言い合いになって…キョーコが何かおかしな勘違いしていることがわかって…蓮の頭痛がドンドンと酷くなるが必死に思い出そうと試みる。

うりゅっと潤んだ瞳で見つめてくるキョーコを見て、蓮はその後のことも全部思い出した。
胸を触って、誰のために大きくしようとしたのか聞いたら、蓮の為だとハッキリ答えたキョーコ。
そしてキョーコに告白したら、キョーコから寝室に誘われて、一緒にベッドに入ったのに、結局何もしないで抱きしめるだけで寝てしまったのだ。

最後の方は多少蓮の希望的脚色が入ったようだが、大方の流れは思い出すことが出来た。

「思い、出した…」

「え?!ええぇ?!」

キョーコは真っ赤になった。何処からどこまで思い出したというのだろうか。

「ごめん…昨夜は…暴走したみたいだ…」

「い、いえっ!」

「ここも…消毒も何も、痕付けてたの俺だったんだね。何度もごめん。痛かったろう?」

「い、いえ!!じ、事故ですから!!」

「…事故?」

「寝ぼけてたんですよね?!大丈夫です!!勘違いなんかしませんから!!」

「え…?いや、違う。さっきのあれは事故じゃなく、嫉妬だよ?」

「へ?嫉妬…?」

「自分以外の誰かが、最上さんにあんな痕を付けたのかと思ったら頭に血が上ったんだ。」

「え…何で…?」

キョーコに問われて蓮は真剣な顔でキョーコを見つめた。
キョーコの心臓がドクンと大きく跳ねる。
ドキドキドキドキと徐々にスピードを上げる心臓、目を逸らすことも、途中で口を挟んで誤魔化すことも出来なかった。
蓮がそっとキョーコの手を優しく取り指を絡めて重ね合わせる。
キョーコをベッドに縫い付けたまま、そんなキョーコの目を見つめて蓮は静かに告げた。

「単刀直入に言う。最上さんが好きだ。いや、好きだなんてちんけな言葉に思えてしまうくらい愛してるんだ。」

「う…そ…」

キョーコの唇と心がワナワナと震えた。
とても信じられなくて、でも嘘を言っているようにも見えなくて、キョーコの目から涙が溢れた。
そんなキョーコの手を蓮はぎゅうっと握りしめる。
繋がったその場所から蓮の体温と想いを感じて、キョーコの顔が真っ赤に染まる。

「嘘じゃないよ。本当だ。自覚したのはダークムーンの撮影の時だけど、それよりもずっとずっと前から…俺は君に惹かれてた。」

蓮は目を細め、キョーコに安心させるように微笑みかけながら言霊を重ねる。

「昨日の言葉も酔っ払ったからだけじゃない。全部本心だ。君のことが好きだから、誰にも渡したくない。だから独占欲の俺の証を刻み込んだ。」

「そんな…まさか…」

呆然と呟くキョーコを蓮は柔らかい笑みで見つめる。

「俺は君を…最上キョーコという一人の女性をこの世の中の誰よりも心から愛してる。」

力強い蓮の声がキョーコの鼓膜を揺らした。



(続く)


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ふぅ。やっと蓮様が告白してくれました((*´∀`*))
でもでもベッドの中で押し倒したまま告白ってありなのか?!と、激しく疑問。こんな予定じゃなかったのに蓮様ったら…ε-(´∀`; )困った君です(笑)
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