My HOME-25-
皆さんのコメントやメッセージが本当…書く気の源だなぁとつくづく実感。
こんなに調子良くどんどこ書けるとは自分でも驚きです。
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My HOME-25-
台本を開いていても、掃除をしていても、何をしていても一日中、蓮のことばかりをキョーコは考えていた。
何かに集中すれば忘れるだろうと憎い幼馴染の呪い人形を作り始めても、手元は疎かになり、全く進まない。
キョーコは深くため息を付いた。
呪い人形作りも諦めて、洗濯物を畳みながら時間を確認すればまだ16時になったばかり、キョーコは今のこの首の状態で外に出る気にもならなくて冷蔵庫などにある食材から何か作ろうと晩御飯のメニューを考え始めたが、浮かぶのは食事を食べながら嬉しそうに笑う蓮の顔ばかりだった。
“美味しいよ。最上さん、いつもありがとう。”
“最上さんは、凄いね。こんな短時間でこんな美味しい料理が出来るなんて…”
“こんな美味しい料理食べたの初めてだ。”
“最上さんの手料理が毎日食べれるなんて贅沢だね。”
今までに言われた蓮の言葉と表情を思い出してキョーコは頬を赤く染めてボーっと物思いに耽っていた。
ーーーやっぱり…喜んで貰えるものを作りたいわよね。
キョーコは洗濯物を畳み終えると、こういう時は料理に限るとばかりに、キッチンへ向かうのだった。
蓮の顔を思い浮かべて料理をするうちに、いつの間にか蓮への返事よりも、蓮の喜ぶ顔を思い浮かべるようになり、キョーコの口からは自然と鼻歌が聞こえていた。
上機嫌で鼻歌を歌っているキョーコの脳内では夢のようなピンク色の妄想劇が繰り広げられる。
『ただいま。最上さん。何作ってるの?』
料理をしている後ろからギュッと抱きしめられた私は驚きつつも敦賀さん微笑みかける。
『きゃっ!敦賀さんおかえりなさい。早かったんですね!』
後ろから抱きしめられたまま、嬉しそうに答える私。
『うん。キョーコに早く会いたかったんだ。』
『もう…。すぐ出来ますから、手を洗ってソファで待っててください。』
『わかった。楽しみにしてるね。』
甘く優しく囁いた敦賀さんの唇が私の唇を奪い余韻を残して離れた。
『ん…。もぅ…』
『じゃあ後でね。』
抗議の気持ちをこめて軽く睨むが、敦賀さんは優しい笑みを浮かべて頭をぽんぽんと叩いてキッチンから出て行くのだ。
ボンッ自分の想像でキョーコの頭で火山が噴火した。
ーーーきゃー!!!!!!私ったらなんってあり得ない妄想してるの?!後ろからギューされて、チューなんて!!しかも相手が敦賀さんなんてっ!!あり得ないったらありえないわよぉ!!!!もう馬鹿馬鹿ばかっ!!夢見すぎなんだからっー!!この妄想オツムっ!!妄想オツムっ!!
蹲って頭をパコパコと叩いて、思考を取り払う。
ーーーそう。敦賀さんならもっとスマートにっ!!
『ただいま。最上さん。』
『あ、おかえりなさい。敦賀さん。』
『美味しそうな匂いだね。今日は何かな?』
『えっと、キョーコ特製グラタンと、キノコのスープ、野菜たっぷりサラダです。』
『そっか。最上さんのグラタン早く食べたいな。待ちきれないよ。』
『ふふ。あとは並べるだけですから、リビングで待っててください。』
『うん。わかった。』
ーーー…そして敦賀さんは、爽やかな優しい笑顔でリビングに向かうのよっ!!きゃーーー!!!!もうっ!!素敵ッ!!何してもかっこ良くてサマになるなんて!!反則よぉー!!!!
そんな風にキョーコが一人脳内コント妄想劇を楽しんでいた時だった。
キョーコは突如としてフワッとした温もりに包まれた。
「ただいま。最上さん、会いたかったよ。」
「っ?!?!?!」
後ろからギュウッと抱きしめられ、耳をくすぐる熱い吐息が甘い声で囁いた。
キョーコの身体がブアッと赤くなりピキンと固まる。
「あれ?おかえりなさいは?言ってくれないの?」
蓮が耳と尻尾を寂しそうに垂らして甘えた声を出す。
「早くキョーコに会いたくて撮影終わらせて急いで帰ってきたんだよ?労ってくれないの?」
「……お、かえり…なさい、ませ…」
キョーコの言葉に蓮はキラキラと笑顔を輝かせて、嬉しそうに弾んだ声を出した。
「うん。ただいま。キョーコ。何作ってるの?」
「ふぇ?!えっと…きょ…いえ、グラタン…と、キノコのスープに、野菜たっぷりサラダです。」
「そう。凄く美味しそうだね。食事が楽しみだよ。」
ニコニコと上機嫌な蓮には申し訳ないがこのままではキョーコの心臓も持たないし、何より抱きしめられたままでは料理をすることも出来ない。
キョーコが蓮に離してもらおうと言葉をかけようとしたのだが、蓮はそれより前にキョーコの耳元で低く囁いた。
「つ…」
「でもね?俺が今一番食べたいのは最上さん…だったりして?」
「っ!!!!!」
「ずっと我慢してたから…もう限界…ね。食べさせて?」
蓮はそう囁くと、キョーコの顎を下から掬い、しっとりと唇を重ねた。
「っ?!!!!」
何度も味わうように重ねられる唇。
片手で固定された顎は逃げることを許されず、その間にもう片方の大きな手のひらがキョーコの胸を包み込んだ。
「っつ…ん…!!あ…」
身体の芯から痺れるような熱さと甘さに支配され、キョーコの膝がガクガクと揺れた。
胸の柔らかさを確かめるように動く蓮の腕に縋り付いて、キョーコは辛うじて立てている状態になっていた。
キョーコの体から力が抜ける直前に蓮は漸くキョーコの唇を解放した。
「ん…。ご馳走様。」
壮絶な色気を纏った蓮が、妖しく微笑みながら己の唇についた唾液を舐めとり、キョーコを背後から緩く抱きしめた。
キョーコの心臓が破裂しそうなほど大きく音を立てる。
「愛してるよ。最上さん…キョーコ…。」
「っ!!ーーーも、もうっ!わかりましたから!リリリリビングで待っててください!!」
何とか声を出せたキョーコは体を反転させ、真っ赤な顔で蓮の顔も見れずに、グイグイとキッチンから追い出そうとした。
その細い手首を捕まえた蓮は指先にチュッと口付けると、にっこり笑ってその手を引くと今度は正面からキョーコを抱き締めた。
どうやら蓮の頭のネジは数本とんでしまっているようだ。
「ずっとここにいて…」
言いながら頭にチュッと口付けられて、いっぱいいっぱいだったキョーコは更にトドメを刺され、意識がふっと遠のいた。
「$€○%□#.@&¥?!:/×@¥◇&~ーーーー…!!」
ふらぁと倒れそうになったキョーコを慌てて抱えた蓮はキョーコをお姫様抱っこで抱え上げると、自分の寝室へとつれていったのだった。
キョーコの顔のすぐ横に肘をつき、その腕に頭を乗せて、キョーコのすぐ隣に横たわる。
いつまでも見つめ続けていたくなるあどけない寝顔を蓮は優しく手で撫でながら愛でていた。
「んっ。」
キョーコの瞼が震え、目が覚めたことを伝えると、蓮は甘く神々しい笑顔を浮かべた。
「キョーコ…おはよう。」
「んっ。…がさ…」
ぼうっとして蓮を瞳に映すキョーコの唇にまた唇を重ねる。
「っ?!」
キョーコの目が見開き固まったが、蓮は今度は軽いキスで終わったようで、すぐに顔を離してにっこりと微笑んだ。
「身体は…大丈夫?」
「だっ…大丈夫…です。」
意味深な蓮の言葉に、キョーコは気付かず何で身体?と思いながらも返事を返す。
そして蓮への抗議の言葉を漸く口に出来た。
「そっそれよりも…何でキスするんですか!!まだちゃんと私…お返事してないのにっ!!」
「ん?最上さんに隙があるからだよ。一緒に生活してきてもう散々我慢に我慢を重ねてきたんだ。俺の気持ちはちゃんと伝えただろ?だからもう遠慮はしないことにしようと思ったんだ。大人しく返事を待つつもりはないよ。正々堂々判断してもらえるようにまずは君に俺も男だって認識してもらわなきゃいけないからね。ただの優しいだけの先輩でなんていてあげないよ?」
蓮は夜の帝王で妖しく微笑み、そっとキョーコの頬を撫でると、またもやキョーコに唇を合わせようと顔を近付けた。
「だから…早く俺に堕ちて…」
「きゃーーーー!!!!」
キョーコは慌てて蓮の顔を両手で妨害する。
これ以上は本気で心臓が持たない。
「そ、それよりもご飯です!!ご飯食べましょー!!!!」
「……ん。そうだね。最上さんの料理は冷えても美味しいけど、あったかいほうがやっぱりもっと美味しいもんね。」
どうやら蓮も少し過激にやりすぎてたかな?と思っていたようで、キョーコの言葉に賛同してくれて、キョーコはホッした。
先に蓮が体を起こすと、キョーコも慌てて起き上がり、蓮が足を下ろした方の反対側のベッドサイドへ急いで降りた。
真っ赤な顔で胸元を庇い、警戒するような眼差しを浮かべるキョーコに、少しはアプローチが効いてるかもなと気を良くした蓮は、口元を緩ませて、寝室から外へ出たのだった。
それからと言うもの、蓮の猛アプローチが始まった。
食事の時は膝の上にキョーコを抱き上げ、食べさせたがる。
キョーコが一口、蓮の箸から料理を口に含むたび、耳元で愛を囁く。
洗い物をするため、キッチンに立っていれば、後ろから抱きしめる。
ソファの上でコーヒーを飲むいつもの時間も、蓮の膝の上に座らされていた。
お風呂は当然ながら一人で入ったが、それ以外の時間は蓮がとことん付き纏う。
ベッドに連れ込まれそうになった時、キョーコは流石に断固拒否して慌ててゲストルームに逃げ込んだのだった。
ゲストルームの扉を背にしてズルズルとしゃがみ込む。
顔は真っ赤になっていた。
あそこまで蓮が本気だとは思わなかった。
情熱的なアプローチはキョーコには刺激が強過ぎて頭がクラクラしてしまう。
「これ…色いい返事をしたら…私、どうなっちゃうの?!」
どうやら別の心配が生まれてしまったらしいキョーコは、ガンガンと頭を悩ませながらベッドに倒れこみ、眠りについたのだった。
(続く)
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蓮様本気のアプローチの巻~♪
こんなに調子良くどんどこ書けるとは自分でも驚きです。
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台本を開いていても、掃除をしていても、何をしていても一日中、蓮のことばかりをキョーコは考えていた。
何かに集中すれば忘れるだろうと憎い幼馴染の呪い人形を作り始めても、手元は疎かになり、全く進まない。
キョーコは深くため息を付いた。
呪い人形作りも諦めて、洗濯物を畳みながら時間を確認すればまだ16時になったばかり、キョーコは今のこの首の状態で外に出る気にもならなくて冷蔵庫などにある食材から何か作ろうと晩御飯のメニューを考え始めたが、浮かぶのは食事を食べながら嬉しそうに笑う蓮の顔ばかりだった。
“美味しいよ。最上さん、いつもありがとう。”
“最上さんは、凄いね。こんな短時間でこんな美味しい料理が出来るなんて…”
“こんな美味しい料理食べたの初めてだ。”
“最上さんの手料理が毎日食べれるなんて贅沢だね。”
今までに言われた蓮の言葉と表情を思い出してキョーコは頬を赤く染めてボーっと物思いに耽っていた。
ーーーやっぱり…喜んで貰えるものを作りたいわよね。
キョーコは洗濯物を畳み終えると、こういう時は料理に限るとばかりに、キッチンへ向かうのだった。
蓮の顔を思い浮かべて料理をするうちに、いつの間にか蓮への返事よりも、蓮の喜ぶ顔を思い浮かべるようになり、キョーコの口からは自然と鼻歌が聞こえていた。
上機嫌で鼻歌を歌っているキョーコの脳内では夢のようなピンク色の妄想劇が繰り広げられる。
『ただいま。最上さん。何作ってるの?』
料理をしている後ろからギュッと抱きしめられた私は驚きつつも敦賀さん微笑みかける。
『きゃっ!敦賀さんおかえりなさい。早かったんですね!』
後ろから抱きしめられたまま、嬉しそうに答える私。
『うん。キョーコに早く会いたかったんだ。』
『もう…。すぐ出来ますから、手を洗ってソファで待っててください。』
『わかった。楽しみにしてるね。』
甘く優しく囁いた敦賀さんの唇が私の唇を奪い余韻を残して離れた。
『ん…。もぅ…』
『じゃあ後でね。』
抗議の気持ちをこめて軽く睨むが、敦賀さんは優しい笑みを浮かべて頭をぽんぽんと叩いてキッチンから出て行くのだ。
ボンッ自分の想像でキョーコの頭で火山が噴火した。
ーーーきゃー!!!!!!私ったらなんってあり得ない妄想してるの?!後ろからギューされて、チューなんて!!しかも相手が敦賀さんなんてっ!!あり得ないったらありえないわよぉ!!!!もう馬鹿馬鹿ばかっ!!夢見すぎなんだからっー!!この妄想オツムっ!!妄想オツムっ!!
蹲って頭をパコパコと叩いて、思考を取り払う。
ーーーそう。敦賀さんならもっとスマートにっ!!
『ただいま。最上さん。』
『あ、おかえりなさい。敦賀さん。』
『美味しそうな匂いだね。今日は何かな?』
『えっと、キョーコ特製グラタンと、キノコのスープ、野菜たっぷりサラダです。』
『そっか。最上さんのグラタン早く食べたいな。待ちきれないよ。』
『ふふ。あとは並べるだけですから、リビングで待っててください。』
『うん。わかった。』
ーーー…そして敦賀さんは、爽やかな優しい笑顔でリビングに向かうのよっ!!きゃーーー!!!!もうっ!!素敵ッ!!何してもかっこ良くてサマになるなんて!!反則よぉー!!!!
そんな風にキョーコが一人脳内コント妄想劇を楽しんでいた時だった。
キョーコは突如としてフワッとした温もりに包まれた。
「ただいま。最上さん、会いたかったよ。」
「っ?!?!?!」
後ろからギュウッと抱きしめられ、耳をくすぐる熱い吐息が甘い声で囁いた。
キョーコの身体がブアッと赤くなりピキンと固まる。
「あれ?おかえりなさいは?言ってくれないの?」
蓮が耳と尻尾を寂しそうに垂らして甘えた声を出す。
「早くキョーコに会いたくて撮影終わらせて急いで帰ってきたんだよ?労ってくれないの?」
「……お、かえり…なさい、ませ…」
キョーコの言葉に蓮はキラキラと笑顔を輝かせて、嬉しそうに弾んだ声を出した。
「うん。ただいま。キョーコ。何作ってるの?」
「ふぇ?!えっと…きょ…いえ、グラタン…と、キノコのスープに、野菜たっぷりサラダです。」
「そう。凄く美味しそうだね。食事が楽しみだよ。」
ニコニコと上機嫌な蓮には申し訳ないがこのままではキョーコの心臓も持たないし、何より抱きしめられたままでは料理をすることも出来ない。
キョーコが蓮に離してもらおうと言葉をかけようとしたのだが、蓮はそれより前にキョーコの耳元で低く囁いた。
「つ…」
「でもね?俺が今一番食べたいのは最上さん…だったりして?」
「っ!!!!!」
「ずっと我慢してたから…もう限界…ね。食べさせて?」
蓮はそう囁くと、キョーコの顎を下から掬い、しっとりと唇を重ねた。
「っ?!!!!」
何度も味わうように重ねられる唇。
片手で固定された顎は逃げることを許されず、その間にもう片方の大きな手のひらがキョーコの胸を包み込んだ。
「っつ…ん…!!あ…」
身体の芯から痺れるような熱さと甘さに支配され、キョーコの膝がガクガクと揺れた。
胸の柔らかさを確かめるように動く蓮の腕に縋り付いて、キョーコは辛うじて立てている状態になっていた。
キョーコの体から力が抜ける直前に蓮は漸くキョーコの唇を解放した。
「ん…。ご馳走様。」
壮絶な色気を纏った蓮が、妖しく微笑みながら己の唇についた唾液を舐めとり、キョーコを背後から緩く抱きしめた。
キョーコの心臓が破裂しそうなほど大きく音を立てる。
「愛してるよ。最上さん…キョーコ…。」
「っ!!ーーーも、もうっ!わかりましたから!リリリリビングで待っててください!!」
何とか声を出せたキョーコは体を反転させ、真っ赤な顔で蓮の顔も見れずに、グイグイとキッチンから追い出そうとした。
その細い手首を捕まえた蓮は指先にチュッと口付けると、にっこり笑ってその手を引くと今度は正面からキョーコを抱き締めた。
どうやら蓮の頭のネジは数本とんでしまっているようだ。
「ずっとここにいて…」
言いながら頭にチュッと口付けられて、いっぱいいっぱいだったキョーコは更にトドメを刺され、意識がふっと遠のいた。
「$€○%□#.@&¥?!:/×@¥◇&~ーーーー…!!」
ふらぁと倒れそうになったキョーコを慌てて抱えた蓮はキョーコをお姫様抱っこで抱え上げると、自分の寝室へとつれていったのだった。
キョーコの顔のすぐ横に肘をつき、その腕に頭を乗せて、キョーコのすぐ隣に横たわる。
いつまでも見つめ続けていたくなるあどけない寝顔を蓮は優しく手で撫でながら愛でていた。
「んっ。」
キョーコの瞼が震え、目が覚めたことを伝えると、蓮は甘く神々しい笑顔を浮かべた。
「キョーコ…おはよう。」
「んっ。…がさ…」
ぼうっとして蓮を瞳に映すキョーコの唇にまた唇を重ねる。
「っ?!」
キョーコの目が見開き固まったが、蓮は今度は軽いキスで終わったようで、すぐに顔を離してにっこりと微笑んだ。
「身体は…大丈夫?」
「だっ…大丈夫…です。」
意味深な蓮の言葉に、キョーコは気付かず何で身体?と思いながらも返事を返す。
そして蓮への抗議の言葉を漸く口に出来た。
「そっそれよりも…何でキスするんですか!!まだちゃんと私…お返事してないのにっ!!」
「ん?最上さんに隙があるからだよ。一緒に生活してきてもう散々我慢に我慢を重ねてきたんだ。俺の気持ちはちゃんと伝えただろ?だからもう遠慮はしないことにしようと思ったんだ。大人しく返事を待つつもりはないよ。正々堂々判断してもらえるようにまずは君に俺も男だって認識してもらわなきゃいけないからね。ただの優しいだけの先輩でなんていてあげないよ?」
蓮は夜の帝王で妖しく微笑み、そっとキョーコの頬を撫でると、またもやキョーコに唇を合わせようと顔を近付けた。
「だから…早く俺に堕ちて…」
「きゃーーーー!!!!」
キョーコは慌てて蓮の顔を両手で妨害する。
これ以上は本気で心臓が持たない。
「そ、それよりもご飯です!!ご飯食べましょー!!!!」
「……ん。そうだね。最上さんの料理は冷えても美味しいけど、あったかいほうがやっぱりもっと美味しいもんね。」
どうやら蓮も少し過激にやりすぎてたかな?と思っていたようで、キョーコの言葉に賛同してくれて、キョーコはホッした。
先に蓮が体を起こすと、キョーコも慌てて起き上がり、蓮が足を下ろした方の反対側のベッドサイドへ急いで降りた。
真っ赤な顔で胸元を庇い、警戒するような眼差しを浮かべるキョーコに、少しはアプローチが効いてるかもなと気を良くした蓮は、口元を緩ませて、寝室から外へ出たのだった。
それからと言うもの、蓮の猛アプローチが始まった。
食事の時は膝の上にキョーコを抱き上げ、食べさせたがる。
キョーコが一口、蓮の箸から料理を口に含むたび、耳元で愛を囁く。
洗い物をするため、キッチンに立っていれば、後ろから抱きしめる。
ソファの上でコーヒーを飲むいつもの時間も、蓮の膝の上に座らされていた。
お風呂は当然ながら一人で入ったが、それ以外の時間は蓮がとことん付き纏う。
ベッドに連れ込まれそうになった時、キョーコは流石に断固拒否して慌ててゲストルームに逃げ込んだのだった。
ゲストルームの扉を背にしてズルズルとしゃがみ込む。
顔は真っ赤になっていた。
あそこまで蓮が本気だとは思わなかった。
情熱的なアプローチはキョーコには刺激が強過ぎて頭がクラクラしてしまう。
「これ…色いい返事をしたら…私、どうなっちゃうの?!」
どうやら別の心配が生まれてしまったらしいキョーコは、ガンガンと頭を悩ませながらベッドに倒れこみ、眠りについたのだった。
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