My HOME-27-

2015年10月23日16:55  My HOME/スキビ!《完結》

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My HOME-27-


ーーブ…

「はいっ!!もしもしっ?!」

『っ……!!』

携帯の着信音が鳴るよりも早く、バイブが震えたコンマ1秒ほどで電話に出たのは、言わずもがな蓮である。
蓮の電話を取る素早さに驚き、一瞬息を飲んだ相手の気配に相手を確信して蓮は必死に呼びかけた。

「もしもしっ?!もしもしっ?!最上さん?!最上さん?最上さんだよね?!」

『…は…い…あの、お、はよう…ございます』

おずおずと答えた声に安堵の息が漏れる。

「あぁ良かった!昨日から何度も掛けたんだよ?ずっと電源を切っていただろう?」

『はい。すみません。あの、モー子さんの家にお邪魔してまして…。』

「あぁ、そっか。琴南さんの…。」

心底ホッとした蓮は、良かった…と呟きながらその場でハァァーと息を吐いた。

『もしかして…ずっと起きて…?』

「あ、いや…まぁ、うん…心配で…」

少しばかりのバツの悪さを抱えながらも返事をする。

最近アプローチが必死になってきたのを自覚していた蓮は、最初はこのまま帰ってこないのではないかという不安から電話をかけていたのだが、何度電話をかけても繋がらないので何か事件に巻き込まれたのではないか、キョーコの身に何かあったのではないかと心配で堪らなくなり、社に相談までしていたのだ。
社からは琴南さんのところだろうと言われてはいたが、もしそうじゃなかったら?と気が気じゃなかったので眠れなかった。

『っ!!ご心配おかけしてしまい、申し訳ありません!!』

青い顔しているキョーコが目に浮かんで蓮は何でもないことのように言う。

「いや、無事ならいいんだ。今何処?」

コートを腕にかけ、キーを片手に掴みながら蓮は言った。

『いえ、あの…実は…』

言い淀むキョーコを逃がしたくなくて、玄関へ向かい靴を履く。

「迎えに行くよ。今ど………こ……」

ガチャリと玄関を開けたところで蓮は驚いて立ち止まった。
エレベーターと玄関のドアの丁度中間に耳に携帯電話を当てたキョーコが立っていたのだ。

蓮はゆっくりと耳に当てていた携帯を下ろした。

「見つけた…。」

安心してふわっと嬉しそうに柔らかく微笑んだ蓮に、キョーコはぶんっと音がしそうな勢いで思い切り頭を下げた。

「ご心配おかけして申し訳ありませんでした!!」

「本当にね…。もう、帰ってこないかと思ったよ…。」

蓮がゆっくりとキョーコに近づく。
頭を下げたままのキョーコの視界に蓮の靴が入ったところで、キョーコはゆっくりと身体を起こした。

「最初は…そのつもりでしたけど…でも…。」

モジモジとキョーコが何かを言おうとしているので、蓮はじっとその言葉の続きを待った。
キョーコはパッと顔を上げて、蓮を見上げた。

「敦賀さんに逢いたくなっちゃって…帰ってきちゃいました。」

赤くなった顔でにへらと笑ったキョーコの言葉と表情に、蓮は一瞬にして心を奪われ目を見開いた。

「それで…あの…。」

すると再びモジモジしだしたキョーコは、目を左右に彷徨わせながら更に言葉を探す。

「私…も、敦賀さんのことが…あの、えっと…」

キョーコはそろりと真っ赤な顔で蓮の顔を伺うように上目遣いで見上げた。
蓮は食い入るようにキョーコを見つめ息をすることすら忘れてしまっていた。
キョーコが何かを伝えようとしているのが蓮にもわかった。良くないと思いながらも僅かな期待が蓮の中でムクムクと湧き上がる。
目が合ってほんの数秒、だが永遠にも感じる沈黙の後、キョーコがドキドキしている心臓の音を押さえ込みながら、瞳を潤ませ、ゆっくりと口を開いた。

「私…あの、敦賀さんと、一緒にいたいです…!出来れば、あの……っきゃっ!!」

キョーコは突然蓮に力一杯抱きしめられていた。
苦しいくらいの抱擁に、キョーコは真っ赤になりながら口をパクパクさせてしまった。
暖かい蓮の腕に包まれて、蓮の想いも一緒だということが何となく伝わってきて、キョーコはドキドキしながらもキュッと蓮の服の裾を握りしめた。先ほどの緊張が嘘のように、幸福感に包まれていくのを感じながら、キョーコは深く息を吐くとゆっくりと目を閉じ口を開いた。

「…貴方と一緒にいたいです。出来れば…ずっと…ずっと…」

キョーコの言葉に答えるように、蓮は更に強くキョーコを抱きしめた。
蓮は胸がいっぱいになりながらも口を開く。

「俺もだよ。俺も、ずっと君と一緒にいたい。…おかえり。最上さん。」

「ふふ。ただいまです。敦賀さん。」

朝日の光に包まれて二人はいつまでも抱きしめ合っていた。


(続く)

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キョーコちゃん朝帰りの巻〜☆
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