My HOME-1-

2015年10月20日13:44  My HOME/スキビ!《完結》

続ける気は皆無だったのですが、皆様の怒涛の続けコールに完敗してうっかり連載ものになってしまいました!∑(゚Д゚)

こんなお話で進めて行っていいのか激しく疑問です。
ここから先って書き尽くされた感満載じゃないですか??
正解はどこに落ちてますか~?!((((;゚Д゚)))))))
誰か知ってたら教えてください!!(笑)


*****


My HOME -1-



ーーぽふん。

キョーコは正面からダイブするように、自分に充てがわれた部屋のベッドへと身を投げ出した。

軽快な音を立て軋むベッド。心地よい柔らかさの布団からはホワンと優しい香りが漂い、キョーコはほんのりと頬を染めた。

嬉しいような、くすぐったいような、恥ずかしいような変な気持ち。

一生恋なんてしないと言っていた自分はどこに行ってしまったのかと、自分で自分に呆れそうになってしまうが、それでもどうしようもない嬉しさがこみ上げるのだ。

キョーコはコロンと転がって天井を仰いだ。

「今日からここが…私の家、かぁ~…。」

部屋の天井を見つめながら、何気なくポツリと呟く。
部屋の隅には蓮がせっせと運び込んでくれたキョーコの荷物がまとめられていた。

自分の口から漏れた言葉が耳を通りノロノロと脳へと伝わると、キョーコは真っ赤になって身悶えた。

「ち、違う違う!!何言ってるのよ!キョーコ!!ここは敦賀さんのお家よ!!私の家だなんて、そんなっ!!恐れ多いっ!!借りてるだけ、お部屋を借りてるだけなんだからぁ!」

赤くなったり青くなったり、足をジタバタさせて暴れてみる。
暴れた所で、顔に集まった熱は簡単には収まってくれず、キョーコは甘い溜息を吐いた。

「ご飯…美味しいって…言ってくれた。」

食事の時に柔らかく微笑んでくれた蓮の顔を思い出す。
好きな人に食べて貰えるってこんなに嬉しいことなんだって思ってしまった。

ポーッとした顔で、蓮の寝室がある方に視線を向ける。

「敦賀さんは…どう思ってるのかなぁ?」

ただでさえ、普通の人よりプライベートな時間が少ない蓮。
人気はその忙しさにも比例する。

唯一の寛げるはずの空間に、ただの後輩がいては邪魔になるんじゃないかと不安になる。
一緒にいれて嬉しいと思ってるのは自分だけで、もしかしたらうっとおしがられるかもしれない。

「嫌だって…思われてたらどうしよう…」

今のところ、嫌われても嫌がられてもいないはずだ。
蓮の機嫌が悪い時に働くセンサーはまだここへ来て一度も反応していないのがその証拠だと思う。

あと一日、二日くらいは大丈夫なのかもしれない…でも、その後は?それが一週間も、10日も続いたらどうだろう?

プライベートな空間に、ただの後輩がいてプライペートな時間までも奪われたら、蓮も休むに休めず、不機嫌になるかもしれない。

「うぅ…そんなの嫌だな…。早く帰って来て…モー子さぁぁぁん!」

恋心を打ち明けるつもりは一生ないので、彼の特別になりたいなんてそんな大逸れた想いはないが、嫌われることだけはきっと耐えられない。

本心では出て行きたいとは思わないが、蓮から早く出ていけという無言の圧力とオーラが出る前には、何としてもここから出ていかなければとも思う。

「嫌われたく…ないもの。」

キョーコは枕を抱きしめて、そこに顔を埋めて小さな声で呟くと、蓮へ想いを馳せた。


********


ーーボスン。

蓮は自身の寝室のキングサイズのベッドへと腰掛けた。

「はぁぁぁぁーーー。」

深く漏れた溜息は酷く甘いものだった。
抑えきれないような喜びを噛み締めたような破顔だ。

自分のテリトリーに、愛しい彼女がいる。
しかもこれから数日間、一緒に過ごすことが出来るのだ。
カインとセツカとしてじゃない、素の自分と彼女の二人っきりの共同生活。
胸が踊らないはずがない。

そりゃあ多少の我慢が必要ではあるが、それもすべて彼女の為だと思えば苦ではない。それさえも甘いスパイスの様に思えてしまうのだ。

何もない日でも顔を見れる幸せ。
何の口実がなくても彼女の声が聞けて、料理まで食べられるのだ。
完全に胃袋まで掴まれている自覚がある蓮は再度深く甘い溜息を吐いた。

「はぁぁぁ~。俺、手放せるかな?」

甘い甘い二人の時間。
実際には甘さはないが、蓮にとっても彼女といれるだけで甘い時間になる。
その生活が終わりを迎える時、それを受け入れて、今までの生活に戻ることが果たして出来るのだろうか?

「ずっと…一緒にいたいな…。」

カインとセツカを終えてから会える時間が少なくなっていた蓮にとって、今回の出来事はまさに棚からぼた餅状態だ。

マネージャーの社からはからかわれるだろうが、それでもこんな機会を作ってくれたマネージャーに感謝をしなければとも思う。

視線は自然と彼女を探すかのように、彼女の使っている部屋の方角を向いていた。

目を細め、そちらの方を見つめる。

ーーーこの感情をぶつけたらきっと君は逃げてしまうだろうから、実際に言うことは出来ないけど…。

「最上…さん…。」

蓮はキョーコがいる部屋の方角の壁に向かって静かに呼びかけた。



ーーーこの気持ちは決して知られてはいけないけど…

「敦賀…さん…。」

その時キョーコも、蓮の寝室がある方角に視線を向けて呼びかけていた。

二人の視線が、実際に壁を通して絡まっているとも知らず、二人は柔らかく微笑みあった。

「君が…好きだよ。」

「貴方が、好きです。」

壁を越えて決して届くことのない声音で、二人は同時に囁くように互いへの想いを言葉に乗せた。

言葉にしてから、照れた様にぐしゃと髪を握り込み顔を崩した蓮と、枕に顔を埋め、真っ赤になって何言ってるのよ私ー!!聞かれたらどうするのよぉー!!と身悶えるキョーコ。


互いに想いあっているとは露ほども気づいていない二人の生活はまだまだこれから始まったばかり。


(つ・づ・く?)


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