なくした記憶《リクエスト番外編☆2》

2015年12月20日23:59  なくした記憶/スキビ!《完結》

更新しなかったり、今回みたいに3話をそれほど時間開けずにUPしてたりしてすみません。
本当にびっくりするくらい気まぐれ更新です(笑)


ブログ一ヶ月記念 リクエスト第五弾。(続き)
☆朱烙さんよりリクエスト☆
『なくした記憶設定で、蓮が久遠の姿でキョーコは昔の黒髪にツインテールは無理そうなので、2つくくり?の姿でオフ日にデート』

※なくした記憶シリーズでは、23話の前後くらいに当て嵌まるお話にしております。

それではレッツチャレンジ!!
後半です。お楽しみ下さいませ。


*****


なくした記憶《番外編☆2》


「ふわー!!やっぱり映画館って凄いね!!大きなスクリーンって映画の中に入り込んだような気分になって、ドキドキしっぱなしだった!!」

映画館を出たらちょうどお昼時と重なり、二人はランチでイタリアンのお店に入っていた。
頬を染めつつニコニコと楽しそうに話すキョーコを見て、蓮の顔も自然と綻ぶ。

キョーコは、蓮にドキドキし過ぎて映画に全く集中出来なかったことを隠すため、一生懸命映画の内容を思い出しながら話しをしていた。

蓮もキョーコを意識し過ぎて、映画の内容など全然覚えていかなったのだが、そんな風に映画の内容と感想を懸命に語るキョーコを蕩けるような笑みで、満足そうに相槌を打ちながら応えていた。

そんな二人の様子に、他の女性客と一部の男性客は、それぞれ目の前に自分の相手がいるにも関わらず、蓮とキョーコの醸し出す雰囲気と姿に、赤面しながら見惚れていた。
二人に目を奪われるあまり、中にはグラスの中身を零す者、知らない内にフォークを取り落としている者、口に食事を運ぶ直前で止まってる者もいたのだった。

そんな周囲の様子に気付くはずもない二人は、お互いにパスタを口に運びあったりとラブラブっぷりを周囲に撒き散らしていた。

ランチのパスタの味も申し分なく大満足でニコニコと笑顔を交わしながらイタリアンのお店を出る時には、店の客という客が2人の甘々な姿に砂を吐いていたのだった。


次に蓮がキョーコを連れてきたのは水族館だ。
これまた生まれて初めての水族館にトキメキいっぱいのキョーコに微笑みながら、蓮はキョーコの手をとって歩きだした。

中に入ったキョーコは興奮のあまりすぐに駆け出そうとするので、蓮は苦笑しながら、キョーコと手を繋いだまま後を追った。


ようやく落ち着いてきたキョーコにホッと安堵の息を吐いた蓮が、パンフレットに視線を落としたところ、イルカショーが20分後にあることを知った。
早速キョーコにそれを告げると、キョーコは飛び上がらんばかりに興奮して喜び、急に蓮の腕を抱き締めると、そのままグイグイと急かす様に引っ張って、イルカショーの会場へと向かっていった。

蓮はイルカショーに心から感謝しつつ、キョーコからの腕への抱擁に破顔していたのだった。


蓮の助言を聞き入れ、一番前で観たかったのを我慢して、真ん中くらいの位置からイルカショーをみると、蓮が最前列は危険だと言った意味が良く理解出来た。

最前列に座った親子と学生たちが水浸しになっていたのだ。

キョーコは蓮に腰を抱かれて密着した状態で座らされていた為に、またもやイルカショーに集中出来ないのではないかと思っていたのだが、イルカショーが始まると一気にそんな恥ずかしさは何処かへ飛んで行き、目を輝かせてショーを食い入るように見つめた。

「コーン!!みてみて!!凄いよ!!ほら!!」

「うん。本当だね。」

蓮もキョーコと一緒にイルカショーを幸せいっぱいの目で見つめた。

「わっ!ジャンプ!!」

キョーコは子供のようにきゃっきゃっとはしゃいでいる。

蓮はそんなキョーコを見つめ、可愛さのあまり我慢出来ずにキョーコの頬に口付けた。

「キョーコちゃん、本当にもう、可愛すぎだー!!」

蓮はキョーコを抱き締めると、キョーコの頭にグリグリと自分の頬を摺り寄せた。

「きゃ!!こ、コーン!!や、やめてってば!!恥ずかしい!!!!!」

全身真っ赤に染め上げて赤面しつつ抗議するも、蓮の大きな身体に敵うはずもなく、キョーコは蓮に抱き締められたままイルカショーを見る羽目になってしまったのだった。

あっという間にイルカショーは終わり、キョーコはぷりぷりと蓮に怒っていた。

「もー!!コーンのせいで、イルカショーが最後までちゃんと見れなかったじゃない!!」

キョーコが頬を染めて、怒りを込めた目で蓮を見上げるのだが、その瞳は若干潤んでおり、蓮は反省するどころではなく、キョーコを離すことが出来ない。

「キョーコちゃんが、可愛すぎるから悪いんだよ?」

ごめんね。と謝るつもりだったのだが、蓮の口から出た言葉は全く違う言葉だった。

キョーコは、蓮の腕の中でまたもやアタフタと顔を真っ赤にして暴れた。

「コーン!!もー!!はーなーしーてー!!」

「んー。もうちょっと。」

蓮はキョーコの髪にまたもやスリスリと頬擦りすると、頭のてっぺんに数回キスして漸く離れる。

キョーコは、顔を真っ赤に染め、口をパクパクしながら、言葉なく蓮を指差していた。

蓮はそんなキョーコの姿がおかしくて思いっきり噴き出すと、お腹を抱えて笑いだした。

顔が真っ赤のままポカポカと殴ってくるキョーコの手を、蓮は笑いを必死に収めながら取って歩きだす。

蓮はさっきのお詫びに…と言いながら、ショップでイルカのブレスレットと、イルカの指輪と、イルカのぬいぐるみを購入するとキョーコにプレゼントした。

「え?!そんな…いいです!!」

手渡そうとしたら遠慮するキョーコの手をとり、蓮は心の中で、いつか堂々と指輪を贈れる関係になりたいという思いを込めながら、キョーコの指にそっとイルカの指輪を嵌めた。
おもちゃの様に可愛い指輪を右手の薬指にされて、キョーコは目を見開いて、照れながら微笑んだ。

可愛い笑顔を向けられた蓮は一瞬無表情になるのだが、すぐにキョーコの左手をとると、薬指に口付ける。

ーーーいつかこの指に…必ず。

そう心に誓いながら唇を離すと、キョーコが真っ赤な顔のまま固まっていた。

その現場を目撃した店員や客も見事に赤面したまま砂化していた。

蓮はやり過ぎたかな??と苦笑しつつ、キョーコの手にブレスレットとイルカのぬいぐるみを持たせると、空いた手をとり、未だ真っ赤な顔のまま、呆然としているキョーコを連れて歩きだした。

水族館の中も満足するほど見て回れた2人が水族館を出ると、時刻は17時を少し過ぎたところだった。

次に蓮がキョーコを連れて向かったのは展望台だった。
蓮のマンションから見える景色よりも、高い場所から見える景色にキョーコは凄いと言ってはしゃぎながら、景色を満喫していた。

「ほら、キョーコちゃん夕陽が綺麗だよ。」

「うわぁ!!本当だ!!凄い!!素敵ね、コーン!!」

キョーコが目をキラキラさせながら外の景色を見るので、蓮は嬉しそうな顔でキョーコを見つめ、そっと後ろからキョーコを抱き締めた。

キョーコが驚いて固まるのだが、蓮はキョーコの頬に自分の頬をくっ付けて同じ高さで景色を眺めた。

「こうやって見ると、おんなじ目線になるね?」

嬉しそうに言う蓮に、キョーコはドキドキと心臓を早めながら、平気なふりして景色を見る。

ーーーずっとコーンとこんな風に一緒にいたい…。

キョーコの中で蓮への思いが深まる。
キョーコはそっと、蓮が腰に回している手に自分の手を重ねた。

蓮はそれに気付くと、さらにキョーコを抱き締める腕に力を込める。


ーーーこんな風に一緒にいられるのはいつまでなのか…。

2人はそれぞれ、同じ想いを胸に夕陽を眺めた。



「本当に高いですね!!街がミニチュアみたいです。」

「うん。そうだね。…もっと高いところから見たい?」

蓮がキョーコから頬を外しながら、イタズラっぽく微笑むのに気付かず、キョーコは驚いた顔で蓮を振り返った。

「え?!見たい!!見れるの?!…きゃ!!」

キョーコの目が輝いたのを見た蓮は、キョーコをそのまま抱き上げると、自分の腕に座らせるようにキョーコを抱き上げた。
慌てて蓮に抱きつくキョーコだが、ちょうど胸の位置に蓮の顔があり、わたわたしながら顔から離れた。

暴れるキョーコを宥めて、蓮は外の景色をキョーコに見せた。

「ほら、さっきよりも高いだろう?」

嬉しそうにいう蓮に、キョーコは微笑んで答えた。

「うん!ほんとだ!凄く高いねコーン!!凄く、綺麗!!」

夕陽は落ちて、空には沢山の星が出ており、街にも光が溢れていた。

キョーコは蓮の腕に抱えられてることも忘れて、景色を眺めた。

そんなキョーコを満足そうに見上げている蓮の笑顔は相変わらず物凄い破壊力を持っており、2人に見惚れて固まる人が続出したのは言うまでもないだろう。

一通り景色を堪能した2人は、蓮が予約していた高級レストランへと入っていった。
あまりにも場違いに感じたキョーコが気後れするが、ここはハンバーグが有名なんだ。という蓮の言葉を聞き、キョーコは入る決心をした。

しかし、自分が入るには場違いと感じるくらい高級な雰囲気にキョーコは怖気付き、蓮に隠れるようにピッタリくっ付いて、こそこそと奥へと進む。

個室に通されたことで、ようやくキョーコが安堵のため息を吐くと、目の前の蓮が楽しそうにクスクス笑ながらキョーコを優しい目で見つめていた。

今日何度目かわからないくらい跳ねてる心臓がまたもや跳ね、キョーコは心の中で嘆いた。

ーーーもーー!!コーンってば本当に、どこにいても、心臓に悪いわよ!!

真っ赤な顔のまま下を向いてしまったキョーコの顔を静かに見つめ続ける蓮。

ーーー本当にキョーコちゃんは可愛いな。ずっと人目につかない所に閉じ込めて置いておきたいくらいだ。

キョーコが蓮をチラリと見る。
いつも以上に落ち着かない気持ちにさせられるのは、蓮の容姿がいつもと違うからかもしれない。

これが本来の蓮の姿なのだと思うと、キョーコの心臓はドキドキと高鳴り出す。

あの澄んだ碧目から見つめられると、心の中まで見透かされるようで、このまま今日が終わらなければいいと思ってしまう心が読まれるのではないかとドキドキしていた。


運ばれて来たハンバーグの味は想像以上で、キョーコはホクホクと顔を綻ばせて食べている。
蓮は昔、キョーコと一緒にハンバーグ王国を作ったことを思い出し、必死で笑いを噛み締めていた。

そしてやっぱり蓮も思うのだった。

今日この日のこの時間が終わらないで欲しいと。


いつまでも、君と一緒に…。
こんな和やかな時を共に過ごしたい…。


キョーコも蓮もそんな風に思いながら、帰路についた。
2人は手を握り合ったまま、無言で歩く。

蓮は一度髪型を元に戻さなければいけない為、キョーコをマンションまで送り届けると、社長と待ち合わせた所にいかなければいけなかった。

マンションの自分の部屋の最上階まで手を繋いだまま向かい見送りを済ませた蓮は、後ろ髪を引かれる思いで、その場を離れようとした。
しかし、キョーコが蓮の服の裾をクイっと掴み、蓮を引き止めた。

キョーコは真っ赤な顔のまま、デートの礼を述べる。

「あ、あの!きょ、今日は本当に一日中とっても楽しかったです!!あの、本当はずっとこのまま時間が止まって欲しいなって思うくらい楽しい時間がいっぱいありました!!コーン、今日は誘ってくれて、本当にありがとう!!」

そう言ってにっこり笑ったキョーコが蓮には本物の天使に見えて、眩しげに目を細めて微笑み返した。

「俺も、凄く楽しかったよ。」

「それで、あの、今日は沢山、コーンには色々な所に連れていってもらったり、買ってもらったりしたので、あの…お礼をしたいんです!!」

「いいよ。俺がしたくてしたことだし、買ったのもキョーコちゃんに喜んでもらえるの見て、俺が嬉しいからなんだ。」

蓮はお礼なんかいいよ。と優しく微笑むが、キョーコはそんな訳にはいきません!!と、ブンブンと首を振る。

それをみた蓮が、キョーコは仕事としてデートに付き合ってくれたのだろうか…と少しだけさみしそうに微笑み、困ったように言った。

「でも、お礼っていったって…いつもご飯作ってくれたりしてるし…」

それで充分だよ?と言おうとした蓮の服の裾をキョーコがまた、今度は強めに引くと、若干蓮の身体が傾いた。

すると蓮の頬に柔らかい何かが当たった。

ちゅっと言う、可愛らしい小さな音を立てて離れた柔らかい何かが、キョーコの唇だと気付いたのは、数十秒フリーズした後だった。

「………え?」

たっぷりと間を空けて蓮の口から漏れた間抜けな音は、キョーコの慌てた言葉にちょうど掻き消された。

「あ、あああの!思いついたお礼がこんなことしか浮かばずにすみません!!迷惑だよね!!ご、ごめんね!!」

「え?!いや…全然!!あの、ごめん。あの、一瞬何が起こったのかわからなくて、その、こんなお礼がもらえるとは思いもしなくて、凄く、凄く嬉しいよ!!嬉し過ぎて思考がとまっちゃったんだ!本当にごめん。」

涙目で謝罪しようとするキョーコに慌てて蓮も答える。
互いに慌てつつ、謝罪しあう。

しばらくアタフタした2人がようやく落ち着くと、お互いの慌てぶりに可笑しそうに笑いあった。

「ふふふ、ありがとうコーン!また行きたいね!」

「うん!こちらこそありがとうキョーコちゃん!また、色々な所に一緒に行こうね!」

最後は2人で微笑み合い、抱き合うと、互いの頬にキスをして、2人はわかれた。

「明日も仕事だろうから、先に寝てて良いからね。お休みキョーコちゃん。」

「うん。お休みコーン。気を付けて帰って来てね。」


こうして2人の初デートは互いの心に秘めた想いを隠したまま、幕が閉じたのだった。


END

※なくした記憶の本編はまだまだ続きます。朱烙さんのリクエストの番外編はこれにて終了です。

スキビ☆ランキング

*****


と、言う訳で、いかがでしたでしょうか?!朱烙様!!

始めて2人のデートを書いたこともあり、楽しみ過ぎてダラダラと書いてしまいましたよー!!
いやぁ!参りました!!
2人のデートコースに悩みまくりましたもん!

本当は某有名なテーマパークとかにしようかとも思ったのですが、いきなりのデートで…と思うところもあり、キョーコちゃんは友達がいなかったこととか、唯一の肉親の母親と小さな頃から不仲だったことを考えると、誰かと遊びに行く普通のことをしたことないんじゃないかなぁ?と思ったので、映画館とか、水族館とか展望台に連れていってみました!
ふふふ、暴走しまくりの話ですみません。(←とか言いつつ反省の色はございません。)

お楽しみ頂けた方がいたら幸いです。


※Amebaで2011/12/20に公開した話を若干訂正したものです。

わ!丁度4年きっかり前ですね!!
なんてこったー!!(汗)
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