ハッピープレゼント

2015年12月25日05:00  短編(原作寄り)/スキビ!

2015.12.25!
キョーコちゃんお誕生日おめでとうございます〜♪♪♪

…ということで、今年は書く予定なかったんですが、頂いたコメントの中に、もうすぐクリスマスですねー。ふふふ。と言うキョコ誕を匂わせるメッセージを頂いてしまったので、あら?やっぱり書いた方がいい?なんて思って慌てて書いちゃいました(笑)

お楽しみ頂けたら幸いです。


*****


ハッピープレゼント


「ん…」

キョーコは深い眠りから引き上げられるように目が覚めた。
気持ちよくスッキリとした朝だ。

布団から腕を出して大きく伸びをしたことで、腕がとても肌寒いことに気付いた。

慌てて腕を布団の中に入れ、一度寝返りを打つ。
また心地よい眠りに誘われそうになってウトウトしかけたところで、キョーコはハタと目を見開いた。
目の前に広がる肌色の壁。

はて?これはなんだろうと手を伸ばしかけたところで、キョーコの身体は突然グイッと壁に押し付けられた。

「きゃ!」

小さな可愛い悲鳴が響くと、頭上から低く魅惑的な声が響いた。

「おはよう。キョーコ。」

言葉とともに響くように僅かに震える胸元。
声の発信源を恐る恐る見上げて、キョーコは目を見開いた。

そこには、この世の悪しき者が全て裸足で逃げ出してしまうような神々しい笑顔を浮かべた蓮がいたのだ。

固まってしまったキョーコに構わず、蓮はキョーコのおでこに一つキスを落とすと、再びしっかりとキョーコを抱きしめ直し、足を絡めた。

キョーコはフルフルと震える。

「き…」

「き?」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「?!」

突然のキョーコの絶叫に蓮は驚く。

キョーコは今のこの状況に混乱しているのかわたわたと蓮から離れようと暴れるも、蓮はそんなキョーコに驚きながらも離す気はないらしく、しっかりと抱きしめていた。

「は、裸同士?!敦賀さんと?!なんで?!なんでこんなことに?!」

一生懸命思い出そうとするも中々理由を思い出せない。

「…もしかして…覚えてないの?昨日のこと…」

蓮に問われ、キョーコは衝撃で吹っ飛んでしまった記憶の糸を必死で手繰り寄せた。

*
*
*

「敦賀さんが好きです。」

淡いピンク色のフェミニンなドレスを身に纏ったキョーコの言葉に、蓮が大きく目を見開いた。

「…え?」

「だからあの、この腕時計のプレゼントもとっても嬉しいです。宝物にします。これからも応援してますので、後輩として今後ともご指導のほどよろしくお願いします。」

ペコっと頭を下げたキョーコがあっさり去ってしまいそうなのを、慌てて蓮が手を取って引き止めた。

「待って!」

「は、はい?!なんでしょう?!」

「今、好きって言った?!君が俺を?!」

「言いましたけど、ただの後輩の戯言ですので、聞き逃していただいて…」

「いや、聞き逃すなんて出来るはずないだろう?」

「っ!!」

蓮の言葉に、キョーコの顔がショックで歪む。
グッと唇を噛み締め、震えだしたキョーコを、蓮は構わず引き寄せて胸に抱きしめた。

「きゃ!…え?!ちょっと敦賀さん?!」

蓮の行動に周囲から黄色い悲鳴が上がった。

今、蓮とキョーコは足長おじさん主催のグレイトフルパーティに参加中なのだ。
25日になった瞬間、蓮からお誕生日おめでとうの言葉とプレゼントが贈られるのが、ここ数年恒例になっていて、蓮がプレゼントを渡した後、キョーコが蓮に好きだと告白したのだ。

キョーコも沢山の女性の悲鳴に驚いて慌てて離れようとするが、それは蓮によって阻まれた。

「あ、あの、離し…」

「好きな子から好きって言われて、聞き流す馬鹿が何処にいる?」

「へ?」

蓮の言葉の意味がわからず、思わず暴れるのをやめキョーコは蓮を見上げた。

「だから、俺も君が好きだと言っている。」

「????」

蓮が自分のことを好きな可能性など微塵も思っていないキョーコには、蓮のストレートな愛の言葉が恐ろしいほど全く通じなかった。
頭に沢山の疑問符を浮かべてポカンと見上げてくるキョーコに蓮は焦れる。

「君も俺を好きなら、両想いってことだろ?」

「?…はぁ…。」

イマイチ的を得ないキョーコに、蓮の中で何かがブチンと切れた。

「わかった。君が頭で理解してくれないなら、身体に教えてあげるよ。」

「????」

「じゃあ行こうか。」

「へ?何処に?」

急に蓮が強い力でキョーコの腕を引いて歩き出したので、キョーコは慌てて駆け足でついていきながら、その背中に呼びかけた。
すると出口付近で蓮が立ち止まった。

「おい!蓮!!」

「敦賀さん!」

「社さん、琴南さん…退いてください!」

「蓮、お前たちの恋愛だ。俺があれこれ言う義理はない。だがこれだけは言わせてくれ。キョーコちゃんも今日から20歳で問題はないとはいえ、まだ成人したばかりだ。合意を取り付けてからにしろ!そして無理はさせるなよ。」

「敦賀さん。キョーコをよろしくお願いします。でも、泣かせたら許しませんから!あと、キョーコこれ。私からのプレゼント!」

「あ、ありがとう。モー子さん。」

「…わかりました。」

「頑張れ!蓮!!明日は2人ともオフだからな!明後日の報告期待してるぞ。」

「ありがとうございます!」

「キョーコ。幸せになりなさい。」

「え?モー子さん?」

2人に背中を押され、会場を後にした蓮はまだよくわかってないキョーコを自分の車の助手席に押し込んだ。

「えっと…敦賀さん?まだパーティは…」

「とりあえず俺のマンションに行くから。話はそれから…」

「はぁ…」

キョーコは蓮が運転している横顔をちらりと盗み見て、先ほど言われた言葉を振り返っていた。

ーーー敦賀さんが私を好き…?いやいやいや、ないない。そんな都合のいいことあるはずない。

キョーコはまず1番最初にその過ぎった考えを頭を振って否定した。

ーーー君って言ってた気がするけど…それは私のことじゃないわ。キミちゃん?キミちゃんって子のことが好きなのかしら?あれ?でもなら何でキミちゃんの代わりに私を連れてきちゃったのかしら?…それにしてもキミちゃんって…誰なのかしら?

キョーコが全く意味不明な思考の坩堝にはまっている中で、目的地に着いた車が止まった。

「着いたよ。」

蓮から声が掛かって、キョーコはハッと思考の中から現実世界に戻ると、慌ててシートベルトを外して車から降りた。

「あの…」

「部屋に着いてからね。」

蓮はその一言でキョーコの言葉を封じ込めて、スマートな仕草でキョーコの手を握ると部屋を目指して歩き出す。

漸く着いた玄関を潜り抜けたところで、蓮はキョーコを壁に押し付けると、キョーコが驚いている隙に唇を奪った。

閉じられた瞼に長い睫毛が乗っていて、間近にあるそれをキョーコは呆然と見つめていた。

唇同士が離れるときに、ちゅという音が響いて、漸くキスをされたのだと合点がいった。

「え…」

キョーコが驚いているところでもう一度、蓮から口付けられる。
先ほどよりもちょっと苦しくなるような食べられるようなキスにキョーコは翻弄された。

「ん…ふぁ…」

時折漏れる可愛い声に蓮の理性がグラグラと揺れる。
蓮はいつの間にか腰が立たなくなったキョーコを抱き上げてキスをしながら器用な動作で靴を脱がせると、自身の寝室に向かった。

キョーコをそっとベッドに降ろし、自身もその上にのしかかりながらも想像以上に甘く高揚するキスをやめられず続行する。
キョーコもベッドに降ろされたことが分かりながらも、舌を絡め取られているので、言葉を発することさえ出来なかった。

舌と唇が互いに触れ合っている感覚すらも麻痺するほど、続けられたキスは、余韻を楽しむようにゆっくりと離れていった。
そして互いに肩で息をしながら、蓮と向き合った。
愛おしげに見つめられ、キョーコの心臓がバクバクと音を立てる。

そっと頬を大きな手で包み込まれ、今度は優しいキスを落とし、微笑んで尋ねられた。

「わかってくれた?」

「え…?」

「俺も君が好きだってこと…」

相変わらず煩い心臓を胸で押さえながら、ボンッと顔が真っ赤になったが、それでも俄かには信じられず、キョーコの目が泳いだ。
蓮はキョーコのその反応からキョーコの思考を瞬時に読み取ると、無表情でキョーコを見下ろした。

「まだ…足りないみたいだね。」

「…っ!」

蓮の言葉にキョーコが返事をするよりも前に、蓮はまたキョーコの唇を奪う。
しかし、今度は唇だけではなかった。キョーコの肌の上に唇を滑らせて、顔中にキスを落とすと、今度は耳元に息を吹き込んだのだ。

「最上さんが好きだ…愛してる。」

魅惑の低音ボイスで耳に直接吹き込まれ、キョーコはブルリと身震いした。
そのままキョーコの耳を口に含み舌を差し込む蓮の行動に、キョーコは全身に電流が走るような衝撃を受けながら身悶えた。

「や…そんな…汚…」

耳を思う存分弄んだ蓮は、そのまま首筋に唇を這わせるとゆっくり味わうように動きそしてそっと吸い上げた。

「ふぅ…あ…」

「ヤバイな…止まれない…」

「あぁ!いった…」

「ごめん。痛かったよね?でも、ちゃんと付いたよ。俺のシルシ。」

「敦賀さんの…?」

「そう。最上さんが俺のものだっていうシルシ。」

「私が…敦賀さんの…?」

キョーコの目にじわりと涙が滲んだ。

「嘘…だってそんなはず…ない…」

「どうして…?」

「だって私は敦賀さんにとって対象外だもの…」

「何で?」

「だって…代マネした時も、頬にキス…の時も、ダークムーンのインタビューの前も敦賀さんは私が対象外だって…」

「本当に…?俺そんなこと言った?」

「…直接は言ってないですけど、そういうニュアンスでした!君には何もしないって…頬にキスぐらいで狼狽えちゃう私はお子様だって…」

蓮は深くため息を吐いた。過去の自分の行動がまさかここまでキョーコの恋愛曲解思考を拗らせていたとは思いもしてなかったのだ。

「何年も前の話だろう?あの頃は大切な人は作れないって自分で必死に枷を付けてたんだ。君のことを好きになったのもダークムーンの時だけど、俺は自分が幸せになることは許せなかった。それに頬にキスをした後の君は、演技が出来なくなるほど坩堝にはまってて凄く可愛かったけど、可哀想だったから、あんなことを言ったんだ。あれくらいでこんな反応するなんて…ってね。」

キョーコは蓮の言葉に信じられないというように目を見開いた。

「ダークムーンの…時、から…?」

「そうだよ。ある鶏のマスコットに言われてね。俺が君に抱く想い、それが恋だと。言われた時は鶏のくせに偉そうにと思ったけど、その夜君とダークムーンごっこをして自覚した。そして君への恋心がなければ、ダークムーンの嘉月は演じることが出来なかった。」

蓮の言葉は信じられないことばかりだった。
そんなことがあるのだろうか?
蓮が自分を…?
嘘だという自分と、信じたいという自分がせめぎ合っていた。

「好きだというなら…証拠を…証拠を見せてください。」

「証拠って、どんな?何でもするよ。」

キョーコは暫く迷ったのち、真っ赤な顔のまま蓮をキッと睨んで言った。

「抱いて下さい。」

今度は蓮が目を丸々と見開く番だった。
ゴクンと唾液を無理やり飲み込み確認する。

「……いいの?」

「好きだと言うなら、抱いて下さい。私を…女として見てくださってるなら…」

「本当にいいの?後戻りは出来ないよ?途中で辞めてって言われてもやめられないかも…。」

「覚悟の上です。」

キョーコはこれから切腹する武士のように腹を括った顔で蓮を見据えた。
蓮の顔が甘く溶ける。

「じゃあ、抱くよ?君を…。身も心も俺のものにしちゃっていいんだね?」

「敦賀さんなら…構いません。」

「ありがとう。キョーコ…。愛してる。君の全てが欲しい。だからもらうね?」

蓮は再び深く口付け、そしてキョーコを貪り尽くすかのように激しく抱いたのだった。

*
*
*

「ぁ…。」

全てを思い出したキョーコの顔が羞恥に赤く染まる。

「思い出した?」

「はひ…。」

「じゃあ聞くけど、俺が君を好きなのはちゃんと証明できたのかな?」

キョーコはコクコクと必死に頷いた。
蓮の愛を全身に叩き込まれたのだからここで拒否の言葉を発する勇気などなかった。

「良かった。じゃあ改めて、ハッピーバースデーキョーコ。」

蓮がキョーコの額にチュッとキスを落とした。

「…ありがとうございます。世界一のプレゼント…頂いちゃいましたね。」

えへへ。とハニカムキョーコの笑顔に沢山の花が飛ぶ。

「世界一のプレゼント?」

「はい。敦賀さんの心です。」

蓮はキョーコの答えを聞いて妖しく微笑むと、そっとキョーコの耳元に唇を近づけ甘い声で囁いた。

「心だけじゃなくて、カラダもね?」

そうして赤くなって固まったキョーコに再び唇を重ねる。

甘く蕩けるクリスマスの朝。
キョーコ20歳の誕生日。

窓の外で降り積もっている雪は、本当は雪ではなく、舐めたら甘い粉砂糖になっているかもしれない。


END

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*****


ということで、改めまして。
キョーコちゃんお誕生日おめでとう〜♪&皆様、メリークリスマス♪

皆さんにとってハッピープレゼントになってたらいいな〜と思いつつ、クリスマスの朝に投稿です。

素敵なクリスマスをお過ごし下さい☆
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