拍手お礼〈40〉*

こんにちは。いつもご訪問有難うございます!

久々の拍手お礼です♪

【恋の季節は…9《夜はまた一段と冷え込むでしょう》】

kit◼︎e☆on様→コメント有難うございます!学園ならではの構想は色々あるので、形にできるよう頑張ります〜♪

【My HOME-30-《完結》】
ケ◎様→コメント有難うございます!忍耐力のある蓮様も良いですよね!萌えツボつけたようで嬉しいです♪

【恋の季節は…10《冬の寒さが戻ってくるでしょう》】
雪菜様→コメント有難うございます!もどかしい2人を悶々と楽しんでいただけるように頑張ります〜♪

【月夜の契り*4*】
かばぷー様→コメント有難うございます!ほんとにようやく繋がりました♪クオンちゃんのキョーコちゃんへの愛はきっと恐怖なんて吹き飛ばしてくれる破壊力があると信じてます♪これからも楽しんで貰えるよう頑張ります〜((*´∀`*))

***

続いてアメーバ記事への拍手お礼です。

【一周年記念】
雪菜様→蓮様がキョーコを守るシーンは想像するだけでキュンキュンしますよね!

【運命の歯車〜その後の二人の歯車〜】
名無し様→甘いお話はたまにすごく欲しくなりますよね!

【貴方と出逢うその日の為に《前編》】
名無し様→好きなお話で嬉しいです♪最後までお楽しみ頂けていれば幸いです( *´艸`)


***

続いて別館への拍手お礼です。

【撮影風景①『人形のオンナ』】
名無し様→入り込んで頂けて嬉しいです!蓮様御愁傷様です!って感じですよね!

【撮影風景⑤『人形のオンナ』】
名無し様→本気を出した2人はきっと役者仲間としても最強コンビですよね!


本当にたくさんの拍手を有難うございました!!
休み休みでしかお話書けてませんが、休み休みでも書けるときに書いていくように心掛けます♪
さて、拍手総数も7777を超えたので、シークレットサプライズの続きSSSをお届けします♪


******


敦賀さんの不思議体験*19*


〈その敦賀さんって人のことが…好き…なの?〉

『え…?!』

蓮の質問を聞いた瞬間、キョーコの顔が図星だと告げるように一瞬にしてボンッと真っ赤になった。

蓮はキョーコの反応に丸々と目を見開く。

『な、なななななんで?!私ったらそんなにわかりやすい?!』

キョーコが真っ赤な顔で狼狽える。

〈いや、だって…そんな隠し撮りの写真が宝物だって言われたらそうとしか…〉

ーーー嘘だろ?!本当に?!本当に彼女が俺のことを?!

キョーコは困った顔でううっ…と呻いて、そして恥ずかしそうに蓮にチラリンと視線を向けた。

『内緒…だからね…?』

その凶悪的なキョーコの可愛さに、蓮は己の脳内細胞が破壊される音を聞いたのだった。


(続く)

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******

続きはまだいつ公開するか未定です!
キリのよさげなところで考えますね((*´∀`*))

月夜の契り*4*(限定)

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月夜の契り*3*(限定)

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月夜の契り*2*

月夜の契り*2*


「あ、貴方達は一体…!」

キョーコは学校からの帰宅途中、突然人通りの少ないトンネルの途中で複数の妖しげな男達にぞろりと取り囲まれていた。

「え?レイノくんホントに本当?これがあの噂の?」

「間違いない。しっかりあの男にマーキングされている。」

「噂だけ聞いたら、もっとこう、ほら、絶世の美女とかだと思ってたんだけど…」

「こんなののどこが良いわけ?」

「よくわからない趣味だよね。」

「はは。俺だったら絶対パス〜。ありえねー!」

煌びやかで見目麗しい男達はキョーコを取り囲んだまま好き勝手なことを口にする。
そのビジュアルの良さに最初は圧倒されていたキョーコだったが、なんとなく自分を見て馬鹿にされてることだけはよくわかった。

「あの、特に用がないのなら失礼させていただきますね?」

初対面の相手に向かって失礼なことを言う人たちだと、キョーコは青筋一つ立てつつも、女将修行の成果、愛想笑いでスススとさり気なく立ち去ろうと試みる。
男達の姿格好、そして醸し出す雰囲気から、一緒にいたら危ない、危険だということが目に見えていた。

特にリーダー格と思われるレイノと呼ばれた男は只者ではないオーラが尋常ではないほど出ていた。
キョーコはこの男から無表情でジィッと瞬き一つせずにジロジロと上から下まで眺められると、何故か服の中まで全てを見透かされ、透視されてるような気がしてならなかった。
とても居心地の悪さを感じて、一刻も早く逃げなければと思った瞬間、無表情だったレイノの口角が不意に二イッと弧を描くように形を変えた。

その瞬間、キョーコの全身に悪寒が走り、何故か金縛りにあったかのようにピキンと動けなくなってしまった。
頭の中では危険を知らせる警報がけたたましいくらいに鳴り響いているのに、蛇に睨まれた蛙のように一歩も動けず、声も出ない。
心臓だけがドクドクと心拍数を上げていた。

レイノが勿体ぶるように一歩、また一歩とキョーコに近づく。
キョーコは顔面蒼白で震えることも叶わず、その場に根が生えたかのように立ち尽くしていた。

「確かに…容姿はイマイチだが、コレに流れる血は極上のようだ。なぁ、キョーコ。」

先の尖った長く鋭い爪がスゥッとキョーコの髪を滑り、頰に触れた。
そのままキョーコの背後に気配もなくスイッと回り込んだレイノは制服の裾から無遠慮に手を突っ込み、あろうことかキョーコの素肌に模様を描くように爪を滑らせる。
声を出して助けを呼ぶこともできず、キョーコは恐怖を感じるしか出来ない。

「良い子だ…。楽しみだな。コレが奪われたと知った時、あの男がどんな顔をするのか…」

喉の奥でクッと嗤ったレイノがキョーコの首に牙を突き立てようとした瞬間、レイノはビリっと電気が走ったような衝撃を受け、慌ててキョーコから手を離し、3メートルほど飛び退いた。

キョーコの呪縛は解けたが、その身は体温を感じることができないほど恐怖で震えていた。
自由になったことがわかった瞬間、足からガクリと力が抜けたようだったが、その身体は正面から誰かに抱きとめられた。
キョーコは誰に支えられているのかわからなかったが、直感的に安心出来るぬくもりだと感じとり、どうしようもない恐怖に突き落とされないように、震える手で力一杯縋り付く。

キョーコを抱き締めたまま尋常ではない怒りのオーラを放つ男は、レイノを鋭い目つきで睨みつけていた。
その男を警戒するように、レイノはジリジリと後ずさりしながら、顔を強張らせる。

「これはこれは、クオン殿下ではありませんか。ご機嫌ーー…」

「名を名乗れ。」

クオンは怯えるキョーコを腕の中に抱きしめたまま、眼光鋭くレイノを睨みつけた。
唸るように問われたレイノは苦々しげに口を開く。

「…私の名はレイノです、殿下。」

「この娘に何をしようとしていた!!答えろ!」

クオンの怒りの波動にレイノは少しまた後ずさりしたが、その顔には何故か不敵な笑みが浮かんでいた。

「クッ。やはりな。よほどのお気に入りと見える。その娘に付けられたあんたの強烈なマーキング。キョーコにとっても不幸なは…グハッ」

突然、レイノが喉を抑えて苦しみ悶え始めた。
キョーコを怯えさせた男に対して、クオンの怒りはピークに達していたため、冷静に話を聞くことが出来なかった。

「キョーコだと!?馴れ馴れしく呼ぶな。」

それを見かねて、レイノと一緒にキョーコを取り囲んでいたロン毛の男が前に進み出ると、クオンの気を引くように仰々しくも礼を取った。

「殿下。お初にお目にかかります。わたくしの名はミロク。このレイノのお目付役でございます。」

「お目付役か…。では貴様に聞こう。何を企んでいる?」

「殿下、貴方の力は偉大なもの。しかしながら、私共は貴方をお慕いするあまり、その地位がどうしても欲しくなりましてね。」

「なに…?」

「ふ。これも計画の内。まぁ予定していた以上に貴方の到着が早かったのですがね。でも、本当のお楽しみはこれからなのですよ、殿下。…さて、おしゃべりはこのくらいにしましょう。うちのレイノはこれ以上今の貴方の力に耐えられそうにない。失敬。」

そう言い残して、その複数の男達は突然忽然と姿を消した。

「な?!」

キョーコを抱えているため、追うこともできず、クオンはチッと舌打ちした。

「逃げ足の速い…。レイノとミロクか…。あちらは他に調べさせるとしよう。おっと。」

キョーコはレイノの気配がなくなったことに安心したのか、クオンの腕の中で糸が切れたように気を失った。

「くそっ。まさかこんなことになるとは…。油断した。」

クオンは深々とため息を吐いた。
そこへ一匹の黒猫が走って近づいて来た。
同時にどこかからか羽音も聞こえる。

「…してやられた。俺の地位を狙ってるという奴らがキョーコを奪いに来た。キョーコをこのまま一人にしておくのは危険だ。」

独り言を言ってるかに思えたが、その猫は一瞬にして一人の女性へと姿を変えた。
そこに立っていたのは、クオンの腕の中で気を失っているはずのキョーコと瓜二つの女性だった。
しかし、クオンは顔色一つ変えず、瓜二つの偽キョーコを見つめた。
見つめられた偽キョーコは、ニッと笑ってポーズを決める。

「わかったわ。じゃあ、クオンちゃんはこの子をしっかり守ること。この子の代わりはこのテンちゃんに、まっかせなさーい!」

「…頼む。」

そしてクオンはトンネルの真っ暗な天井を見上げた。

「ヤシロ。話は聞いていたな。キョーコを我が屋敷へ迎え入れたい。その準備を。」

すると真っ暗なトンネルの天井から「わかった。」と短い返事ののち、何かが飛び立つバサバサという羽音のみが聞こえた。

クオンはキョーコを大切そうに抱えるとその場から闇へ溶けるように姿を消した。


(続く)

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*****

この続きも書いていたのだけど、思いの外長くなっちゃったので取りあえずここで区切ることになりました。
多分この続きは万人ウケする内容ではないと思うので、今のところ限定にする予定です〜!

スキビキャラの中でもやはりレイノさんは苦手意識があります…!
なんかこの流れだとまた何処かで登場させなきゃいけない感じ。
さーどうしましょ!

ヴァンパイアの細かい設定は完全オリジナルなので、そんなバカな!と思うことがあっても、風月ワールドではこうなるんだなーとあたたか〜い目で楽しんでいただけたら嬉しいです。

月夜の契り*1*

月夜の契り*プロローグ*のつづきです。
お待ちの方いらっしゃるか不明ですが、自己満を満たすためアップ!

お楽しみいただけたら幸いです。

*****


月夜の契り*1*


「こら!廊下を走るな!!」

「「はぁーい」」

「きゃー!注意されちゃった。」

「ふふ。今日はいいことあるかもね?」

「ったく…」

嬉しそうに早足で歩き去る女生徒を見送って注意した教師が深いため息を吐く。

「ははは。注意して喜ばれるなんてお前くらいだよ。羨ましいね〜蓮。」

「社さん…」

「で?昨夜はちゃんと飯食えたのか?」

「えぇ。お陰様で。もう授業中に倒れたりしませんから安心してください。」

二人は仲良く並び歩いて互いに軽口を交わす。
蓮と呼ばれたこの男、敦賀蓮はこの学校の教師で3年2組の担任で受け持ち教科は化学。
同時に学年主任も任されている。
社と呼ばれた教師も充分美形なのだが、それ以上に蓮は芸能人でも太刀打ち出来ないほどの美形で、校内にファンクラブが存在するくらいだ。
卒業した生徒達も蓮会いたさに何度も学校まで顔を出しに来るほどだった。

そしてこの二人が親しげなのは高校時代から付き合いがあり、大学も同じだったので先輩後輩の仲だからだ。
社は蓮の3学年上の先輩だったから、よく飲みにも連れていってもらっていた。

「あ、最上!」

廊下ですれ違おうとした生徒に蓮は慌てて声をかけた。

一人ボンヤリと窓の外を眺めていた最上と呼ばれた少女が振り返る。

彼女の名前は最上キョーコ。
春から蓮の受け持つクラスの生徒となったこの進学校で学校一の才女だ。
綺麗な黒髪は肩で揃っていて、旅館育ちということもあって、他の少女達と比べて所作も美しく、姿勢良く背筋もピンと伸びていて、他にはない独特の空気を背負っている。

大きな目をキョトンとさせて振り返ったキョーコに、蓮の心臓がトクンと密かに跳ねる。

「先生…どうかされましたか?」

「あぁ、今日お前が提出した進路希望について話がある。放課後、生徒指導室な。」

「…はい。わかりました。」

キョーコは蓮に返事を返すと、窓から離れ、教室へ向かって歩き出した。
その背中を蓮は暫し魅入っていた。
そしていつまでも見つめていそうな己に気付いて慌ててその視線を引き剥がした。
すぐ隣ではニヤニヤと遊びモードの顔をした社が立っていて、蓮は無表情を瞬時に作り出すと、足早に歩き出した。

「むふふ。れ〜ん〜、いい子だよな〜。最上さん。」

「えぇ、皆のお手本になるような良い生徒です。」

「後で進路指導室、ねぇ〜…?」

ニヤニヤと面白そうにからかう社は、ここのところキョーコが絡むとしつこいくらいにいじくって来る。

「社さん、相手は生徒ですよ?何でそんなにニヤニヤしてるんですか!」

「いやいや、生徒と先生なんて…禁断っぽいだろ?学校一の色男のお前と才女の恋。くーっ!堪らないね!」

「ちょっと…やめて下さいよ。そんなつもり有りませんからっ!」

「いーや、お前は絶対気がある!あんな風にぼうっと見惚れるお前を見るのは最上さんが目の前にいる時だけだ。」

「馬鹿なこと言ってないで行きますよ。」

蓮は昼休み明けの最初の授業を受け持つ為、準備室で白衣に袖を通し化学室の扉を開けた。
ざわざわとしていた生徒達は蓮が入ってきたことでピタッと静まり、慌てて席に着く。蓮は挨拶をしていつも通り出欠を取り授業を始めたのだった。


放課後、流行る気持ちを抑えて進路指導室へと向かう。
キョーコはすでに来ていて、椅子に座って待っていた。
蓮が来たことで慌てて立ち上がる。

「悪い。遅くなった。」

「いえ…。」

先ほど社に言われた教師と生徒なんて禁断っぽいという言葉を思い出して、蓮は何故か2人っきりの室内にドギマギしてしまう。

扉を閉めるか迷ったが、進路指導室というデリケートな内容を話すのに、中途半端に開いて他人に聞かれてしまうのも良くないと結論付てしっかりと閉める。
キョーコに椅子に掛けるように促して、自分も腰を下ろした。
小さな椅子は蓮の長い足にはかなり窮屈ではあるが、そんなことで文句も言ってられない。

「それで、これはどういうつもりなんだ?」

蓮はキョーコの提出した進路希望表を出してトントンと指で示した。

「高校生にもなって、進路希望が『お嫁さん』だなんて…。何を考えてる?」

「…正直な気持ちを書いただけです。」

「最上の頭なら有名な大学だって推薦で行ける。日本だけじゃない。海外の大学でだって通用するだろう。何でも好きな勉強が出来る。何かあるだろう?なりたいものとか…。」

「特に行きたい大学もないですし、勉強して極めたいと思うこともありません。唯一のなりたいものがお嫁さんなんです!」

「はぁ…最上、お前…。大体お嫁さんって一体誰の…」

キョーコは俯いてしまった。
もしかして、もしかしてだが、自分の気を引きたくてこんな希望表を出したなんてことはないだろうか…?なんてふとありもしないであろうことが頭に浮かんだ。

しかし、蓮の頭はもしそうだったら?と勝手に思考を始め、蓮はゴクリと生唾を飲んだ。

ーーーそしたら、、どうする…?いや、俺は教師で、最上は生徒で…最上ほど真面目な生徒がそんなこと…。

グルグルと頭の中で考えを巡らせていると、キョーコは何かをぽつりと呟いた。
だけど完全に音にならなかったその声は蓮にも聞き取れなかった。

「最上…?」

キョーコはハッとして唇を噛み締めると小さい声で答えた。

「私は、、、ショーちゃん…のお嫁さんになるんだもん。」

どこか自分へ言い聞かせるようにキョーコが言葉にする。
蓮は呆然と目を見開いた。

「ショー…ちゃん?」

寝耳に水だ。いや、そう言えば昔キョーコと出会った頃にそんな話をしていたような気がする。
蓮はキョーコには黙っていたが、キョーコが6歳くらいの時に何度か一緒に遊んだことがあるのだ。

今はショーちゃんの影はキョーコの側に見えなくてその存在すら忘れてしまっていた。

「お世話になってる旅館の跡取り息子です。高校卒業したらショーちゃんと結婚して女将になる約束なんです。」

ーーーショーちゃん…のお嫁さんになるのが…夢…?

蓮はショックだった。
ショックのあまり、思考が固まる。

「…い、先生?先生!!」

ハッとして顔を上げると、キョーコが心配そうに覗き込んでいて、その顔の近さにどくりと心臓が跳ねる。

「え…あ…。そう…か…」

「はい。」

「そのショーちゃんっていうのは、どこの高校に…?」

キョーコは諦めたように小さくため息を吐いた。

「ショーちゃんは…中学卒業と同時にミュージシャンになるって言って家を飛び出して…今東京に行ってます。」

「そう…なんだ。」

「私にはショーちゃんのお嫁さんになるって道しか残されてないのに…ショーちゃんは自由奔放で…まぁ私がショーちゃんと籍だけ入れて女将を継げば女将さんは満足みたいですけど…」

蓮はそれを聞いてふと気付いたことがあった。

「それならお嫁さんじゃなくて松乃園の女将って書けば良かったんじゃないか…?」

蓮の言葉に、キョーコは辛そうにギュッとスカートの裾を握り締めた。
唇を噛むその姿に蓮は何かキョーコが隠していることを悟った。

「最上…?」

キョーコは迷ったような素振りを見せたのち、深呼吸して言葉を探すようにポツリと声を零した。

「自分の…」

「うん…。」

蓮はキョーコが話しやすいように相槌を打つ。
迷っていることや悩んでることがあるなら溜め込まず吐き出して欲しい。
そして何か力になれることがなるなら全力を尽くす。そう心に誓って辛抱強く耳を傾ける。

「自分の、気持ちが…わからなくて…」

「気持ち…?」

コクリとキョーコは頷き、また言葉を噤んでしまった。

「話して。どんな気持ち…?」

「ショー…ちゃんが、好きだったはずなのに…。」

「……うん…。」

「とても気になる人が…いるんです。」

頬を染めて恥ずかしそうに言うキョーコのその恋する乙女の姿に、蓮は驚いて目を見開いた。

「え…」

心が冷えて行く。夜が近づいているからか喉がカラカラに渇いて来た。
心の中に黒い渦が湧き上がる。
キョーコにこんな表情をさせる誰かに嫉妬で狂いそうになる。

「誰…?」

自分でも驚くほど低い声で問いかけていた。

「…わかりません。」

キョーコは少し間をおいて寂しそうに首を振った。

「でも、私の相手はショーちゃんって決まっているから…」

キョーコの言葉に蓮はハッとした。
辛そうなでもどこか諦めたようなキョーコの顔。
胸が張り裂けそうなこの想いを、もしかしたらキョーコも内に秘めているのかもしれないと思うとそれが苦しくてたまらない。

「女将さんからも期待されちゃって…帰ったら毎日のように女将修行です。」

平気な振りして笑っている彼女が痛々しい。
そう言えば最近、ぼうっと外を見ている姿を良く見かけた気がする。
それはその人を想っていたのかもしれない。だとするとーーー。

「最上、もしかしてその…この“お嫁さん”って言うのは…」

キョーコはふっと顔を陰らせて寂しそうに笑った。

「…内緒ですよ?」

それがキョーコの答えだった。
キョーコは話は終わりとばかりに明るい声を出して立ち上がった。

「さぁ!先生、そろそろ私、帰らないと。今日はお茶の稽古の日なの…。」

鞄を掴み、肩にかけた。

「先生、さようなら。お時間割いてくださってありがとうございました!」

「最上っ!」

立ち去りかけたキョーコの腕を蓮は慌てて取った。
キョーコは驚いて蓮を見た。

「先生…?」

不思議そうに見上げてくるキョーコに気付けば蓮は唇を重ねていた。

「っ!?!?」

驚いたキョーコは机にぶつかりガタガタと音を立てた。
ギュッと目を瞑ったキョーコが渾身の力で蓮を突き飛ばした。

キョーコは唇を手で覆って震えながら涙を溜めた潤んだ目で蓮を見つめた。
恥ずかしさと驚きからか頬は真っ赤に染まり、つい蓮はそれに見惚れてしまった。

ふるふると震えるその姿にハッとして謝罪の言葉を蓮が口にしようとした瞬間、キョーコはその場を逃げるように走り去った。

残された蓮はその場で己のやらかしてしまった失態に気付いて、暫く頭を抱えていたのだった。



「蓮?!何してんだ!こんなところで…!もうすぐ月の光が強まるぞ!」

「社…さん…?もう、そんな時間ですか?」

「そんな時間だよ!早く帰れ!まだ女子高生達が外の蓮の車の前にうようよいるぞ!お前の荷物は後で持って帰ってやるから!」

「すみません。社さん、お願いします。」

蓮は慌てて進路指導室を後にした。
腕に嵌めている時計を確認する。

「マズイな…」

表向きは普通の時計だが、能力を使えば月の力が強まり本来の姿に戻る時間までの残り時間が確認できる特殊な時計なのだ。

「あと8分…」

ーーーマズイ。八重歯が少し伸びて来てる!

車の前に沢山の女生徒達。

「あー!蓮先生!!」

「先生ー!」

姿を見せれば一斉に取り囲まれた。

「ねえねえこれからカラオケ行かない?」

「カラオケ?ダメだろう。寄り道せずに真っ直ぐお家に帰りなさい。」

「えー!先生いっつもそれ!」

「当たり前だろう?制服姿で夜ウロウロするんじゃない。」

「じゃあ送って!!先生の車に乗せてー!」

「ダメだ。そして悪い。ちょっとこのあと急ぎの用があるんだ。」

「えー!!先生彼女とデート?!」

「ええー!先生やっぱり彼女がいるの?!」

ーーーマズイ本当に力が満ち溢れてくる。

「違うよ。大学の仲間と飲みに行くんだ。」

「先生ー!飲みに行くのに運転したらダメだよー!」

ーーーうん。最もだな。確かにそれはそうだ。ってそうじゃなくて本当にマズイ…なんで今日に限ってこんなにしつこいんだ!

「じゃ、そう言うことだから…」

強引に車に乗り込み慌ててエンジンをかけ、アクセルを踏み込む。

ーーー血ガ…血ガ欲シイ…

蓮の中でザワザワと暗い闇を抱えた渇望が頭をもたげた。
校門を出て車を真っ直ぐ自分の住む家に向けて走らせる。

ーーー足リナイ…。足リナイ…欲シイ…アノ娘ノ…アノ娘ノ、血ガ…!

蓮の喉がカラカラに乾く。
ガクガクと身体が震え始め、蓮は堪らず脇道に寄せて車を止めた。

目の前がグルグルと回り始める。
蓮は車のハンドルに両手でもたれかかった。
閉じた視界の中、次々と目まぐるしく勝手に変わる景色は、アノ娘…つまり最上キョーコが居る場所を探すように高速で動く。
景色が次々と飛ぶように過ぎていく。

そして、蓮がハッとして顔を上げた時、その姿は今までの黒髪黒目の蓮とは全く容姿が変わっていた。
八重歯が伸び、流れるような輝く金髪、見開かれた目は、深い碧色の中に様々な色をのせた不思議な煌きを発していた。
ハッ…ハッ…ハッ…と短い息をして酷い胸騒ぎを落ち着かせる。

「キョーコ…!」

蓮の額には汗が浮き上がり、その顔色は真っ青だった。
最後に流れ込んできた映像。
それが今起こってるとしたら…!
慌てて方角を確認する。

クンと鼻を鳴らして、キョーコのいる方角に身体の向きを定めると、蓮…否、ヴァンパイア一族のクオンは、能力を完全に開放し、迷いなく地面を踏み込みジャンプした。


満月が照らすあかりの元、こうしてクオンは車をこの場に残して月を求めるように飛び去ったのだった。

(続く)


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*****

お久しぶりです。風月です。

おやおや、キョーコちゃんの身に一体何が?!なんて思いながら、思いつくままに書いております。
10月になったから、ずっと描きたかったヴァンパイアの続きに手をつけてみました♪
楽しみにして下さってた方も多いのに、ずっと放置しててごめんなさい!

この続きは、どうなるかはまだ未定で風月にもわかりませぬ。

どこまで続けられるかはわかりませんがぼちぼち楽しみながら書いていく予定です。
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Author:風月
こんにちは。風月のスキビだよりへようこそ。
初めての方は、まずはブログ内の、「はじめまして。」からご覧ください(*^^*)

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